広島自治体問題研究所
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2022年9月号 読者ノート

 (2022/08/19)
 
編集者の声
 リニア中央新幹線の基本計画は1973年で、環境アセスメントを経て、国は2014年に工事を認可しました。残土の処分問題、大深度法による事故、環境破壊、住民との衝突、これらの問題が生じて地域住民が被害を受けていますが、JR東海が主導する「民間事業」はとまるどころか、国が3兆円もの融資をしてまで後押しをする「国家『的』事業」と化しています。憲法で定める地方自治の本旨に基づき、勝手な「国家『的』事業」は中止すべきです。
目次
◆直言 自治体による中小企業政策の再考─現代の「是」をもっと広めよう─ 八幡一秀

  明治時代に「是」という言葉で、地域経済振興計画が作製され、実施されていたとのこと、現在の中小企業振興条例は、47都道府県614市区町村に及んでいるようです。それぞれの地域の宝である、中小企業・小規模企業の実態調査を行い、それぞれの地域が持っている産業集積の個性をもっとシャープにすることが求められています。そして計画振興を実施した時にはその結果を検証するため、「PDCS」サイクルでもって行うことが大切です。
●連続企画● 「新型コロナ」から日本の社会を考える 第27回
コロナ禍が浮き彫りにした災害避難所生活 榛沢和彦

 .災害時にどこから救援者が来るかといえば、圏外から来るのが外国では常識だとか、今まで災害関連死者が20年間で、年間5000人を超えているとか。これが災害でなくてどうしましょう。日本に欠如している災害時市民社会生活保護の概念で、災害支援することで被災者が元気になって被災地で元のように働けるようになり、そのことによって経済が回り地域が復活することのようです。また、日本では足りない備蓄量ですが、イタリアでは山岳地帯に、国立で、ジェット機の格納庫規模の備蓄倉庫が10個もあり0、全部で10万人分のテント、コンテナキッチン、コンテナトイレ、電源車をはじめとしてあらゆる避難所用品や災害支援物資が備蓄されていました。また大型トラック、トレーラー、クレーン車など運搬用車両も備蓄され、支援者を運ぶ大型バスも備蓄されていました。倉庫の10個のうち3個は内務省が管理しており、7個の倉庫はイタリア赤十字に管理委託されていました。各倉庫の前は滑走路のように広く長い空間がずっと広がり、いざという体制ができるものでした。またボランティア組織があり、80%が職能ボランティアとして100時間の講習・実習を受け、支援に行く時は雇用者は妨げてはいけないという法律があるそうです。約240万人以上いるとか。被災地自治体職員は、避難所を管理することはあり得ないのです。こう見ると日本の避難者支援概念の遅れは大変です、早期に転換しなければ、これからの災害に間に合いませんね。
●特集● リニア中央新幹線からみる国家「的」事業の歪み
「国家『的』事業」の歪みを生む構造はどこにあるのか 樫田秀樹

 国家『的』事業の歪が工事を通じて財政投融資や大深度法などの不適切な活用が行われている事、長期間にわたり、国民への説明責任が不十分な待すすめられ、頓挫していることが分かりました。
 リニア新幹線の年表を作ってみました。
1973年 基本計画・・環境アセスメント開始
1989年  実験線誘致決まり用地買収開始
1997年4月 山梨リニア実験線で走行実験開始
1999年   大阪までの工事開始出来ず
2001年   大深度地下の公共的使用にかかる特別措置法
2002年   国土交通省「建設副産物適正処理推進要綱」決める
2002年12月18日 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法が公布され、JRTTの設立が決定した。
2007年12月 JR東海大阪までの建設費9兆円を自費で工面し建設すると発表
2011年    環境アセスメント開始
2011年    JR東海環境アセスの公表と住民説明会開始
2013年    環境影響評価準備書」の縦覧と住民説明会開始‥@水枯問題 A残土処分決まらず・・ずさんなものだった。
2013年9月 山田佳臣JR東海社長「リニアは絶対のペイしない」と公言 安倍首相 3兆円の財投をJR東海に融資すると公表  
2014年    国が工事を認可
2016年6月  安倍首相「リニアや整備新幹線などに財政投融資を活用を表明
2016年11月 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法改正され新たな業務として、中央新幹線の整備加速のための資金貸付業務が追加された。2016・2017年度に中央新幹線の建設主体である東海旅客鉄道に対して、3兆円の資金貸付が実行された。
2020年10月 調布市東つつじヶ丘生活道路が陥没
2021年6月  東京都品川区リニア工事で初めて直径14mのシールドマシン稼働しなくなる

 リニア中央新幹線工事計画をめぐる静岡県の声 林 克
 リニア新幹線工事の開始時に、「本事業を円満に実施づるためには、地元の理解と協力を得ることが不可欠である」と2014年10月国土交通相の認可の時点の意見ですが。トンネル工事で、中下流流域住民の水道水を支える命の水を全く議論しない工事関係者がいたとは。これが県知事選挙に県民の声を代表している事なのですね、この問題の今後の課題として、全量戻しの方法、生物多様性の確保、ルート変更と期成同盟化の活性化などの指摘されています。
新たな国土計画としてのリニア中央新幹線とスーパー・メガリージョンを問い直す 中山 徹
 なんとこのリニア新幹線推進方式は、全国国土開発計画の主要な材料だったとか。今多くの地方で国鉄の民営化以来、各路線の輸送密度を計算され、規定の2000人以下の路線は廃止なろうとしています。このような状況の下、スーパー・メガリューションの形成の手段としてこのリニア新幹線でもって大都市圏をつくり世界一を目指すのだそうです。世界一になれば競争に勝てるという20世紀型発想であり、世界の急速な情報化がすすみ大きく市民生活の変化も見られ、市民の生活向上、地域経済の発展にどう取り組むかが問われる時代に、このような時代錯誤な発想がとられているのです。そもそもこのスーパー・メガリューションなるものが形成されるのか、具体的に計算されており、この路線は今の山手線の運転間隔以上で運転されなければならないのですから、幻想です。そうではなく全国的な鉄道網と公共交通網、多彩な歴史や文化を持つ日本の地方を守り、発展させるような交通計画、国土計画を確立すべきです。
大規模開発に対するアセスメント 欠陥だらけの制度を乗り越える地域からの運動を 傘木宏夫
 大規模開発でもって地域が活性化しようとしても、その前に住民に環境アセスメントで説明し理解を得なけれいけないのですが、その内容が、時の縦割り行政によりゆがめられているようです。本来のアセスメントの内容について確認をしておきましょう。
 あるべき姿は、開発行為の構想・計画・実施の各段階で、環境や社会・経済に与える影響を事前に見積もり、適切な配慮(マイナス影響の回避とプラス影響の増進)に寄与する事です。
 構想や計画段階で実施される戦略的環境アセスメントにはSDGs(持続可能な開発目標)を受けて、社会面や経済面を包括した持続可能性アセスメントの取り組みも始まっています。災害リスクの扱い、自治体や住民の意見、自然災害への言及などがどう扱われているかあ、また開発の規制・誘導が各自治体で提起されているかを見たいものです。

東京外環道トンネル工事差止仮処分と大深度法の根本的問題点 武内更一
 トンネル工事でもって自然環境破壊から、生活基盤崩壊が出ている工法の問題なのか、工事を行うことが不適切なことを認めない行政の怠慢なのか、2022年2月、東京地裁で判決が出され、調布での陥没原因として挙げられたことが、大きくなっています。大深度法の根本が崩れたと言えます。今まで私たちがトンネルの工事を請け負い実施してきた根本問題での持続的発展の弊害となる事件でもあります。地下系統の自然を相手に機械の振動でもって揺るがしくっさくすると、水道は変わり、生態系の変更を生むことでしょう。ある程度の事と考えるのではなく今後とも持続可能な自然環境の保護に努めたいものです。
自治体DXの争点B マイナンバーカードの普及によって問われる地方自治の意義 稲葉一将
 デジタル社会」は、「いつでも」、どこでも」デジタル化の恩恵を享受できる社会と言われていますが、住民にとって比較的身近な存在であるはずの地方自治体が、遠い存在へとトランスフォーム(転形)する可能性が危惧されます。
マイナンバー「制度」は、@個人を認識するために付番されるマイナンバーA本人確認を行うためのマイナンバーカード、Bオンラインの窓口になるマイナポータルという3つの構成要素から成り立つものです。
マイナポータルとは、「マイナンバーカードをキーにした、私たちの暮らしと行政との入り口」と言われ、従来の行政窓口を補完し、さらには代替する役割も期待されているようです。マイポータルの法的根拠が乏しい問題があります。

生身の住民と接してその多様性な困難に寄り添うことが出来るのは、生活者でもある地法公務員や地方議員・首長です。キーで何が分かるのか。
今こそデジタル・インクルージョンを 坂本 旬
 デジタル・インクルージョンとは、デジタル・デバイド(格差)を解消し、全ての人々がデジタル化の恩恵を受けられることを目指す理念です。
 デジタルシティズンショップは、「デジタル技術の利用を通じて、社会に積極的に関与し、参加する能力を指すものであり、コンテンツの作成や公開、他者との交流、学習、研究、ゲームなどのあらゆるデジタル関連の活動を行う能力に加え、オンライン消費者意識、オンライン情報とその情報源の批判的評価、インターネットのプライバシーとセキュリティの問題に関する知識など幅広いリテラシーを含む」です。
 これらの時代はすでに目の前にあり、キーワードはSDGsであり、誰ひとり取り残さないデジタル社会の実現です。

●連載●
人つながるQ 風テラス─風俗で働く女性たちの生活相談の現場から 坂爪真吾

 風俗の世界は、社会課題の集積地です。現在、全国で40万人以上の女性が風俗で働いていると言われています。現行制度では十分な支援が届きづらい課題を抱えた女性たちが集まっています。そもそも風俗は福祉ではなく、あくまでビジネス―お金を風邪ぐための手段です。「最後のセーフティネット」になれるのは、風俗ではなく、行政だけです。コロナ禍で窮地に陥った風俗で働く女性たちを、生活保護などの制度を通じて最後に守ってくれたのは全国の自治体の職員の方々でした。
公民館における出会いと学び 第3回 住民主体の講座「元気な子育て」 田中純子
 公民館での企画院の感想「口座の中で自分を受け止めてもらう過程で、他人をきちんと受け止めることを学んだ。地域の事に目を向けるようになり、日本の教育や世界の課題までも見えるようになった」などの言葉は実践が生み出した言葉ですね。
くらしと自治と憲法と 第16回 敵基地攻撃論と国際法上の自衛権 山形英郎
軍事費GDP比目標(2%以上)を念願に置いた軍事力強化は、2%へ増額されれば、軍事費は2倍となり、米中に次ぐ世界第3位の軍事大国へ飛躍します。敵基地攻撃能力を獲得するためにはこのような莫大な軍事費が必要なわけです。
憲法学者の多くが支持している学説によれば、第9条は第1項で自衛権の保持を禁止しないが、第2項で戦力の不保持を規定していることから、戦力以外の自衛権行使は可能と説いています。戦力なき自衛権論です。
日本国も、北朝鮮が発射したミサイルが日本の排他的経済水域に落下したとしても、武力攻撃の発生を宣言していないのです。自国領内への武力行使前に、敵基地や策源地を攻撃することは決して許されません。
シリーズ 地域発信 小さい林業で森を編集 第3回 山の恵みを地元に還元 滝川景伍
 日本の林業のれきすぉ簡単に述べています。里の風景としての巻き、炭の利用が、エネルギー革命でなくなり、戦後の木材不足の中で拡大造林をした丸太が、生育するころには、海外からの安価な木材が輸入され、50年伐期を迎えた丸太は、自給率が伸びないものになり、増えたまま適切な手入れがされなくなり山の価値は薄れ、人々の関心が遠のいたのです。
 滝川さんは自伐型林業を行う上で、@放置された人工林を適切に手入れし、利用できるものは利用し、残った木々はしっかり育てて次世代にバトンをつなぐA山の価値を取り戻して、人々の関心をもう一度山に向けること だそうです。
 多世代交流で、五感をフルに使って森を体験してもらい、山との距離を一歩でも近づけられる土産を持って帰らすそうです。
 ゆくゆくは林業ツーリズムに発展させていこうと画策しているようです。頑張ってください。

おきなわ定点観測 第6回 選挙イヤーの沖縄 ─僅差の参院選沖縄選挙区を体感して 関 耕平
 なぜウチナーンチユは自分で持ってきたわけでもない基地に挟み、いがみ合うのか。誰かが上から見て笑っていないか」。故・翁長雄⁴志氏が知事選で訴えたこの言葉を改めて思い起こしましょう。参議員選挙では票差はわずか2888票で、まさに薄氷を踏む「オール沖縄」の勝利でした。関先生の沖縄滞在経験から、「上から見て」一喜一憂するのではなく、沖縄で起きていることを沖縄の有権者の問題に押しとどめず、日本政治全体のあり方が問われれていることだと当事者性をもって受け止めることの重要性を再認識する選挙でした。と言われています。
@NEWS 和歌山のIR・カジノ計画もストップ 藤沢 衛
ローカル・ネットワーク
Jつうしん
自治の風─静岡から 第5回 浜松市のデジタル化 池谷 豊

 浜松市に吹かれているデジタル化をまさに浜松市は国ばかり見ていて、住民は全く無視されているのですね。これが全国に流されている実態なのでしょうか。大きな課題を異常に掲げて不安をあおりどこに連れていくのでしょうか。
編集後記


 

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