広島自治体問題研究所
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2020年12月号 読者ノート
 

 (2020/11/19)
 
目次 
 コロナ禍の第3波が来ています。気を付けあいましょう。
事務局として気になった記事にコメントを載せます。一緒に読み合わせしましょう。あなたの感想や意見もお寄せください

●連続企画● 「新型コロナ」から日本の社会を考える 第6回 コロナ禍で明らかになった地域医療の危機 長友薫輝
 私たちはこれまでも、そして現在でも、医療現場は「薄氷を踏む状態」で、ぎりぎりの綱渡りをしていると思っていました。コロナ禍の進展で、医療崩壊が出てくるのは当然だと考えていますが、今回の新型ウイルスの感染拡大を受け結果的に対応できたのは、公的医療機関で、民間では18%に過ぎないという事態が明らかになっています。一方大幅な診療抑制が進み、公的・民間病院の大幅な減収を誘い、結果として公的医療費抑制策の転換・地域医療構想の病床削減計画の実現を急がないことがいま必要になっています。またこの間、国の政策を超えた、PCR検査体制拡充を図る世田谷区をはじめ、自治体と医師会、公立・公的病院等の連携による発熱外来の設置などが進められました。
●特集● 図書館の未来を考える─住民自治と図書館の役割
  身近な図書館が最近身代わりし出したと思われています。住民自治を育成する場としてとるべき姿の進歩を探りましょう。
•図書館法70年─住民自治による追求 (松岡 要)
 
そもそも図書館とは、地域住民が共につながり、協力し合って過ごして、近代にいたる前から、所有している図書などを持ち寄り、必要とする人に見せていました、これを「持ち寄り、分けあい」の場、図書館にしたのです。
 改めて図書館の性格、司書職制度の在り方などを学びました。指定管理者制度に馴染まない社会教育施設として、住民が支えていく図書館が進歩することを願います。図書館法を学びましょう。

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•地域の資料・情報センターとしての図書館へ (福島幸宏)
 現状の図書館が、情報格差の定着装置化している、提供しているのが『レクレーション』のみであって、「調査研究」は壊滅的、「教養」も実は怪しいと、いう総括がされています。今後図書館は、デジタル環境と地域の情報・資料に注力する必要があると言っています。図書館法とともに、2005年には文字・活字文化振興法が成立し、公立図書館の進行を謳っているものの、読書推進活動の自治体への義務付けが先行し、図書館の図書、記録その他必要な資料収集活動がそがれているようです。「信州ナレッジスクエア」を見てみましょう。
https://www.pref.nagano.lg.jp/kyoiku/bunsho/happyou/020331press.html
•フィンランドとノルウェーの公共図書館における革新 (小泉公乃)
 北欧での公共図書館の位置づけが、世界で最も先進的なもので、長年、政治的かつ経済的に平等かつ公正な高福祉社会を実現してきたのです。表現の自由、文化的対話・議論の熟成、文化の多様性を下支えする社会的基盤として公共図書館があったのです。北欧の先進的民主主義と市民参加は公立図書館は、中立的かつ公正な社会教育機関として、一つの政党に偏ることなく地方議員を招待しています。また都市の再編時に街の中核機能を果たす場所に図書館を位置づけて建設し、町全体を再設計することで、地域全体の課題を解決しようとしているのです。
•住民参加の図書館づくり、図書館運営 (山本健慈)
 大阪府熊取町は、維新の会の町長ではあるが、図書館の指定管理者制度導入に馴染まない理由として、@事業収益が見込めない公共サービス、A指定期間の制約による長期的な展望を持った運営のむつかしさ、B読書の自由を守る役割、C運営に対する信頼性と継続性の確保が重要な施設である、などを掲げています。 
 また図書館協議会の活動は、司書・職員・行政職員・住民の連携で長期的に確立してきたことにも目を見張ります。「これからの熊取町立熊取図書館の管理運営のあり方について」
https://www.town.kumatori.lg.jp/ikkrwebBrowse/material/files/group/22/tousin20190420.pdfを見ましょう。
•市民との協働から考える図書館の役割 (末次健太郎)
 佐賀県の伊万里市の図書館活動の報告ですが、ここに勤める職員の中に、開館以来20年以上勤務している司書が7名在籍しているとあります。これがすごいと思います。これら職員が図書館業務の傍らボランティアとしてとも交流を続け、顔見知りとなり、気軽に話ができる関係を作っているのです。また図書館設置条例の言葉から、図書館における市民との共同が掲げられ、ミッションを創り、市民との共同を実践し、市民にとって図書館が身近な存在になるのが図書館としての王道でしょうと綴っています。
•映画『パブリック 図書館の奇跡』を観る (相宗大督)
 この映画が語る、図書館は滞在する時間が安心できる時間、本を読み知識を得る場所から、集まった人々の意見が形成される場所となる働きを見られたようです。このようなフィクションから、資材に使われた『怒りの葡萄』の本を読み返してみたくなりました。
•図書館で働く非正規労働者の実態と改善課題 (松崎真介)
 2020年度は、会計年度任用職員制度が初めて実施され、これまでの臨時・非常勤職員という身分替えから、その待遇の改善が、図書館で働く職員にとってより良い図書館職場の実現と、図書館労働者が安心して働ける雇用、労働条件を実現するために一助になればいいのですが。
 ここでも図書館の持つ非営利事業として、指定管理者制度に馴染まないことが挙げられておりますが、市町の中央図書館さえもこの制度の導入が進んでいることが述べられています。このことにより一層の無権利、不安定雇用化が進んでいることが述べられています。
 また、東京の特別区は司書職が廃止されている実態も明らかになっています。一方図書館ユニオンの取り組みや、公契約条例の活用で、職種別に賃金を定め改善を図っている自治体もあります。

・「住民のいのちと健康を守るのが使命」と、病院長と首長が一致─新型コロナウイルス対応と課題で14自治体病院を訪問し懇談 長平 弘
 公的病院のこの間のコロナ禍での奮闘に感謝したいものです。ここに千葉県内の累計感染者数、PCR検査及び抗原検査の累計実施人数が上がっていますが、生活不安を感じている人が82.1%、外出の自粛など精神的扶南を感じる人が35.6%、身体の不調を訴える人が20.7%ある、「医療・保険の重要性を感じるようになった人が33.7%と答えています。また県内病院8つの自治体病院を訪問して報告が出ており、政府の統廃合に挙げられた病院の働きが実態に合わないものであったことが報告されています。これら自治体病院が存在し、そこで活動している歴史的な背景や今日的に果たしている役割を尊重し、とりわけ少子高齢化が進む地方にあって、まちづくりの1つとして自治体病院を位置づけ、持続可能な地域づくりこそ、国は支援すべきだと述べられています。また、地域自治体病院の活動を支援する県の保健所を中心に地元医師会、官・民病院、各行政機関が連携・調整をしっかり行い、新型コロナウイルスに対する機能・役割分担をお互いに明確にして実践例も挙がっています。また感染病棟の増設・専門病院化した取り組みも挙がっていますが、国の支援が不十分であることが訴えられていました。

◆自治体のカジノ誘致を問う
•崩壊するIRカジノの幻想 (鳥畑与一)

  コロナ感染拡大で世界中のカジノ市場が崩壊し、オンラインカジノへの移行で、IRカジノの持続可能性が崩壊しています。政府等IR推進派は新型コロナ感染収束後のカジノ収益のX字回復に期待して、 一時IRカジノへの100億ドル投資が話題を生んでいますが、急速に進むオンラインギャンブルへの移行が生まれています。コロナ禍で、今後再生の道が閉ざされた後のまちづくり・観光戦略の再構築に早期に訴えていきましょう。
•横浜燃ゆ─カジノ阻止 闘いの最前線から─ (岡田 尚)
 カジノに反対運動の歴史的経過が述べられ、カジノ住民投票から、カジノ賛成した市議会議員への説得工作に回るようになっています。横浜の長老の反対意見が出るなど、市民の横浜市政に対するかまえの進歩が描かれてます。「勝手に決めるな」の声が、ポストコロナ禍でどう育っているかみたいものです。
●連載●@NEWS 住民自治無視の「核のゴミ処分施設」の「文献調査」応募〜北海道寿都町 (小田 清
 核のごみ問題で、同条例が背こされている中で、北海道寿都町の文献調査」応募はあまりにも用意周到な行動であったと叙述されています。またNUMOのこのような勉強会開催がひそかに行われて北海道条例の骨抜きを狙っているとの指摘も注意しなければいけませんね。
•おんなのRun89 一人でも政治に声を届けられる(下) (卜沢彩子)
 セカンドレイプやヘイトスピーチは弱い立場の人々をさらに追い込む、命にもかかわる深刻な問題だと思います。議員としてこれらを平然と述べられる議会があることに怒りを感じます。
•新型コロナと日本の公衆衛生・医療─その特徴と課題─ 第3回 持続可能な地方保健行政に向けて (松田亮三)
 感染症対策には、強制力を伴う隔離・入院の措置が迫られるかもしれませんが、感染症の性質を理解し、感染症そのものへの専門知識を備えたスタッフと、必要な検査や情報分析を行うための設備を各地域に備えておくことの検証がされています。保健所は「地域における健康危機管理の拠点」として機能を謳われていますが、その設置基準なり規則なりの確立が出来ていないのです。早期にこのような指摘された懸念と実施体制の確立を、提言したいものです。
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•いらっしゃい! 学校図書館です! 第4回 子どもたちの学びをより豊かに (武田江美子)
 子どもが図書に触れることで、大きな成長が身に付きます。それを支える学校図書室と司書の果たす役割は、一人の人間を生涯学び続ける「学び方を学ぶ」能力を作り上げているのですね。
Jつうしん
•自治の風─茨城から 第2回 新・水戸市民会館建設白紙撤回を求める市民運動 (田中重博)
•わがまち56 宮崎県三股町 (木佐貫辰生)
•編集後記



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