辻 つねお先生
残暑お見舞い申し上げます
政府は改革の名の下に「儲ける事を人生最大の目的」とする市場原理主義を取り入れた。以降好景気と言うが、悲惨な状況も生まれている!予測出来なかったのだろうか?
どうもそうではないようだ。「選ばず、何でもやれば食べていける」と中庸を退けた総理がいた。つまり、市場原理主義を導入するという事は「地域・労働格差の拡大、倫理的、社会的、人間的な営みが軽視され、一人一人の市民の心を大切にした、人間らしい生活を営むことが出来るような社会環境が失われていく事は判っていた!」といえる。 そうなろうとも、日本の経済を建て直し借金地獄から逃れようとしたのだろう。
さて、年間自殺者が9年連続で3万人を超えるというが、原因は把握されておらず具体的な対策はこれからという。なぜ9年も放置されたのか、いくら自ら選んだ死であっても「他に選択肢が無いと考えた結果!?」は完全否定出来ない。社会の問題は政治の責任!まして、対応の遅れは弱者切捨てと受け取れるが、国策から生まれたのであれば、政治には責任を持って救済する重い責任がある。
先ごろ、生活保護費の圧縮による自殺者?が報道された。当会にも寄せられている“体が不自由で働けない。あまりの締め付けに同じ苦しみを持つ人に相談したところ、それを聞きつけた担当者から「二人で話した事を他の人に言うのなら打ち切る」と、脅された”という。 担当者に確認すると「悪びれることもなく、いともあっさりと受給者の訴えを認めた。」 受給者は肩身の狭い思いをしながら社会の片隅でひっそりと生きている。苦しさにふと漏らすこともある。それさえ許されない社会に!?
憲法は、すべての国民が健康で文化的な最低限度の生活を営みえるように国政を運営すべきことを国の責務としている。そして、「国民の具体的権利は、憲法の趣旨を実現するために制定された生活保護法によって保障されている。」窓口は地方自治体!人命が掛かっている!責任は小さくなく、実態の把握が急がれる。何卒ご尽力を!