広島自治体問題研究所
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第63回全国自治体学校 第12講座 
瀬戸際に立つ地方自治 岡田智弘
を聞いて

 (2021/07/30)
    全国自治体学校で2021年7月18日第12講座「瀬戸際に立つ地方自治」という題で岡田先生の講座がありました。
この講座のねらいは、
 1.地方自治に「今」を歴史的にとらえ、未来を展望する
 2.なぜ、今地方自治は、「瀬戸際に立っている」のか
 3.地方自治体を主権者としての住民のものにするには、どうしたらいいのか
でした。
また講座全体の流れは
§1 地方自治とは何か―地方自治をめぐる歴史から学ぶー
 T 地方自治や地方自治体は、何のために、いつからあったのか
 U 近代国家と地方自治をめぐる戦い
 V 明治憲法の下では「地方自治」も「地方自治体」もなかった
 W 戦後憲法と地方自治・地方自治体の誕生
 X 戦後の「逆コース」と民主的自治体づくりの運動
 
§2 国と地方自治体との関係ー地方分権改革・現代道州制論を考えるー
 T 道州制論の歴史的系譜
 U 経済のグローバル化と現代道州制論の登場
 V 同州論議と「大阪構想」
 W 「地方分権改革」の中で進行した国家統制の強化・地方自治の弱体化
 
§3 第二次安倍政権下の地方制度改革と「自治体戦略2040構想」
 T 安倍政権下における地方制度改革の歴史的文脈
 U 総務省「自治体戦略2040構想研究会」第2次報告の概要と問題点、対立軸の形成
 V 「人口減少」を理由に横行しだした団体自治否定論
 
§4 住民自治と団体自治ー住民を主人公にした自治体とは― 
 T 「平成の大合併」の歴史的教訓
 U 一人ひとりの基本的人権と福祉の向上を目指す地方自治・地域再生の対抗構想

おわりに
  となっておりました。
 まさに、コロナ禍に会って、多くの国民が命の危険に怯え、引きこもる事態が生まれ、地方自治体の自治能力が大きく問われる瀬戸際に立っています。住民の命を守ることが問われる事態になっているにもかかわらず、オリンピックを強行し、またこれからの地方自治体を、大企業奉仕優先、住民の声を聴かない中央集権統制下の地方組織へ再編する計画を実行しているのです。
 今回の講座で、「そもそも地方自治とは何であったのでしょうか。」と根本的な問いかけから始まり、私の身を振り返ることから始まりました。
 そしてその根本が始まったのは、日本国憲法が生まれ、その3つの理念を集約したものとして「地方自治体」が誕生し、その規定が「第8章地方自治」92条から95条までと地方自治法で、団体自治と住民自治を明確にされてきたのでした。しかし、実態面では制度とは裏腹に中央統制が強化されてきたのでした。
 そして、この間の様々な攻撃の中、革新自治体運動、小さくても輝く自治体づくり運動、全国の自治研活動で示した教訓をもとに、
 @住民自治を基本に置いた団体自治の発展、
 A足元から住民の命を守り、人間らしい暮らしを再生・維持する持続可能な地域づくり、
 B足元の地域を知り、科学的に将来を見通せる学習・調査・研究・政策活動が必要不可欠である、
 と述べられました。  
最後に
 「基本的人権は、何か宙にうかんだ抽象の権利ではなく、人間が生まれ、成長し、生活し、労働し、そして老いて死ぬそれぞれの地域の具体的な自然的・社会条件に規定されているものである。したがって、民主主義の運動もまた具体的にはそれぞれの地域の諸条件を改善する自主的、自発的な住民運動として展開せざるをえない。地方自治の概念は、基本的人権を擁護する地域の民主的な制度や自治的な組織までを含む幅広い概念として成立するのである」と
 島恭彦先生の言葉を参考に示されました。
 
この講座で、今地方自治体の在り方について、新自由主義の流れの中で、2040、自治体破壊、デジタル化の推進など、詳しく説明されており、再度復習をしたいものです。
これらの破壊行動で日本の地方自治、住民自治・団体自治が今後どのようになるのか、それに対してどうすべきかなどの方策を求める人が多くありました。そのために岡田先生のWiHi がオーバーする事態が発生したようです。
身近な地域での民主的な活動団体との一致団結した話し合いを活発化させ、地域から運動を広げていきましょう。
 岡田先生には大変ご苦労様でしたなおこの文責は事務局にあります。

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