広島自治体問題研究所
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広島市政白書を読みましょう。NO5 

 (2019/01/30)
 
X.文化・社会教育
 広島市の外郭団体である、公民館、図書館、動植物園について、そこで働く職員の人たちからの声を載せています。広島市の行政運営の特徴である、正規職員では定数を超えると言うことで、外郭団体に行政業務を負わす仕組みで、嘱託員などに身分を隠し、公務を負わしていたのですが、指定管理者制度を適用することで、独立した団体として、経費の安上がりを策されて存続しています。市民にとっては、社会教育、生涯教育、レクレーションの場として、かくことのできない施設を担っています。これらの現場から、市民の方々への声を聞いてください。
 1.公民館で地域住民とともに学ぶ
   広島市には、公民館が70館(2016年度)各区の一定区域内の住民のために、設立されてきました。この目的とは、社会教育施設として、法律に基づいて近年まで、教育委員会の管轄で、行われていました。このような広島市の公民館の歴史には、1994年アジア競技大会の時の公民館での諸国の歓迎を地域で行う立派な活動がありました。その運営形態の変編には、 2006年、公民館に指定管理者制度を導入、2018年8月現在、ひと・まちネットワーク部に配置され、公民館では職員数292人。市からの派遣職員13人、併任職員16人、専門員(嘱託)は93人にのぼり、所官が、市民局生涯学習課になりました。このような変化の中で職員構成が、本来の一覧表にある職務が全うできるのか懸念されています。
 私達市民にとっての、生涯学習の場、地域コミュニティーの創造の館について、その職員の質と向上がなければいけません、目を見張っていきましょう。
 公民館が教育委員会から市長部局へ移管され、行政手続の窓口とされたり、行政の単なる下請け機関とされていることは歴史的経緯からとても危ういことだと思います。

2.地域を支える情報拠点としての図書館の役割
 今日、図書館が民間に売られ、営業の場として、はやっているとかの報道がありますが、広島市の図書館(11館13施設)はどのようになっているのでしょうか。
 広島の図書館の種類は、中央図書館、子ども図書館、漫画図書館、各区図書館があります。これら図書館利用の市民の入館者数は、2017年度約308万人、貸出本数約512万冊、全蔵書数は約213万冊、資料収集・保存を行い、職員数は124人で、そのうち非常勤職員は70人です。
 今後の図書館の課題として、公共図書館は、資料・情報の宝庫であり、その提供を通じて、人々の基本的人権の一つである「知る自由」を保障し、市民の学習を支える生涯学習社会の中核的施設として、重要な位置を占めています。
 市民の知的活動を、金銭ではなくすべての人に配布する、図書館機能を高めていきます。現在図書館利用者の数が減っています、皆さん一緒に、図書館で学んでみましょう。
 中央図書館は、1974年の開館から43年が経過し、建物の老朽化が深刻な状態です。

3.動植物公園や昆虫館は、生きものたちが主役
 広島市の動物公園は、1971年9月1日に開園しまし、約150種1,650点の動物を飼育、植物園は1976年11月3日に開園、18.3haの園内には、約1万品種約20万本の植物を栽培し、森林公園昆虫館は、1989年11月に開園した、中国・四国地方で昆虫を展示・解説する唯一の施設で、10種500頭以上のチョウが飛び交っています。
  これら施設は、多くの市民に親しまれた施設です。各施設とも基本的な役割・活動として、レクリエーション、社会教育、自然保護、調査・研究を行っています。それぞれの特徴的な生きものは、オオサンョウウオ、ヤチシャジン、ミヤジマトンボが挙げられていますが、この生き物たちを、市民誰もが見るための工夫は、ここで働く職員の質の向上で生んできました。
 しかし、指定管理者制度という制度は、これら動植物の飼料代を削っているようです。職員に対しても、市は賃金カットを迫り、その余った予算は、市に返還させています。利用される市民の皆さんに気持ちよく過ごしてもらうには、職員も気持ちよく勤務する環境が必要だと思います。
 各施設の現状と役割について、改めて私たちが、どう向き合うべきなのか、生き物と毎日相対する職員の方々の悩みについて、何が出来るか探ってください。動植物体から見た、広島市民は、どのような市民だと思われているのでしょうか。
 幸せな空間を訪れた利用者が観覧して喜び、生命の輝きに感動するような施設にしていかなければなりません。

Y.平和行政
  広島市は、ヒロシマとして世界にとどろく地名であり、原爆の被災地としての関心が高く世界遺産の被爆ドームを管理し、核兵器廃絶の活動の先頭に立っています。が、その行政の実態はどうなっているのでしょうか。最近の出来事をぶつけながら考えてみましょう。
1.平和都市の観光行政へ  ―「かき船かなわ」を問う―
 原爆ドーム及び平和記念公園周辺地区は、戦争の負の遺産としてアウシュビッツと共に世界遺産に登録されています(1996年)。この点を改めて確認してください。
 しかし、平和公園周辺地域の景観は原爆ドームのバッファゾーンとしての性格を失いつつあります。広島原爆ドームが、世界遺産になってそのバッファゾーンは世界から、その管理責任を負っているのですが、しかし、この数年間このバッファゾーンの管理は、観光という名で脅かされています。
 2014年11月27日、広島市長は料亭船「かき船かなわ」を元安橋たもとの河川内に移設することを公表して以来、市民には黒塗りの公開書面を出すなど、市民の声を聞かない、不明確な手段で船の設置が行われ、酒宴が催される事態になっています。
 日本イコモス国内委員会は、広島市長宛の懸念表明を公表しました(2015年1月29日)が、広島市は全くこれに答えていません。この実態について強く怒りを燃やし、裁判まで行っている、かき船を考える会の方からのレポートです。松井行政の、平和に対する基本姿勢を鋭く問うことが行われています。
一昨年から灯ろう流しの8月6日の夜に「かき船かなわ」は移転先で深夜まで営業をしています。原爆ドームの側で、ビール片手に川面を流れゆく灯ろうを見ることが、かき船かなわの言う平和の発信なのでしょうか。この事態を知る市民は非常に不愉快に感じています。

2.松井市政にみる平和の発信とは
  筆者は、広島市の都市像は「国際平和文化都市」で、その基本構想は、広島市の姿は、広島平和記念都市建設法の「恒久の平和を誠実に実現しようとする理想の象徴」としての「平和都市」だと述べています。
 この原点に私たち広島市民は戻ってみましょう。大きなことが行われて今日があることに気付きます。
 また、 2011年から、松井市長による平和宣言がはじまりましたが、ここで述べられてきた、平和宣言の中身について、検証しています。広島市民の代表として、核兵器の廃絶に対する言及は、世界の人が見ています。
 特に、平和首長会議は、1982年6月24日、第2回国連軍縮特別総会において、荒木武広島市長(当時)が「核兵器廃絶に向けての都市連携推進計画」を提唱し、広島・長崎両市長から世界各国の市長あてにこの計画への賛同を求め、設立されたものです。 現在、平和首長会議に加盟する都市数は163カ国・7,614都市[うち国内の加盟都市数は1,728都市(2018年7月1日現在)]となっています。
 被爆者団体の活動で、世界の核兵器禁止運動は、核兵器を悪だとする世界決議が出されると言う大きな変化が生まれました。広島・長崎の被爆者・広島市長は、その先頭に立って世界に訴えてきたはずです。が、松井市長自らの言動を振り返るとどうなのか、改めて広島市長としての資質が問われる行動が浮かび上がりました、私達も確認していきましょう。
 広島平和記念都市建設法の「恒久の平和を誠実に実現しようとする理想の象徴」としての「平和都市」を印象付ける都市建設
 

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