広島自治体問題研究所
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広島県の監査事務の実態 1

 (2023/03/13)
  はじめに
 広島県は湯崎知事になり、一層の新自由主義が進んで、国の役割、地方自治体の役割の根冠にある、国民の生活・福祉の向上と言う言葉を重要視しくなくなりました。
 このような地方自治体の実態の進展に対し、広島県民の生活の順位がかなり遅れていることが特徴づけられています。
 しかしこのような行政に目を付け県民生活向上を要請するべき監査事務の役割はどうなっているのか、よく学んでいませんでした。
 常識的なことから学んでいきましょう。
1.監査委員制度って、いつからできたの?
 第二次世界大戦後、地方自治制度は全面的に改正されます。それまでの国の一元的な指揮統制のもとでの運営から、ある程度の国の監督を受けながらも、住民自身が責任を持って運営していく仕組みに改められたのです。昭和21年、首長(都道府県知事や市町村長)から独立した立場で、執行機関の監査に専門的にあたる機関として、はじめて「監査委員」制度が設けられました。以来、数度の制度改正により役割・権限を強化しながらも、住民の皆さんの公益を守り、公正な行政を保障するため、自治体の事務のありかたを日々見つめています。
2.監査委員って、どんなことをするの?
「監査」とは、あるものごとについて、それが一定の基準(守るべき決まりごと、理想的なありかた)にそむいていないかどうかを調べ、その結果を関係するひとに知らせることを言います。
(たとえば、一定の規模の会社は決算書類等が法令、企業会計基準などに違反していないかどうかの監査を受け、株主などに報告することが義務付けられています。)
自治体は、住民の皆さんに行政サービスを提供するために、公金をはじめとする様々な資産を保有しています。いわば「住民全体の共有財産」を預っているわけですから、その管理、運用は常に正確で、効率的なものでなければなりません。
 もしこれらが違法な、好ましくない扱われかたをしていたとしたら、それは住民全体にとって大きな損害となります。
〇自治体に置かれる監査委員は、自治体の主として財務に関する事務について、法令に違反していないか、効率的に行われているかを監査し、その結果を住民に広く知らせています。
監査委員がどのような監査を実施しなければならないかは、地方自治法に規定されています。
○ 監査委員の服務
 ・監査委員は、その職務を遂行するに当たつては、常に公正不偏の態度を保持して、監査をしなければならない。(法§198の3@)
 ・監査委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。(法§198の3A
〇監査委員って、何人いるの?
 監査委員の定数は、都道府県及び人口25万人以上の市は「4人」、それ以外の自治体では「2人」とされていますが、条例で増加させることができます。
 監査委員は、ひとりひとりが自らの判断のもとに独立して職務を行います。(これを「独任制」といいます。選挙管理委員会や教育委員会のように「監査委員会」といわないのはこのためです。)ただし、監査の結果に関する報告の決定など、重要とみなされる事項については、監査委員の合議により決定することとされています。
〇監査委員って、どうやって決まるの?
 自治体の首長が、議会の同意を得て監査委員を選任します。
選任は首長が行いますが、権限は首長から独立しており、自治体の内部にあって他の執行機関から独立した立場で職務を行います。
選任の経緯から、次の二つに分けられます。
 ・識見(しきけん)監査委員
人格が高潔で、地方自治体の財務管理、事業管理及び行政運営について優れた識見を持っていると認められる者を選任します。なお、識見監査委員を2人置く場合、少なくとも1人はその市の職員でなかった者でなければなりません。
 任期は4年です。なお、都道府県及び人口25万人以上の市の場合、識見監査委員のうち少なくとも1人を、常勤としなければなりません。
また、識見監査委員のうち1人を、監査委員に関する庶務等を担当する「代表監査委員」としなければなりません。(「代表」といっても、監査委員は独任制の機関のため、代表監査委員が、監査委員を対外的に代表するわけではありません。)
・議員選出監査委員
自治体の議会の議員からも、監査委員を選任します。
任期は、議員の任期によります。(議員たる地位を失った場合、当然にその地位を失います。)
 

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