広島自治体問題研究所
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広島県民の「命の水」のゆくへ
W.これからの水道を守るためには

 (2020/04/07)
 
広島市水道局主催 広島の水道作品展より
 おわりに
 今回の学習で、改めて水道は、私たちの命とくらしを守るものですが、身近にあってこそいざという時に役に立ち、その維持管理についても住民が関心を持ち責任を持つことが大切だと思いました。
 そのためには今国が進めようとしている、広域化・民営化の道は、いざという時に私たちに水のない生活を強いるものだということ、最近の多くの災害被害者の声は起きるべきして起きるものだったと言えます。
 これを改めるには、今日まで先輩たちの努力により、水道が完備された歴史を振り返り、今の現状を認識することから始めようではありませんか。
 このことで、世界に目を向ければ、現在多くの国から、広域化、民間経営に対し、企業の不正や、水道料金の大幅な値上げに会い、国民の反対で、再公営化の道が進んでいることに確信を持とうではありませんか。 
水道法
 水道法は、1957年(昭和32年)6月15日制定され、水道(上水道)事業について定める日本の法律で、水道は、水を人の飲用に適する水として供給する施設で、国民の日常生活に直結し、その健康を守るためにかくことのできないもの、水道法の根幹は、地域の実情に合わせた給水計画を策定し、清浄低廉豊富な水を供給する国や地方自治体の責任を明確にしています。
 無駄を省き自然の水系水源を生かした地域の実情に応じた給水計画を策定し、更新計画と必要な財政計画を立案することで、市町村が自らの水道を守る道を定めています。財政負担が乏しく、国の支援を引き出せる計画の立案は、地方自治体の知識経験の蓄積が何より重要であり、地域の実情に明るくないコンサルタントなどに計画立案を丸投げすることはふさわしくありません。
 水質は水源を変更すれば大きく変わります。導水・送配水系統などの変更は、日常生活への影響とともに、非常時には生存を左右しかねない重大な問題です。
住民は地域への水の供給が、政府の施策の下で、どのようになっているのか、知り、学び、行動すべきです。
 市町村が主体性を持って水道事業の維持に取り組むためには、住民が地域の水道の実情を知り、維持改善するための議論に参加することこそ必要です。本来、地域の条件に応じた水道事業の計画について、国は技術的財政的支援をすべきです。
 2018年水道法改正で、コンセッション契約を検討するなど、国は補助金を餌に民営化への道へ進めようとしていますが、多くの批判や懸念の声があり、反対する首長も出ています。
広島県の水道を振り返る
 広島県の水道の歴史を見るに、生産県構想で持って、広島県沿岸部の工業地帯建設に必要な水の確保で太田川の水を、広島県は、工業のためと県民の生活の水の確保を併せ行ない、広域化して瀬戸内側の市町にも、地方自治体企業局による水道網の貼り付けを行ってきました。瀬戸内気候で年間雨量の低い地域であり水源が乏しい地域へのこの政策は、多くの県民に潤いをもたらしたと言えます。しかし、企業運営の失敗から多くの課題が出ています。広島県としてしっかり運営を見なおし解決できない問題ではないのです。
 2011年1月に策定された広島県の水道ビジョンでは、県営水道を取り巻く環境の変化として、1.本格的な人口減少社会の到来、2、1人当たりの水使用量の減少、水の再利用の増加、3、水の安全性、安定供給へのニーズの高まり、4、環境保全への社会的要請 などを策定しており、災害が日常的に起きる時代、身近な水源のある生活をしたいという伝統を述べていました。
 湯崎県知事の水道事業とは
 2009年11月に広島県知事となった湯崎英彦氏は、元通産官僚(1990年4月~2000年3月)で、スタンフォード大学経営学修士号取得(1995年6月)、そして 1998年から日本のベンチャー政策に取り組んでいます。その間、アメリカのシリコンバレーに派遣され、アメリカのシステムを学び、日本に帰って施策を展開する予定であったのが、本人自身が言っているように、「ミイラ取りがミイラになって起業する。」と株式会社アッカ・ネットワークス(2000年3月~2008年3月)DSLという技術を使った通信会社を立ち上げています。自分で会社を立ち上げて、上場した経験を持つ知事です。これを県政で全面的に発揮しているようです。
 湯崎知事は、広島県ビジョンで、県行政の役割を、企業活動を盛んにし、海外に進出するために様々な支援を行い、県民の生活、福祉向上に目を向けず、私たちの水を使って、本来の水道事業を営利目的に使おうと「水みらい広島」を立ち上げ、その役割を大きく全国へ優秀な事例として広めております。広島県民として、こうした湯崎県政の方向に批判の声を上げていこうではありませんか。
 2020年1月策定の「広島県における水道広域連携の進め方について」は、今回広域化・民営化するために、浄水場の廃止など地域を支えてきた施設の統廃合が打ち出しています。
 広島県民の水道事業へ
 これを阻止すること、県内各自治体に水道事業の広域化・民営化推進同意調印に反対すること、国に対して水道維持管理費の増額を要求する、などの活動を呼びかけていきましょう。
 別紙の水道浄水場施設の点検を改めて住民とともに行ってください。共同して維持保全に努めるよう提案してください。
  これからは、県民の力と国の力を使って維持発展させようではありませんか。地元県民の確認を行わず、浄水場の統廃合、広域連携・民営化への道へ進むことは許されません。
ありがとうございました。
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(各市町の水道広域化の課題.xlsx)
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(水道施設保存資料.xlsx)
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