広島自治体問題研究所
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2018年5月号読者ページ

 (2018/04/19)
 
目 次
 事務局として気になった記事にコメントを載せます。一緒に読み合わせしましょう。
●特集● 公務労働のブラック化を招く「働き方改革」
•「働き方改革」と地方公務員 黒田兼一
 この論文は私たち地方公務員制度の大改悪の理論を述べています。新自由主義経済の浸透が公務職場にやって10年以上がたちます。イギリスのNPM が今日、批判されているように、「地方公務員として、住民に目を向けること、質の良い公共サービスを提供するという誇りが重要なのだと」主張しています。「働かせ改悪」に私たちの反対の意思を挙げていきましょう。

•なぜ? 不安定化する公務職場 鎌田 一
 私たちは、公務員は「全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」「民主的かつ能率的な運営に努めています。しかし、公正・中立性を歪めようとする「公務員制度改革」が行われ、使用者権限・人事管理が強化される一方で、時の政権やその背景にある大企業・財界などの意向が国と地方公共団体の政策決定に反映しやすい制度へと変質しています。また、非常勤・派遣労働者が多くなっています。この論文で、本来の行政改革の意見が掲載されています。ぜひ読んでください。 

•「会計年度任用職員」導入による公務員制度の大転換 坂井雅博
  2017年、地方自治法と
地方公務員法が改正され、2020年4月から自治体の非正規職員に「会計年度任用職員」が導入される。この改定の背景を読むと、非正規職員の増加が大きくなって、住民の暮らしに密着した仕事のほとんどを非正規職員に担わせることを正当化するもので、公務の仕事から民間への移行への質的転換を目論む手立てになっていると心配しています。
•岡山市の現業職場における業務改善の取り組み 岡本芳行
 
現業職場の働き方改革が、今こそ必要です。ただの縁の下の力持ちから、市民サービスの提供者・利用者として、市民とともに市政を考える場に出ていくことの大切さを述べています。これが自治研活動です。また単純労務職員という言葉に公務労働として評価していない問題があります。
•学童保育指導員の現状と課題 田端範子
 
学童保育の起こりと、現状と指導員としての問題点などが述べられています。改めて学童保育の原点を確認してください。そしてここで働く指導員の待遇の実態とブラック雇用を、早期に改めることに協力していきましょう。広島市では無料での運営が50年以上続いてきましたが、今回有料を模索する手段が出され、広島市の公務労働としての責任を民間に移行し、市民に負担を追わせようとしています。また学区によっては開設されていない区があることも注意しておきましょう。
•決裁文書改ざんは国民主権への背信行為 晴山一穂
 この公文書改ざん事件は、広島県でも起きており、その根本的問題点は、『国民主権の否定』です。また2014年の国家公務員法改正による内閣人事局の創設と、それを通した安部政権による官僚人事への政治的・党派的介入は、国民全体に奉仕すべき公務員を、単なる政権(官邸)の道具へと変質させていると言っています。
•書評 本田 宏 著『Dr.本田の社会保障切り捨て日本への処方せん』 住江憲勇

 今日の貧困と格差の是正、大企業、富裕層有利を徹底的に廃止し、国家財政運営民主主義を貫徹する処方箋を提起していると、
•大規模開発・リニア中央新幹線開発を問う ―静岡県に及ぼす影響を中心に― 川瀬憲子ほか

 リニア中央新幹線の国家戦略として、9兆円の費用を湯水のごとく大企業へ垂れ流し、併せ地域の環境破壊を、地元自治体への説明もなく行われようとしていたとは、驚きを感じます。ますます東京一極集中が起こりますが、これに乗る安全性は確保できているのでしょうか。名古屋までの区間の南アルプス周辺の自然環境に不安を覚えます。
JR東海の残土処分計画と地域破壊 ―立ち上がる伊那谷の住民― 桂川雅信
 災害の大きな経験から、「谷埋め盛り土」計画の危険性を取り上げています。このリニア新幹線工事から出る残土量が、約360万立方メートルあり、これに対する適切な処分を責任を持ってJR東海は行うべきです。これからも私たちも監視の目と、出来れば廃止を望みます。
●連載●

•おんなのRun60 地域を大切に幸せを願う婚活事業 奥澤明子
 阿智村での懇活活動の紹介です。人を想うことが生きていく上で大きな力になると宣言されていますよ。
@NEWS 森友文書改ざん事件と納税者一揆 醍醐 聰
 
この間の国民的「一揆」の根底に主権者が主役という尊重されるべき理念があり、一揆での発言にも、『他社目線』を大切にした行動を呼びかけています。

•げんぎょうのタネ ⑤地域も大切にする給食 掛川孝幸
 豊橋での学校給食の調理場は、食育の場であるとともに、地域にふれあい給食を出すなど開かれた場でもあるようです。公立の給食場としての働きの様子が出ています。
•知らない☆知りたい憲法 第2回 日本国憲法の世界史的意義 ―人権思想の発展― 内藤光博
 
私たちは歴史の中に生きています。憲法においても、その誕生と、その内容は、時代の大きな反映です。今の日本国憲法がどのような生まれ方をし、今の時代をどう反映していくことが、私たち、未来の人間にとっていいのか、世界史の中で議論していきましょう。第二次世界大戦後の平和保障の目覚めは、日本国憲法を生んだのです。 
•いのちと健康を守るメンタルヘルス対策 第11回 ブラック企業と経営との関連 天笠 崇


  ブラック企業の先端がワタミだった、「365日24時間死ぬまで働け」と書いていたのです。企業経営の在り方がブラックであるほど、メンタル不全者が発生しやすくなるとは気をつけましょう。
•ス・ス・メ「議会改革」実践 第2回 「議員のなり手不足問題」 住民とともに解決への努力を 寺島 渉
 市町の議員のなり手が少ないこの問題について議会の現状と課題を明らかにし、その背景を述べ、長野県飯綱町の活動を知らせています。この様な活動の中から、住民自治の活動の健全化を期待します。
•人口減少時代の地域政策 第2回 人口減少の構造的理解② ―「地方創生」の問題点― 坂本 誠
 人口減少の傾向は、20から30代の女性の動向を見る限り明らかで、2010年から30年間で半数になる市町は、消滅可能性都市として挙げられ、「地方創生」政策で地域問題として誘導し自治体間の競争にしていますが、このようなことは、我が国全体で取り組むべき問題の放棄です。
•ローカル・ネットワーク
 このコーナーに広島県の公文書改ざん記事が出ています。恥ずかしことですね。
Jつうしん
•史跡さんぽ35
•おいでよ26 矢祭町 古張 允
•編集後記

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