広島自治体問題研究所
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2020年6月号 読者ノート

 (2020/05/22)
 

目次
  事務局として気になった記事にコメントを載せます。一緒に読み合わせしましょう。
あなたの感想や意見もお寄せください。コロナ感染非常事態宣言が、まだ残っています。今回コロナウイルスの感染問題で大きく『政治とは』の問いかけが行われ、体制が揺れましたね。皆さんの御体はいかがお過ごしですか。

●連続企画●「新型コロナ」から日本の社会を考える 第1回 「新型コロナ特措法」と民主主義・地方自治 (白藤博行)
 私は、今回のコロナ対策の遅れについては、オリンピック・パラリンピック開催優先の政府・都知事の動向が、3月24日まで続き「感染爆発」を抑えきれないという事態を生んだと思います。また、新型コロナ感染拡大防止対策の基本は「検査と隔離」対策にあるのに、なぜかクラスター(感染集団)」対策を重視し、検査を担うべき保健所に複雑な検査手続きを強い入りキャパシティーを超える事態を生んで危機をもたらしました。そもそも保健所数はこの30年間の「行政改革」でほぼ半数になっており、保健師など保健所職員の非正規化も顕著になっていたのです。この問題の解決を行わないといけません。
 2019年年末、既に中国発の新型コロナウイルスのヒト・ヒト感染が確認されたにもかかわらず、いわゆる「水際作戦」に失敗し、2月25日に新型コロナウイルス感染対策本部が「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」を発表し、安倍首相が、突如全国小中高校の一斉休講措置を要請し、教育現場や保護者等の混乱を生んでしまいました。雪まつりが終わった、北海道では何ら法的根拠がないにもかかわらず、外出自粛などを求める自主的な「緊急事態宣言」を出さざるを得ない状況にまで追い込まれました。その後の法適用は順次実施され、新型コロナ特措置法の成立になっています。
 この法の目的は、「新型インフルエンザ等の発生時において国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済に及ぼす影響が最小となるようにすること、とされていますが・・・。この法のモデルは、「武力攻撃事態等において、武力攻撃から国民の生命、身体及び財産を保護し、国民生活等に及ぼす影響を最小にするための措置に関する法律」(通称「国民保護法」)に倣ったものですので、この法律が持つ本質(人権侵害の恐れ)が出て、非常事態に対処する危機管理法となっていることを承知しなければならないと思います。従って、国のように、「補償なき休業要請」が出され、東京都から「国による補償はセットで」の声に押されていったのです。緊急事態宣言は、本来、もろすぎる社会の実態に目をやる「緊急事態保障宣言」であるべきです。
 このような時、もう一つのウイルス、「改憲ウイルス」を出すとは。 世界史上まれにみる公衆衛生緊急事態に対して、まずは、国民一丸となって、前例のないほどの透明で公正で民主的な政治的意思決定で望めないのでしょうか。
 ドイツ連邦首相のアンゲラ・メルケル氏のテレビ演説(3月1
8日)を見たいものです。

●特集● 豪雨災害と避難・生活再建─その現実と自治体の役割
•豪雨災害と避難・生活再建 (塩崎賢明)

  『災害が過ぎ去ってからも危機が継続し、命や健康が損なわれることを軽視してはいけない。』このことを大いに肝に銘じ対処するすべを学びましょう。関連死の実態が述べられていますが、最近増加傾向にあるようです。また避難所の雑魚寝について危険性があげられており、早急な解決が必要です。また在宅被災者扱いの問題も、市町村職員の手の届きにくい問題ですが、放置できないものです。仙台市から生まれた、災害ケースマネイジメントについて次の講義に学びましょう。また世界の先進的な技術(スフィア基準とか)について国際的な経験から学ぶとともに、国民性に対する注意も心づけていかなければいけませんね。ボランティア組織の健全育成が、きちんと行政の中に組織化されていくことが必要です。災害時に国民を守るナショナルミニマムを確保する体制は、国の常設組織として確立させ早期に立法化しましょう。
•広がる「災害ケースマネジメント」 (菅野 拓)
 災害時、異なる多様な困難は、障害・高齢・生活困難など平時の脆弱性が増幅されことから生まれます。事前の把握が必要ですね。仙台市のこのプログラムは、仮設住宅入居世帯を4分類して細やかに伴走していくようです。仙台市の組織の中に、生活再建支援室が作られていますが、常設ではないのでしょうか。またこの中で、一般社団法人パーソナルサポートセンター(PSC)の存在が気になります。長野県では当初予算案の中に、災害が起きていないのに、このようなシステムをスタートさせており、今後このような予算編成は必要であり、国の予算化も強く求められます。
•市民に寄り添う、伴走型の災害対応 20187月豪雨 岡山県総社市のとりくみ (新谷秀樹)
  自治体の職員として災害担当となり、幾年かの経験から、被災者に寄り添う行動が数々言葉として出ています。また市長の災害被災者に対する姿勢が、行政官としての職員の姿勢を押し出しています。「被災者のお宅を一件ずつ訪問し、ニーズを聞きなさい」「災害時は法律を破れ」「現場の判断に任せる」など大いに参考にしたい言葉です。「即断即決」の言葉は、被災者にとって心に響く優秀な言葉です。総社市の「大規模被災地支援条例」は、市民が大規模災害地へ支援する時に総社市が支援することを条例化しています。このような地元市民を育成しておくことが自らの災害時に役立つのですね。
•豪雨災害の教訓とハザードマップつくり (梅原 孝)
 ハザードマップ作りの経過は、市職員に依存しないで作ることが大切とのことですが、この研修作業中は、専門家の指導と、「隠さない、ごまかさない、逃げない、うそをつかない」職員との共同作業が必要です。自主防災組織育成で、防災人ライセンス取得者と協議会の結成で、伴に育ちあう組織があることを、行政は組み込むことが大切ですね。災害時に公務職員が現場に半分も参加できていないとは、行政改革の負の要素であり、職員の増加が必要であると認識するべきです。
•「避難所の景色を変える」災害関連死を防ぐ段ボールベッドの取り組み (水谷嘉浩)
 段ボールベットの災害時に導入することが今日当然のようになってきています。この効果があげられ、業者との協定書の締結も行われているようです。まさに雑魚寝からの解放をを示しています。全国に3000社もあり技術的にも差もないものとして普及されているのです。
•仮設住宅の新技術としてのムービングハウス (長坂俊成)
 もはや仮設住宅ではなく、高級住宅と同程度のものを供給できる体制づくりが、ムービングハウスを活用した、「社会的防災備蓄」へのアプローチになるとか。プレハブ設置と比べても、そん色ない経済性を示しているようです。2020年3月茨城県堺町で活用されているようです。官民協働による社会的備蓄がこれからどう進むのか、市民生活の中の公営住宅の普及との関係でも見ていきたい課題です。
•災害時のトイレ事情と課題 (加藤 篤)
 災害時のトイレ問題は命と尊厳にかかわりますが、現代は水洗トイレが普及している一方、災害時には水問題が大きく作用して、使えないことが引き起こされ健康被害に結びつきます。このため防災基本計画の中でトイレの管理ガイドラインが整備されているようです。トイレ区分も多く示されていますが、排せつは待ったなしです。災害時だからこそ安心して使用できるトイレが必要です。災害当初は避難者約50人に1基、長期化した時は約20人に1基が、災害時のトイレの確保・管理計画の早期樹立と、障害者トイレの配置も必要だということです。
•地球温暖化と台風の極端化 (寺尾 徹)
  地球温暖化が具体的にどこに現れているのといった事例として、昨年の台風15号があげられています。ここで明らかになったのが、気象庁が観測してきたこれまでに一度も見られなかったということは、再現期間があるいは100年を超える極端現象であることを意味すると注意しています。2019年台風19号は、その大量の降水量に温暖化の影響を示しています。とりわけ評価時間12時間の降水量で、極値更新が相次いだのです。地球温暖化の下で台風の強度が増加することについて研究者間では大方の合意があります。大気中の水蒸気の増加は台風の内部での水蒸気の凝結量の増加を通じて台風の強さも、降水量も増加させることになります。また日本付近の海水温の上昇が30度を超えるようになっていることも原因として挙げられます。
2050年脱炭素社会にどの程度近づいているのか─永続地帯2019年度版報告書から─ (倉阪秀史)
 2050年までに脱炭素社会にするという課題について、世界は動きだしています。このままでは2020年から2052年の間に1.5度地球の温度が上昇する可能性があり、超えると後戻りできない悪影響が発生する恐れがあるのです。この取り組みに自治体がどのように参加しているか報告されています。2012年7月に施工された固定価格買い取り制度の影響で、太陽発電の発電量が16%増加した。しかし以後の伸び率は低下にとどまっているようです。また、日本全体として再生エネ導入に向けた市町村の取り組みが停滞しています。人口規模が大きいほど再エネ目標を設定している比率が大きくなっていますが、最近は頭打ちのようです。https://www.env.go.jp/policy/01_ponti_200507.pdf
●連載●
•おんなのRun83
 幕張メッセに武器見本市はいらない (金光理恵)

 武器見本市がこの日本で開催が行われているとは?。千葉県知事が会場許可を与えているとは。このような死の商人の行動を公が認めていることを、国民に知らせなければならない。そこでの武器が即、人殺しに使われるしかないのだから。頑張ってください。
•@NEWS 東京・世田谷区 学校休業中の弁当配達と子どもの貧困 (増井賢一)
 子どもの実態調査で貧困問題が話題となり政策作りが合行われていますが、その報告を目にする機会が少ないと感じていました。二人親家族でのこのような貧困実態に対し、もっと親の教育と経済負担の軽減を行い、子どもの現在と将来がその生まれ育った環境に左右されないよう社会が見守り貧困連鎖を止めたいものです。
•再生可能エネルギーと環境問題 第3回 太陽光発電A「生活環境への影響」 (傘木宏夫)
 再生エネルギーを使って地元の産業の持続的な進展に活用しようと呼びかけられています。この問題が市民の生活環境に及ぼすことがないよう、反射光や熱、騒音、振動などについて数値で把握し、その許容範囲について議論することを導入の前提にしたいものです。
•自治体清掃はどこへゆく 第4回 清掃業務の危険 (福田日輪)
 清掃作業の中で、危険な仕事ナンバーワンが市民の持ち込みごみを受け入れた際の解体・分別作業だと言われます。この作業の進展でリサイクル社会の前進を知るとは、福田さんも専門家ですね。
Jつうしん
•自治の風─沖縄から 第2
回 ひめゆり平和祈念資料館の次世代継承とリニューアル (普天間朝佳)

 沖縄歴史資料館の一つの「ひめゆり平和祈念資料館」が30周年を迎えているとか、戦争中の女性の在り方を語り、平和への願いを込めて綴られた資料など、世代継承が大変だったと思います。多くのこのような資料館に次世代への継承の経験を語って下さい。この問題は多くの施設の課題であり、そのリニューアルな変容は見守られていることが必要ですね。
•わがまち50 徳島県上勝町 (花本 靖)
•編集後記


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(新型コロナウイルス感染症対策に関するメルケル首相のテレビ演説.docx)
22341バイト
災害時 直接死と関連死 P12

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