広島自治体問題研究所
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2017年ひろしま県政白書作成に向けて 第4回
 研究者 懇談会 報告

 (2017/03/08)
   去る3月5日、広島自治体問題研究所で、研究者との懇談を行い、広島県政白書作成の手掛かりを模索しました。
村上実行委員長から、先日の湯崎県政の評価と県政白書取り組みについての考えについて説明と新たに付け加えられた湯崎県政の分析ものもありました。
今回は、教育・環境・公文書関係の専門家から、ご意見をいただくことが出来ました。
これら3課題について、先生を含め、参加者9人で意見交換を行ったものをまとめてみましたので参考にしてください。
 
T.環境問題について
●今日環境問題は、マスコミの論点になりにくいのです。特に原子力問題は大きな問題ですが、手が付けられにくく大きすぎ、今何とか回っているように見えるので、精神・健康・生命に直接すぐに直結する問題ではないと、置き去りにされています。
●広島県環境白書や中国新聞の環境関係をみても、何か目玉となることは何もない。環境について広島県が取り組んでいることが見えてこないのが一番の感想です。
 一方、西風新都の開発が環境を守ると言いながら進んでいます。石内辺りで大きな団地がつくられ、山がなくなった、安佐南の開発が進んでいるが、人口が減っているのに、開発し続けるのか疑問です。
 西広島バイパスの延伸も問題で、裁判には負けましたが、人口が減る中で、なんで、バイパスを延伸して、車の量を増やすのか、増やす必要はありません。
それより車を使わない、公共交通網を作ることをめざすことが大切です。
根本的なことを抜きにして、経済活性化のためなら何でもやってしまう、大事なことを考えていないと思います。
●8・20土砂災害で、県営住宅が被害を被っていましたが、これを作る際の環境調査はちゃんとやっていたのか、県がそこに住宅を作ったということは、ちゃんと環境を調べているから、大丈夫だという、謝った情報を送ることになり、その後住宅が張り付いてきたのです。まさに谷筋に作っており、住宅政策として、役所がやった責任はかなり大きいのではないか。
●広島県の権限移譲で、環境調査・検査は市町に移っており、一旦油が流れるなどの事故が起きると、大変心配です。市町の調査・検査実態を見ないといけないと思います。
 
U.教育問題
○広島県の教育の現状の問題点を探る、その手がかりとして、広島県の教育大綱の中身と、教育基本法を照らし合わせながら分析していこうと思っています。
新しい教育基本法2006年に制定され、閣議決定で教育基本計画が策定されました。教育基本法の条文の中で、政府はという文句は、この1条のみで、後は国はとなっています。
地方教育行政法の大改正(教育委員会の位置づけ)が2014年に行われ、地方公共団体の長は、その第1条で、総合教育会議を設けるとなっています。その会議は、その地域の実情に応じた教育、文化の振興を図る為重点的に講ずべき施策について調査を行う。となっています。そして長は教育大綱を定めますが、定める際に教育基本法の定めるところの政府が作った教育基本計画を参酌して、地域の実情に応じて定めるということなので、両者の中身を確認しながら考えていかなければいけないとなります。
項目的には若干の表現の違いはあるのですが、もちろん参酌するわけで、取り上げられている項目について、具体化を求められるになっているので、実態を踏まえた分析が重要だなと思います。
それから組織についてですが、総合教育会議とは6条の4第2項で、構成者は、地方公共団体の長と教育委員会とどっちも機関なのです。考えてみると教育委員会は、会議体で、この総合教育会議に教育委員会から何名が参加するという制約は何もないので、1人でもかまわない。
その教育委員は、従来は、国から自治を認められた地方公共団体の一般行政から独立した行政委員と言う位置づけだったのですが、今回は議会の同意を得た長の任命ですから長のイニシアティブが貫徹するような組織と体制になっています。
長のプランが、ビジョンになるわけだし、まちひと仕事の計画、地方創生プランの中でも触れられています。
基本プランの中で位置付けられ、広島県大綱の構成イメージで示されていますが、環境の整備という言葉がしばしば使われているのですけれども、条件の整備という具体的に何をするか、それが出来るためには、施設、人的、予算的な対応が求められるのですが、言及がないので、外から見て何か、形づけられているような印象はあるのだけれど、実際中身どうするのと言ったときに、対応できるような条件が整えられているのかの疑問を感じるのです。
○子どもの発達を保障するとかの文言は入っていないのですね。
●理解に苦しむのは、広島未来チャレンジビジョンで、人づくりの第一項目が、少子化対策になっている。少子化対策で、外から県内の学校に来てもらうとか、広島にあこがれて来てもらう、などなんで人づくりに少子化対策がなるのか。
○2014年にチャレンジビジョンの実績報告書がありますが、主な実績として、学力指定校での、きめ細やかな対策がとれていると実績が上がっています。それにはトップリーダ校―6校、チャレンジ校15校、ステップアップ校13校と位置付けて、これできめ細やかな対策が出来ているという評価なのですか。やったという評価なのか。体力の向上ということで、体力づくり運動づくり改善計画を立てた、これを成果というのか。
V.公文書公開と条例制定
●今公文書管理や、情報公開が話題になっていますが、大阪の財務省の面会記録、南スーダンの報告書、これは出てきたとか、脚光を浴びています。
○国は公文書管理法が出来ており、財務省もこの管理規則で持って処分したのだとか言っていますが、広島県では条例を作っていないのです。
●鳥取県ではどうなっているのか、広島県と比較してみると、警察の文書がホームページで表題部が出てきますが、広島県では出てきません。そもそも、情報公開しようとすればどういう種類の公文書があるのか一覧表がなければいけないのです。ところが、情報公開請求される方もされる人も、そういうもののやり取りをしたことがないのです。情報公開請求をよくしますが、リストに基づいてしないのです。リストがあることを問題にしないのです。ありませんとうそを言われてもわからないのです。近畿財務局の場合でも、面接記録を破棄したと言っていますが、ではどのようにファイリングされていましたとか、それが紙ベースなのか、データーベースなのかいつ廃棄したのか、聞くことが出来るのです。
●今まで文書管理規定で行うとしており、それぞれの組織の裁量でやっていますが、公文書は国民の財産であり、国民の共有財産であるという観点から、行政担当者が恣意的に管理できるものではないのです。法の下で冷静に管理するよう公文書管理法が出来たのです。それに基づいて、自治体の責務として条例を作るとなっています。情報公開法に基づく自治体の条例はほとんど出来ています。
○内部的な基準は、規則、規定、マニュアルもあります。ルールに基づいて行っていますが、それを条例のレベルまで上げる必要があること、国の場合にはインターネットで検索できます。そういうことが出来ていませんのでこれをやると、レベルが上がります。
●行政は広報という概念しかなく、情報は県民の財産だということ。透明化すると言うが、インパクトがないところには資源を出さない。
 
まとめ
今回は3分野について意見をいただいた。
教育の分野については、現場の人の意見を聴く機会を設けていきたい。
環境の問題は、行政に書いてあることが少なく、今広島県の環境がどうなっているのか、危険な状態なのか安心していい状態なのか健康診断をしてもらいたい。
公文書の問題は、今回の白書が目指している提案型のものにするためにも、鳥取県などの教訓を生かした、広島県型の条例案を出していただきたい。
これら文章の締め切りを6月25日としていますが、出来れば早くできた段階からまとめていきたい。5月下旬にしていただければと思います。
また分野別の会議を持ちますので、出来る限りでご参加ください。
 
 
 
 
DL:43.pdf

(20170306教育の資料.pdf)
507648バイト
DL:43.docx

(2017年県政白書懇談会村上先生報告.docx)
27134バイト

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