広島自治体問題研究所
  広島自治体問題研究所

お問い合せ  

 アクセス

 
戻る  一覧

【投稿】 2017年度広島県予算案を見て
       「もうやめてほしい、イノベーション」

 (2017/02/17)
 
 今年の広島県予算のキャッチフレーズは、「広島からの地方創生―共感から行動へ。広島県は貴方のよくばりライフを応援します。」です。
 私は、このキャッチフレーズに、今回の予算の性格と言うか、湯崎県知事の限界が出ていると思いましたので述べてみます。
県民生活の反省もない「改定チャレンジプラン」
 湯崎知事は、安倍内閣の地方創生版を、広島ではちょっと違った形でやるというのです。しかし、今日の貧困と格差を生んでいるアベノミクスの根本のところに手を入れないで踏襲する予算編成では、県民生活の向上は望めません。今必要なのは、県民の命とくらしに直結した民生予算に傾注した循環型経済運営です。
湯崎知事の改定ひろしま未来チャレンジプランは、アベノミクスの失敗と同様、反省もなく、今度は人づくりだと言いだしたに過ぎません。それも、その人づくりは、イノベーションをエンジンとしていますから、とんでもない人づくりになることでしょう。  
国の先取りの好きな知事 
 また、知事は、国ができないことを広島県でやると言っていますから、どんな人づくりになるのでしょうか。
短期的に成果を求める手法では、人づくりなどはできないと思うのです。「学びの変革」牽引プロジェクトなどは、一部のグローバル人間を作るためであって、教育の目的である、すべての子どもの人格形成に役立てることから、真っ向から敵対するものです。
共働きとは何を指すのか・・欲張りでも何でもない生活が苦しいのです
 第二が、「共感から行動へ」と、いつだれが何に共感し、行動を起こせというのでしょうか。県民は苦しみながらも、今や共働き家庭が、過半数以上を占める社会になっていますが、一生懸命働き、生活は楽にならずという感想を持っています。  
 知事は「欲張りなライフスタイル」の実現を目指すとは、二者択一的な「仕事か暮らしか」ではなく,「仕事も暮らしも」両方追求しようというメッセージを込めています。と言いますが、ごく当然のことで、これを阻害しているのが、低賃金であり、非正規雇用等不安定な雇用形態です。このことについて、何ら施策を行わず、イクメンだとか、婚活だとかに行政施策を展開している、的外れなことをしていると違和感を感じます。
上から目線の知事
 「欲張りライフ懇談会」を開き、そこでの発言に、「今中山間地域で暮らしている人たちがどうなのかというと,とても幸せな方々もたくさんいらっしゃると思っています」と「地方の暮らしの良さ、集落の伝統を守る生きがいなどを聞いた、この生き方を続けることを原動力にして頑張ってください」と言います。
現実の中山間地域を見て施策を
 このようなことは、その地域で生活している限り、賢明に働き、不平がありながらも生きている姿であって、決して現状に満足しているわけではないし、湯崎県政がもたらしたものでもないのです。鳥獣被害の増加や、農業で生計ができない、子どもを産む産科医院がない、現実の生活の困難さに、小学校の統廃合でコミュニケーション基地がなくなるなど、このようなことの解決に行政は率先して施策を行うことが必要なのです。

 湯崎知事が、「中山間地域にある強み」「これを伸ばしていくということ」と現実的な問題の解決を示さず、「都市と中山間地域の相互補完を」と言っていますが、知事がこれまで放置してきた中山間地域の人たちの叫び声が聞こえていない言葉でしかないように思うのは私だけでしょうか。
 
                       2017.2.13 新田輝雪  
ダウンロード


資料1(平成29年度施策および事業案の概要〜「欲張りなライフススタイル」の実現に向けて〜) (PDFファイル)(2.14MB)
資料2(平成29年度施策および事業案の概要〜重点施策への集中的な取組〜) (PDFファイル)(1.84MB)
資料3(平成29年度当初予算関係資料) (PDFファイル)(1.68MB)
参考資料(「ひろしま未来チャレンジビジョン」に基づくワーク一覧(平成29年度))  (PDFファイル)(976KB)
 
DL:41.pdf

(算記者会見.pdf)
1926093バイト
DL:41.docx

(算案を見て未定稿2017.docx)
25335バイト

戻る  

連絡先 〒730-0051 広島市中区大手町5丁目16−18    

Tel: 082(241)1713 Fax: 082(298)2304  E-mail: hjitiken@urban.ne.jp