広島自治体問題研究所
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2020年4月号 読者ノート

 (2020/03/18)
 

目次
  事務局として気になった記事にコメントを載せます。一緒に読み合わせしましょう。あなたの感想や意見もお寄せください。コロナ対策は公衆衛生の普及から、
●特集● 児童相談所がんばれ!
  今の日本社会での子どもの虐待のひどさには、みなさん心を悲しませるものがあると思います。資本主義社会の中で、弱者がどのようになっているのか、日本の安倍内閣はこのことに、何ら改善のめどを立てようとしていません。現在頑張っている方々の意見を聞きましょう。
•児童相談所における子ども虐待対応の現状と課題 (川松 亮)
 今回子どもの虐待問題の実態と児童相談所の在り方について、大きな課題があることが述べられています。子どもを保護育成する親の問題から発生する虐待問題と本来子どもの発達に対する相談内容とでは大きな性格が違うことが述べられています。また児童相談員の職員の体制についても、日本社会の貧困さを、イギリスとの比較から述べられており、厚生省が画一的に発する施策が、現場の実態とかけ離れたものであるということが指摘されています。
 児童相談員の専門性を培うには10年という経験が必要であるにもかかわらず、職場実態は3年間での交代にならざるを得ないほど、厳しさがあると。ソーシャルワーカー力の蓄積を、地域社会と連動した形で培うことを提案されています。一ケースワーカーが平均155.2ケースを担当するなど、改めて私たちは知るべきです。イギリスが約16.8ケースと言います。
 これからの子どもの問題は、社会が大きくずれていく中で、ますます違った課題になると恐れています。大きく耳を広げてみて、よく学び合いましょう。また同じようなことが保育園の保育士も関わっています。

•座談会 何が課題? どう改革する? 児童相談所問題 ─野田市の心愛さん死亡事件の二つの報告を踏まえて (浅井春夫・小宮純一・仙田富久・畑井田泰司)
 児童相談所の在り方について本当に課題が多くあり、子どもに接する大人社会の在り方がどう作用しているのでしょうか。この課題での現行の児童相談所の方々は、野田市の心愛さんの死亡とこれに関わる児相のあり方に本当に回答を出してください。マスコミの方々の意見を聞きながら、実務者の方との格差を感じました。本当に今日県・市の連携がなっていないのでしょうか。
•一時保護所─その現状と課題─ (樋口真理)
  一時保護所とは、「一時」的であるのが望ましいが、現状では保護所内に分校並みの教員を配置することが必要かと思うほど滞在日数が多くなっているようです。ここでは子どもの権利は、十分な保証はなく、大人の都合なのです。このような現状を改革するため頑張っておられる方からの実情報告であり、敬意を表したいと思います。
  一時保護所の役割は、ガイドラインから、「緊急保護」「アセスメント保護」「短期入所指導」があります。世の中の変動に合わせるのなら、マンパワーや、施設整備、設置基準など多くの課題が生み出されていますが、自治体任せになっていないでしょうか。安心して次のステップに向かう力を蓄えられる場所になってほしいものです。


My Voice
Change! Yes,you can!
 (奥山眞紀子)

 今まこそ、児童相所生まれ変かわる必要があるのでしょう。まず子こどもの権利擁護の最後の砦であることに誇りを持って、業務を遂行することが最も重要です。特に、虐待対応は危機対応であり、組織の士気を高めることが欠かせません。職員に求められるのは、子どもと向き合い、どんなに小さい子どもであっても、「あなたを守りたい」という強いメッセージを伝え、「守りきる」という意識を共有することが大切です。
•地域社会とのさらに深い連携を (杉山 春)
 餓死事件での両親は、困窮の中で育ち、虐待、ネグレクトを受け社会的な力を育ててもらえなかった人たちで、子どもらのけが、発達の遅れなどをきっかけに行く詰まり、さらに経済的にも追いつめられていたのでしょう。今児相に求められているのは、地域社会とのさらに深い連携と、役割分担でしょう。上位下達では届きませんね。
•子どもの生活と権利を守り、働きがいのある職場にするために (川ア二三彦)
  何をなすべきか、児童相談所職員だけでなく、連携、連帯すべき多くの人たちとともに知恵を集める時ではないでしょうか。
•資料 ある児童福祉司の一日
 多くの手間のかかる行動が矢継ぎ早にあげられていますね。ご苦労様です。
•児童虐待を考える 本棚
 18冊の本の紹介がありました。
•子どもの貧困対策に「地域格差」 大阪府内43市町村への施策調査結果報告 (藤井伸生・堤 惇一郎)
  大阪府下の43市町村を対象に子どもの貧困調査されて、2015年に計画が策定され、2016年に調査、2019年に再調査されています。子どもの貧困に対する格差問題があげられていますが、このことでの大阪府のとらえ方でイニシアティブをとり、人的・財政的援助を含め市町村を支援していくことが必要と述べられています。
 子どもは社会で育てる、子どもの貧困は大人の貧困であり、その抜本的な解決は労働政策の改善を含む府民のくらしを支える施策の充実なくしてあり得ないと。子どもの貧困調査で明らかになった事象が図で8つ示されていますが、自治体が取り組んでいる事業の学習支援事業について、75.8%の自治体が取り組んでおり高い数値が出ています。
 が、塾産業など大手民間企業の参入が進んでいることの明しになっています。行政にまとわりつく利潤の追求が、ここにも顕著に表れており、これを活用する府政にもなっています。どう考えるべきでしょうか。

•全世代型社会保障検討会議「中間報告」を読む (芝田英昭)
 社会保障全体の今後の方向を決める検討会報告書が6月に出されるようで、自民・公明の両方からこれに向けて意見が述べられ、検討会議として中間報告が提案されています。改めて私たちもこの社会保障政策の根幹を勉強してみましょう。
 かねてより自民党政策の社会保障削り政策は批判の的になっておりますし、今回の「全ての世代が安心できる社会保障改革」に向けての中間報報告も、自民党の内容は、給付の見直しというよりも、全世代に満遍なく負担を課すことにあり、公明党の案は、現世代の負担を減らしその分を高齢世代の負担増で賄う方向を鮮明にしたものとなっています。
 私たちは社会保障制度を論じる場合、財源を無視した議論は無謀ですが、人権視点が欠落した中での改革議論も本質を見失う可能性が極めて高いことを知っています。従って個別性だけを取り上げて考えるのではなく、社会保障制度を、生活保障、人権原理から鳥瞰し全体の整合性を勘案して論じることが肝要です。社会保障財源は、応能負担原則による税や社会保険料で賄うべきであり、サービス利用時の一部負担(利用者負担、患者負担、窓口負担等)は利用抑制の謗りは免れず、人権原理からは到底受け入れられません。

•日米貿易協定と日米デジタル貿易協定の何が問題なのか (内田聖子)
 今や日本は世界の中で自由貿易を推進する先進国になっているそうです。その日本が、アメリカとの貿易協定を物品に限らす、サービス分野、デジタル商取引にまで広がる自由貿易協定を、2020年1月1日発行させています。この交渉自体、交渉前から自らのカードを示し『ウインウイン』どころか、非対称・片務的な協定を結んでいるのです。この影響が日本国内の農業・地域経済に大きな影響を及ぼしています。
 またこれらは「第一段階」のものであり今後「第二段階」交渉がいつ行わるか非常に注意しなければなりません。デジタル貿易とは、5Gの導入やAIを用いた産業ロボット、自動車の自動走行、電子マネーなどを通じた電子決済、さらにインターネットでのモノやサービスの購入などがあります。これらは米国のグーグルやアマゾン、ウーバー、中国のアリババなどに代表される企業が提供しています。
 しかし、この分野は世界中で統一されたルールがなく、米国・中国・EC・インド等新興国および途上国という四極で対立しています。この中で日本は米国に追随しています。今後、協定作りにあたっては「有害条項」として批判されている投資家対国家紛争解決(ISDS)や医薬品特許延長保護期間の延長などに対し削除・無効化し、環境(気候変動対策を含む)保護や労働者の権利保護などの条項を強化するよう働きかけることが望まれています。

●連載●
•新連載 再生可能エネルギーと環境問題 第1
回 ためされる地域の自治力 (傘木宏夫)

 各地での再生エネルギーの開発がいま大きく進もうとしていますが、この焦りが各所の環境破壊(5点が示されています)を生んでいるのでしょ。改めてこの問題の原則について、おさらいとして、現代のエネルギーの消費の在り方が浪費型で、かつ大都市部集中型であり、生産においては植民地型となっている、このまま放置しては環境破壊が必然として起こることを振り返りましょう。
 再エネの導入に際しては、個別具体に評価し、地域社会において許容できる開発の範囲で進めるべきです。

•自治体清掃はどこへゆく 第2回 清掃の仕事 (福田日輪)
 ゴミ収集は清掃部での実は本の一部ではあるがとても大事な業務なのです。戸別収集とステーション収集との違いが明らかになっています。また「ふれあい収集」という独自の収集のメリットも出ています。多様な収集方法と、直営方式委託方式の内容が身近な言葉で書かれています。
•おんなのRun81 人と人、人と社会、広島と世界をつなげる (安彦恵里香)
 広島市在住の方の発言です。真面目に社会問題を語っても浮かない場がほしいと活動を開始されています。活動的な姿が目に浮かびます。
•@NEWS 620日は「世界難民の日」 (織田朝日)
 難民問題に対する政府の政策は人権侵害になっているようです。戦争や迫害、生命の危険を恐れ、自国を離れ、他の国へ避難する人々を難民と呼びます。日本では1以下の難民認定率だそうで、これを守ることが入館の仕事のようです。ちょっとおかしいのではないでしょうか。今の世界に目を開かない日本は、大変遅れた国なのでしょうね。市民として恥ずかしい思いです。
Jつうしん
•史跡さんぽ58
 (藤原宏志)
•おいでよ49
 長野県泰阜村 (横前 明)
 人口1600人で140年間合併のない村、「都会を追随しない村づくり」がもっとうだそうです。
•編集後記


児童虐待対応の基本的な流れ
児童相談所における児童福祉士一人当たり相談件数2018年度3

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