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第2回 ひろしま未来チャレンジビジョン改定版
                            検 討 会 報 告

 (2015/09/30)
 
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(村上先生ビジョン批判
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  9月16日、中区で民主県政を作る会主催で2回目の「ひろしま未来チャレンジビジョン改定版」の内容検討会を開催されました。これは、9月広島県議会で、議決され、向こう2020年までの県政の方向を決めるものとなります。

背景説明

 今回改定版を出す背景について、辻県議は、今回の改定は、2011年に作成した、「ひろしま未来チャレンジビジョン」の成果の上に立ってこれを推進するというよりも、第二次安倍内閣の「まち・ひと・しごと・創生総合戦略」に呼応し、ローカルアベノミクスの推進に一役買うための改定版となっていると報告がありました。

 再生という観点で

 村上理事長から「ひろしま未来チャレンジビジョンの見直し等」批判のレポートが提出され、その中で、国の地方創生政策の具体化によっては、県民のいのちと暮しは改善されない。「チャレンジビジョン」は国の地方創生とは関係なく、むしろ独自に地域再生という観点から作成されるべきである。と記述されています。

 個別課題について 

広島県の雇用情勢の変動について、非正規職員が大幅に減っていること、賃金水準は安倍政権の「賃上げ誘導」にもかかわらず低迷を続けていますが、県内賃金は6%も上がっていること、有効求人倍率は、1.52倍

で全国1.21倍の上にあること、しかし、県内企業の休廃業率は全国4番目となっているなど統計マジックに、湯崎県政を勇気づけていると報告されました。

・ 平成の大合併で、合併前の2000年、県内全市町村の地方交付税総額は2432億円でしたが、2014年度は2663億円。合併特例の収束に伴い、県内市町の地方交付税は今後6年間で207億円減額されると広島市町村課の資料で明らかになっています。

・ 土砂災害に伴う危険個所の32000か所の解消には、今後多額の予算が必要とされますが、委員会説明では、この解消には、財政が厳しいので200年かかると答弁するのみ、との報告もありました。

・ 医療問題の対策について、医師の増員問題がありますが、国の医師抑制策を転換させなければ、チャレンジビジョンで描いている在宅医療など絵に描いた餅であり、医療報酬の改善など、独自の財政施策をとることが必要などとの指摘がされました。

・ 日本農政は、TPPを迎え、平成30年には、今まであったコメの生産調整施策がなくなります。今でも米価が安くて、生産意欲がわかない状態にありますが、これがなくなればもっと耕作放棄地が増えるこ

とでしょう。これに対する対応策は見いだせない状態です。「儲かる農業」と音頭をとっていますが、大半の個別経営農家には、このビジョンが響かない実態があります。

・ 母親で作る運動団体からは、子ども医療費の軽減を求めてきましたが、依然として就学前までで、広島県は、これに耳をかさず、全国的にみても、低いレベルです。広島が住みやすいとは思えない状態です。子どもの命を守るということに具体策がないといえます。

 ・ 観光については、人を呼べばよいと受け取られ、そこには文化の香りが見えない、文化行政などが全くなく、産業政策としての位置づけが前面に出ている。一度来たら2度と来ないのではと危惧されます。

計画案に対する評価

  県民生活の具体的な、貧困状態がどうのなのか、危険個所が何か所ある、これを10年で何か所解消するとか、医療介護において、その必要人数は書かれておらず、必要施設数に対する計画、

県内の無医地区がどこにあるのか、教育関係では、小学校の統廃合は進めるけれど、その後のコミュニティーに対する対策、卒業後の県内就職に県として事業所に働きかける、がないなど、私たちの生活と全く遊離している、計画です。

私たちがどういう夢を描くか、少子化についても、原因に対する記述がない、村上先生が述べているような分析を行い、それでもって対策を立てることが必要です。

  この計画書は、この実践で、地方自治体の変質が行われるなど、危険ではないか、婚活政策など県民の税金を無駄づかいにしていることを、訴えることが必要です。この計画は県職員が作ったのか、

あるは業者が作ったのではないかと疑問に思う、経済成長優先になっており、県庁の職員は知事にものが言えない行政組織になっているのではないでしょうか。

県民生活本位の県政白書を

 ビジョンで、はっきりしていることは、4つの分野のうち、福祉医療関係は、国の追随になっており、他の分野は、ローカルアベノミクス・経済優先にしてなっており、地方自治本来に福祉優先の県政計画書作りがますます必要です。

討議の中で、このビジョンを議論すれば、私には関係のないことのように思え、むなしく感じます。10年単位の県政はどうあるべきか、私たちのビジョンを対置した議論をすべきではないかとの提案がされました。

 今後は、30日まで、個別について辻県議と話し合いを持っていきたいとのことでした。

                     文責 広島自治体問題研究所事務局
 
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(20150917普通交付税の推移161827.pdf)
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