広島自治体問題研究所
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市民公開講座「連携中枢都市圏構想と地方自治」と
 自治体問題研究所・地域研究所中国ブロック活動交流会
を終えて
 

 (2016/12/20)
 
 12月17日に開催された中国ブロック交流集会は、32名(うち議員10名)の参加で、定住自立圏構想・連携中枢都市圏構想圏域の進捗状況が明らかになるとともに、「自治体間の連携は、住民のいのちと暮らしを保障するために必要な手法ではあるが、現行の広域連携は、制度論としては道州制導入のための条件整備としての役割を果たし、新たなる自治体合併をもたらす可能性もあり、憲法原理である地方自治の保障に逆行するものである。」と言うことが確認されました。
 地域間格差の増大
平成の合併後10年以上がたつ中で、合併後遺症として、中心市街と周辺地域間格差の広がり、住民の意見が行政へ反映しずらくなるとともに、地方議員にとっては、住民にわかりやすく説明する活動の難しさが出ていますが、それに輪をかけるのが連携中枢都市圏構想です。
 連携での問題点
 福山市からの報告では、連携中枢都市圏での具体的な施策が、実行段階に入ろうとしており、住民への説明不足、選択と集中の切り捨て策、議会審議や連携市町での議論の不十分さ、政策立案が一部の部署で行われている問題、事業の改変の実施スピードが速い、住民押し付け事務の負担増、掲げている人口減少問題の分析が不十分で看板倒れ、誤ったモデルを参考にしていくなどの問題がだされました。
 
 また、このような問題点を持った政策ですから、住民との摩擦が出てきており、住民・保守層と連携しながら、具体的な対抗軸を作っていくことが求められているとの報告がありました。
 市民との矛盾
 そもそもアベノミクスの成長戦略と地方創生は、若者の地方への定住を求めながら、保育所・小学校の統廃合、地域での診療所の閉鎖など、相いれないことが現実に起こっており、この矛盾は市民運動の高揚により激化することでしょう。
 今地方政治は
 日本の地方政治は、県の役割、市町の役割が、経済成長を助けることを主任務かと思わせるほどで、公務労働の民間化が進み、本来の地方自治体そのものが中央政府いいなりにされようとしており、沖縄県に見られるように、国の強権体質が浮き彫りになり、県の自治存在が危うくなっています。
 道府県の役割の再認識を
 だからこそ、市町村と道府県による二層制の地方自治保障の充実が求められています。
 まず、市町村における住民自治を保障するために、小規模な自治の単位が確立されなければなりません。
 つぎに市町村間の連携については、連携する各市町村の規模の大きさに関係なく、それぞれの施策が尊重されなければなりません。したがって連携によらず、各自治体が自ら実施する業務とは何かを自主的に決定しなければなりません。それを前提にして、都道府県による市町村支援機能が強化されなければなりません。これらの広域連携の積み重ねを通じて、自治の総量の拡大を図る自治の実践が期待されるのです。
  
 このたび中国ブロックでの交流を行いましたが、このような交流を重ね、情報交換をすることで、私たちの力も付いてくることでしょう。次回は、岡山での開催が期待されます。
                                 文責広島自治研事務局
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(想と地方自治福山の報告.pdf)
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