広島自治体問題研究所
  広島自治体問題研究所

お問い合せ  

 アクセス

 
戻る  一覧

2015 ひろしま自治体学校報告 4

 (2016/01/06)
 
リレ−トーク
2部 地方創生と地域おこし
     平成の市町村合併と、定住自立圏構想
                ― 庄原市にて

        岸  泰弘
      庄原市職員労働組合委員長
 
1.平成の大合併
  庄原市は、広島県の東北部に位置し、県境の町で、島根県・鳥取県・岡山県と接しており、2005年3月31日に旧庄原市を中心に周辺の6町が合併して、誕生しました。ちなみに、広島県の全面積の約14.7パーセントを占めています。

 人口は合併当初4万3千149人で、2015年は、3万7千742人に減少しています。高齢化比率は2015年3月末で40.0パーセントと過疎と高齢化の市となっています。

また、市町村合併では、これからの財政が問題です。合併すれば合併特例債によって「合併市建設計画」に定めた事業や基金の積立に要する経費は、合併後10年間に限り借り入れることができ、元利償還金の70%を後の年度に普通交付税によって措置されるという条件をつけました。

 普通交付税は、合併後の10年間については旧自治体ごとの合算分が保障されますが、11年目から段階的に減額されて行き、16年目には新市としての算定分となります。大きな減額となり、現在各自治体は財政運営に苦しんでいます。

 庄原市でも、普通交付税は平成32年には、26年度に比べれば68億円もの減額となります。財政力指数は、0.256と県平均の0.61を大きく下回っています。
 
 職員数は、合併当初の730人から2015年度には591人に減らされています。
定員管理の中で、年々支所の職員は減らされていますが、それでも2015年度当初で、236人、約4割弱の人員を配置しています。

 これは、2004年頃の合併協議で、吸収合併ではなく、6町と市とが対等合併であり、合併後の面積が大きくなり、本庁から遠くなることから、総合支所ということで行政の機能を残してほしいとの要望があったからです。

 支所では解決できないので、本庁の方へ言ってこられるということが、近年多くなっております。本庁の職員が、すべての周辺部の事情を知り尽くしていないので、十分な対応ができず、もう一度支所にお返しするということになっているのが現状で、以前の小さくて、顔の見える行政と比べて、住民の方々に不満が残ると感じています。

 また、庄原市議会の議員数は、2008年の選挙時の33人から、2012年には25人、2013年は、20人に減らされてしまいました。
また、旧町ごとに選挙区を定めていたのが、現在は全市で1選挙区となったことで、旧町で人口の最も少ない総領地域には1人も議員がいない状態となりました。議員数が減少することで住民の声は、ますます議会に届きにくくなっています。
 
2.「庄原市定住自立圏中心市宣言」
 庄原市は、「広域的な市町村の合併を経た市に関する特例」に該当し、合併1市で定住自立圏の形成が可能であるとして、2015年7月1日に「庄原市定住自立圏中心市宣言」をし、さらに、定住自立圏形成方針の策定や定住自立圏共生ビジョンの策定をしようとしています。

 「中心市宣言書」では、合併前の旧庄原市が「定住自立圏を形成する区域の中心地域として、その機能が確保されている。」として、より生活圏・行政圏の一体化が高まり、機能分担と連携による市全体の活性化を通じて定住人口の確保を図るため、定住自立圏の形成に向けて「集約とネットワーク」の考えを基本として、取り組みを展開するとしています。

 この「中心市宣言書」は、ますます旧庄原市にいろんなものを集約していくという考えで、合併協議会で決められた周辺部の支所に機能を残すとの合意から変わっていくことにほかなりません。

 この中心市宣言・定住自立圏構想については、庄原市のホームページにも掲載されていますので、関心のある方は参照していただければと思います。

                                  文責 事務局

 
DL:21.docx

(8庄原市テープお越し3.docx)
415132バイト

戻る  

連絡先 〒730-0051 広島市中区大手町5丁目16−18    

Tel: 082(241)1713 Fax: 082(298)2304  E-mail: hjitiken@urban.ne.jp