日本共産党 広島県議会議員
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05年9月定例会終わる。その特徴と各議案に対する態度について

2005/10/06

 2005年9月定例県議会は9月20日開会、10月5日に閉会しました。

 私の一般質問はありませんでした。この議会から、テレビ中継が無くなりました。テレビ中継を何とか継続できないかと、努力をしてきたようですが残念です。
 その代わりに、議会広報紙(委員6名で構成)が発行されることになりました。
 副議長選挙が行なわれ、平浩介議員が選出されました。

 私の各案に対する態度を以下のように決め、表決にのぞみました。
 (□=賛成 ■=反対 △=棄権)

【9月定例県議会の特徴と問題点】

 今議会に上程された一般会計補正予算は13億500万円余。
 この補正予算には福山市東桜町地区の市街地再開発事業補助金として2,800万円が含まれています。この事業は地上21階、地下1階の再開発ビルを約121億円かけて建設するものです。大型店舗、専門店、クリニックモール、スポーツクラブ、業務スペース、107戸の集合住宅が整備されます。事業は福山市再開発(株)がすすめますが、権利返還方式の手法や新たな大型開発事業など問題をかかえています。

 その他には、アスベスト対策(9億500万円)や乳がん検診機器(1億6,200万円)の整備、がん医療機能拡充事業(9,700万円)などが計上されました。
 さらに、台風14号による災害復旧に対応するため72億6,200万円余の追加補正予算が上程され、本年度予算の累計額は1兆116億5,700万円となりました。

言論の自由を規制し、民主主義の根幹を揺るがすおそれのある「街宣規制条例」 

 民主団体や労働組合等の正当な行動や言論の自由を規制に道をひらくこともできる、条例案が上程されました。それが「広島県不当な街宣行為等の規制に関する条例」です。判断内容については議案のところでも述べています。残念なことに、警察商工労働委員会にわが党の委員はいません。本質をえぐりだしての論戦ができませんでした。

 この条例のもつ危険な内容は、規制対象が右翼や暴力団などに限って適応する条例ではないことです。街宣車を使い街宣行為をした者が全て対象になります。もし、不当な街宣行為等をしていると警察が判断した場合、条例が発動します。恣意的判断が入りやすい構成と内容になっています。
 例えば、警察による不当逮捕が行われ、その抗議行動や労働争議で街宣車を使った場合、「誹謗・中傷、粗野・乱暴な言動」と警察が判断すれば、直ちに条例を使うことができます。街宣行為をした県民や団体、政党などに警察が、立ち入り調査を行なうことが可能となります。つまり、県民や民主団体、労働組合などの正当な抗議行動を規制し、政治的弾圧にもつながる条例です。
 全国に波及する恐れもあり、厳格な運用と拡大解釈しないよう注視と監視が必要です。市民団体ともに乱用させない運動起こしていく必要があります。

副議長選挙に平浩介氏に投票 

 宇田伸副議長の辞職にともない、副議長選挙が行なわれました。私は平浩介氏(自民刷新会)に投票しました。理由は@少数会派の尊重、A議会運営の民主的改革をすすめる、など努力することを平氏が約束したからです。広島県議会では議会での討論や採決のあり方、政務調査費の公表、海外視察など改善しなくてはならない問題が多く残っています。議会運営の改善に向けた要求はおおいに出していきたいと思っています。
 選挙は多賀五郎氏(自民議員会)と平氏が同数の34票となったため、くじ引きで決めることになりました。結果は平氏が当選くじを引き、副議長に選ばれました。

知事が描く広島県=地域間競争の勝組みとなり、県内外の人々に選ばれる県土づくり 

 「将来の広島県のあるべき姿」はいかがと自民議員が問うと、藤田知事は「厳しい地域間競争に打ち勝って、県内外の皆様から、住んでみたい、住み続けたい地域として選ばれる…元気な広島県を、…実現したい」と表明しました。私は、はたと首をかしげるとともに、相変わらない答弁だなと思いました。
 政府の旗振りのもとで、地域間競争に勝って、地域一番店になるなめに、全国の都道府県が競い合ってきたのではありませんか。それで成功したところはあるでしょうか。膨大な借金と財政危機を作り出してきたのではありませんか。海を埋立、山を削る。港湾・空港・道路を整備にその関連施設建設などムダな大型開発にどれだけ税金を投入してきたか知事は反省すべきでしょう。そんな県政運営は捨て去るべきだと考えます。
 「地域間競争に打ち勝つことが」目的ではありません。結果としてそうなったとしても、地方自治体の独自性・多様性を大いに発揮するべきではないでしょうか。住み続けたい広島県にするために、何をなすべきなのか。結果として他地域より住みやすい県になっている。ここが肝心だと思っています。

県民の暮らし・福祉を最優先の県政への転換を

 県知事選挙がまもなく始まりますが、県民の暮らし・福祉を最優先の県政運営をすすめた結果、「県民の定住が促進され、人口の県内流入が流出を上回り、若者があふれ、老後も安心してくらせる広島県」と言われる県土づくりに汗を流す県政にしたいものです。

文教委員に選任される 

 10月5日の本会議では、各常任委員会の選任変えが行われました。
 私は文教委員会に再任されました。常任委員会の選任に当たり、あらかじめ希望調査が行なわれています。私は第1希望に文教委員会、第2希望に生活福祉保健委員会としていました。


【議案に対する態度】(□=賛成 ■=反対 △=棄権)

□県第112号議案  平成17年度広島県一般会計補正予算(第3号)
 福山市東桜町地区の市街地再開発事業について、この地域の整備そのものには反対しないが、周辺の再開発計画と合わせて考えると、東桜町地区に地上82メートルの23階建てビル、伏見町地区に地上130メートルの40階建てビルをそれぞれ建てて、事業費は合計で520億円を超える見込みである。
 新たなゼネコン奉仕型の大型開発を民間企業主導で進めようとするものと言わざるを得ない。
 また、事業方式も零細権利者が最終的に出て行かざるを得なくなるなど零細権利者に不利益を及ぼす事業であり、問題が多い。
 しかし、補正予算全体としては、アスベスト対策やマンモグラフィーの整備、がん医療機能の拡充など早急な実施が求められているものばかりであり、賛成する。

□県第113号議案  平成17年度広島県流域下水道事業費特別会計補正予算(第1号)
□県第114号議案  平成17年度広島県県営住宅事業費特別会計補正予算(第1号)
□県第115号議案  平成17年度広島県病院事業会計補正予算(第1号)
□県第116号議案  平成17年度広島県工業用水道事業会計補正予算(第1号)
□県第117号議案  平成17年度広島県土地造成事業会計補正予算(第2号)
□県第118号議案  平成17年度広島県水道用水供給事業会計補正予算(第1号)
□県第119号議案  広島県長期継続契約を締結することができる契約を定める条例案
□県第120号議案  広島県民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する条例案
□県第121号議案  広島県国民健康保険調整交付金の交付に関する条例案
 特別調整交付金の交付にあたっては県内市町と被保険者の実情に十分配慮し、強制にならないよう条件を付して賛成とする。

■県第122号議案  広島県不当な街宣行為等の規制に関する条例案
 当局の説明資料にある暴力団及びその政治団体の不当な街宣行為を取り締まることにはもちろん賛成である。
 しかし、条文案にはそれらの団体が行なう不当な行為に限定する規定がなく、条例が一人歩きする可能性がある。そうなれば、憲法に保障された言論の自由の規制など民主主義の根幹に関わることとなり、労働組合や広範な市民・平和団体等の正当な行動を規制することが危惧される。
 市民の平穏な生活を守るための不当な街宣行為の取り締まりは、現行法令の活用で十分可能である。
 また、1993年の「拡声機による暴騒音の規制に関する条例」制定時のように適切な運用を図る付帯決議もなされていない。
 よって、民主主義を守り発展させる見地から、この条例案に反対する。

■県第123号議案  特別職等の退職手当に関する条例の一部を改正する条例案
 知事の退職金を半減している県が3県あり、山口県と比較しても在任4年間で1,000万円も高い。下げ幅については思い切った踏み込みが必要である。

□県第124号議案  広島県吏員恩給条例等の一部を改正する条例案
□県第125号議案  広島県建築基準法施行条例の一部を改正する条例案
□県第126号議案  広島県警察関係手数料条例の一部を改正する条例案
□県第127号議案  工事請負契約の締結について
□県第128号議案  工事請負契約の締結について
□県第129号議案  工事請負契約の締結について
□県第130号議案  住民訴訟に係る弁護士報酬の負担について
□県第131号議案  訴えの提起について
□県第132号議案  漁港管理事務の事務委託の廃止に関する協議について
□県第133号議案  漁港管理事務の委託事務の変更に関する協議について
□県第134号議案  港湾管理事務の事務委託の廃止に関する協議について
□県第135号議案  港湾管理事務の事務委託に関する協議について
□県第136号議案  港湾管理事務の事務委託の廃止に関する協議について
□県第137号議案  港湾管理事務の事務委託の廃止に関する協議について
□県第138号議案  港湾管理事務の委託事務の変更に関する協議について
□県第139号議案  公の施設の指定管理者の指定について
□県第140号議案  広島県教育委員会委員の任命の同意について

【追加議案】

□追県第18号議案  平成17年度広島県一般会計補正予算(第4号)
□追県第19号議案  平成17年度広島県港湾特別整備事業費特別会計補正予算(第1号)
□県議第3号議案 広島県議会委員会条例の一部を改正する条例案

【請願】(審査結果)

●「小児医療の充実を求める請願」=生活福祉保健委員会にて、全会一致で不採択

 この請願は、「看護婦・医療従事者をふやして市民の医療を守る会」(冨樫恵代表)が、1,135筆の署名を添えて提出され、辻議員が紹介議員となっていました。
 委員会では、河井委員から「この請願は以前より何度も提出されており…審議を重ねてまいりましたが、本県では県立病院が子ども病院の機能と役割を果たしていること、小児救急医療体制についても、わが県では二次救急の拠点病院が整備されていること、電話による小児救急医療もこの9月から毎日受付けるように体制が充実された」ことをあげてこの請願の不採択を求め、全会一致で不採択となりました。

●「障害福祉サービスを利用する利用者の負担増に反対する請願」=生活福祉保健委員会にて、全会一致で不採択

 この請願は、障害者自立支援法案で提案されているサービス利用者への定率負担の導入に反対し、導入しないよう国への働きかけを県に求める内容で、「広島盲ろう者友の会」と「広島ろう重複障害者アイラブ作業者」の2団体から提出され、辻議員が紹介議員となっていました。
 障害者自立支援法案については、6月定例会で「障害者団体等関係者の意見を十分聴取して慎重に審議するよう」求めた意見書が採択されていますが、委員会では、天満委員から「多くの障害者が加入する障害者関係団体は、今国会での法案成立を望む要望書を国に提出」していることを理由として、同法案への反対を求めるこの請願の不採択を求め、全会一致で不採択となりました。

【決議案】

 辻議員は、「米海兵隊岩国基地への空母艦載機部隊及び夜間離発着訓練基地(NLP)の移転に反対する決議(案)」を提案しました。
 これは県西部など周辺自治体から意見書があがり、県議会にも要請があったものですが、防衛問題は国の専権事項であること、山口県など地元自治体での決議がないこと、地元にも多様な意見があることなどを理由に議会運営委員会理事会で見送られました。

【意見書案】

□「警察官の増員に関する意見書」
□「アスベストによる健康被害対策の強化を求める意見書」
□「公共工事における建設労働者の適正な労働条件の確保に関する意見書」
□「私学助成の充実強化を求める意見書」
□「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律並びに関係法令の尊守と指導の徹底強化を求める意見書」
□「『リフォーム詐欺』から高齢者等を守るための対策強化を求める意見書」
   

【本議会における各議案の採決に対する態度】

 以上、各議案に対する賛否を明らかにしてきました。本会議場での採決にあたり以下の態度をとりました。

●各案並びに請願の一括採決に対して=反対 
                       
 補正予算及び各議案には賛成するものが圧倒的に多い状況ですが、「広島県不当な街宣行為等の規制に関する条例」は言論の自由を規制し、民主主義の根幹を脅かす恐れを黙視できないものです。
 その政治的重みに照らして、また提出した請願の不採択などから、全体としては反対の態度をとりました。

●意見書案について 
 提案された6件は、いずれも妥当と判断し賛成としました。

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