広島自治体問題研究所
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2022年2月号 読者ノート

 (2022/01/20)
 
目  次
 いま日本社会はコロナ禍で、行政の非科学的対応で多くの犠牲を余儀なくされています。コロナ禍の行政対応が真に国民の生活向上に役立つものになってほしいものです。勉強しましょう。
◆直言 終身無料乗車券+「ドアからドア」の効用 西村 茂
  デマンド交通システムで、自宅からどこへでも行ける交通サービスが実現し、加えて無料で後押しされるなら、安心して運転免許証を返納できますね。また、自分が自動車管理する費用は?43万円以上ですが。
◆新春対談 価値観の転換の時代に立って未来への展望を読む 田中優子×岡田知弘
 結社を作ろうと呼び掛けています。自分の成長発展のみの追求・エリート意識に狭間れた価値観から、小さな仲間の間での議論、意見交換し同調圧力に屈しない価値観への成長を積みましょう。
 憲法闘争での根幹は、いまの憲法と自民党憲法改正案の社会像の違いをちゃんと比較して、自分が選ぶべき社会像を固める事が大切だと説くことが大切なのです。
 江戸時代から現代を振り返ると、小さな単位で構成され「多様性ある社会、循環型社会」から「際限のない欲望」へ進めて来たようです。
 小さくても輝く自治体運動が、新たな芽吹きを感じさせています。本当の学びとは、教科書を使って、読み、講義を聞く、そして会読することです。
 コロナ禍が教えたことは、自治体が自分たちの力で乗り越えること、教育ももっと小さな単位で行うこと、コロナで女性の弱い立場が明確に出てしまいました。

●連続企画●「新型コロナ」から日本の社会を考える 第20回 コロナ禍下の無料低額診療所から見える景色 山田 智
 無料低額診療事業とは、低所得者などに医療機関が無料または低額な料金によって診療を行う事業で、窓口での一部負担金免除、この制度の適用は生活が改善するまでの一時的な措置であり、無料診療の場合は、健康保険加入または、生活保護開始までの原則1ヶ月、最大3ヶ月(一部負担の全額減免と一部免除は6ヶ月)を基準に運用しています。
 コロナ禍での医療制度の経済困窮者に対する大きな改善点として、保険料と窓口負担の二重取りをやめることを提言しています。このような診療所は、全国でわずか700か所しかないのです。50歳代未満の働く世代に失業し無保険とならざる人が多く発生し、受信を我慢したり、あきらめたり、手遅れとなった人が多く発生しています。難民申請中の外国人の方々のこの制度を知らない実態も明らかになっています。

●特集● 学校が消えると地域はどうなる?─だれのための学校統廃合・小中一貫教育 
学校統廃合の新局面と教育論を無視したその問題性 山本由美

 学校の統廃合が、公共施設に占める割合が大きく、これによる維持管理費軽減が新自由主義の成果につながっているのです。したがって教育論、こどもにとってとか、家族にとって、地域にとってなどの議論は全く無視されて、補助金のかさ上げを餌に市町をリードし、地域コミュニティーの破壊を進めたのです。小中一貫校の広がりのスタートが、呉市教育委員会の「中1ギャップの解消」と「発達の早期化による4年生と5年生の間に生じる発達の段差」だとされていましたが、これらは以後科学的根拠のないことが国立教育政策研究所などから出されています。教育の科学的手法が、一般の保護者に正確に伝わっていないこと、機械的民営化、複合化などの手法が推進の方針に掲げられていたのです。
公共施設縮減の現局面と学校再編・統廃合 平岡和久
 総務省が都道府県、市区町村に対し、2016年度までに公共施設等総合管理計画の策定を要請し、2021年3月末時点で都道府県、政令市は全団体で策定済み、市区町村の99.9%が策定済みになっています。そして、2020年度までに、個別施設計画の策定を要請しているのです。そして公共施設等適正管理推進事業債を繰り出しているのです。また、2021年度に限り新たに特別交付税措置が講じられました。このことは、十分な公共施設総量削減が出来ていない状況を示しています。しかし、公立学校の縮減の進み方は急速になっています。
 一方コロナ禍での状態は、「ニューノーマル」という発想が生まれ、首長、自治体各部局、住民、議会それぞれが、公立学校や公民館をはじめとした公立機関の役割やそれらの機関の拠点となる公共施設の役割を再認識し、熟慮することが求められています。
 学校施設の在り方については、市民社会の主人公を育てる教育機関とその施設の役割を発揮するという基本に立ったうえで、学ぶ権利を保障するための自治を維持・拡充する視点に立つことが、これから求められる情勢です。

埼玉に見る学校統廃合の現段階と市民の運動─人口減でも人口増でも学校統廃合・小中一貫校推進 渡辺繁博
 埼玉県は、公共施設等総合管理計画で民間コンサルを使った、モデル事例を市町村に押し付けようと、基準を掲げていますが、公務サービスの産業化を進めるツールとして位置付けているのです。これに対し各地に広がる市民運動が、考える会を設立するなど、市議会を巻き込んだ発展が生まれてきます。地域のくらしを将来にわたって豊かにイメージすることが出来れば、計画への疑問と批判が多くの住民の合意になります。地域生活者であり、納税者であり、施設利用者である主権者としての市民が、声を上げ、学び、地域の未来を考える機会として公共施設と学校の再編問題に取り組むことが今求められています。
市区町村による自衛隊への住基情報提供の違法性について 前田定孝
 自衛隊職員募集の事務について、2019年安倍前首相が自治体の非協力は残念という答弁を行っていますが、これを受けて2021年に防衛省及び総務省から通知が発行されたようです。この通知に対する判例は、見つかりませんが、市区町村が2019年度までの2年間に87増え、全国1741自治体の41%の719自治体に達した。となっています。しかし、個人情報の外部提供には多くの問題があり、閲覧以外は違法であると、また公益性について解することができないのですが。
●連載●
人つながるJ 福島県二本松市へ移住─「ソレイユ」から里山の魅力を発信 大原陽子

 値域に移住して5年。規格野菜の加工に手助けを行うなど、地元優先の生活ご苦労さんです。地域おこし協力隊員の経歴を持っておられ、地域は助かっていることでしょう。頑張ってください。
シリーズ 地域発信 旅と暮らし 最終回 第5回 果てのない旅 八須友磨
 「みみすます」、この名前は、不断の忙しい日常を忘れ、山や川が、周りの生き物たちが発する声に耳を澄ませてほしいという願いだそうです。渡り歩いた自然から、定着した自然への変化、人生とは旅の流れかもしれませんね。
検証 津久井やまゆり園事件を人権の視点から考える 第6回 植松死刑囚はなぜ事件を起こしたか─事件の本質は解明されないままだ 篠田博之
 植松死刑因は、自己陶酔に入り、その枠に凝り固まって、解除する方法がないのでしょうか。障害福祉の戦後あいまいにされてきた様々な問題を白日にさらけ出したと言われています。今回の裁判過程で本当に障がい者支援がどのように行われていたのか明らかにしないのでは、解決にならないと言っています。篠田さんのこの間の接触でもってしても、この課題は明らかになっていないのです。
くらしと自治と憲法と 第9回 多文化共生のための外国人参政権 春山 習
 外国人の憲法上の位置づけは、地方自治で規定する住民自治の中で、地域に密着して生活している住民で、その地域の問題や課題を自ら解決していく人々と規定しているのでしょうか。
日本国憲法で、地方自治の規定において「国民」ではなく、あえて、「住民」という言葉を使っていることに注目されます。また具体的に、市町村議会議員や首長を選んだ後も、一定数の住民の署名によって、条例の制定改廃や監査請求、議会の解散請求、首長や議員の解職請求といった、直接住民の意思を反映できるような制度が設けられているのです。地方自治法10条は、「市町村の区域内に住所を有する者は」を「住民」としており、「住民」を日本国籍保有者に限定していません。外国人も含む「住民」は、その地方公共団体のサービスを受ける権利を有していると同時に、税負担なども等しく課されています。(同条2項)しかし、地方参政権になると、地方自治法はとたんに「日本国民たる・・住民」と、国籍要件を追加しています。(11条)政治参加の機会を一切与えない現行制度が、地域社会の理念にふさわしいのかと疑問を感じますが、1995年の最高裁判決は、立法によって地方自治体と特段に緊密な関係を持つ外国人に地方参政権を認めることは憲法違反ではないとしています。このことは、法的拘束力を有しない住民投票権を条例によって外国人に認めることが憲法違反、地方自治法違反になることはないのです。改めて、国民と住民の違いを確認しました。

公立美術館の光と影 第4回 学芸員に求められる専門性と地位の危うさ 武居利史
 学芸員とは、博物館法で、「博物館資料の収集、保管、展示及び調査研究その他これと関連する事業について専門的事項をつかさどる」としています。これらの業務は5年間で達成されるものではないはず、ベテラン、中堅、若手のバランスある配置でもって継続される業務だと思います。今これら職員にも、任期付き職員や会計年度任用職員の学芸員が増えているようです。業務の性格によってこれら制度の改変を行わなければ、文明、文化の継承も途絶えることになります。
@NEWS 広島地裁の伊方原発差し止め仮処分不当決定について 樋口英明
 広島市の沖の伊方原発裁判での審理で、地震の揺れを示すガルの達成調査を住民側に要求する裁判判決が出たとは。南海地震で伊方原発が無事であるかどうか、住民としては南海地震が近づくにつけ、その確認が欲しいところであり、それは原発そのものを設定する電力会社が証明すべき課題であるにもかかわらず、それを住民に求めるとは、どうなっている判決なのでしょうか。怒りを感じます。
ローカル・ネットワーク
Jつうしん

自治の風─東京・多摩から 第4回 多摩独立を構想する 熊谷伸一郎
 五日市憲法に依拠して自由民権運動の精神がここ多摩地域26市3町1村にあったと。憲法草案の意欲を受け継ぐ運動に入ったようです。このように小さな地域の独立がこれから多くの地域で生まれるといいのですが。五日市憲法とは、国会開設運動が高まる1881年(明治14年)に東京都の五日市町(現あきる野市)で作成された憲法の私案です。https://www.bing.com/videos/search?q=%e4%ba%94%e6%97%a5%e5%b8%82%e6%86%b2%e6%b3%95&docid=608042123772702972&mid=0BB54D0E0F8A897A09CC0BB54D0E0F8A897A09CC&view=detail&FORM=VIRE
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編集後記
 

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