広島自治体問題研究所
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2023年6月号読者ノート

 (2023/05/29)
 
編集局より
 脱炭素社会・脱原発依存の観点から再生可能エネルギーの普及は急務です。しかし、全国各地で問題が噴出しているように、その進め方が自然環境や地域社会に対する配慮を欠いていると、深刻な負の影響をもたらして「持続可能な開発」への逆行となります。そうではなく、自然環境や人のつながりなど地域に根差した省エネや再生可能エネルギー利用の取り組みが必要となっています。そこで、本号では再生可能エネルギー開発をめぐる地域社会での合意形成のあり方について、次号では地域社会の主体的な取り組みによる脱炭素社会の形成に向けた取り組みについて、具体的な事例とともに紹介します。
目次
◆直言 子育て支援拠点の廃止問題 島袋隆志

 行政が拠点事業を打ち切る際に新しい事業との調整であると言いますが、これら拠点施設への住民の接し方にはその狙いとマッチした課題があるからですね。子育て支援が必要な理由について、母親は、出産後にホルモンの分泌の変化によって強い不安や孤独を感じやすくなる仕組みがママ(人類)の体に備わり、不安や孤独を感じ仲間と一緒に子育てしたい「共同養育」という気持ちになることが科学的に証明され、これが子育て支援をしなければならない根拠であると解説されています。再認識しました。
●特集●  脱炭素社会に向けてT─再生可能エネルギー開発と地域合意の形成
再生可能エネルギー開発と地域社会の対応 傘木宏夫

 地域再生エネルギー開発が始まって、さまざまな問題が起きているようです。しかし、導入に当たって政府の規制緩和が先に出され、ザーザーの状態に落ち込んでいるようです。まさにアクセルを踏んでブレーキなしの状態だとか。また転売が続出し責任をもった運営がされていない。「アサスのがれ」が進められているとは?。初心に返って、適正な事業の進め方は、第一に事前配慮の徹底、第2に適正管理の推進、第3に地域内投資への転換です。これに加えることとして国際連帯があげられています。一方事前エネルギーと自然を相手にする時その自然の世界には生物がおります、これらを安全に配置できる場所の確保がなければ破壊につながります。「さけるべき区域」の設定が「区域施策編」でまとめるよう義務付けられています。この徹底が必要です。
改正温対法を踏まえた地域での合意形成のあり方 錦澤滋雄
 再生可能エネルギー(再エネという)がNIMBY(ニンビー)とはÑot Tn Ⅿy  Back Yardの頭文字「私の裏にはではノー」を意味します。このようなことにならないよう、自治体による施策―条例・ガイドラインのよる規制、国による温暖法による地域共生策、合意形成に向けた地域貢献策が掲げられ、そしてPIMBY(p lease In My Back Yard)に向けた、社会面、経済面、エネルギー面から挙げられた例が出ています。ソーラーシェアリング、農山村再生可能エネルギー法の活用し地域基金化されて産業振興に使われる。発電された電力を地域に供給される。災害時に携帯や家電を充電できる電源施設。などなど。興味深いデーターとして太陽光発電施設の周囲3キロに移住する住民の施設への賛否態度をアンケートにまとめた結果があります。施設の導入に当たって地元との関係がどのように接してきたかが今後に大きな影響を持っていることが明らかにされています。地域合意形成が大変大事なのだと思います。
自然豊かな丹後半島に大型風力発電 私たちの生活はどうなる 浦島清一
  環境庁が「風力発電に関する適地抽出手法に関するガイド〜地方公共団体による適地抽出のための合意形成と環境調査」という文書により、積極的に推進していく方法で、一部の地域関係者のみに公開しすすめていたのです。これに対し学習会を開き、まず住民に知らせよう―取り組みを始めました。土木専門家の意見や、地域巡りで丹後半島の歴史や文化、環境歩き巡りを連携して学びました。住民自身が主体者となり、取り組み続ければ負けない、あきらめないで取り組み続けることが必要です。小冊子も発行されています。アワーTANNGO 歴史・自然・くらしと「大型風力発電開発」」
三重県・松阪市「大型風力発電所建設計画」に対する市議会での真剣討論 山本芳敬
 議会への大型風力発言計画に対する請願審査の経過が述べられています。質疑発言や質問が出されそれに答えていますが、大きな森林地帯への設置に大きな問題が書きだされています。請願書に記された意見について一つ一つ、丁寧に書かれており、専門家答弁も地域の実情を精細に述べています。議会への傍聴者の大勢に囲まれて、議会質疑が出されています。参照:https://www.nacsj.or.jp/media/2023/04/35101/
FOCUS  マイナンバーカード普及の新段階 ─取得「義務化」による公共サービスの変質─ 稲葉一将
 マイナンバーの普及に健康保険証の一体化が示されて驚きました。このような法律以降に、他の自治体カードを併用して市民に押し付けるなど、このような対等平等を覆す行為が地方自治体の中で推進され出したことは、自らの自治体の在り方が問われるのではないでしょうか。「義務化」という量的変化を放置すると、やがて「化」が外れ「義務」という質的変化の段階に進むでしょう。と言われています。今からどんどんマイナンバーの不正が明らかになっており、もはや根本的な課題になりつつあるのではないでしょうか。この普及に対する政府の交付金配慮への締め付けなど。多くの自治体から声が出ていない実態があり、日本の行政が、中央集権化されている実態が明らかになりました。また公共サービスが変質してきた要因にこのマイナンバー導入が関わっています。まさに地方自治、団体自治と住民自治のうち住民自治の出番ですね。
ZOOM IN 沖縄高江への愛知県警機動隊派遣違法訴訟、勝訴確定 吉田光利
 2016年沖縄への愛知県警察本部の機動隊派遣で、基地拡大反対する住民に対し、排除行動を行ったことに対し、愛知県民200人が住民訴訟で訴え、最高裁上告棄却、上告不受理の決定が出され結審したのです。沖縄の人々と連帯し、日本国憲法の平和主義、民主主義と基本的人権を守り抜く新しい戦いに踏み出しての戦いだったのですね。
ZOOM IN 東京・昭島市 巨大物流センターとDC建設計画に見る都市開発の普遍的問題 長谷川博之
 DC建設地が、広大な企業の私有地であった土地に、外貨資本から開発による土地利用開発が行われ、企業のなすがままになっていますが、その土地周辺の住民・自然環境、生態・生物、交通など、気にかけていない実態が明らかになりました。しかし、環境アセスに関心を持つ市民が少ないなど、外貨資本勢力の思うままになっていかないよう、今回このような環境アセスに関心を持つグループが、行政に働きかける、市民の同意を広げる、学習を深める工法を拡大させるなど、大きな取り組みを起こさせる必要があります。行政が環境に疎い実態と首長の大企業との対決を忌み嫌う姿勢など、今後どのように進めていくのか見守りたいと思います。このような大企業用地の転換が外資と結び付けていく動きは全国に出て来るでしょうが、環境開発という分野の目で見つめ直していく、早期に喚起することが住民自治として大切ですね。
ZOOM IN 酪農・畜産の危機─日本の食を守れ、離農あいつぐ酪農家と農民連の運動 満川暁代
 今畜産業界が崩壊の危機に際し、国内産乳製品がなくなる時代が訪れようとしているのです。一方国の市政は、まさに自国の政府ではない、国際義務と勝手に解釈し乳製品の輸入を続けているのです。減産だと言って牛を殺すと補助金を出すなど、持続的な生産関係にある酪農家の性格を無視しています。アメリカなどでは、入荷と実際の生産コストの差額の90%を政府が補てんして、酪農家一戸当たり約700万円の「最低所得補償」を実施しているのです。戦争道具を何兆円も出せる政府に私たちの自給力のために配布するよう政策を変えさせましょう。
●連載●
連続企画 「新型コロナ」から日本の社会を考える 第33回 受療権を侵害する75歳以上医療費窓口負担2割化の実態 久保田直生

 コロナ禍の中高齢者、七五歳以上の負担割合が二割負担となりこれがどのようになっているか、アンケート調査が行われ、二割化は「受診抑制」を深刻化させる、平等の大義名分は全く根拠のないものだった。政府がこの制度を出す前に年1050億円削減できると計算していたことも明らかになり、社会保障費削減でしか今回の改正の目的はないことが明らかにされました。ゆとりのない200万円世代の方々は、抑制する中身はさまざまがあり受診せざるを得ないことが大半であることが分かりました。200万円自体の生活者の困窮度は増すばかりです。全世代を「不安に陥れる、社会保障の解体政治を変え、社会保障の充実による「安心の社会」への転換こそが今求められています。
人つながる㉗ この春、受験生17人が全員合格─子どもたちの夢を応援する大学生たちの無料塾 吉沢春陽
 コロナ禍での開港となってこの無料塾に、多くの学生が「普通の大学生では経験できないようなことを経験できたり、学べることがたくさんあるから」とか多くの言葉が出ていますが、子どもたちが、「勉強の楽しさを知ることが出来た」とかの声を聴くと、コミュニティの中での教育が生まれていることが分かります。今の教育環境の改善に役立ててほしいものです。
検証 津久井やまゆり園事件を人権の視点から考える 第18回 障害を理由とするヘイトスピーチとの闘い 下山 順
 ヘイトスピーチに対する毅然たる処分が行われていたことが明らかになりました。このようなメールを出す人の心が誰も悲しいと思うのですが、刑事罰にならないのでしょうか。人の障害は誰でもいつかなるものであり、これを憎悪で表現するなどまさにその発言者がなった時のことを考えてみてほしいものです。Hさんの支援に法律家関係者は早期にヘイトクライム法の改正に努めてほしいものです。ただ単なる名誉棄損ではない、人間性が問われるものですから、どのような基準での作成になるのか、考えてみたいものです。
シリーズ 地域発信 現代マタギの森ごもり 第1回 マタギの里、四季とともに暮らす。 益田 光
 秋田県北秋田市阿仁地区の1年間が綴られています・是非思いを込めながら阿仁地区の1年を振り返ってみてください。自然の中に人間の小ささが身に染みるとともに移り変わる自然の流れの貴重なリズムを感じます。このような自然から阿仁地区にマタギが生まれたのですね。一生懸命生きるこの地区の人々のコミュニケーションはどんなものなのでしょうか。
書評 篠田 徹・上林陽治編著『格差に挑む自治体労働政策─就労支援、地域雇用、公契約、公共調達』 白石 孝
 この本が日本評論社でなく自治体研究社であったならと思います。この事例が多くの自治体改善労働改善に役立てられればとも思います。首長の政策選択及び実施する組織とひとを整えることで、効果的で多面的な政策を展開出来るその技をつかみたいものです。
@NEWS 福岡高裁那覇支部・県知事による国の違法な関与取消訴訟を却下・棄却 大田直史
 辺野古工事の環境アセスの変更手続きを国交省が一私人として変更ができると争っていた問題に対し却下されたのです。一国の機関が、立場上出来ない項目に対し私人であるとして変更させる暴挙が止められたのです。行審法という法律解釈で国の機関が「国民」に含まれると考えられるのは、処分を受けた「一般私人」たる国の機関が同じ審査長による採決を受けても「身内の審査」の疑念を生じない例外的な場合に限られます、裁決後に同じ国交省が、関与庁の立場で是正の指示を行ったことも公平な審査庁の役割とは両立し得ないのです。
 ローカル・ネットワーク
第65回自治体学校案内㏌岡山
Jつうしん 神奈川自治体問題研究所/ぐんま住民と自治研究所
自治の風─福島から 第1回 汚染水問題 斎藤富春

 福島原発の今が分かるようです。いまだに避難民2万7399人戻っていない人が8万人だそうで、汚染水問題の解決も大きな環境問題として大きな課題です。ね。知事選の中で、「広域遮水壁」を提案されていました。
編集後記
表紙写真 大坂 健
スケッチ 芝田英昭

 

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