広島自治体問題研究所
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2020年10月号 読者ノート

 (2020/10/12)
 

目次
 
コロナ対策はいかがですか。
 事務局として気になった記事にコメントを載せます。一緒に読み合わせしましょう。あなたの感想や意見もお寄せください

●特集● 新型コロナと自治体─コロナ禍が問う自治体の公共性
 新自由主義に立った国々は、新型コロナウイルスに翻弄され、パンデミック(世界的大流行)にその弱さをさらけ出しています。住民、中小企業者、農林水産業の生産者、そして社会的弱者がいま何に苦しんで知るか、何を求めているかを把握し、優先順位をつけて政策化してゆくことが緊急に求められています。考えてみましょう。
•新型コロナ対策と自治体財政 (平岡和久)
 宮本憲一氏の環境政策論を参考に、新型コロナ禍への政策の枠組みを5点にわたって提案されています。@被害実態を総合的に把握する。A被害の原因と責任の所在を明らかにする。B被害者へのケア・補償と生活・経済の維持・再建を行う。C 感染拡大化、収束のための規制や行政手段、公民協力などの展開。D感染症パンデミック災害に対する備えや予防を重視する。今後第ニ波、第三波における自治体の対応策と財政運営で注意しなけれならないことは、これまでの自治体行財政のあり方を見直し、優先すべき必要な事業の積み上げと既存事業の見直しを総合的に進めるプロセスの確立が課題です。
•新型コロナウイルス感染症への創意工夫をこらした世田谷区の挑戦 (保坂展人)
 PCR検査体制の変遷が解ります。「濃厚接触者」に如何に早期に検査を行い判定し、隔離するのか、社会的検査を主張された、児玉龍彦名誉教授の助言が生きています。大量検査(一本の試験管に5人分の検体)にステップアップを行い二段階に分けて実施されています。また寄付行為が進んでいます。地域医療の確立のために多くの人が賛同されたのでしょう。
•新型コロナウイルス感染症への和歌山県の対応 「これまで」と「これから」 (高田由一)
 和歌山県のコロナ対策は、当初政府の基準をはねのけ独自の基準で行われたと聞いていました、県知事の意向を反映するには、保健所が8か所も残っていたからだとは知りませんでした。保健所存続運動で残された保健所や職員の存在が独自性を生んだと思います。知事の感染症の基本を、「早期発見」「早期隔離」「徹底した行動履歴の調査」だったと言われています。広島県には何か所あるのでしょうか。何人の職員で行われているのだろう。
•自治体の新型コロナ施策 ●地方紙ニュース等から
 この間マスメジアの活動を国民は目から離さず見ていたことでしょう。また小さな町の活動でも、細かく配慮された対応が出てきていたのですね。職員の採用でも、正規職員の採用を行う風潮も出てきていた。行政の公開防災対策本部会議での議論は十分準備しなければ、視聴者の理解を得ることは難しいものです。ここでは地域町内会活動まで追われていませんね。
•新型コロナウイルス禍と公教育の課題 (中嶋哲彦)
 ウイルス禍での教育問題の根底が述べられている。人権保障を守ることがが国連から早くから指摘されていました。自然災害時での対応にしばしばその社会の既存の価値観や利害構造が型押しされることがあり警告されたのです。また日本の国会で憲法の一時停止を認める緊急事態法の制定、学校入学時期の変更など、間違った動向も出てきました。ここに上がった子どもの権利委員会の勧告11項目について常に私たちが配慮しておかなければいけないことですね。栄養のある食事の提供、弱体や劣悪な生活環境からの保護、精神的サポートを切れ目なく継続すること、感染予防に関する情報を子どもにも分かりやすく提供することが大切ですね。安倍首相の全国一斉休業政策など本当に地域教育委員会の民主的実力がないことが困難になっていますね。最後にオンライン学習について、これらの動きの本質はどうなのでしょうか。授業のコンテンツの発信側である学校の条件整備が進んでも、受信側である家庭にそれを求めることは難しく、新たな教育格差を生みかねません。教育という人間形成における道具が、先走りして、人格を損なうことはないのでしょうか。学級規模を小さくして「三蜜」を作らない体験から早期に教育環境の実現に進んでほしいものです
•新型コロナと自治体─保健所の統廃合がもたらした現実と今後の課題 (亀岡照子)
 コロナ対策で保健所機能がパンクする実態があります。保健師の業務とはどんなことか記載されており挙げてみます。@医師の指示の下で、A病状の確認BPCR検査の対象か否かの確認CPCR検査を必要とする人の検査日時・場所の確認と連絡DPCR検査の結果説明E陽性と判定された場合は感染経路を調べF入院や施設・自宅療養の振り分けG濃厚接触者の確認と必要時はPCR検査の勧誘H自宅療養の場合1日2回病状確認の電話等、と多忙を極めます。このような保健師の数が新自由主義の下で削減され、保健師一人当たりの担当人口平均が1万2000人になっていると。広島県はどうでしょうか。公衆衛生行政、保健所の仕事は日ごろからの備えが何よりも大切です。特に感染症はいつ、どこで発生するかわかりません。住民が安心して暮らせる、命と健康を守る砦として公衆衛生行政、保健所を実現させましょう。
•コロナ禍における社会福祉経営の実態から自治体行政の役割を考える (茨木範宏)
 コロナ禍での社会福祉事業の実態が明らかにされています。国からは、一片の通知で事業継続のための自衛隊策が求められたのです。自己責任でマスクなどの衛生用品を確保し、感染症対策を行い、施設・園を開けることが必須とされたのです。パンデミックな状態での社会的認知ではありましたが、その現場は大変なものになりました。また具体的対応には自治体間の格差が生まれています。学童保育所など国の「おおむね40人以下」の施設でありながら、学校より高い感染リスクを持ちながらの開設なっていたのです。介護施設に対しては、「法人連携による職員派遣」で開園を続けるようにとの通知だけで、日常的に人手不足が慢性化していることなどお構いないのです。この間の新自由主義の政策の下、社会福祉事業の基盤・性格がの脆弱さが明らかになりました。@「競争」「生産性」を意識し営利事業となることを求められ、公的責任に頼らない法人連携や大規模化が進める。A地域の福祉課題の解決を「自助・互助」とするB労働実態に見合わない賃金水準等による人手不足が社会問題化し、「紹介」「派遣」等の人材産業に何百万円もの資金を継ぎ粉なければ運営できない。そして今倒産・身売りとなっているのです。権利としての社会福祉を守るため、2020年4月30日に社会福祉法人の新たな全国組織、「一般社団法人経営全国会議」が生まれました。
•「新型コロナウイルス京都フォーラム」YouTubeからの発信 (池田 豊)
  私たち自治体問題研究所に勤務する者として、新たな活動方式が展開されて居ることに誇らしく感じます。国やマスコミの報道では本当の意味での地域解決にはならない、具体的箇所・地域課題が全く明らかにされず単に数値のみを負うものにすぎないからです。この時に京都自治研からの提案は私たちが地域に目覚め、そこからの情報を広く拡散、意思統一してこそ解決策が見つかる、そのためにはミニ学習も必要でしょう、討論も必要でしょう、自治体問題研究所の課せられた責務を、このフォーラムは訴えていると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=REAlr8DrPVc
•シリーズ 第32次地方制度調査会答申を読み解く 第2回 広域連携 (本多滝夫)
 今回の調査会報告の中で、圏域という用語が消失したとのことに関して、その用語以上に、それを乗換提示された新たな「地方公共団体の協力関係」は、これまでの広域連携の枠の延長にとどまるかのようなオブラートに包みこんだもののようです。結論から言うと、「地域未来予測」を市町村間の連携のための基礎ツールとして位置づけたうえで、比較的抵抗感の小さな「広域連携」の下で、実質的に『圏域』の形成を進め、圏域の中心都市のマネイジメント力を高めることを目的とした提案であり、更なる市町村合併を射程においているのです。全国市町村会会長の指摘である、「高齢者の雇用促進、若ものなど各世代の働き方を支える社会保障とGDP,労働生産性向上の視点などを抜きに、不確実性のある将来を2040年の人口問題を中心に矮小化し、それを地方自治体制度の中の新たな圏域行政など、幾つかの手段だけで解決策を見出そうとするのは、最初から無理があるように思います。その意味では、認識共有の大前提が違っており、このことは地制調の始まった当初から申し上げていたつもりであります」という言葉が示しています。
●ヘイトクライムを越えて ─川崎市ヘイトスピーチ禁止条例─
•全国初、罰則付きルールによって、ようやく差別と向き合い始めた行政 (石橋 学)
 私たちは今日街頭で聞き苦しい差別用語でデモする団体が出てきたことに驚きがありました。2016年5月のヘイトスピーチ解消法なる基本法が成立してはいましたが、法律によって差別を取り締まる実効性のあるものにすることが必要ではないかとされていました。それが2019年12月12日川崎市条例が成立し、罰則運用が7月1日より始まりで、独り立ちできるようになったようです。広島県内ではどうなっているのか確認したいと思います。朝鮮人学校補助金の打ち切りなど行政での差別も早期に辞めるべきです。
•「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」の意義と課題 (神原 元)
 条例に対する法的解説が行われています。一つの条例がこれから本格化する、その起点が示されています。条例の特徴として@包括的な差別の禁止A不当な差別的言動の「禁止」B不当な差別的言動に対する刑事罰が挙げられています。そもそも「ヘイトスピーチ」の本質は差別的煽動です。この条例はすべてを規制しようというのではなく拡声器や看板、ビラの配布等、特に悪質なものをくくりだして規制しており、明確性の原則に照らしても批判に耐えれる内容になっています。重大な人権侵害であることを社会に宣言する効果があります。それにもまして、歴史的認識や戦後補償を巡る緊張関係が作り出されていることも忘れてはいけません。
•あらためて「大阪都構想」を斬る─2度目の住民投票を前にして (山田 明)
  「大阪府都構想」なる維新の目指す民主主義体制の破壊に、大阪市民はどう反応するのでしょうか。住民投票が敗れたにも関わらず維新の策動がこれほどまで続いている原因は何なのでしょうか。コロナ禍後の大阪での被害者の実態が、果たして大阪市廃止で務まるのか、一目でわかるはずなのにどうしてなのでしょうか。維新の会による大阪市民巻き込みがどこにあるのか、参考にしておきたいものです。今回はこれに反対する人たちの意見であり、地方財政的にも、大阪府政に吸収され、カジノ建設などに回る財政が明らかになっています。住民の命とくらしを守る根底が削減されていくことに目覚めてもらいたいものです。
●連載●
•おんなのRun87
 村暮らしから学んだこと (セトヤマ ミチコ)
 17年間の振り返りを語っています。持続的生活とは、コミュニケーションをとりながら自分目線をその地域目線に変えていく活動であったようです。24歳からの出立時、どのような決心だったのでしょうか。横浜から群馬県片品村への移住での変化と今の家族形成は素晴らしいものですね。
https://iikarakan.com/about/
•@NEWS 現実化する汚染水海洋放出問題 (久保田亮)
 汚染物質のトリチウムが満タンになり海洋放棄が提案されるなど、福島原発はまだ解決できていないのです。国と関電の責任放棄が増すます増大することになるのか。私たちは見覚めていきたいものです。
•いらっしゃい! 学校図書館です! 第2回 何のために学校図書館はあるの? (武田江美子)
 小学校の図書館には自分も図書委員になった覚えがあります。身近なところで会話できる司書は覚えていませんが。学校図書館法の経緯について初めて知りました。貴重な働きをされているのですね。人材確保も必要ですね。
•新連載 新型コロナと日本の公衆衛生・医療─その特徴と課題─ 第1回 歴史的イベントとしての新型コロナ感染症 (松田亮三)
 コロナ感染症に対する歴史的背景が望めますし、新興感染症の背景にある13の要因が挙げられています。例えば、@微生物の環境への適合と変化A人の感染感受性(易感染性)B気候と転向Cエコシステムの変化D人口と行動の変化などがあります。グローバル情報化社会におけるこれに対する研究の速度は速いものだと感じます。どうか人類の進歩のために研究とその対応を頑張って示してください。
•ローカル・ネットワーク
 広島空港の運営公募が大手から辞退された記事が出ていましたよ。コロナ禍での減便など効率性が乏しいのだそうです。
Jつうしん
•最終回 自治の風─沖縄から 第6
回 スモール・イズ・ビューティフル〜コロナ禍の最中にあって思うこと〜 (崎山正美)

 このことば、「・・・20世紀の欧米文明は、農業でも工業でも『地球』の所得ではなく、資本に不自然に寄生しているという点である。それを支える血液とは、主に豊かな国々による、増勢の止まない再生不能資源の消費である。物資的、道徳的な抑制なしでは、右上がりの生産・消費曲線にそって生活を維持することはできないだろう」
•わがまち54 岐阜県白川村 (成原 茂)
•編集後記


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