広島自治体問題研究所
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23年9月号
 

 (2023/08/28)
 
編集局より
我が国の少子化対策は、真摯な総括もなく接ぎ木するような政策が続き。出生数は低下の一途をたどってきました。総括と反省のないあいまいな「異次元の少子化対策」では未来への展望は見いだせません。財源確保策も先送り。目玉は全国民同額の「支援金」の徴収と「こども特例公債」の発行ですが、問題は山積です。
目次
◆直言 ジェンダーギャップで人口流出? 林 克
●特集● 「異次元の少子化対策」を問う
「異次元の少子化対策」では少子化は解決しない 浅井春夫
こども・子育て政策の財源をどう確保するか 梅原英治
蘇る「こども保険」構想と「異次元」のトラップ 芝田英昭
学校給食費は国の責任で無償化を 金井裕子
子どもたちにもう1人保育士を!山を動かす大運動 田境 敦
岡山県 奈義町の子育て支援の到達と課題 森藤政憲
自治体問題研究所第63回定期総会報告
自治体問題研究所創立60周年記念シンポジウム「軍拡と地方自治〜日本国憲法を守るために」 吉川貴夫
講演:経済安全保障と地方自治の対抗 岡田知弘
報告:「最前線」化する沖縄 島袋隆志
報告:憲法を守る自治体職場の取り組みから 永野泰子
【連載】
人つながる㉚ 慰霊の日…辺野古の海から“いのち”を考える〜辺野古ぶるー「海のおまつり」の活動を通して〜 安里邦夫
続・津久井やまゆり園事件を人権の視点から考える 優生思想と人権保障
第1回 障害のある人の「子どもを産み育てる権利」保障のために 金川めぐみ
シリーズ 地域発信 現代マタギの森ごもり 第4回 植物とマタギ 益田 光
書評 岡田知弘・中山 徹・本多滝夫・平岡和久著『デジタル化と地方自治 自治体DXと「新しい資本主義」の虚妄』 庄村勇人
書評 辻 浩・細山俊男・石井山竜平編『地方自治の未来をひらく社会教育』 長澤成次
BOOK REVIEW
ローカル・ネットワーク
Jつうしん 第3回茨城自治研合同セミナー報告/茨城県自治体問題研究所 叶谷 正
自治の風─福島から 第4回 子どもたちの歓声が響く里山の再生のために 菅野正寿
編集後記
 

2023年8月号 

 (2023/07/24)
 
編集局より
2024年度からの「第8次医療計画」の策定をはじめ、地域医療に関わる様々な計画の見直しや改定に向けた作業が今年度、進められています。公立病院をめぐっては「公立病院経営強化プラン」の策定も今年度中となっています。住み続けることができる、地域の実情に応じた医療提供体制の構築には住民参加を欠くことはできません。「各地が抱える地域医療の問題は住民が学び、主体性をもって動かない限り、解決しない」という本特集の鈴木土身さんの視点に学び、共立蒲原総合病院と市立湖西病院をめぐる静岡の取り組み、三重県名張市の名張市立病院をめぐる住民運動など、本特集をふまえて各地の「医療の公共性」を取りもどす研究・活動に学びましょう。
 
目次
◆直言 人々の多様性と正面から向き合う取り組みを 松田 亮三
●特集● 地域医療を守るために
地域医療提供体制再編の現段階 長友 薫輝
「医療DX」による医療費抑制─国民皆保険制度と「かかりつけ医」の変容 松山 洋
静岡県 共立蒲原総合病院と市立湖西病院を守る取り組み 中村 恵美子
三重県 市民・医療従事者と共に、命と医療のとりで、名張市立病院を守り良くしていくために。 三原 淳子
秋田県 「医師不足」の解決めざす住民運動 それは「医療の公共性を取り戻す」ということ 鈴木 土身
産み育てたくなる地域を! 松岡 悦子
 
”適疎“の町村づくりを発信する 第27回小さくても輝く自治体フォーラムin一宮町 竹下 登志成/吉川 貴夫/朝岡 幸彦/水谷 利亮
2023年統一地方選挙の分析─維新の伸長と杉並に見る住民参加の芽 川上 哲
頻発する大規模災害に対応可能な、レジリエンスの視点に立った避難・避難所等政策の在り方(下) 水野 博宣
●連載●
人つながる㉙ 戦争遺跡の平和利用は可能か。 白数 夏生
検証 津久井やまゆり園事件を人権の視点から考える 第20回(最終回) 障害者施設における虐待をなくすためにはどうしたらよいのか 石川 満
くらしと自治と憲法と 第24回 Colaboへの攻撃が意味するもの─暇空茜問題 太田 啓子
シリーズ 地域発信 現代マタギの森ごもり 第3回 マタギ不在の山 益田 光
@NEWS自治体を「戦争する国」づくりの下請けにするな 自衛隊への名簿提供中止を求めて運動交流会 西村 美幸
書評 上田道明編『いまから始める地方自治[改訂版]』 加茂 利男
Jつうしん 周南市の行財政白書を発行 山口県地方自治研究所
自治の風─福島から 第3回 脱原発と地域再興に向けて農業と再生可能エネルギーを進め、持続可能な地域を作る 佐々木 健洋
編集後記
表紙写真 大坂 健
スケッチ 芝田 英昭
 

2023年7月号 

 (2023/06/19)
 
編集局
脱炭素社会・脱原発依存の観点から再生可能エネルギーの普及は急務です。しかし、全国各地で問題が噴出しているように、その進め方が自然環境や地域社会に対する配慮を欠いていると、深刻な負の影響をもたらして「持続可能な開発」への逆行となります。そうではなく、自然環境や人のつながりなど地域に根差した省エネや再生可能エネルギー利用の取り組みが必要となっています。そこで、本号では6月号に続き、地域社会の主体的な取り組みによる脱炭素社会の形成に向けた取り組みについて、具体的な事例とともに紹介します。

目次
◆直言 社会保障の充実に向けて 長友 薫輝
●特集● 脱炭素社会に向けてU─地域・自治体の協働で進める脱炭素社会の形成

  • 地域・自治体からの断熱・ゼロカーボンの取り組み 上園 昌武


  • 資料 再生可能エネルギーを利用した「地域循環共生圏」をめざす市町村 傘木 宏夫


  • 長野県ゼロカーボン戦略の意義と課題 平島 安人


  • 長野県・飯田市 地域環境権に基づく再生可能エネルギーの普及 小林 晋


  • 省エネ住宅の普及について 成田 完二


  • エネルギーの自給ができる地域を目指して─まめってぇ鬼無里の挑戦 小田切 奈々子



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  • ZOOM IN 東京・神宮外苑 経済発展のために自然が犠牲にされない社会を作りたい 楠本 夏花


  • 頻発する大規模災害に対応可能な、レジリエンスの視点に立った避難・避難所等政策の在り方(上) 水野 博宣



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●連載●
 

  • 人つながる㉘ 秋田県美郷町「ほとり食堂」─子どもの笑顔を見ながら大人も共に成長できる活動に 阿部 大地


  • 検証 津久井やまゆり園事件を人権の視点から考える 第19回 やまゆり園事件の再発防止と人権の将来展望を語る(まとめの座談会) 井上 英夫/藤井 克徳/鈴木 靜/池上 洋通


  • シリーズ 地域発信 現代マタギの森ごもり 第2回 マタギとして暮らすということ 益田 光


  • 連続企画 「新型コロナ」から日本の社会を考える 第34回 コロナ禍の中で保健医療体制の貧困を考える 松本 隆浩


  • @NEWS 大阪IR・カジノ計画の新局面に我々はどう立ち向かうか 中山 直和


  • 書評 稲葉一将・松山 洋・神田敏史・寺尾正之著『医療DXが社会保障を変える─マイナンバー制度を基盤とする情報連携と人権』 竹田 智雄


  • ローカル・ネットワーク


  • Jつうしん 岡山県自治体問題研究所


  • 自治の風─福島から 第2回 帰還困難区域の「ふるさとを返せ 津島原発訴訟」の闘い 今野 秀則



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  • 編集後記



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2023年6月号読者ノート

 (2023/05/29)
 
編集局より
 脱炭素社会・脱原発依存の観点から再生可能エネルギーの普及は急務です。しかし、全国各地で問題が噴出しているように、その進め方が自然環境や地域社会に対する配慮を欠いていると、深刻な負の影響をもたらして「持続可能な開発」への逆行となります。そうではなく、自然環境や人のつながりなど地域に根差した省エネや再生可能エネルギー利用の取り組みが必要となっています。そこで、本号では再生可能エネルギー開発をめぐる地域社会での合意形成のあり方について、次号では地域社会の主体的な取り組みによる脱炭素社会の形成に向けた取り組みについて、具体的な事例とともに紹介します。
目次
◆直言 子育て支援拠点の廃止問題 島袋隆志

 行政が拠点事業を打ち切る際に新しい事業との調整であると言いますが、これら拠点施設への住民の接し方にはその狙いとマッチした課題があるからですね。子育て支援が必要な理由について、母親は、出産後にホルモンの分泌の変化によって強い不安や孤独を感じやすくなる仕組みがママ(人類)の体に備わり、不安や孤独を感じ仲間と一緒に子育てしたい「共同養育」という気持ちになることが科学的に証明され、これが子育て支援をしなければならない根拠であると解説されています。再認識しました。
●特集●  脱炭素社会に向けてT─再生可能エネルギー開発と地域合意の形成
再生可能エネルギー開発と地域社会の対応 傘木宏夫

 地域再生エネルギー開発が始まって、さまざまな問題が起きているようです。しかし、導入に当たって政府の規制緩和が先に出され、ザーザーの状態に落ち込んでいるようです。まさにアクセルを踏んでブレーキなしの状態だとか。また転売が続出し責任をもった運営がされていない。「アサスのがれ」が進められているとは?。初心に返って、適正な事業の進め方は、第一に事前配慮の徹底、第2に適正管理の推進、第3に地域内投資への転換です。これに加えることとして国際連帯があげられています。一方事前エネルギーと自然を相手にする時その自然の世界には生物がおります、これらを安全に配置できる場所の確保がなければ破壊につながります。「さけるべき区域」の設定が「区域施策編」でまとめるよう義務付けられています。この徹底が必要です。
改正温対法を踏まえた地域での合意形成のあり方 錦澤滋雄
 再生可能エネルギー(再エネという)がNIMBY(ニンビー)とはÑot Tn Ⅿy  Back Yardの頭文字「私の裏にはではノー」を意味します。このようなことにならないよう、自治体による施策―条例・ガイドラインのよる規制、国による温暖法による地域共生策、合意形成に向けた地域貢献策が掲げられ、そしてPIMBY(p lease In My Back Yard)に向けた、社会面、経済面、エネルギー面から挙げられた例が出ています。ソーラーシェアリング、農山村再生可能エネルギー法の活用し地域基金化されて産業振興に使われる。発電された電力を地域に供給される。災害時に携帯や家電を充電できる電源施設。などなど。興味深いデーターとして太陽光発電施設の周囲3キロに移住する住民の施設への賛否態度をアンケートにまとめた結果があります。施設の導入に当たって地元との関係がどのように接してきたかが今後に大きな影響を持っていることが明らかにされています。地域合意形成が大変大事なのだと思います。
自然豊かな丹後半島に大型風力発電 私たちの生活はどうなる 浦島清一
  環境庁が「風力発電に関する適地抽出手法に関するガイド〜地方公共団体による適地抽出のための合意形成と環境調査」という文書により、積極的に推進していく方法で、一部の地域関係者のみに公開しすすめていたのです。これに対し学習会を開き、まず住民に知らせよう―取り組みを始めました。土木専門家の意見や、地域巡りで丹後半島の歴史や文化、環境歩き巡りを連携して学びました。住民自身が主体者となり、取り組み続ければ負けない、あきらめないで取り組み続けることが必要です。小冊子も発行されています。アワーTANNGO 歴史・自然・くらしと「大型風力発電開発」」
三重県・松阪市「大型風力発電所建設計画」に対する市議会での真剣討論 山本芳敬
 議会への大型風力発言計画に対する請願審査の経過が述べられています。質疑発言や質問が出されそれに答えていますが、大きな森林地帯への設置に大きな問題が書きだされています。請願書に記された意見について一つ一つ、丁寧に書かれており、専門家答弁も地域の実情を精細に述べています。議会への傍聴者の大勢に囲まれて、議会質疑が出されています。参照:https://www.nacsj.or.jp/media/2023/04/35101/
FOCUS  マイナンバーカード普及の新段階 ─取得「義務化」による公共サービスの変質─ 稲葉一将
 マイナンバーの普及に健康保険証の一体化が示されて驚きました。このような法律以降に、他の自治体カードを併用して市民に押し付けるなど、このような対等平等を覆す行為が地方自治体の中で推進され出したことは、自らの自治体の在り方が問われるのではないでしょうか。「義務化」という量的変化を放置すると、やがて「化」が外れ「義務」という質的変化の段階に進むでしょう。と言われています。今からどんどんマイナンバーの不正が明らかになっており、もはや根本的な課題になりつつあるのではないでしょうか。この普及に対する政府の交付金配慮への締め付けなど。多くの自治体から声が出ていない実態があり、日本の行政が、中央集権化されている実態が明らかになりました。また公共サービスが変質してきた要因にこのマイナンバー導入が関わっています。まさに地方自治、団体自治と住民自治のうち住民自治の出番ですね。
ZOOM IN 沖縄高江への愛知県警機動隊派遣違法訴訟、勝訴確定 吉田光利
 2016年沖縄への愛知県警察本部の機動隊派遣で、基地拡大反対する住民に対し、排除行動を行ったことに対し、愛知県民200人が住民訴訟で訴え、最高裁上告棄却、上告不受理の決定が出され結審したのです。沖縄の人々と連帯し、日本国憲法の平和主義、民主主義と基本的人権を守り抜く新しい戦いに踏み出しての戦いだったのですね。
ZOOM IN 東京・昭島市 巨大物流センターとDC建設計画に見る都市開発の普遍的問題 長谷川博之
 DC建設地が、広大な企業の私有地であった土地に、外貨資本から開発による土地利用開発が行われ、企業のなすがままになっていますが、その土地周辺の住民・自然環境、生態・生物、交通など、気にかけていない実態が明らかになりました。しかし、環境アセスに関心を持つ市民が少ないなど、外貨資本勢力の思うままになっていかないよう、今回このような環境アセスに関心を持つグループが、行政に働きかける、市民の同意を広げる、学習を深める工法を拡大させるなど、大きな取り組みを起こさせる必要があります。行政が環境に疎い実態と首長の大企業との対決を忌み嫌う姿勢など、今後どのように進めていくのか見守りたいと思います。このような大企業用地の転換が外資と結び付けていく動きは全国に出て来るでしょうが、環境開発という分野の目で見つめ直していく、早期に喚起することが住民自治として大切ですね。
ZOOM IN 酪農・畜産の危機─日本の食を守れ、離農あいつぐ酪農家と農民連の運動 満川暁代
 今畜産業界が崩壊の危機に際し、国内産乳製品がなくなる時代が訪れようとしているのです。一方国の市政は、まさに自国の政府ではない、国際義務と勝手に解釈し乳製品の輸入を続けているのです。減産だと言って牛を殺すと補助金を出すなど、持続的な生産関係にある酪農家の性格を無視しています。アメリカなどでは、入荷と実際の生産コストの差額の90%を政府が補てんして、酪農家一戸当たり約700万円の「最低所得補償」を実施しているのです。戦争道具を何兆円も出せる政府に私たちの自給力のために配布するよう政策を変えさせましょう。
●連載●
連続企画 「新型コロナ」から日本の社会を考える 第33回 受療権を侵害する75歳以上医療費窓口負担2割化の実態 久保田直生

 コロナ禍の中高齢者、七五歳以上の負担割合が二割負担となりこれがどのようになっているか、アンケート調査が行われ、二割化は「受診抑制」を深刻化させる、平等の大義名分は全く根拠のないものだった。政府がこの制度を出す前に年1050億円削減できると計算していたことも明らかになり、社会保障費削減でしか今回の改正の目的はないことが明らかにされました。ゆとりのない200万円世代の方々は、抑制する中身はさまざまがあり受診せざるを得ないことが大半であることが分かりました。200万円自体の生活者の困窮度は増すばかりです。全世代を「不安に陥れる、社会保障の解体政治を変え、社会保障の充実による「安心の社会」への転換こそが今求められています。
人つながる㉗ この春、受験生17人が全員合格─子どもたちの夢を応援する大学生たちの無料塾 吉沢春陽
 コロナ禍での開港となってこの無料塾に、多くの学生が「普通の大学生では経験できないようなことを経験できたり、学べることがたくさんあるから」とか多くの言葉が出ていますが、子どもたちが、「勉強の楽しさを知ることが出来た」とかの声を聴くと、コミュニティの中での教育が生まれていることが分かります。今の教育環境の改善に役立ててほしいものです。
検証 津久井やまゆり園事件を人権の視点から考える 第18回 障害を理由とするヘイトスピーチとの闘い 下山 順
 ヘイトスピーチに対する毅然たる処分が行われていたことが明らかになりました。このようなメールを出す人の心が誰も悲しいと思うのですが、刑事罰にならないのでしょうか。人の障害は誰でもいつかなるものであり、これを憎悪で表現するなどまさにその発言者がなった時のことを考えてみてほしいものです。Hさんの支援に法律家関係者は早期にヘイトクライム法の改正に努めてほしいものです。ただ単なる名誉棄損ではない、人間性が問われるものですから、どのような基準での作成になるのか、考えてみたいものです。
シリーズ 地域発信 現代マタギの森ごもり 第1回 マタギの里、四季とともに暮らす。 益田 光
 秋田県北秋田市阿仁地区の1年間が綴られています・是非思いを込めながら阿仁地区の1年を振り返ってみてください。自然の中に人間の小ささが身に染みるとともに移り変わる自然の流れの貴重なリズムを感じます。このような自然から阿仁地区にマタギが生まれたのですね。一生懸命生きるこの地区の人々のコミュニケーションはどんなものなのでしょうか。
書評 篠田 徹・上林陽治編著『格差に挑む自治体労働政策─就労支援、地域雇用、公契約、公共調達』 白石 孝
 この本が日本評論社でなく自治体研究社であったならと思います。この事例が多くの自治体改善労働改善に役立てられればとも思います。首長の政策選択及び実施する組織とひとを整えることで、効果的で多面的な政策を展開出来るその技をつかみたいものです。
@NEWS 福岡高裁那覇支部・県知事による国の違法な関与取消訴訟を却下・棄却 大田直史
 辺野古工事の環境アセスの変更手続きを国交省が一私人として変更ができると争っていた問題に対し却下されたのです。一国の機関が、立場上出来ない項目に対し私人であるとして変更させる暴挙が止められたのです。行審法という法律解釈で国の機関が「国民」に含まれると考えられるのは、処分を受けた「一般私人」たる国の機関が同じ審査長による採決を受けても「身内の審査」の疑念を生じない例外的な場合に限られます、裁決後に同じ国交省が、関与庁の立場で是正の指示を行ったことも公平な審査庁の役割とは両立し得ないのです。
 ローカル・ネットワーク
第65回自治体学校案内㏌岡山
Jつうしん 神奈川自治体問題研究所/ぐんま住民と自治研究所
自治の風─福島から 第1回 汚染水問題 斎藤富春

 福島原発の今が分かるようです。いまだに避難民2万7399人戻っていない人が8万人だそうで、汚染水問題の解決も大きな環境問題として大きな課題です。ね。知事選の中で、「広域遮水壁」を提案されていました。
編集後記
表紙写真 大坂 健
スケッチ 芝田英昭

 

2023年5月号 読者会資料

 (2023/05/18)
 
広島自治研読者から、グループで学習会を開いた時の資料が届きました。
参考にしてください。
 
DL:119.docx

(2023.5月号 公務労働.docx)
56624バイト

2023年5月号読者ノート

 (2023/05/16)
 
編集局から
全体の奉仕者である公務員は、個別具体的な市民の要求を公共のために実現していく必要があり、そのためには広い知識と専門性が求められます。 しかし、公務労働の民間化、コスト面だけを見た運用によって、「全国どの自治体でも同じサービス」といったサービス業としての公務員像が要求されています。本来の専門性のある公務労働について改めて考えます。
 
目次
◆直言 公共を取りもどそう 小山国治

 この間のコロナパンデミックでの公共衛生現場は多くの人には、こんなに脆弱になっていたのかと。我に振り返ったことでしょう。しかし、この言葉は自民党・公明党には届いていないようで、厚労省の交渉現場でも高裁でも、「国民の命を守り切る」という強い医師の言葉は確認されていないのです。一方で人の命を奪うミサイルや武器などのを購入する軍事費には、大幅増額する岸田政権には強い怒りを覚えます。そもそも、2010年にまとめられていたインフルエンザ防止対策に十分な実施がされていなかったことが、今回のパンデミックが起きたとは、公共行政ではないと、憲法虫の行政になっており、早期に回復させましょう。
●特集● 公務労働の専門性
公務員の専門性をめぐる現代的攻防ライン 二宮厚美

 二宮先生のこの文章は、新自由主義、維新政治が行ってきた過程が、全体の奉仕者としての専門性を奪い、新たな官治主義、官僚主義を育てて、公務労働の存在をなくしてきたのだとわかりました。改めて公務労働の奥深さ、公共性=共同性が地域社会に存在すべきで、分裂・分断状態の解決を図ることの役割りが、公務員にはあるということを確認できました。大阪の地域社会はすでに分裂と分断が維新政治により行われ、公務員はいなくなっているのですね。大阪の地域から、他の地域にこれらが広がっていますが、さらば、維新政治を刊行するすべは、このような憲法に基づいた、全体の奉仕者論をわかりやすく、国民が理解しないといけないのだと思います。公務員とは何か、働く意義の価値観を取り戻すことが、今必要でしょうね。
住民の「いのち」と尊厳にかかわる公務労働 岡ア祐司
 保健・福祉の公務労働の専門性を4つから解明し、公務労働者の運動の道筋を提言しています。20数年間の間で繰り広げられた、公務労働の後退を、階級社会の現実から掘り起こし、専門性の実務的あり方を具体的に現場で示すことが求められています。住民と公務員を分断させる新自由主義改革の克服と、幅広い住民との共同が深部から湧きださなければならないのです。公務労働の役割を、第1に住民の生活困難や「いのち」の危機など地域における社会問題を対象にしている事、第2に困難を抱え厳しい状況にあっても自分らしく生きたい、人として尊厳されたい、社会に参加したいという個人の切実な要求をつかみ、それを当事者と共に歩みながら実現する専門的力量を持っている。第3に政策・制度を活用し、かつ政策・制度の裏付けを必要とする専門労働であること、第4に、地域における保健・医療・福祉の連携・協働を作り、住民の「いのち」と生活の継続に必要な社会行政計画を策定する政策能力を持っていることを挙げています。これら4つの専門性は、第1が第2を発展させる土台になり、第4の専門性が第3の条件を作るなど其れぞれが相互に関連しているのです。現在作られてきた制度は、市場化・商品化の政策の下で、必要に基づいてではなく、経済的負担能力に基づいたサービスが提供されているのです。資本主義国家は、市民社会の上にそびえたつ権力であり、強制力や暴力性をもっています。しかし社会矛盾の発展、諸権利の確立など歴史的にそれからの実現のための政策・制度を国と地方に迫る社会運動の発展を、階級国家も無視できなくなったからです。保健・福祉の公務労働論は運動論を内在させ専門性確立や役割論を明らかにしています。階級社会の中で変質される保健・福祉の公共性・権利性を市民・当事者と共に戦い再生・発展させるとういう歴史的使命を公務労働者は担っています。
人権としての学習権保障を実現する公務労働─学びの自由と権利を保障する社会教育職員の専門性をめぐって─ 長澤成次
 社会教育職員の専門性を論ずるときに前提とすべきことは、自治体教育委員会事務局に置かれる社会教育主事、図書館に置かれる専門的職員である司書・司書補、博物館に置かれる専門的職員である学芸員・学芸員補は、いずれも国家資格として法制度上に養成制度を有していますが、公民館主事に関しては専門職養成制度を持たず任意設置となっています。
又この間の教育基本法の改正により、官製ワーキングプア―を再生産する仕組みになっています。このような弊害を十分理解して、公民館・図書館・博物館に置いて住民の学習の自由な学びの公共空間においてこそ地域づくりを担う住民自治力が豊かに形成されるためには、司書・学芸員の社会的保障がされることが、必要ですね。

保育現場の実態から保育労働の専門性を考える 橋光幸
 保育士の世界では、年長クラスの保育士は、多忙との同義語だと敬遠されているとか。筆者が言う、5歳児保育の楽しさは、通常保育に加え、日々「クラスだより」を綴る時間を捻出することから、保育内容を可視化させ、保護者に伝え、自らも振り返って次の保育に生かせているからだと言います。このような実践が、今現場では出来なくなっているのでしょう。保育を付か組る言葉として、子ども一人ひとりと良質なアタッチメント(愛着)を形成できなければ保育は成立あり得ず、経験があろうがなかろうが、安心感がないと子どもはいろいろなことに興味をもて新しいことに挑戦することが出来なくなっていくことを、保護者は認識を深めていきたいものです。
 子どもの主体性ばかり強調する保育行政は、客体とは誰かから教えられる行為について子どもが学ぶという行為があり、理解して創造力を増していく年代だということを理解できていないのですね。公立保育園の果たす役割がちょっと不足していますね。株式会社方式をこのような現場に持ってくること自体が間違いですね。

住民訴訟を通じて公務労働の専門性再生と外部化見直しへ 林 敏夫
 指定管理者制度で、株式会社が請け負うことになると今回のような本末転倒の事になります。利潤を搾り取る学童で、人件費の指導員の安上がりに尽きる時、公的基準も自分の立場に変えて取り繕うのですね、その管理を行う市のこの事業に対する、味方の欠如は、常勤すら言葉が理解できていないところを見ると大変な怠慢ですね。ずさんな指定管理に住民が訴訟へ発展させていく流れを、掴むためには専門性の内容にじっくりつかんでおくことがた移転大事ですね。子どもの成長・発達に対する専門性の記述に対する裏付けが現場の職員には求められますね。また住民には、保護者会という組織が作られていることが不可欠でしょう。
 FOCUS 医師の倫理規範から「オンライン資格確認義務不存在確認等請求訴訟」提起へ 佐藤一樹
 今回のマイナンバーで健康保険証資格認定に使え、マイナンバーを早期に手続しないとまた罰金を付けるなど、一法令の根拠を十分理解されていない実態が明らかになりました。法律の委任がない省令で国民に義務を課し、権利を制限する規定を設けることは禁じられているのです。また、プロフェッションとしての医師の倫理規範を、古くはピポクラステスの時代から現代まで、医師はプロフェッションとして、営利ではなく、人の病や悩みという公益に奉仕し、それを天地神明に誓って尽力してきたのです。また、どの時代でも倫理上も法律上も、医師は患者の個人情報について守秘義務を負っていることは変わりないのです。このような状況を自民・公明にの人たちは知らないのでしょうか。また早多くの事件が露呈していますが、間違って他人の情報が記載された、マイナンバーカードが出回っているのです。
ZOOM IN 海洋放出ではなく汚染水発生量の抜本的な削減を 柴崎直明
 東日本大震災と東京電力福島第一原発の事故から12年の歳月が過ぎました。この間汚染水の海上放流が大きくなっていましたが、今回の報告を見る限り、この汚染水の解明についての地質的分析が大きく問題あることが分かります。科学的研究をもっと重要視して解明しなければいけないのに、多額の工事費でもって、地下水バイパスや、凍土壁の工事など、まさに出来当たりの事を行ってきたことが判明されています。早期に、科学的根拠に基づく工事の実施で、環境防護を行ってほしいものです。
【連載】
書評 保母武彦監修・しまね地域自治研究所編『しまねの未来と県政を考える─島根発・地方再生への提言2』 藤田安一

 今我が国は、政府主導による急速な軍事大国化、都市重視の成長戦略、中央集中型のデジタル化などの推進によって、地方はますます自主性を失い、国による自治体の下請け機関化が急ピッチで進んでいます。今回島根での県政について、住民自治を支柱とする地方自治をよみがえらせ、持続可能な地域の再生を願っている多くの人々に依拠した本が出ました。
連続企画 「新型コロナ」から日本の社会を考える 第32回 コロナ禍における地域福祉
─豊中市社会福祉協議会の現場から 勝部麗子

 コロナ禍の中で、社会福祉協議会が大きく変わったそうです。3つの命のリスクと戦ってきた。生活資金の貸付業務に邁進させられた。生活保護になるくらいなら死んだほうがましとの言葉にこれが本当に役立つ施策なのか疑問に感じた。孤立する高齢者が増え続けている実態があり、離れても繋がろうと新たな施策が生まれた。子どもサロンも青空のもと医師の監修をしっかりして、運営した。
 社会保障の在り方について@.入りやすい生活保護の在り方A.今後の支援にかかわる人材確保の財源や体制強化が不可欠。B.ソーシャルディスタンスで人と人との関係や距離を考えること。多くの体験を持つ人々とのつながりを見ること。C.地域活動にも警鐘を鳴らした。誰一人り取り残されない社会の実現は、このコロナで浮き彫りになった多くの課題と向き合うことから始まりのですね。

@NEWS 私たちはなぜ入管法案に反対しているのか 出井博文
 入管法案が今話題になっていますが、本来日本の難民認定の基準が議論されていない実態があります。そのことは日本の難民数が100名と非常に少ないことに現れ、今回はその強制送還をやりやすくするための法案であり、根本問題が語られていないのです。わかりやすく広く知らせてほしいものです。
検証 津久井やまゆり園事件を人権の視点から考える第17回 今だからこそ真相究明を 藤井克徳
 今回で17回になり事件から7年が建って、改めて今日的課題に何も答えていないと、国際的評価からも指摘されているにもかかわらず何も当時と変わっていないと感じました。この優生思想および非障がい者優先主義に対する社会的反応が鈍いのでしょう。身近におられる方々の連携した動きがもっと欲しいと思います。やまゆり園事件と固有名詞が出て優生思想がなくなるよう、社会思想家の努力や、私たち一般人の働きが大切ですね。
人つながる㉖ マタギ発祥の地、現代マタギとして生きるために。 益田 光
 マタギとは、東北地方の奥山にいて「山の神」を信仰する猟銃集団の事です。独自の宗教観、儀式、猟銃道具、マタギ言葉などの文化的特徴を有するのです。このような宗教観をもって、AIやらメタバースなど、仮想現実に引きこもりがちな現代に、対応してみるのも一つの試みでしょうか。人類には深い信仰があるのですね。
くらしと自治と憲法と 第23回  性的指向と性自認に関する人権課題の解決に向けて 西山 朗
 同性婚を憲法は禁じていないことが述べられこれを制度的に制定していないことが違反であると地裁でも出ています。この法整備が進まないのは、同性愛は心の中の問題であり、先天的なものではなく後天的な精神の障害、または依存症です」「性的少数者のライフスタイルが正当化されるべきでないのは、家庭と社会を崩壊させる社会問題だからです」と主張する神道政治連盟国会議員、など伝統的家族観を重視する勢力と政治が密接につながり、ジェンダー関連の政策決定に大きく影響を与えているからなのです。
BOOK REVIEW
ローカル・ネットワーク
Jつうしん まいづる市民自治研究所
自治の風─広島から 第6回完成のメドが立たない二葉山トンネル工事の異常な実態 越智秀二

 広島からの発信はこれで最後となりました。改めて広島の課題も、大きく日本の動向を反映しているものだた感じ、これ等一つ一つに真摯に関わっていきたいものです。
編集後記
 

2023年4月号読者ノート

 (2023/03/16)
 
編集局から
2020年4月にスタートした会計年度任用職員制度。任期が原則一年であり更新の回数は2回が上限と総務省の文書にあるため、2023年3月で再任用されることはなく、再びの「公募」となります。これにより自治体による雇止めが行われることが見込ます。自治体DXによる公務員削減の方針と合わせ、ここで新たに官製ワーキングプアについて考えます

目次
◆直言 北陸新幹線延伸京都ルートの建設は地方自治の蹂躙 大田 直史

 新幹線工事における各種の規制が整備されていない実態が明らかにされ費用負担による自治体財政の崩壊、地域資源の汚濁による産業の崩壊など、危惧されています。また、今進める手立てが、自民党ある種の議員のPT発言だとは住民の意向無視の蹂躙は許されない憲法95条の蹂躙です。
●特集●会計年度任用職員制度─雇用破壊と分断の渦中で
「官製ワーキングプア」の是正─持続可能かつ質の高い自治体運営のためにも 早津 裕貴

 会計年度任用職員制度の法律には、「雇用上限を3年にせよ」とも、「再度の任用」時に必ず「公募」をせよ」とも書かれていないのです。平等取り扱いの原則及び成績主義を踏まえ、地域の実情等に応じつつ、適切に対応されたい」とされているのです。国際的に見ても「常識」ではありません。総人件費の管理ないし総人員の適正化といった観点からは、有期やパートタイムだからと言って、一律にカウントしないことが正しいとは言えません。
また、人員の適正配置を実現する定員管理とはいかにあるべきか」といった観点をもとに、定員管理の在り方そのものを見直す時期に来ているのではないでしょうかと言っていますが、この基準を見たことがないのです。今回の会計年度任用職員制度で、給与決定、勤勉手当、などの明確化が、供えられていますが、「非正規」の増大と「正規」の多忙化は表裏一体の関係にあり、そもそも「身分」が違うといった意識がある限り、全体としての状況は上向かないでしょう。
 公務における歯止めのない雇用の劣化を「民間も苦しいのだから」と諦め、切り捨てるのか、それとも、一定のコストも受け入れつつ、持続可能かつ質の高い公共サービスを実現し、それを社会・経済の好循環、国家の維持・発展の一助として行くことを志向するのか、そういったことを真剣に考え、議論することが、今後ますます重要になってくるように思われます。

全国アンケートから見えた自治体職場における会計年度任用職員制度の問題点
 −「おかしなこと」を変えてゆくために 佐賀 達也

 会計年度ごとに任用を再度行うなど、公務員としての資質をそぐ制度が、新自由主義の世界から発信されたが、早くもこの誇りと怒りのアンケートの強さに、綻びだしています。そもそも最低賃金制度を応用してそれ以下の賃金に押しとどめようとするなど、全く通りに反した行為であるが、時の安倍内閣の横柄さに、一時タジロいてしまっていたのです。自治労連のこのようなアンケートに実施に感服するとともに、早期にこの制度の廃止に向けて、緊急提言の実施を求めていきましょう。女性差別の典型として、多くの自治体のジェンダー平等に弾みがつくことを期待します。
悲惨な事件の背景にある、役所と住民の間の遠のく距離 上林 陽治
 公務員の立場が公務の市場化により、まさに支えるべき資格のないものになっているのです。作り出された無縁社会の中で、言うなれば誰のものでもあり、誰の物でもなかった公共という領域が市場に飲み込まれてきているのです。この実態が説明されており、当事者としての公務員が住民との間が3つの側面から市民と組む員を現わしていくと、市場化が進んだ保育関係の中で、公務サービスはすでにその機能をなくしているのです。調整者の役割しかなかったものが場合によって調整者でさえないかもしれなくなっていくのです。今、若い公務員の退職者が増加しており、10人に1人以上は30歳前に辞めている現実があるのです。一層悲惨な出来事が発せしかねないというリスクを社会に内包して暮らしている人がいるのです。
会計年度任用職員のホンネ
 本当に働く誇りを奪う制度であり、早期に改善されなければ、公務の仕事は無くなってしまいますね。駆け込み寺ではなく、裁判所があればいいのですが。
会計年度任用職員制度の実際と矛盾─公民館での経験から 匿名
 実務者からの声ですが、公務に関する仕事の責任者としての議員の働きかけを述べています。効果があればいいのですが。またこのような差別をかって吏雇員制度撤廃・職場民主化運動を経験したことがあります。差別撤廃に労働組合が立ち上がってほしいものです。
FOCUS 沖縄のPFAS汚染、血液検査結果から見えた現状─命の水を守りたい、土も川も海も、子どもたちにつなげる全てを守るために。 新垣 千秋
 PFASとはペルフロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物と呼ばれる有機フッ素化合物の総称で、その結合が強く脂分や水分など外部からの影響を受けにくい合成化学物質です。健康被害につながる恐れがあることから世界中で調査研究する動きが広がっています。
 腎臓がんや精巣ガンなどの発がん性、甲状腺や肝機能障害、高コレステロール値、低出生体重児、免疫力の低下、発達障害等、人体への影響が指摘されているだけでなく、破傷風とジフテリアのワクチン接種で生成される抗体の量が半分であった事や新型コロナウイルスに感染してもその抗体ができにくいこと、中世脂肪とALT値に関連があるとのする研究報告等もあります。
これらの被害の予測がされており、この調査だけでも沖縄での広がりを止めなければならないのに、汚染源、嘉手納基地への調査が出来ないとは、情けない問題です。日本全国に広がるPFAS汚染に対し早期に対応策を取ってください。参照:NHK https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221124/k10013899691000.html

FOCUS 多摩の水道水がPFASで汚染─血液検査で判明した深刻な健康リスク 根木山 幸夫
 沖縄軍事基地だけでなく横須賀の基地から、PFASの流出に対し軍司令官が謝罪しているとの報告もあり、日本全国に汚染が広がっていることが分かった。早期に飲料水の検査基準を明確にして、体内蓄積を観測してほしいものです。飲料水基準を明確にし、PFAS踏査を徹底的にしなければ新たな病原体への抵抗もなくなるなど死活問題になります。各種の製品に含まれているのならその製造会社の責任も明らかにしてほしいものです。21世紀の初めにわかり、今まで恐れていなかったものが、突如として脅威に代わることがこれからの科学進歩の中で、多く現われることでしょうが、早期に対応すべき役所が鈍感ではたまりませんし、地方自治研者も、知恵を集めていきましょう。広島県調査参照
平成20年度環境ホルモン環境汚染状況調査結果一覧表https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/eco/g-g2-h20-ichiran.html

ZOOM IN  沖縄県・与那国島 与那国を軍事要塞の島から東アジア交流の島に 山田 和幸
 沖縄県の南の与那国は、「日本最西端の国境の島」と海の道を通じて東アジアの人と、モノと文化が往来した歴史から「日本と東アジアを結ぶ交流の島」と島づくりビジョンが2005年に作成されたのです。このような住民の動きに対し、防衛省は、この島を米軍のミサイル基地化にすべく、自衛隊員の住民を大量に投入し、町政を一変させてきました。今やそう避難計画が前面に出される事態になり、島づくりは放棄されているのです。このような軍隊に占領された自治体に、私たちは無関心ではありえないと思います。自立ビジョンを作った原点に町政の動向へ、動くよう支援したいものです。
2023年度軍拡予算と琉球弧 川瀬 光義
 2022年末に閣議決定された「安保関連3文書」はアメリカ製兵器「爆買い」などによる軍拡、及び種子島から与那国島に至る琉球弧の軍事基地化、特に「敵地攻撃能力」保有のためのミサイル基地化を推し進めるものとなっています。人々の生活向上より軍事を最優先にする朝鮮民主主義人民共和国について「先軍政治」などと言われていますが、日本の先軍ぶりも似たり寄ったりです。琉球弧を再び「捨て石」とする自衛隊員の増強は、目を見張る増え方です。第15旅団の師団化計画に関し、隊庁舎の調査設計費が約2億円に盛り込まれているのです。この弧に含まれる島国住民への住民投票は実施されておらず、軍事基地化の工事をどんどん進めることでないがしろにされています。不適切な土地買収費の支出も見られるようです。
●連載●
検証 津久井やまゆり園事件を人権の視点から考える
障害者と家族、地域住民の人権と福祉労働者・公務員の権利
─地方自治の視点から、事件の再発防止とこれからを考える(下) 池上 洋通

 この課題の根本が語られているようです。1960年から1970年代に高校の保健課で用いられていた文部省検定教科書には、結婚する相手を選ぶときには「家計の調査」を行い、家族や親族などに障がい者がいた場合には、「不良な子孫を生まないようにするための手立てをすること」などと記されていました。都会から大きく離れた地域や山村などに、障がい者の生活施設が作られる「隔離」も存在していました。「家族の負担は当然のこと」とする日本社会の支配的風潮、これは江戸期や明治憲法下の「救貧」の制度思想であり、憲法13条の、各個人の自己実現の保障を国政の最大尊重義務とする規定を正面から否定するものです。自治体職員・施設職員の人権保障と民主的な職場の構築、人権教育の豊かな展開が必要です。
くらしと自治と憲法と 第22回 日本国憲法の三原則の関係を考える 土肥 有理
 日本国憲法の三原則、戦争放棄・基本的人権の尊重・国民主権の構造がどのような関係にあるのか、憲法の生まれた時代から来たものは何か。まず憲法の構造は、前文と全10章からなり、近代市民憲法以来の特徴を持っています。但し、日本は国連から人権状況を国際水準に引き上げるよう求められているため、条文の理念に法律が追い付いていないと言われています。第2章で、戦争放棄を独立した章として扱っていることもあまりありません。第3章で、幅広く人権規定を設け、第4章以下でそれを実現するための統治機構を定め、第10章では念押しで最高法規性を確認するという構造になっています。
重要な戦争放棄の規定で積極的平和の状態を目指し、この保障する動きがあって人権が花開く余地が生まれ、維持管理作業を誰がどのように担うのか、これが3つ目の原則国民主権にかかわります。国民は政治だけに注意力することが出来ず、統治を委託される権力であり、これをチェックする仕組みとして、国会・内閣・裁判所があり、特に立法たる国会が重視されています。最終的にチェックするのは国民の役目であり、定期的な選挙や最高裁裁判所裁判官の国民審査、請願権などによって保障されています。統治行為論や、野党の求めがあったにもかかわらず国会を開かない、求められた文章を開示しない、挙句の果てにデーターを改ざんするというのは、自らの職務を放棄するのみならず代表制原理を機能させないことでその背後にある国民の意見を封殺するという意味で、国民主権の否定であり、ひいては民主主義そのものへの攻撃と言えるのです。多様性を認めたうえで議論して最適解を見つける営み、これこそが憲法の目指す民主主義と言えます。

シリーズ 地域発信 耕作放棄地に挑み果樹園の再生を!
 第5回 いまだ人生は「夢の途中」 渡辺 卓也

 都会から農村への転身をストレス解消の生活で、人生100年の世界が開かれているようです。掲げられた人々のこだわりを継ぐ人が現れることを期待します。NPOなどの法人化、農福連携、ソーラーシェアリング、安心安全な農産物を求める消費者との協働、さまざまな可能性を探りながらこの畑を次世代に繋いでいきたいと最終回の言葉にされています。夢を持つということの楽しさを味わいましょう。
人つながる㉕ 埼玉県唯一の村で教えてもらった大切なこと 高野 晃一
 東秩父村での協力隊入所時、「あ、ここは時間の流れ方が違うな。とてもゆっくり時間が流れているな」と感じることが出来たとは、この感性が人を見る目を養っていたのですね。又お母さんとの会話が成立したのです。今はボランティアで、自分のできる小さなところから、恩返ししようとされています。自分で育てた野菜を食べたり、お金ではない物々交換をしたり、人間らしい昔ながらのくらし、‥、それを今の人たちは出来ていないし、本来人間はそうでなければならにというお母さんのメッセージ。二拠点生活を送る高野紘一さん。
書評 芝田英昭著『占領期の性暴力−戦時と平時の連続性から問う』 艮 香織
BOOK REVIEW
Jつうしん
自治の風─広島から 第5回 補助事業採択に一石を投じる判決 深屋 進

 広島からの全国への報告ですが、補助事業の申請にはもっと気を付けるべきだと忠告されています。当時の市長がこの補助事業化する動きに、議会。国会議員を使っての実務を指導した結果、効果のないことになり、補助金返還命令を農政局から受ける大失体になったのです。一首長の思いが、結果的に補助金返還を生んでとして裁判所は認めています。住民の監視の目が動かいたのです。
編集後記
 

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