広島自治体問題研究所
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広島市政白書を読みましょう。NO4

 (2019/01/10)
 
第1次市政白書の表紙
 この項は、子どもの医療費補助制度問題と、福祉事業現場での課題、広島市の教育の現状と、子どもの成長を責任持って行う教育のあり方を、専門家、労働組合関係者、教師という立場から論じられています。

V.福祉・医療・介護 その2

7.こども医療費補助制度
  今回の広島市の子ども医療費補助制度の改定問題は何かと問う場合、「本来子どもは社会の宝物として、健康で成長を遂げさせる責任は、社会全体で行うことで、子どもの家庭の所得格で格差を作ることはない」が原則ではないでしょうか。このような話をすることが、現代では、対話にならない理想となっています。
 こどもの重度障害者の医療費の無料化を求める連絡会の活動を通じて、現行の制度を少しでも改善させていく努力が行われてきました。しかし、今回の改定で、制度の問題点を5項目挙げて、その実態を、皆さんに検証を訴えています。
 @所得格差の問題、A広島市行政の立ち遅れの実態、B既得補助者の排除、C県との連携の欠如、D発達障害児にとっては負担増になる制度、
 を指摘しています。
 この制度は、調査で、「新設された所得区分層で、窓口支払いが増えたことを理由にした受診控えが約2割となっています。また医療機関でも、約4割が所得制限をなくすべき」と、回答が寄せられています。
 筆者は、今回の制度を保護者だけでなく、医療機関を含め混乱をもたらす欠陥制度として早期改定を訴えています。
子どもの貧困が深刻化しているにも関わらず、防波堤の役割を放棄し、社会保障形骸化の片棒を担ぐ広島市の姿勢に批判は強まっています。
  参照:https://www.medwatch.jp/?p=21391

8.福祉施設と相いれない指定管理者制度
 指定管理者制度問題については、この白書でも多く語られています。今回は、広島市社会福祉事業団労働組合の方から投稿して頂きました。
 この制度成立の前に、2002年8月、厚生労働省通知「社会福祉事業団等の設立及び運営の基準の取り扱いについて」によって、「昭和46年7月16日付け厚生省通知」(46通知)、で制度運用の見直しが行われました。
 その1年後に、指定管理者制度が実施され、多くの問題が生まれてきたのですが、次の2点ほど指摘しています。
 第1は、「管理経費の縮減」がかなり高い評価得点となっていること、第2は、専門性の蓄積を困難にする制度だ、という問題点をあげています。
 では、広島市ではどのようになっているのか追ってみましょう。
 広島市は、2005年3月に「指定管理者制度導入等の基本方針」を公表しました。その後、市民の眼を気にして変更を行い、指定管理者の公募から非公募で行う施設を作りました。
 しかしながら、広島市当局は、「質の高いサービスが、より低廉なコストで、できるだけ多くの人に効果的・効率的に提供されるように」、という考えでの運営ですので、人件費抑制に繋がって、不安定雇用を一層広げることに繋がっています。
 そして、「福祉は権利」という、憲法25条の考えが空洞化され、「社会福祉事業」そのものの存続を、脅かすものにつながりかねない状況となっています。
 これに対しては、国や地方自治体が責任を持って、より実態にあった最低限度の保障ラインを作り、財政的な保障を行っていく必要がある、と提案されています。
 建物は制度と考えると、土台が沈下すれば、どんないい建材を使おうが、建物(制度)は沈み傾きます
参照:https://www.jichiroren.jp/dd/%e5%ae%9a%e7%ae%a1%e7%90%86%e8%80%85%e5%88%b6%e5%ba%a6%e3%81%ab%e9%96%a2%e3%81%99%e3%82%8b%e7%b7%8f%e5%8b%99%e7%9c%81%e9%80%9a%e7%9f%a5%e3%82%92%e6%ad%93%e8%bf%8e%e3%81%97%e3%80%81%e5%bb%83%e6%ad%a2/

W.すべての子どもの成長を保障する学校づくりを
 広島市には、小学校が、147校、教師が3,566人、児童数が67,166人います。(2016年度)この実態をどう分析するか、提案はどのようなものなのか。読んでみましょう。

(1) ゆきとどいた教育の実現を求めて
 ここでは、@就学援助、A少人数教育、B学校給食、C特別支援学校(学級)、の分野から、広島市教育現場の実態を明らかにしています。
 それぞれの問題として、
・広島市の就学援助認定率は3割前後で、依然として高止まり状態が続いており、貧困と格差の広がりは深刻になっている。
・教育行政で、中学2・3年生の少人数学級は実現されず、プラン策定後10年を経過した2018年度になっても、「第U期」は策定されないままになっている。
・昨年五日市で行った大規模給食調理工場による給食センターの民間業者には、学校給食に必要なノウハウがないことが明らかとなった、にもかかわらず、この運営形態を、全市に拡大を模索している。
・日本一過密な特別支援学校となった広島市立広島特別支援学校は、特別支援学校の設置基準をきちんと策定せず、一教室をパーティションで区切って使うなど、劣悪である。
 と、指摘し、改善を訴えています。
参照:http://www.zenkyo.biz/modules/paper_doc/top.php?category_id=1

 (2) 管理と画一化の教育政策に抗して
 学校における主体は子どもたちですが、広島市はどのような学校の管理運営の基本を持っているのでしょうか。
 ここでは、@子どもの管理、A「特別の教科 道徳」、B画一化の教育政策の、3点から論じています。
 それぞれの項目の問題点として、
・一律に罰則等が運用される(ゼロトレランス)、・子どもたちの内心の自由に関わることを評価、・「ひろしま型カリキュラム」教育施策 の課題が掲げられています。
 子どもたちの意見が聞きたいものです。

(3) 学校現場の長時間過密労働の解消を求めて
 聖職者、学校の先生の労働環境はどうなっているのでしょうか、マスコミなどから流れてきた課題に対して、先生からコメントがあげられています。
 教育の現場に立つ人間として、生活しながら、基本的人権がなおざりになっていないでしょうか。改めて次の点を読んで、いっしょに改善していくため理解してください。
 @広島市への事務・権限移譲、A「学校における働き方改革」、B部活動、Cパワハラ問題、D教職員確保問題が取り上げられています。
 身近な先生の声に耳を澄ませて聞きましょう。
参照:http://www.zenkyo.biz/pdf/171122teigen.pdf

広島市教委には、子どもにとって最大の教育条件とも言える教職員が足りない現状を正面から捉え、定数内臨採の解消と教職員の確保を行う責任があります。
 

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