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目次 事務局として気になった記事にコメントを載せます。一緒に読み合わせしましょう.。あなたの感想や意見もお寄せください。 ●特集● 保育の質の担保と待機児童ゼロ 2015年4月に、「子ども・子育て支援新制度」が始まり5年目を迎え、資格を必要としない事業、保育の質の向上を目指さない、財源の根本問題など、保育事業が公の責任で安定的に行える環境が崩されています。 •政府・自治体が進める保育制度「改革」の全体像と対抗軸 中山 徹 保育所の変豹を進めるベクトルとして、1.新制度と地方行革、2.無償化。3.民営化、統廃合,4.待機児童対策、5.子育て支援の財源を消費税で確保 を挙げ、これらが関連しながら大きく変豹しています。また、7つの具体的な改革案を挙げ改善の道筋を述べています。また、無償化の問題で、育児休暇の拡充が全く検討されていません。女性の就労と育児の両立をさまざまな価値観を実現させる多様な制度の構築が求められていますね。 •待機児童解消と規制緩和 逆井直紀 待機児童が減らない原因、時代の変化の趨勢を述べています。児童福祉法24条に規定された公的に保育を保障する仕組みが機能していないのです。2002年小泉内閣から取り組まれてきたこの対策が、規制緩和という新自由主義的な政策潮流に乗せられたためなのです。また、2001年東京都の政策、認証保育所制度は、園庭のない保育所、保育環境の悪化を指摘する声はあるものの、補助金を使っての民間事業化の誘導策となっていますが、保育士の処遇悪化へと結びついてきました。新制度は、保育を受ける場所を拡大し、幼稚園の変質が図られましたが、その拡大は進んでいません。それ以上に認可促進事業が提起され、補助事業の適応で、民間参入を促進し、企業主導型保育を伸ばし、保育条件を問うことなく認可外施設を「公認化」しようとしています。このことは、子どもの権利条約の拡大や、豊かな保育条件を確保し、質の高い保育を求める運動に大きく繋がることを望みます。 •保育無償化政策により子育て世帯に生じる問題 田中智子 今回の保育無償化の狙いが、政府が考える社会に役立つ「人材への投資」と「労働力の確保」であり、大人たちを最大限に労働市場へと引き出そうとしている思惑が垣間見えます。また、この政策による3つの分断、子どもたち間での分断、子育て家庭の間の分断、保護者と保育者の分断があることを指摘しています。そもそも、『保育園は誰のもの?』で、『保育園は、子どもが健やかに育つために必要とするもの、親が安心して生活し子育てをするために必要とするもの、社会が次世代を育み持続可能になるために必要とするもの』ということが、大切なのではないでしょうか。この根本をかなぐり捨てて、今回の無償化は出されています。 •保育士不足の背景と処遇改善 −北海道道北地域の保育者調査から− 小尾晴美 一北海道北地域での保育士の労働実態の報告ではありますが、多くの地方での保育士の実態を挙げていると思います。低い賃金水準、労働時間・休暇とワーク・ライフ・バランスなど具体的に述べられています。保育士の処遇改善の必要性は、労働基準関係法違反で明らかにされていますが、国による「公定価格」の低さの是正がまず必要ではないでしょうか。 •公立保育所を存続させた大山崎町の取り組み −町長を替えた、行政を変えた− 近藤哲子 京都府下の町で、公立保育所を民間へ移行させるため、その場所を学童保育所に求め移動させた。とは、この街の為政者の、子どもの施策に対する感覚が問題でした。保育所の保護者と学童保育の保護者の連携が述べられていますが、この点を参考にすると、一緒に選対を作って町長選挙を戦っています。また、学童保育関係者の歴史的活動が垣間見られました。これからが大変でしょうが、協力していってもらいたいものです。 「大阪都構想」による財政危機 −都構想・万博・カジノ─ 森 裕之 この10年間、大阪維新の会の大阪府・市の二重行政に対する奇弁が書かれています。維新政治による民間化の進展が、今後の財政危機を生みだし、これからの府財政が心配だと思います。維新が掲げる、カジノ・大阪万博などの政策に伴う実態について述べられていますが、大阪万博参加者の数を途方もない値を挙げ計算するなど、うそのツキまくりを続けており、大阪府民の方々が惑わされていることに早く気付いてほしいものです。 •第9次地方分権一括法案の問題点 長澤成次 基本的な社会教育施設が教育委員会から一般行政、首長所管へ移管が決められる法案が成立したのです。このことは、戦前の国家主義的・軍国主義的教育を深く反省し、人権としての教育権・学習権を守るべき教育委員会を否定するものとなっているようです。早期に学習しましょう。 •統計偽装問題の核心と揺らぐ信頼 福島利夫 今回の統計調査のずさんさは、日本の公務員問題と連動して、花の部門以外の切り捨て削減が、ついに国家の基幹統計にまで及んで、時の安部内閣府の恣意により改変されたことを明らかにしています。提案されているように、統計行政の貧困を打開する根本的な方法は、統計行政を一元化して中央統計局のもとに集約することですか。・・ •会計年度任用職員制度 山縣宏寿 まず確認しておきたいことは、日本における公務員比率と公務員給与比率が、OECD各国と比べて異常に低い位置にあり、公共サービスが誰によって賄われるかの問題を呼び込んでいる点です。この様な中、会計年度任用職員制度が2020年に導入されますが、この制度の特徴を、非正規と正規とを画する融通無碍と言わざるを得ない尺度、その帰結としての曖昧模糊とした非正規の概念である、と記されています。また「常時勤務を要する職」の会計年度任用職員制度への置換を提案していますが、これを指導する主体が早く見つかることが重要です。 ●連載● •おんなのRun 内なる優生思想を問いつづけて 後藤由美子 冒頭、「優生思想は、社会と個人の内面に深い断層と闇を作り、それを恐れる個々人・集団を囲い込む差別支配を支える「神話」といえます」と述べています。この言葉の持つ奥深さを被爆福島の現実で紹介されています。 @NEWS 住民のいのちと暮らしを守る「原発再稼働阻止」の自治体づくり 島田修一 再稼働阻止の運動を、『主役は市民』「学びを通じて仲間を増やそう」との呼びかけ起こし、住民自治として位置づけ、「市民と共に」から「市民が共に」に実践されてきました。まさに新しい質を持った市民運動の立ち向かいを述べています。 •子どもの未来図 第2回 貧困と虐待の相関関係 浅井春夫 子どもの貧困の現実について各種数値を挙げて実態を明らかにしています。その中で、シングルマザーとシングルファーザーの方々の非正規雇用の割合が、43.8%と6.4%と格差が出ています。女性の社会的差別が生む貧困化を断じて許してはいけないと思います。この親に直結する子どもの貧困を、生んでいる社会制度の改革を急ぐべきです。 •世田谷区公契約条例 公契約条例で住みたいまちへ、働きたいまちへ 第2回 アクターの連携による共通認識の形成 中村重 公契約条例制定が、どのような過程で制定されてきたかを見ています。新自由主義との戦いとみて、労働組合が連携して行政に働きかけ、懇談会を成長させ、持続的に見守る体制を作ることが、この条例の進化を生みます。しかしトップダウンで、首長の意向で作られる例が多いようです。賃金水準の確保という点で、契約のおりの付け加えや、施工体制の適正化を図るなどの文句で、職員の賃金確保を図っている事例も紹介されています。 •ほけん詩の広場 D保健師と地域医療連携の推進 松島美穂 県型保健師の役割が述べられています。多機関・多職種者との連携を行い、目的を共有し、同じ方向に向かってそれぞれの立場から専門性を発揮することで、支援や取り組みの質が何十倍にも高まります。このことが出来るのも日々ニーズや地域の声を受け取る技術があってのこと、2025年問題をよろしくお願いします。 •おいでよ38 湯川村 三澤豊隆 •史跡さんぽ㊼ •編集後記
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