保険料を滞納して保険証がないなどの理由で受診が遅れ死亡した人が2009年の1年間に少なくとも17都道府県で37人いたことが発表されている。低所得者は医療さえ受けられない厳しい状況だ。
さて、無保険者Aさんは激しい痛みに耐えかね1000円を握りしめ近くのB医院に助けを求めた。診察の結果肺ガンが強く疑われ、大きい病院でなければ対応出来ないと、C総合病院に紹介状を書いてくれた。料金は「有るだけで・・・」と1000円で診てくれたという。
C総合病院では検査結果等からAさんの片方の肺は水が溜まり機能していない。右腕は上がらない状態で転移が強く疑われ、もはや手に負えないと「肺がんの専門チームを持つD3次救急病院」を紹介、検査結果等を持たせた。D病院では副院長がチームを率いている。
診察したE医師は、来週検査すると言い痛み止めを持たせ帰らせたが、他に治療らしいものは見当たらない。1週間待って検査を受けたところ、(検査技師から)来週検査結果を聞きに来て下さいと言われ帰された。
尚、E医師の診察はなく痛み止めが効かなくなった事、食事も摂れない状態になった事等、酷くなった症状を訴える事は出来なかった。
当日の夕方、Aさんのご家族から「もう限界・・・」と連絡が入った。そこで、F総合病院に事情を話したところ、緊急入院を引き受けてくれた。
E医師の対応に疑問を感じ連絡したところ、不手際を認め謝罪されたが、背景に診療費の未収を避けよう・・・、専門チームの治療成績との関係が疑われ、実質的な診療拒否か・・・。
Aさんの命は後わずか、深刻な問題に発展している。