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広島市市議会ホームページ 陳情一覧表確認してください。 |
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市民の民度 私たちは今民主主義の世界に生きていると感じていますが、それを代表する議会の活動は市民の民度の高まりを現わす大きな指標と言えると思います。 そこで行われている一例としての請願・陳情ということについて、市民の活動はどうなっているのでしょうか。 請願は、日本国憲法第16条に定められた国民の基本的人権のひとつですが、陳情とは、請願と同じように、国や地方公共団体(都道府県や市区町村)の役所などへ、実情を述べて問題の解決や改善などを求めることで、民意がどのくらい発達している状態なのかを見る機会ではないかと考えました。 陳情の特徴 また、陳情ができる人は、住所・国籍・年齢などに関係なく、だれでも提出することができます。したがって、未成年者や日本に住む外国人、法人、各種団体(PTAや老人会など)、市内に住んでいない人でも提出することができます。また、提出される方は1人でも連名でも構わないという幅広い行為です。 広島市議会での陳情 そこでこの度、広島市議会から発表された「陳情受理一覧表(令和元年5月2日から)」(一覧表という)を参考に、どのくらいの数量が出されているのか、議会審議にかけられる割合は、どのような結果になっているのか、これらを調査してみました。あくまで市民から出された陳情書であり、その内容についてコメントしない立場から、表面をのぞいてみました。 この一覧表は、令和元年5月2日議会事務局が受け付け、事務局内規則から分類され、各常任委員会にかけたり、全議員に回覧させた、合計186件で、令和3年12月15日までに結論が出されていました。 広島市議会常任委員会 この案件を扱う広島市常任委員会は、少人数の議員で構成され、それぞれの担当部門の議案その他の議決事項などについて、専門的に、より詳しく能率的に審査や調査を行っています。 広島市議会(議員55名)では、六つの常任委員会(総務・消防上下水道・文教・経済観光環境・厚生・建設)が9名づつで設けられており、議員はそれぞれ一つの常任委員会に所属しています。またそれぞれの所管する室・局・委員会が行政側から張り付いており、他の常任委員会の所管に属しない事項については総務委員会で審議されます。
常任委員会名 所 管 総 務 危機管理室、企画総務局、財政局、 市民局、会計室、選挙管理委員会、 人事委員会、監査事務局、市議会事務局 及び他の常任委員会の所管に属しない事項 経済観光環境 環境局 経済観光局 農業委員会 文 教 教育委員会 厚 生 健康福祉局 こども未来局 消防上下水道 消防局 下水道局 水道局 建 設 都市整備局 道路交通局
提出された年度ごとに見ますと、元年度が75件、2年度が67件、3年度が42件と計186件となっています。これから見ると平均71件と言える水準です。 他の政令市との比較 これらは、他の政令市ではどうなっているのでしょうか。一部を覗いてみましたところ下記のような結果になっています。 市 名 推計人口 2019年 2020年 2021年 計 件数/1万人/3 浜松市 785,729 18 8 14 40 0.17 堺 市 819,965 76 81 84 241 0.98 仙台市 1,096,623 16 26 25 67 0.20 広島市 1,195,384 75 67 42 186 0.52 さいたま市 1,333,195 22 52 62 136 0.34 審議基準 議会の規則によって陳情書の取り扱いは違っていますが、この制度が公になっているところと事務局扱いで残っているところとあることが分かりました。 広島市では出された陳情書は、事務局の独自の下記の判断基準で各委員会に付託・審査されますが、その内容は、委員会諮問が99件で、あと87件は議員回覧となっています。
委員会に付託・審査等を行わない陳情書 1 郵送により提出されたもの 2 代表者が市内に住所(団体の場合は所在地)がないもの 3 陳情の内容が ア 市の所管外のもの イ 決議や意見書の提出を求めるもの ウ 議会に直接関係するもの 4 委員会付託の希望がないもの 詳しくは、議会事務局市政調査課:電話(082)504-2438にお問い合わせください。
となっています。 6項目述べられておりますが、これらの判断が事務当局の判断であるという点、議会審議が行政に委ねられているという欠陥が見られます。 審議結果 一方常任委員会に挙げられた99件の各委員会での結果は、下記のような結果になっています。 常任委員会名 件数 継続審査 採択 取り下げ承認 不採択 総務 26 24 1 1 経済観光環境 3 3 文教 16 10 3 3 厚生 23 20 2 1 消防上下水道 1 1 建設 30 26 4 合 計 99 84 4 10 1 85% この内継続審査という区分について圧倒的な数になっていますが、今回の陳情書の中で、「市民の陳情に対して、多くの案件についてろくな論議もせず全く改善が見られないまま、ただ継続審査として放置し、結果議員任期満了に伴い審議未了となった。これは市議会による陳情の無視である。」という実態があるのも事実で、今後出された市民はこの監視を行うことも必要ですね。 広島市市議会の構成会派はどうなっているのでしょうか。市民とのつながりを検証しましょう。
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