広島自治体問題研究所
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広島市政白書を読みましょう。NO2(ニュース9)
 

 (2018/12/27)
 
 [広島市政白書ニュース]から、[白書を読みましょう]に変え 第2回は、各論8分野22の論文についての気がついた点、読んでほしい文をあげてみました。
T豪雨災害
 この項は、広島市政、特に松井市長の政治的性格を特徴的に表している分野であるとともに、私たち市民が日常的に不慣れな部分です。
 「災害はよく忘れたころに出てくる」自然現象という言葉で、逃れようとしていますが、この対策を地域で行っているところでは、代表者がきちんと日常的な仕事として、365日地域を観察しています。
 それに付随して、祭りや楽しみなことも運営され、肩ぐるしいものではなく、地域住民も普通のこととして、防災の観察結果を訴えて上げているのです。
 このようなことが、地域自治を作り出す力になると思います。そういうことを地方自治体として作り上げることが、今地球温暖化が叫ばれている時代に、まず一番の項に取り上げたのです。
 
1. 2014年8・20広島土砂災害復旧と復興
 まず、4年前の土砂災害の教訓にはどのようなものがあったのでしょうか。市会議員の藤井さんから投稿をお願いしました。地域での活動を皆さんと一緒に復旧作業を行った実践結果を述べられています。
 その視点は、人間として、基本的人権が守られ、最低限の生活が出来るために、今何が必要かと、地域を観察し取り上げられています。このような視点での復旧作業が大切です。
 災害事をすぐ元通りにする、このことのみでなく、人間が生活するという視点で、具体化して要求し、成果を早期に行政を推し進めることを訴えていました。
 「有識者会議は、広島市について、「平地がきわめて少なく人口増加に伴って山沿いの崖の直下まで宅地が造成され、危険区域が多い」と指摘。適正な森林の整備、ダムのなどを提言していましたが、この提言は生かされませんでした。」

2.西日本豪雨災害
 次は西日本豪雨災害時の広島市当局の基本的活動を検証しています。この中で、松井市長の災害の捉え方を、インタビューでの回答を紹介しながら、首長自らが「自助・共助・公助」を市民に唱える順番を批判しています。
 また、災害時の事務体制の内容について明らかにしており、机上の空論と言うものになってはいないか、検証項目をあげています。この中に市民への活動実績、要配慮者・市民の意見が見られない点、残念な作文に終わっています。
 これを今後どう造りかえるか考えていきましょう。
「災害に対する「公助」は災害発生前から立ちあげられていなければ、「共助」「自助」の本格的な実行は・・」

3.広島高速5号線建設の現在と今後
 現在、広島市での大きな公共事業が、災害を作り出していく危険を述べるとともに、今行政がやらなければいけないことを、明確に打ち出しています。
 地質の専門家の越智さんが後半で述べていますが、広島県・広島市ともに、「南海トラフ巨大地震の30年以内の発生率は、今年になって10%上がり、80%となっています」と警告を述べられています。
 この対応策を県市ともにすぐとってほしいものです。
 「危険地帯であることの周知やその想定の甘さ、何よりもそうした危険地帯に住宅地の開発を許可してきた行政の在り方も問題といえます」

4.市議会での豪雨災害対応
 この災害復旧事業中の議会での議員と当局との、討論を載せてみました。
 地方自治体の意志決定機関である議会でのやり取りが、市民に知られていないことが、当局の言い逃れを許している点があります。特に最後の方に、傍線で引かれている部分は、自治体独自でやれないことではないのに、県の言い逃れを持ってくる、このような地方自治体としての根本的な欠陥を指摘しています。
 地方自治体として、独自にやれることはやる、地域の課題は率先して解決していくという姿勢を求めたいと思います。
「19年前、4年前と三度も繰り返した広島市は、もはや想定外とは言い逃れることはできない」(p57参照)

U 子ども子育て
 子どの問題は、広島市では、学童疎開後原爆被害で多くの市民をなきものにし、多くの子どもが孤児となりました。
 平和都市建設法の元で子どもを大切のするため、被爆後の市民の運動が、大きく独自性を出して進めてきました。特に、戦後の地域復興には、多くの女性が働かなければいけなかったため、安心して働くために何が必要か、教員・公務員労働組合、母親の会などが行政とともに、その柱を築いてきました。
 それが今日どのような課題にぶち当たっているのでしょうか、それに対し行政はどのような回答を出しているのでしょうか。
 
1.育ちの場としての障害児支援
 広島市の障害児の行政は、1974年7月30日広島市心身障害児福祉センターが発足後、大きな進歩を掲げてきました。(4次白書)これが児童発達支援センターとして、そして子ども療育センターとして、今日まで多くの活動を進めてきました
 が、現代的な発達の中、その施設の建て替えの時期に差し掛かりました。そこで働く職員は、広島市の市民活動の中で、発達障害を持つ母親たちの活動を、目を見張る活動家として育ててきました。
 また、公務員の方々の専門性は、常にこれら母親に引き継がれています。この活動支援の根本に触れてみてください。療育支援事業の内容・課題が明らかとなっています。
 「福祉は人であり、人材を育て、地域の中に専門性の高い施設を多く作っていくことが、地域資源となり、地域の力を高めていくことにつながる」
「障害児福祉制度が抱える問題は、3年ごとの報酬改定の時期に、さまざまな形で現れます。」
 
2.行政の責任で公立保育園の充実を
 広島市の保育園は、厚生省から常に目を付けられてきた分野です。特に公立保育園率は高くありましたが、近年の政府の政策により、民間保育園が増えてきました。
 広島市保育の特性をかなぐり捨てようとして、公立保育園を民間へ移行させることの反対運動の状況について報告されています。
 また、保育士の待遇改善を抜きにした、2015年4月からスタートした「子ども子育て支援制度」に対する批判も記載されています。国と地方自治体の関係で、広島市の公立保育園のあり方を私たちはもっと注目し、自慢できるものだと確信にしてください。
 そして、引き続き平和都市に生まれた子どもは、社会の宝として保育を公立で持ってやっていくことを訴えてほしいものです。
「運動により、広島市では、これまで1園も民間移管せず、公的な保育が守られています。」
3.子どもたちの育ちを保障する学童保育指導員
 学童保育の名称が、「留守家庭子ども会」から、「放課後児童クラブ」に名称が変えられました。広島市ではこのことにより大きな変化が生まれています。
 2015年5月現在7,668人だった利用児童は2018年には10,588人となっており、内公立施設には、9,289人が入会しています。施設、指導員の数も急激な変化に十分対応が出来ていません。
 特に公立施設では、指導員の欠員問題が大きな課題になっています。にもかかわらず、休業中延長保育を有料化事業として、指導員の意見を聞くことなく、トップからの押しつけを行ってきました。放課後の子どものことを大事に考える指導員の方々の思いを理解し、支援して下さい。
「子どもの7人に1人は貧困家庭である、という実態は社会問題となっています。」
 
4.強まった有料化と民営化の学童保育
  広島市学童保育連絡協議会は、広島市に学童保育が公設で出来る前から運動を行ってきた市民団体です。それから早60年がたとうとしています。そして広島市の学童保育の卒業生は何人になったことでしょう。
 ここに書かれている5つの特徴は、多くの市民の間で、身近なものとなり、署名活動においても、素晴らしい体験が報告されています。その学童保育が今大きな嵐に襲われています。
 市民の方々に、公設公営の学童保育は、広島市独自で続けられてきたものであり、そこに働く指導員の先生は働き甲斐を持ち、市民と一緒に守ってこられています。私たちが主人公で起してきたものであることを確認して、再度この嵐に向かって手をとっていきましょう。
 今、株式会社が放課後児童クラブを運営することが広島市の大きな問題です。小学校区に一つの学童保育があるのは、素晴らしいことであり、党派を超えてこの歴史を守ることに団結しましょう。
「私たちは、働く人が増えれば増えるほど社会の富は増大するのであって、働く者は「受益者」ではなく「“与”益者」であると主張してきました。」
 
5.子どもたちの居場所『児童館』
 小学校区の一つの児童館がある、これが子育ての拠点になってほしいものです。そこで働く指導員の先生の願いを聞きましょう。
 本来の児童館の役割について多くのこと書かれています。このことをやり上げるために一生懸命に働いている方々が、別途事業の放課後児童クラブの運営に参加しなければいけない状態が作り出されています。地域の活動に密着したことが出来ないとは、行政の責任で早期に解決してほしいものです。
 まして児童館の民営化は許されません。子どもが自由に、ゆったり集まり、交流し、母親の活動が支援できる場として、専門性の持った指導員の複数の常勤を願います。また、職員の嘱託職員から正規職員化・労働環境の補充も行わなければ、指導員のなり手も捕まりません。
 今あやふやなまま放置すれば、崩壊してしまいますね。
「ますます放課後の時間が少なくなってきています。習い事や塾通いで、自由に遊ぶ時間が少なくなっています。

今回のニュースの構成について
 各論の感想と論文の中に書かれた、キー要文をゴシックで取り上げ、注意を喚起しています。ぜひ、取っ付きの参考にされ、これらを通じて広島市政の全体を掴んで下さい。事務局より
 
DL:63.pdf

(2018広島市政白書目次.pdf)
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