広島自治体問題研究所
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介護予防・日常生活支援総合事業について(平成29年4月開始)

 (2016/11/25)
 
介護保険制度での基本的テキストです。一読お願いします。

 広島市の「介護予防・日常生活支援総合事業について(平成29年4月開始)」について勉強会があり、市会議員・民医連事務局・医療生協の方と懇談しました。報告します。
 介護保険制度の大きな改正
  この新総合事業は、国が、要支援者等の高齢者の多様なニーズにこたえる、これまで予防給付として全国一律の基準に基づいて提供してきた訪問介護及び通所介護を、市町村が地域の実情に応じて取り組む事業として、地方自治体に押し付けてきた事業です。
 私の老後の介護不安
 私(年金暮らし)は、介護保険料として、制度発足の時から強制的に加入し払い込みを続け、その金額は年々上がって、今年は、77451円でした。(今は年金から強制的に引かれています)。
 もし、私が要支援者となったとき、また私らしい生活をおくる為手助けがほしい時、誰をたよればいいのでしょうか。
 このたび国の介護保険制度を改正により、一部事業を地方自治体と私の責任で、要支援段階を乗り切り、乗り切れず重症になったら保険制度で受け付けるというものになるとか、その間私はどうすればいいのか、明日は我が身と思って聞き入りました。
 介護制度の歴史
 介護制度は、1989年のゴールドプランで、ホームヘルパー事業が制度化され、2000年には、措置制度から介護保険制度に移行し、「介護の社会化」・「介護の商品化」を進めてきました。
 が、「社会保障と税の一体改革」が出され、新自由主義の進展により、国費の削減が続くとともに、社会の高齢化の進展があり、介護保険制度を維持するためと称して、2015年大きな改正を行い、地域包括ケアテムの構築と介護予防・日常生活支援総合事業を打ち出してきたのです。
新総合事業と自治体対応
 その新総合事業の取り組みについて、財政難の今日、地方自治体は大きな試練に立たされていると聞きます。介護事業で、一番大切な認定・要支援部門を、国が行う保険制度から切り離し、地方自治体の事業としてやらなければならないからです。また私たちにとっては、入り口での判定が、今後の大きく影響しますので十分な知識と専門性を持って人に、担当してもらいたいものですが、国は専門性の要件を問わないとしています。
 広島市の実情
 今広島市には1000ヶ所に近い「高齢者サロン」が町内会単位に運営されているとか、この人たちの運営は自発的、ボランティア活動で今まで支えられてきた、まさに地域力でした。今後、全市にこのような人たちの善意を活かす方向での、地域力をつけることが行政に求められています。
 しかし、このような行政は、専門知識を持たない人たちが、飛び込んでできるものではないと思います。しっかり専門性を養い、グループを作って参画することが必要です。
 この担当者の養成が急務ではないでしょうか。今短期に、ボランティアの人を研修し、新総合事業の担い手として作り出そうとしていますが、急ごしらえでは決して高い品質は望むことはできないでしょう。
介護事業者にとっても死活問題
 介護事業そのものが民間事業であり、経営が成り立たなければいけませんから、ブラック事業化してはいけませんから、報酬の低い要支援者対応事業を行わないなど、高額介護報酬が望める事業方向になります。
事業の問題点
 新総合事業実施には、大きな問題点として、
@市町間の財政格差で要支援事業の均衡性がくずれる。
A事業所への報酬費が低くければ運営が困難になる。要支援事業を敬遠しないか。
B地域ケア会議でのケアーマネージャーへ行われる内容が不透明。
Cボラティアへの過度の期待、研修不足では介護水準の低下を招く。
D受付窓口は専門家ではなくても良いとされており、水際での市民への説明不足から排除が生まれないか。
E自治体間で利用者の負担格差が起きないか。
F市町からの一般会計からの繰り入れを実現しないと、守れない。介護難民を生む。
G介護問題に詳しい議員が少く、十分な審議がされていない。
等が議論されました。
今後とも、この問題について、研究していきたいと思います。
                          広島自治研事務局
DL:35.pdf

(広島市介護保険課資料.pdf)
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DL:35.xlsx

(介護事業者.xlsx)
352165バイト

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