広島自治体問題研究所
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2015.8.2広島自治労連 県北学習会に参加して

 (2015/08/12)
 
8月2日 三次市において、広島自治労連主催の「地域創生についての学習会」が開かれました。

広島自治体問題研究所から村上博理事長が助言者として参加。2時間にわたり今日の県北地域で起こっている、自治体を取り巻く数々の問題を、安倍政権が打ち出している地方創生と関係づけて討論が行われました。

地域活性化には住民自治の確立が必要

広島自治労連委員長の大畠さんから「安倍政権の地方創生の中で、住民の福祉を守る自治体づくり!」と題して、基調報告がされ、自治体消滅論で全国の自治体を震撼させ、危機感を煽り、一挙にできなかった道州制への道のう回路として、地方創生予算を振りまき、地方創生理念に沿った計画づくりと、成果主義に基づく予算配分で地方を縛り付けようとしている。
 本当に地域を『活性化する』「豊かにする」には、個性あふれる地域経済・社会の再構築を行う住民自治の確立が必要で、県北地域の中で、継続して地方政治、地域づくりの学習会を行っていこうとの提起がありました。

今回の地方創生の総合計画は、アベノミクスの地方版で、既存の行政施設を整理統廃合し、その地域で企業活動を起こし、拠点開発を行う計画づくりです。

そのために、周辺への行政投資は見送られます。公共病院の統廃合が大きな計画づくりになっています。

三次・庄原地域では、合併に伴い旧町単位での振興区が作られ、市長の諮問を受けたり、行政の下請けや、地元要望の取りまとめなどの活動が行われています。
今後これらと市議会をどう結び付け市民の声が反映された市政運営ができるかが課題だと、指摘がありました。

役所機能の衰退がひどい

参加者からは、平成の大合併での役所機能の衰退の現実が述べられました。

地域創生計画づくりがトップダウン形式で行なわれている。関係者ぐらいしか知らされていない。
平成合併以後、出先の職員は減らされ、一人で本庁の課の6つを抱えてやるなど、休むことができない。
防災体制の訓練にあたっても、区域が広い、若者がいない中でだれが救助していくのか。
町内会で自主防災計画を作っても、実効性に乏しいものになっている。

職員は働きがいを持って住民と接したい

このような現実がありながらも、地域支援担当として市職員が張り付けられて、地域振興区からも期待されないまま、職員におんぶにだっこを押し付ける振興区もある。

自治体職員として、住民福祉の向上のために、頑張る基礎的なモチーフが欠けたまま、現場の過酷な現実に対処させられていたのでは、住民にも職員にとっても不幸なことである。

職員が働き甲斐を持って、地域住民と接するためには、学習が大切、労働組合が大切なことはわかるが。

「ストップ・ザ安保法制庄原の市民の会」に労働組合も参加

今回庄原市で、「ストップ・ザ安保法制庄原の市民の会」が発足しましたが、自民党県議の働き掛けで行われており、労働組合も参加しています。このようなことは、今まで考えられなかったことで、TPPをはじめ地方の衰退を放置する政府への「ムシロ旗」です。

今、オール沖縄・大阪都構想反対闘争で示された、健全保守との連携が、今後の日本を守る大きな力になりそうです。

地域資源を守り、過疎化・高齢化問題、学習支援のあり方を痛感

里山資本主義に描かれている、地域資源を大切に、過疎高齢化との戦いを、県北地域の働き手である市職員は身を持って体現されています。
この学習会が済んだあと、夕暮れまでに草刈りを終えるために、とんぼ返りをされました。

地域の活動家の皆さんは、現実の忙しさの中で、国がどう向いているのか、地域に及ぼす影響と、どう結びついているのかなどを考え、説明しなければなりません。

広島自治研としても、学習・理解のための支援のあり方を考えさせられました。

次回の学習会は 9月26日 の予定です。
                                                                     文責 広島自治研 三木茂夫
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