広島自治体問題研究所
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2021年8月号読者ノート

 (2021/07/18)
 
目 次
 コロナ危機が第5次になろうとし、オリンピックの中でもコロナが蔓延しているとか、菅内閣の凶暴さ、無能さが国民の怒りに変わろうとしていますね。
◆直言 コロナ禍における中小企業振興を考える─中小企業振興基本条例の課題と可能性─ 大貝健二
 コロナ禍での中小企業関係者の皆様にはお見舞い申し上げます。
この間政府の対応を見るとき、緊急宣言は行うものの、十分な補償と支援は、自粛要請に代わっています。各地の信用金庫等での信用保証を受ける際の経費の補助、プレミアム商品券の発行など、緊急的な対応が多くみられました。しかし、そのような緊急的な対応に加え、地域の中小企業をはじめとする事業者の被害実態を踏まえたうえで、実態に即した個別企業支援を行い、地域の産業政策へ昇華させる必要があるのではないでしょうか。市町村レベルでの中小企業振興基本条例の制定数は、2020年12月末時点で605を超える数ではありますが、その機能がまだ十分発揮されていないことが分かります。いかにして、「条例に魂を吹き込むか」をさておき直ちに実態を踏まえて独自作を策定し、実施してほしいものです。

◆『住民と自治』創刊700号記念
地域から変革を─『住民と自治』700号に寄せて 宮本憲一

  1963年3月 自治体問題研究所が設立された。まだ当時は研究者も日本国憲法の地方自治がよくわかっていなかった。この当時初めて憲法によって、地方公務員は、国民全体への奉仕者であることが理解できるようになっていた。当初の自治労幹部の中には経済主義から学習活動や政治的行動を毛嫌いする傾向があり困難な時期であった。また、総評が分裂し労働運動に亀裂が入る中、3代目に宮本健一氏が理事長になった。住民と自治誌も700号を迎えたが、最後今の時期、戦後史の奇跡と言われる革新自治体を抑えて起きた歴史、初期から中央政府に対抗して「憲法を暮らしに生かす」京都蜷川府政が出発点となったこと。この時代として1990年代半ばから1980年代初めまでを革新自治体の時代と言えるのではないか、現代社会の研究者の書いた昭和史の中には革新自治体について1行も触れてないものもある。宮本氏の「戦後日本公害史論」が、公害・環境政策における革新自治体の成立と成果が書かれており、今の時代、温暖化防止の戦略は企業に主体をゆだねるのではなく、地方・住民や自治体の地域戦略に委ねなければ具体化しないであろうが、地域の自治力が衰退しており、いま改めて住民自治の旗を高く掲げ、革新自治体時代を超えるような住民・研究者・自治体労働者・地方企業家・政治家による地域からの変革が求められている。
『住民と自治』創刊700号に寄せて@ 岡田雅夫
 環境問題にかかわって、運動の幅が広がらない問題について、私たちの生活全体、それを文化と呼びたいのですが、その文化とどうつながっているのかがよく見えない。環境問題は人生の一部なのです。そのつながりが見えないと多くの人はついてこないのでは。同じことが、「住民と自治」についても言えますね。「自治」が本来私たちの文化を発展させるための手段だということが見えなくなっているように思うのです。
資料 戦後地方自治のエポックと自治体問題研究所・『住民と自治』
 広島自治体問題研究所は全国何番目でしょうか。?
●連続企画●「新型コロナ」から日本の社会を考える 第14回 コロナ禍と農業の困難 勝又真史
 コロナ禍の中農業部門の時代的困窮が明らかになりました。2020年2月27日の「全国一律休校宣言」で学校給食に対する多大な影響が出ていました。また一般家庭での外食の減り・家庭弁当の増加で、販売構造の急変、観光農園、農業体験イベント、輸入品の減、結婚・葬儀の花の減、畜産関係での、牛乳、食肉の消費減など多彩に、困難な状況を生み出されました。しかし、TPP,日米貿易協定など「お米が過剰で安くて困っている農家がいる一方で、買うに買えない人たちがいるなんておかしい、政府は何やっているのか」と、現実が多くの人にも見えだしました。日本の食料自給率は38%で、コロナ禍に入り、過度の貿易自由化に歯止めをかけ、各国が自給率向上政策を強化することが、自国民を守る正当な権利であることが証明されました。今の日本農業の課題として@食料自給率向上を放棄した食糧の輸入依存、A農林水産物・食品の輸出額目標5兆円という輸出依存、B労働力の海外依存-の脱却が必要です。
●特集●住民自治にとって公文書管理・情報公開とは何か─「知る権利」と民主主義の発展のために─
 公文書管理法施行10年、情報公開法施行20年の記念の年です。住民自らが主権者として行政の在り方をチェックしていきましょう。
公文書管理問題の現状と民主主義 瀬畑 源
 公文書法の作成過程で、福田元首相が中心になって成立したとは。行政文書とは、@行政機関の職員が職務上作成・取得したもの、A組織的に用いるもの、Bその機関が保有しているもの、の3つを満たすものとされています。
安倍内閣時の行政文書問題は、公務という仕事を私物化していることの証でした。一方沖縄県などの行政文書管理がなっていないなど、多くの県市町での職員の研修不足があり、格差が野放しになっているようです。また、政府が改善と称した行為は、的外れな「改革案」となっているようです。公文書管理の元に、情報公開法の住民の活用が主権者として、きちんとされていくことが必要ですね。 

自治体の公文書管理の現状と課題 早川和宏
 自治体における文書主義(記憶ではなく、「文書」によってなされる)は、ある意味当然のこととして日常業務に組みこまれています。自治体の公文書管理を考えるうえで、重要なのは「誰にとって大丈夫か」という視点です。@職員個人A同僚・後継者B現在の住民C将来の職員・住民にとって大丈夫というレベルの検討が必要。また、自治体において統一的な公文書等の管理を実現するためには、条例という形式がどうしても必要です。ライフサイクル管理とは、文書を人に見立てて、その出生(作成・取得)から死亡・第二の人生(廃棄・公文書館等への移管)まで一体的に管理するというものです。
自治体の情報公開制度の現状と課題 三木由希子
 情報公開条例は1982年の山形県金山町で制定され、この後自治体間の格差が広がっており、これらがどのような状態にあるのかは、抽象的な意味での民主主義の話ではなく、自治において健全な民主主義の実現にどのくらい行政、議会、そして住民が関心を持ち、努力しているかのパロメーターの一つだと言えます。広島県は公文書管理規則で対応しており、条例は制定されていません。市町では安芸高田市が条例での対応となっています。
情報を共有することで市民自治がすすむ─まちで開発情報の公開に取り組んで─ 遠藤哲人
 なぜ開発情報は非公開なのかは、市全体として開発に重点をかけている実態が白日の下にさらされるから困るからなのです。情報公開をめぐって、綱引きをしましよう、「審査請求」「裁判」もできるのです。開発事業には、@みんなの要求実現につながるのかAみんなで決めたかB優先順位がそれなりに高いかC財政的な見通しがあるかD環境への配慮をしているか、などの論点を立てて判断すべきです。
自治体への情報公開請求を社会保障運動の力に─大阪社保協がやってきたこと─ 寺内順子
 大阪社会福祉協議会が行ってきた、情報公開の活動で、福祉事業の実態が明らかになって、改善の手立てが進んでいる様子が分かります。情報公開制度と行政手続法は、私たち住民運動のためにある法と制度ではないか、しかし、使ってこそ意味があります。大阪府、大阪市は全国の最高水準の情報公開請求運動です。 
2021年博物館法改正議論を取り巻く現状と課題 栗山 究
 博物館法が改正され、盛り立てるとして「文化で稼ぐ」ことができるようになったといいますが?しかし、博物館の学芸活動は人々の過去‐現在‐未来を接続する営みです。住民と職員(学芸員)が学びあい、相互に探求し、資料を「未来の市民」に継承していく展望があることが、博物館の公共性の中身です。 
自治体問題研究所第61回総会報告 2021年5月30日(日)Zoomで開催
●連載●
人つながるE SDGs すてきな出逢いの実感! 藤岡亜美

 フェアトレード(定義、発展途上国の生産物を,その生産者の生活を支援するため,利潤を抑えた適正な価格で,生産者から直接購入すること。労働条件や環境保護などにも配慮して行われる)の言葉が分からず、開発途上国での生産物を適正価格で販売するという暮らしをされた人の、生活体験がつづられているのですね。
最終回 シリーズ 地域発信 いいからかん日和 第5回 一人一人の暮らしから セトヤマ ミチコ
 一人前の親になり、子育ての体験から、田舎の自然の広さが子どもにとって十分発達の糧になっていることを認識できたとのこと。17年間の身の振り替わりがつづられ、一人一人が当事者として行動すること大切だと。
中の人が語る。図書館と、人と、まちと 第5回 オープンデータについて 相宗大督
 オープンデーターを開放し、個人の思いを実現させる資料として新たな使われ方がされるになり、「誰かが書いたものを、自分の力に」する作業が生まれるのです。このような仕組みを作る図書館の仕事に期待したいものです。
くらしと自治と憲法と 第3回 日本学術会議会員任命拒否問題と学問の自由 小沢隆一
 学実会員としての任命権を剝奪された人の訴えです。改めて学問の自由の歴史的展開を確認しました。教育による天皇制イデオロギー注入の柱として教育勅語が作られ、科学も政治に従属して戦争遂行に動員された苦い経験から、教育の自由を据えて、再出発した日本です。学術会議は、学問研究活動の成果を持ち寄って、政府に対して様々な提言や勧告を行う機関です。
BOOK REVIEW
ローカル・ネットワーク
Jつうしん
自治の風─信州から 第4回 住民自治の基盤に「地区自治」を─「松本モデル」を語る 手塚英男

  松本市には35の「地区」があり、「地域づくりセンター」が設置されその総括のもとに緩やかに連携しながら「支所・出張所」「地区公民館」「地区福祉広場」がおかれ、これら「地区常駐職員」が、地区住民とともに足元の地区の学習・福祉・健康を担っているのです。このような単位が広島にもほしいものです。
編集後記
 

2021年7月号読者ノート

 (2021/07/08)
 
目 次
 今月は、広島県政白書に追われて遅くなりました。改めて地方自治体県政とは、を問い直す機会となり、広島県湯崎知事は何をするために、県知事となったのか問うことになりました。皆様のご意見をお聞かせください。
◆直言 公務労働に「正規」も「非正規」もありません─自治体労働者の誇り─ 荒田 功
 私たち公務労働者の中で、一般行政部門の公務員は約93万人、会計年度任用職員は員は約93万人、会計年度任用職員は63万人、臨時的任用が約6.8万人、特別職非常勤職員は約0.4万人(2020年4月)だそうです。かって吏雇員制度のある時、同じ職場での身分の差別解消に労働組合は率先して人間性を問うたものです。このことを思い返すと、いつの間にか元に帰っている差別が、労働者を分断しているのですね。
●連続企画● 「新型コロナ」から日本の社会を考える 第13回 新型コロナ禍と女性 片岡佳美
  今回のコロナ禍で、私にとっては、新しい世の中の見方が指摘された気がします。資本主義という生産様式が作る社会システムでは、固定的性別役割に依存して成り立っている。というのです。ケアの最終責任を家族(の中の成人女性)に負わせるものであるからにほかなりません。福祉を家族任せ(女性任せ)にしないこと、また、弱い者が生きるために連帯を、地域で常設化・制度化し、安定させることが重要です。この点に自治体も気を揉んでほしいものです。
●特集● 自立分散型再生可能エネルギーをめざして
 サステイナブル(維持可能な)社会に、「大規模」や「スピード感」という言葉はなじまない。分散して存在することに特徴のある再生エネルギーにこのことが言えるのですね。
●自律的に自立した地方都市モデルに向けたネットワークの組み替えと再生可能エネルギー 山本達也
 エネルギーが社会の形を決めるということが記載され、エネルギーを取り出すにもエネルギーは必要であり、エネルギーシフトに向けたネットワークの組み換えが起きる。エネルギーの「エネルギーの「質」を示すエネルギー収支比(Eout/Ein)は、EROI(Energy Return on Investment)として知られており単位のつかない数値で表されます。「エントロピーの法則を学びましょう。自然と現代社会との関係性を再構築することが必要です。
●西粟倉村の地域資源の利活用と循環型地域経済─「自然エネルギー社会」構築の課題について─ 井内尚樹
 西粟倉村の再生エネルギー構築で出したのは、2004年4月合併問題の時の住民の「100年の森林構想」の意思の高さだった。地域内部にある森林・温泉・小水力発電・地域起こし協力隊35名、これらがどのように取り込み活動してきたのか、現地研修をしたいものです。自然エネルギー生産を行い脱炭素社会の構築とは、この架け橋は何か。
●北海道における雪氷冷熱利用の可能性 山形 定
 地域の気象環境からの発想です。その土地その地域での自然のタイプから、農産物の保存、熟成と貯蔵庫の建設コストをどう抑えるかが課題のようです。ジャガイモの貯蔵庫について、体験がありますが、この技術と生産量とがマッチするのは大変限られることのようです。「雪氷冷熱利用」とまた新しい言葉に会いました。このような研究がこれからも出てくるのでしょうね。
●地域資源とエネルギー創出、地域経済・産業を結び付けて─ソーラーシェアリングと木質バイオマスの挑戦 小山田大和
 耕作放棄地の活用が、地域を掘り起こす手立てになって、お酒まで作り出しています。第1次産業を各種取り入れて自立させる活動に、町議会も再生エネルギー条例を可決しています。筆者は都会から農村に入り活動された報告です。この機転も知りたいものです。
●インタビュー 自治体によるエネルギーの地産地消事業─群馬県中之条町 山本政雄/聞き手:傘木宏夫
  群馬県の中之条町での地産地消での電力株式会社運営の様子です。卸が、旧一電で8割を占める厳しい状態の中で、果たしてこの小電力会社が地域影響力を持ち還元できるのか、推移を見たいものですし、地元町民・業者の繋がりの発展を期待します。参考に出ている全国の自治体電力会社が38あるようです。
●特別企画● 豪雪と異常気象
 ●2020-2021豪雪断章─北陸から 本誌編集部

  気候変動が、自治体の弱体体制、土木事業者の変化などで、寒い時期の住民の生活補償に自治体が責任取れなくなっているのです。豪雪に対し社会資本の崩れとみられますが、国の制度はどう変化しているのでしょうか。国は寒冷地補償は行っているが、自治体がその体制を崩してしまっているというのでしょうか。広域補助自治体県土木事務所がこのような体制を補完してきた歴史がありますが?。
●住民の理解があってこそできる長野県栄村の豪雪対策 高橋真太郎
 栄村というと豪雪の村と認知されていますが、そこでの憲法が生きていたという話です。村独自に「雪害対策救助員制度」が、1977年に生まれ憲法25条の理念に基づき制定されました。生活保護法の第4条3項の「急迫した事由がある場合に、必要な保護を行うことを妨げるものではない」というの規定を援用し、豪雪は急迫した事由にあたると判断、社会福祉の観点から雪害を「降雪と時間的、空間的文明状況(過疎・高齢化)とが競合して、社会的規模で人々の日常生活に障害を及ぼす事象である」という仕掛けと、冬期間の住民の雇用対策でもある」という制度設計は、見事です。
●パリ協定と1.5℃特別報告書 寺尾 徹
 地球規模での温暖化対策に、CO2の削減が大きくかかわっている、これを削減するために、2050年までに、実質ゼロを目指すという計算式の説明がされています。この説明をもっと聞かなければ難しいですね。また、SDGsに対する批判とした『「人新世の「資本論」』」という本があるようです。
●第63回自治体学校案内
●連載●
人つながるD 島根県美郷町「おおち山くじら」地域ブランドによる人おこし、地域づくり〜一頭の駆除イノシシからはじまった山くじら物語〜(下) 安田 亮

 いつの時代も喜怒哀楽の泥臭さや人間臭さのドラマが、その人や地域、暮らしを魅了して、町内外問わず人と人を結び付け、地域の人や暮らしの潜在能力を引き出し、地域づくりにつながるものなのですね。この探求を行う行政力が必要ですね。
●シリーズ 地域発信 いいからかん日和 第4回 未来のために暮らしを創る セトヤマ ミチコ
 「デジタルで何でもできる時代だからこそ、丁寧に暮らす中でうまれたモノ、自分の手でしか生み出させないモノに価値を見出してくれる方は増えています。」との信念を持つこと。未来のために暮らしや仕事を創る、もがき想像し実践することで未来の子どもたちに誇れるバトンをつなぐ、それを作るのが私たちの世代なのではないでしょうか。
●中の人が語る。図書館と、人と、まちと 第4回 共有することと「思い出のこし」 相宗大督
 図書館が「思い出を集め」公開することにより関係者間の共有の知恵となる、読書感想を共有して、共感を呼び広げることが出来る。このような活動での交流が文化を生むのでしょう。
●くらしと自治と憲法と 第2回 表現の自由と「政府言論」 榊原秀訓 
  「政府言論」とは何かが分からず、「表現の不自由展の問題」が出て、行政との価値判断との争いが起こったということは理解できました。政府がその事象に対する考えを述べた時に起こるようだとは、予想されます。???
●@NEWS 地域新電力を脅かす卸電力市場「超高騰」 傘木宏夫
 今回の電気料金の値上げがこのことから起きたのかと、改めて電気自由化後の市場の未形成を感じます。再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT法)により、FIT電気の仕入れ価格と卸電力市場が連動することになったため、FIT電力を主力とした新電力会社にダメージが起きているようです。
BOOK REVIEW
ローカル・ネットワーク
Jつうしん
自治の風─信州から 第3回 「地域の未来を見つめる住民」─再生可能エネルギーと向き合う 望月克治

 住宅地にソーラーが入り込み、近隣住民とのもめごとが増えているようです。「再生エネルギー」は大事だとの意思が働いていますが、周りの人たちとの交流が大切ですね。
編集後記

2021年6月号 読者ノート

 (2021/05/28)
 
目 次
 日本社会はオリンピック開催を優先とする菅内閣の動向が、コロナ禍で困窮し、不安を持っている多くの国民との怒りをかっています。
 コロナ禍に対する、科学的な見方を放棄し、だらだらオリンピック開催のデモンストレーションを繰り広げてきました。
 いまだコロナ禍の勢いが収まっていない日本に来た、各国の選手関係者への責任は誰がとるのでしょうか。

◆直言 日本女性総ぐるみ集会と全国パレードのすすめ〜ジェンダー平等の実現は、最大の国民的課題〜 渡辺繁博
 ジェンダーギャップの解消を国際的にみることで、大きな進展がされていくでしょう。ここでの教育の果たす役割が大切ではないでしょうか。私みたいに高齢になってこの言葉を聞いて、戸惑っていますが、女性の社会進出を改めて望んでいます。
●連続企画● 「新型コロナ」から日本の社会を考える 第12回 コロナ禍と復興災害 塩崎賢明
 今までの災害避難所の未解決課題が、コロナと一緒になるなら、過密を容認しない事態に対し、非人道的な場所の問題を突き付けてきます。人権感覚を災害時に突如として用意しても遅いのだと明らかにしています。これからの社会避難所の在り方を、根本的に考え直さなければいけませんが、お互い助け合うこと、体の強い・弱いでの判断を事前に組んでいなければいけないでしょう。様々な避難設備の更新に誰もが一度は触れておく教育が必要ですね。もうすぐ梅雨空が訪れます。どこかで起きる災害に注意しておきましょう。ハザードマップの改善を。
●特集● 「排除」から「共生」へ─外国人の人権状況と課題
 製造業工場内労働者不足を理由に外国人研修生の導入が進んできました。広島県でも多くの研修生の動向が、このコロナ禍でどうなっているのか、早期に明らかにすべきですね。国際的関係が、法律問題で明らかになっていますが、国民には知らされていない、排除が行われていたのですね。外国人の人権を真摯に考えましょう。
年越し支援・コロナ被害相談村から見た外国人労働者の人権状況 指宿昭一
  日本に来てくれている外国人の方々に、日本政府はどう対処しているのでしょうか。年越し支援の状況から、ますます怒りが出てきます。この支援に駆け付けた人はほんの少しにすぎません。また、難民の方々に対しても厳しい状況だとよくわかりました。p14のグラフは本当にこの近年増加しており、多国籍化し、製造業の人の割が多いことが分かります。

外国籍住民の受け入れと基礎自治体─自治体だからこそできることに立ち戻る 丹野清人
 外国人というと、ともすると国の問題と思いがちです。が、外国人がどこまでも日本で幸福に暮らせるかは、実は基礎自治体や都道府県の具体的な取り組みなのです。広島県でのこのような体制を確認しましょう。今回横浜市、浜松市が載っていますが、自治体の活動なのか、経済同友会などの民間の活動を支えるものなのか、これを明らかにしていきたいものです。 
日系ブラジル人の労働・くらしの実態と支援の課題─島根県出雲市を例に─ 植木 洋
 日系ブラジル人を対象にした出雲市のM 社の活動が大きくとらえられ、市全体の方針「多文化共生のまちづくり」にも挙げられています。国際競争の製造業のコスト削減に大手下請けの🅼社が取り入れた方式なのです。子どもを携えた定住型が進展し、この子らの教育が、自治体の責任として掲げられるようになってきたのです。しかし、大きくⅯ社の本社意向が気になります。この本社が出雲市にあるなら、地元感情が考慮されるでしょうが、下請け機関としてのⅯ社にどのような能力を持たせるのか、自治体と本社との規定・協定を確認したいものです。広島県海田町はどうなっているのでしょうか。
外国人労働者の子どもたちの学習権の現状と支援 野元弘幸
 バイリンガル.( 英語: bilingual. 2つの 言語 で 話せる 能力 を持つ人を意味する語。. あるいは、2ヶ 国語 で 書かれている ことを意味する 言葉 。)教育も知らない私でした。ブラジルから多くの人が日本に来ているのにこの子たちの言語を大事にしない、私たちが世界文化を吸収しようとしないことの表れだったのです。現在まで、朝鮮学校の教育についてこの教育方式で行われていたのですが、進んでる結果だと評価されていることを初めて知りました。狭い日本ではこれからこのような教育の発展がないと太刀打ちできませんね。
災害時における外国人対応 田村太郎
 災害対応で最初に求められることは、命を守る行動をとることです。しかし、災害について外国人にとっては、ブラジルやオーストラリアなどでは地震が起きることがほとんどない、雨の多いい国から来た人にとっては危機感がなく非難しない人もいます。ハザードマップを使っかた勉強会などで地域に暮らす外国人とのコミュニケーションをよくとって、相互に「知識のストック」を増やしましょう。
 同じ災害でも、制度から漏れる外国人が現れます。また災害後の固定資産税の納入の仕方も違うなど、まだまだ取り残された制度が多い被さります。特段の配慮をお願いしましょう。また、災害時の担い手として、外国の人が対応するコンビニでの災害対応が組織されています。人で深刻な地域では、若い世代は外国人しかいないとの声を聞きます。地域の様々な山間地で外国人の力を借りてようやく維持できている状況を直視し、外国人とともに安全・安心な地域づくりを進めていくことが求められています。

「大阪都構想」住民投票と市民グループ〈みんなで住民投票!〉 小野潤子
  大阪都構想の住民投票に総人口の5%の外国人は投票権を持っていない実態が明らかにされています。地域への納税と義務を果たしているこれら外国人への差別をなくす戦いが起きていたのです。住民自治は民主主義の学校といえるものが二度も住民投票を実施した大阪市民には共感を得ているそうです。地域に住みくらし、毎日を共にする人々の権利は一様にすべきことですね。これからも頑張ってください。
大津市における会計管理業務の民間委託中止について 山口 剛
  会計管理業務という財政の根幹に関わる事務を民間委託に供せようとする発想は、まさに自治体職員の存在を無視するものであり、改めてこのような根幹に関わるものは何のかを明らかにし、民間委託が、自治体を壊すものにあるという根拠づくりをしたいものです。大津市前市長の独断で行われたとはいえ、これに民間委託に対する欠陥、担い手がいないことを証明すべき事務内容と行政に関わる人づくりの重要性、監査業務の信頼性を明らかにすべきでしたね。指定管理者制度の矛盾が今日明らかにされつつありますが、効率化、事務の合理化などと追うことにより、その事務の本質の継承、波及する自治管理能力の創生があることが明らかにされています。滋賀自治研の掘り起こしを期待します。
第63回自治体学校案内・・ライン開催になる
●連載●
大深度地下開発を考える下 大深度法─その経緯と問題点 武内更一

 大深度下での掘削が地表には影響しないという「虚構」を前提に作られた動機が、これまでの公的土地買収の困難さを、効率性に局限化させて作られたようです。法律策定過程に科学的検証を必要としない作り方の典型ではないでしょうか。今後改めてこのような虚構は廃止することに努めましょう。リニア新幹線工事は不要で、自然破壊を伴い非効率です。
シリーズ 地域発信
 いいからかん日和 第3回 暮らしを創り、仕事を創る セトヤマ ミチコ

 セトヤマさんの-いいからかん-は、農村部へ移住された当初の気持ちが、田舎くらし体験ぐらいの軽い気持ちだったかも知れませんが、そこの地域での大豆での豆腐づくり、炭焼きの名人職人の手ほどき、周りのおばちゃんたちとの交流、創造を通して、定住が安定して初めて生まれた言葉なのでしょうね。まさに仕事等毎日の積み重ねが生んだ、セトヤマさんの言葉なのですね。
中の人が語る。
 図書館と、人と、まちと 第3回 本を読むことによって起こること(続) 相宗大督

 図書の役割、図書館がそこにある役割とは何か改めれ振り返ることができました。図書には「社会がまだフォローできていない、けれども暮らしていくうえで確実に必要になる何か」を気付かせてくれる役割があります。
 図書館と利用者にとって重要なのは、地域でどんな本を共有するのがいいか、と考えることだそうです。

新連載
くらしと自治と憲法と 第1回 地方自治の本旨 榊原秀訓

 地方自治の本旨を読み返しましょう。また「「公共私」・「広域」の連携と自治の課題」の本を読んだ方の復習に活用してください。官邸主導政治の弊害が叫ばれ、広がるポピュリズムの進展で失われつつある議会の顔。今求められている自治体の姿は、団体自治によって、国とは別に自治体の自治を保障する立憲主義と、住民自治によって自ら決定する民主主義を結び付けていくこと、そして憲法的価値の認識や実現を行うことが必要です。
 あなたは、自治体を無視した政策に対面したとき、「本社」である「国」の政策で「支社」である自治体は従うことが当然であるという言葉に、怒りを感じませんか。

人つながるC 島根県美郷町「おおち山くじら」地域ブランドによる人おこし、地域づくり〜一頭の駆除イノシシからはじまった山くじら物語〜(上) 安田 亮
@NEWS 前代未聞の署名偽造事件─愛知県知事リコール問題 磯貝治良

 名古屋での署名偽装事件が、「表現の自由を守ろう」「歴史の改ざんを許さない」「私たちは見たかった」などのキーワードを吹っ飛ばす事態になっています。これに関わる、愛知県知事、名古屋市長のいずれも劣らぬ歴史改ざんと国粋主義の熱愛者の存在であることをわたしたちは冷静に見ておきましょう。
BOOK REVIEW
Jつうしん
自治の風─信州から 第2回 リニア問題を地域で考える 米山義盛

 国家的大事業の進行状況が書かれています。残土処分上の問題が多く出ているようですが、一自治体に、関連事業費が下りて、黙り込んでいるようにも見えます。全国からの支援が必要ですね。
編集後記
 
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(20210601外国人の推移.pdf)
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2021年5月号 読者ノート

 (2021/04/16)
 
目 次
 菅首相はアメリカでの対談を行っています。オリンピックを枷に、コロナ非常事態宣言を出さないで、国民の命をこのように無残に放置する政治は早く辞めさせなければ日本の民衆は報われません。また広島参議院選挙のやり直し選挙・総選挙で皆さんの意思を明らかにしましょう。
◆直言 国民のいのちを守るため、病床と医療スタッフを増やすべき 増田 勝
 全国の働く労働者のセンターからの直言に、改めて読んで、コロナ禍2021年3月22日現在で、亡くなられた方が8870名となっているとのことに怒りを覚えます。また、医療現場のアメリカ比較で100床当たりの看護師数が1/3以下だと、今こそこれらの改善を早期に行うことを求め、「いのち」命署名をやりましょう。
●連続企画● 「新型コロナ」から日本の社会を考える
 第11回 コロナ禍の先に─新しい観光に向けて 堀田祐三子

 コロナ過で、訪日外国人旅行者は411万人と対目標比でその10%、前年度比で13%(3188万人)、国内旅行者は2億9177万人、前年度比50%でした。観光そのものが、先行きに対する落胆や不安をもたらしています。
  観光を育てるとか、観光をより良いものにするという観点から、コロナ過での新たな取り組みが7項目、これまでの観光振興の諸問題として3点、これからの観光を考えるとして指摘が3点にわたって提案されています。
 社会的変化の先を見据えた新しい関係性や取り組みを支援する「新しい観光」の実現に向けた政策が求められています。このような視点で、添付資料を参考に地域ごとに考えてみてください。 

●特集● デジタル社会の陥穽と自治・くらし
     バラ色の未来を約束するのか?
1.スーパーシティによるデジタル化は市民と公共、企業の関係をどう作り替えるのか 中山 徹
 スーパーシティとは、情報技術とビッグデーターを連携させることで2030年ごろに実現される未来社会を先行実現する都市です。この内容・狙いが出ておりますが、これを企業が市民生活と地域を計画しコントロールするのです。
 しかし、これに参加しない権利が保障されるのか、個人情報の保護がされるのか、新たな格差を発生させざるを得ない問題があります。
 情報技術の発展は重要ですが、市民と企業、公共と民間の関係の作り替え、新たな収益源を確保しようとしている点は、大きな問題点です。個人情報を保護しつつ、暮らしの向上につながるような生き方を考えるべきです。
 
2.自治体のデジタル化と地方自治 本多滝夫
 デジタル関連法案は、国・自治体・民間事業者間の情報連携を促進するために、自治体の情報システムの標準化・共同化・集約化を図り・個人情報の流通と外部連携を阻む自治体ごとの個人情報保護制度を改変しようとしています。
 そもそもデジタル社会とは、条文では難しく(インターネットその他の高度情報通信ネットワークを通じて自由かつ安全に多様な情報又は知識を世界的規模で入手し、共有し、又は発信するとともに、官民データ活用推進基本法(平成二十八年法律第百三号)第二条第二項に規定する人工知能関連技術、同条第三項に規定するインターネット・オブ・シングス活用関連技術、同条第四項に規定するクラウド・コンピューティング・サービス関連技術その他の従来の処理量に比して大量の情報の処理を可能とする先端的な技術をはじめとする情報通信技術(以下「情報通信技術」という。)を用いて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録をいう。第三十条において同じ。)として記録された多様かつ大量の情報を適正かつ効果的に活用すること(以下「情報通信技術を用いた情報の活用」という。)により、あらゆる分野における創造的かつ活力ある発展が可能となる社会をいう。)と言っていますが、自分に向けられたとしか思えない、インターネット上の広告のホップアップーターゲッティング広告―が、両空間の融合の産物の一例です。
 自治体のデジタル化は、持続可能な住民の生活保障や自治を、デジタル技術とネットワークを利用してより豊かなものとするという趣旨で、「地方自治デジタル・プラス」であるべきです。

3.デジタル社会におけるプライバシー権の再生 根森 健
 2020年の国連での「UN75:一緒に作ろう私たちの未来」を行動目標に掲げ、世界の人々に対し、未来に関する対話を促しています。その筆頭に、「デジタルテクノロジーのインパクト」が掲げられ、プラス面とマイナス面が記されています。このような社会に向かうことを私たちは、今押さえておかなければいけないことです。
 GAFA(:グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルなどの総称)がすでに私たちの個人情報をつかみ活動し、利益を上げています。これらが世界的規模で成長し、デジタル版「ベルリンの壁」にならないことに気を付けましょう。
 このコロナ過で明らかになった日本のデジタル力の低さ、遅れを明らかにしているのに、今国会で関連6法案を通そうとしています。これまでの個人情報保護に対する配慮、個人の権利基本的な権利ととして位置付ける、独立機関による監督制度などの不備を持っており、『デジタル監視法案』と呼ばれています。
 「Society5.0」にせよ、「第4次産業革命」にせよ、これまで経験のしたことのない「新しいデジタル社会」は単純なバラ色の社会ではないようです。私たちの「プライバシー(人としての自立的存在)」が、「作り替えられる」という形で侵害されないために、憲法上の権利としてのプライバシー権を新たに理論武装して立ち向かいましょう。

4.自治体の「デジタル化」で、行政の現場では何が起きるか 久保貴裕
 デジタルの技術は、人類が生み出した最新の技術ですが、この技術を誰が、何の目的で、どのように使うのかが問われています。総務省の弁明では、「多様な主体との連携により民間のデジタル・ビジネスなど新たな価値創造等が創出されることが期待される」と言及しています。民間企業の利益に奉仕することを述べています。
 自治体は、企業から支配されることなく、公務の中立・公正に期し、地方自治の本旨に基づき、地域の特性や住民のニーズに対して、自主的かつ多様に独自の住民サービスを実施していくべきです。深谷市での実証実験を行ってその報告が出されていますが、かなりの問題点が指摘されています。
 市町村職員が自ら行う必要がある、住民の権利のとくしてにかかわる公権力の行使に当たる事務は、職員が行わなければならないとの規定があります。窓口業務を無人化すれば、職員は住民の権利にかかわる重要な事務を行うことが不要とされ、セーフティネットの機能を失わせていきます。国が進める自治体の「デジタル化」は、住民のくらしと権利、地方自治の根幹に関わる重大な問題としてとらえて臨むことが求められています。

5.横浜市におけるデジタル化の動きについて 水野 博
 横浜市でのDX  の具体的な項目が掲げられています。広島市・広島県でも同じような項目っが民間委託で出されています。予算を見ても、横浜市の場合、全体で、7億9200万円を計上しているようで、その他教育関係でもかなりの項目があげられ、そのための職員が配置されています。その進行状況が報告されていますが、進むものと遅れていくものとその性格を見れば明らかに、市民生活にかかわる防災面などは遅れることになっています。
 これらの作業が今全国の自治体で取り組まれていると考えると、その規模は、現在コロナ禍にあって多くの市民、県民の命と暮らしに不利益をか持ち出しているのではないかと心配します。
 労働組み合としてこの点について大局的に働きかけてください。広島市職労でのこの動きはどう判断されているのでしょうか。

6.スーパーシティを目指す浜松市─自治体の在り方は住民が決めるもの─ 良知信一
 現在の浜松市の政策行動は、スーパーシティを目指す市として国から実験的に支配されているように感じます。市民からの要望があったことではないのでしょうに、そこにいる市民の活動がこれと対決していることに、私たちは目を離すことができないことです。
 個々の住民福祉の項目を切り詰める作業、まさに顧客しか相手にしないシティづくりですね。計画をつくろうとしている市の担当職員の声は、地方自治体職員ではなく国の官僚の職員の声になっています。
 今回明らかになっているこのスーパーシティ法の付帯決議は、このようなシティーは作らせないことになっているのではないかと思います。しかし、強権的な菅内閣のこれからは、油断できないものであり、阻止しなければいけません。
 
●特別企画● 東日本大震災10年B
・福島第一原発災害 ─プロセス・プランニングから見た復興の現状と課題 鈴木 浩

 現代版福島原発災害の復興は、今後の原発事故後の大きな手本になります。予測不可能だったとは言えないですが、このような災害での国民への配慮は政府が責任をもって行う問う前提が、菅内閣によって崩れていることが大きな問題ではないかと思います。
 また原発災害の特性をここで改めて検証されていますが、「放射性物質汚染対処措置法」(2011年8月30日公布)が基礎の法律のようです。「汚染状況重点調査地域」(1時間当たりの放射線量が0.23マイクロシーベルト以上の地域を含む市町村)は、2012年2月24日までに指定され、北は岩手県、宮崎県から南は埼玉県、千葉県まで104市町村に及んでいます。
 ここでは具体的被災者名は上がっていないのでしょうか。基礎となる放射線にあったとの証明書は発行されていないのでしょうか。地域単位での復興計画が行われ、次から次へと変えられていますが、被害者をどう扱っているのでしょうか。
 復興計画の核心は人間ですが???。広島の原爆被害者手帳などの方式をつくらなければ今後の被害の補償はされないことになります。

●連載●
1.東京・世田谷区の新型コロナウイルス感染症とのたたかい 第3回 保坂展人

 コロナ検査の初期の様子がよくわかります。また区長として、都・国とのつながりも反映されており、コロナ感染に詳しい人の存在がいかに大切か、また住民の命に責任をもつ首長としての心構えを見ることができます。
 社会的弱者の集団としての特別養護老人ホーム・介護施設などの選定、検査方法の工夫など、今後とも必要なことではないでしょうか。また検査対象者数を明らかにして検査を行うことが、これからの成果・制度を明らかにしてくれますね。 

2.大深度地下開発を考える中 リニア中央新幹線 人命にかかわる大深度工事問題 樫田秀樹
 大規模工事法の大深度工事が、生まれた過程が明らかになりました。そもそも科学的な根拠はなく、用地確保の手法の煩雑さを契機に生まれたことが明らかです。
 そして今回住宅地に突如生活道路とガレージに幅5m、長さ3m、深さ6mの穴が現れたことは、地下40mでの工事による被害はないという「大深度法の神話」が崩れたのです。
 この法律を起草した議員の人も、リニア新幹線工事への思いを明らかにしています。何が何でもやらなければ、早くやるためには、との思いだったのでしょう。しかし、誰もが気が付かない大深度工事は、告示もしていないのだから、知る由もないのです。まったく、こんな法律があったとは、早期に解消してもらいたいものです。

3.シリーズ 地域発信 いいからかん日和 
  第2回 東日本大震災と「片品むらんてぃあ」 セトヤマ ミチコ

 東日本大震災で被害にあった人の救援場所で、急遽ボランティアとして働き多くの人のお世話をされた経験が今なを地域での生き方を支えているとのことです。大震災にあった人々にとって、セトヤマさんたちの行為が大きなものであったことでしょう。これらの体験を世代に繋いでほしいものです。片品村は群馬県の尾瀬のふもとの村、観光地だそうです。
4.中の人が語る。図書館と、人と、まちと
  第2回 本を読むことによって起こること 相宗大督

 地域図書館の役割としてある、「情報をたやすく入手できるようにする」「すべての人が平等に利用できる」これに加え、さまざまな人が手にすることによって起こる作用や反応が重要な枠割を果たすことが提案されています。手に取った本の最初の感触で一気に読んでいくことにより自分が違った体験をした喜びを生みますね。
@NEWS 大阪地裁原告「勝訴」判決 生活保護基準引き下げ違憲訴訟 雨田信幸
 大阪地裁での生活保護引き下げが違法であるとの判決に喜んだ一人です。この決定がこれからの裁判に大きく影響することを願うとともに、自民党の「自助・共助・公助」というスロウガンを逆にしたものに変えさせたいものです。
●BOOK REVIEW
●書評
  
社会保障法 権利としての社会保障の再構築に向けて
   伊藤 周平(著)
●Jつうしん
●自治の風─信州から
 第1回 白馬村新図書館建設 白馬駅舎一体化案を村民の声で白紙に 加藤亮輔

 久々のニュースが新しい図書館の設置場所だとは、心洗われる気がしました、また「白馬村」とはすがすがしい思いです。頑張ってみんなが読みに来てください。
●編集後記
市民生活と地域を計画しコントロールする企業
DL:92.docx

(観光を育てるとか.docx)
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2021年4月号 読者ノート

 (2021/03/18)
 

目 次
コロナ禍がまた暴走を始めようとしています。菅内閣は何ら有効な手立てを打たなく、緊急避難声明を解除しようとしています。国民の命・生活より、経済先行の政治の行政の典型です。
直言●格差・分断を許さず憲法をいかす国政と地方自治を 桜井眞吾
 生活保護を国民間の分断の手段に利用した菅内閣、コロナにおける「罰則」を住民の命や暮らしを守るべき自治体側である全国知事会が要請したことは見逃せません。
連続企画● 「新型コロナ」から日本の社会を考える 第10回 コロナ禍における中小商工業者の困難と直接支援策 宮津友多
 国の直接支援策がようやく実現したというのに、その内容は中小企業者の分断の施策になっていたのです。これに対しアンケート結果から、限りない自治体で、その上乗せや、新たな対象事業種や、社会保険料負担の軽減など、中小企業・小規模企業振興基本条例を制定した自治体で、実施されていることが判明しています。この輪を広げてほしいものです。広島県内の自治体はどうだったのでしょうか。県民商に聞くこと新型コロナQ&A 自営業の支援制度一覧 あなたが使える制度の紹介・申請もサポート! |ご相談は民商・全商連へ|全国商工団体連合会 (zenshoren.or.jp)
特集● 全世代型社会保障検討会議最終報告を読む
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/zensedaigata_shakaihoshou/pdf/kaikakuhosin_r021215.pdf
 この政府報告書は、財界の負担軽減と引き換えに高齢者・国民には消費税増税と自己負担増を求め、自助を強要するものとなりました。
全全世代型社会保障改革が目指す「自助・共助・公助」型社会保障の本音 芝田英昭
 この報告書の欠陥は、障がい者福祉に関して全く触れていないこと、少子化問題対策に一切言及していない点です。この根底にある「自助・共助・公助」観は2006年版「厚生労働白書」が最初です。この3層構造論には大きな欠陥があり、そもそも資本主義社会の現在、「自助」という前提が成り立たない、ほとんどの人が生産手段を奪われているため、生活問題を緩和・解決するのが社会保障と呼ばれる制度・政策です。人権の視点からは社会保障を考えれば、人々の生活は、多くの場合国家により規制されますし、基本的人権は往々にして、国家により侵害されます。立憲主義とは、国家による人権侵害を縛るために憲法が存在するという考え方です。「公助」の概念でとらえるのではなく、人々の当然の権利を保障すると理解すべき言葉なのです。コロナ禍のもと「人員削減・生産性向上」の発想のもと、デジタルテクノロジー・AI活用が図られ、医療・介護・福祉分野の専門性が阻害される可能性が高くなっています。これらの分野は、労働者と利用者とのコミュニケーションを通じてお互いの発達を促す労働であり、余裕のある人員配置により十分な意思疎通が図られるということ、それに、「予見性」と「裁量権」をそなることが極めて重要です。この度、コロナ禍、新興感染症、災害が起こった時にも、平時の余裕のある人員配置が重要であることを、国民は十分知ったことでしょう。
全世代型社会保障改革と医療、予防・介護 鶴田禎人
 全世代型社会保障改革の方針について、@医療分野では、提供体制改革、保険制度改革、医療制度改革の展望について、A予防・介護分野では、保険者努力支援制度、介護インセンティブ交付金の強化と予防・介護制度改革の展望が紹介され、新しいこととして、自己負担の引き上げを挙げていること、これまでの医療介護政策の柱であった、地域医療構想および地域包括ケアの実現が今後も揺らぐことなくな追及されていくことを述べています。
多様化するライフスタイルと年金問題 畠中 亨
   2020年金改正が十分な審議もなく決定され、この改正に対する問題点を挙げています。多様化させるライフスタイルの問題をふくめ、どのような人生の選択に対しても、最低保障年金の導入をはじめとした社会保障の強化が不可欠です。
全世代型社会保障改革における少子化対策の位置づけと課題 村田隆史
 人口が増加も減少しないで一定となる水準を人工置換水準といい、合計特殊出生率2.07の場合に人口が維持されます。日本では、1974年以降下がり続けています。エンゼルプランなどが提起された時代もありました。この度の方針では、@不妊治療への保険適用等、A待機児童の解消、B男性の育児休業の取得促進があげられています。少子化対策のむつかしさは、少子化の要因が複雑化・複合化していることです。方針の前段階の文章には「新しい時代の日本に求められるのは、多様性である。多様性を認め合い、すべての人が個性を生かすことができる社会をつくることで、少子高齢化という大きな壁を克服する。そのために多様な学び、多様な働き方、そして多様なライフスタイルに応じて安心できる社会保障制度を確立する必要がある」と指摘していたのですがカットされています。
高齢者を手始めに雇用を切り崩す「生涯現役社会」─全世代型社会保障の
検討課題に労働を据えた意図と対抗軸 M畑芳和

 「生涯現役社会」とは、高齢者を引退させずに、彼らを雇用不安定化の手始めとして生涯働き続けさせ、負担を求め続けるというものです。経産省の構想で、これまでの社会保障が堅持してきた「社会が支えるべき高齢者」という概念を撤廃し高齢者を引退させずに生涯働き続けさせ、社会保障負担を高齢者を含めた「全世代」の国民のみへ一方的に押し付ける社会といえます。これにより財界には、高齢者を死ぬまで働かせることで少子高齢化に伴う人手不足問題の解消という利得を得させ、「柔軟で多様な働き方」の推進とも相まって社会保険料の事業主負担の極小化を図る、徹頭徹尾財界を保護するための政策を遂行するんだという意気込みでした。しかし、安倍内閣の退陣に伴い経産省が事務局から撤退したことも影響してなのか、労働政策に関する部分は最終報告で全体像を描き切ることができず、部分的な法令改正にとどまっています。くしくもこのコロナ過で苦しむ人々の生活を前に、国に対して生活を保障する仕組みを求める人々の思いはこれまで以上に強くなっています。この人々の思いを形にし、社会保障制度を本来の生存権保障のための制度に転換させることが私たちに求められています。
特別企画● 東日本大震災10年A
●東日本大震災における居住確保支援の現状と課題 遠州尋美

 東北大震災での居住地の乱れは阪神淡路大震災の時代と違って、規模を超えた住家被害になっており、その実態が報告されています。この間旧災害援助法の枠をだんだん変えてきた過程が明らかにされています。また新しくコミュニティーの関連した課題が述べられています。居住確保は被災者生活再建支援法が議員立法で1998年におこり、2007年改正で現行の形になっています。​
連載●
●東京・世田谷区の新型コロナウイルス感染症とのたたかい 第2回 保坂展人

   世田谷区でのコロナ対策の最初は、高齢者施設での内部感染、特に無症状の陽性者を確認し広がりを早期に抑えたことで、そこの施設機能維持を保障した点大事だったと思います。この間の国の動きも、このような千代田区の動きにマネする歩調を合わせるしか機能していないことも明らかになりました。
大深度地下開発を考える 上 陥没事故が暴露した大深度地下法の違憲性─東京外環道問題60年の軌跡 丸山重威
 「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」なるものが、地上生活者の生活不安を呼んでいます。そもそもこの法律を作る過程での、さまざまな実態を無視し、実質、地下の土地の使用権を奪う形の法案となっています。審議会で、二人の議員の疑問が出されていますが何ら回答が出ていないまま、地権者よりも建設事業者の利便のために作った法律であり、この法律をもとに、リニア新幹線計画が具体化されているようです。辺野古の埋め立て問題と同じで、地球が悲鳴を上げて気候変動が広がり、文明が問われているいま、日本の経済構造全体を考え直し、それこそ「持続可能性」がある方向に、一つずつ転換しなければならないでしょう。
シリーズ 地域発信 いいからかん日和 第1回 多様性のなかへ セトヤマ ミチコ
 横浜から群馬県の田舎に突如移住して17年間、それからこの地で自分なりの幸せを見つけられたといいます。人間としての触れ合いが多くの食べ物を見つけ出し、地域の人々に、楽でない多様性を承認させたのですね。東京一極集中でコロナ過が見事に災いを明らかにしてくれました。多くの村人が元気になる時代が来ることを「いいからかん」日和です。https://iikarakan.com/
中の人が語る。図書館と、人と、まちと 第1回 なにもないところから図書館をつくる 相宗大督
  図書館が本と人だけでなく、より多様な情報と人、さらに人と人がつながることも図書館の機能となっていると。私たちは図書館をどのように使っているでしょうか。
人つながるA コロナ禍に生きる(下) 松本晶子
 松本さんのあのころは、世の中のすべての人が私の存在を煙むたかっているような気がして怖かった。コロナ禍、私たちにとって沈黙は、恐怖と不安でしかありません。1日も早くコロナが終息し、会話や笑声であふれる社会になってほしいと切に願います。
@NEWS 横浜IR誘致の賛否を問う住民投票条例直接請求の結果と今後の課題 政村 修
 横浜市民のIR誘致の賛否を問う住民投票条例案が否決されたそうで、コロナ過での活動が大変だったことでしょうが、この夏の市長選挙で頑張っていただきたいものです。20万筆の署名を何倍にもしてください。
●BOOK REVIEW
●自治の風─茨城から 第6回(最終回) 魚のおいしいまちづくり 二平 章

  おいしい魚の料理会に参加したいもんですね。
編集後記
 

2021年3月号 読者ノート

 (2021/02/16)
 
目次
 コロナ禍が第3波がゆるやかになり、広島県の大規模PCR検査が縮小?してやられることになりました。予算の動向について学びましょう。
●直言●地方議会の懲罰と多数派による少数派の抑圧 榊原秀訓
 議会人の懲罰判断を司法審査の対象にすることが、60年ぶりにかなったことは、日本の司法を担当する裁判官たちの認識の遅れを反映しているのでしょうか。議会討議で少数者意見も大切にしてほしいものです。
●連続企画● 「新型コロナ」から日本の社会を考える 第9回 「死にたくないけど死んでしまう」貧困非常事態宣言発令中!─コロナをきっかけに露呈した社会の歪みに対峙してきた現場から 瀬戸大作
 コロナ禍の中で、弱者の生活実態が報告されています。生活保護申請時、扶養紹介の災いが述べられていますが、国会でもこの紹介の不備が考慮されてきたと感じたのですが。外国人の方々の就労が途絶えて苦労されていることに、どうして政府が進んでやらないのでしょうか、国際問題ですね。
●特別企画● 東日本大震災10年@
座談会 復興 道半ば─復興10年の現実とこれからの課題 井上博夫/纉c但馬/遠州尋美/西田奈保子/鈴木 浩

 大規模災害での問題として、まず 一つ目は、時間軸でどう復興制度が作られているのか視る、2つ目、被災者の生活回復を生活再建、住まいの確保、コミュニティの再生などの面から総合的に見る、3つ目、「街づくりを面的にとらえる大規模になると時間がかかる、人がいなくなるの調整が持続可能な制度として建てられないか、このような点を挙げていました。災害の違いというのかありますが、神戸での体験とこの地域との比較ではどう対比されたのでしょうか。
私の震災復興─岩手・宮城・福島から 千葉雄生/中村 光/福島かずえ/及川幸子/中島 孝/吉田恵子
 ここに6人の方々の震災当時から今までの生活を振り返っての感想文章が載っています。大震災・原爆被害等人生の最大の経験から多くのことを学ばれています。敬意を表します。ぜひ真剣に読んでみてください。大変なことで、私たちも忘れてはいけないことですね。
●特集● 2021年度政府予算案と地方行財政の論点
 コロナ禍での自治体財政危機を乗り越えるには、感染防止と社会的弱者支援を優先し、福祉施策を維持し、地域内経済循環確立を目指すためには、これまでの地方一般財源総額の確保・拡充が必要です。
コロナ禍の補正予算と2021年度地方財政対策 平岡和久
 菅内閣の政策基準は、東京オリンピック・パラリンピック開催、その後のインバウンド本格化DX推進グリーン投資の促進行政デジタル化公務員の働き方の抜本見直し(能力主義の徹底、給与体系見直しなど)規制改革二地域移住の推進などを進めようとしています。
 私たちの観点からは、コロナ禍が公衆衛生と公共部門の脆弱性や社会保障の貧困を明らかにし、公務員拡充を含む公共部門の強化、社会的弱者への生活保障確立が求められています。
 菅内閣予算の危険性は、このままでは、貧困と格差拡大、コロナ禍で苦しむ中小企業の淘汰が進む恐れがあります。
 一方中小・小規模事業者等への資金繰り支援や雇用調整助成金の特例措置などが計上されており、つかんでください。
 コロナ対策で、感染拡大防止の肝である無症状者へのPCR検査拡大大幅拡充への財政措置や医療機関への減収補てんが盛り込まれていないことは極めて問題です。
 また予算編成で多額の予備費の計上がされており、財政民主主義に反しています。
 予算編成で、12月4日の経済財政諮問会議、総務省の審議会である地方財政審議会、12月10日に意見の取りまとめが行われており、一般財源総額確保することが不可欠としておりますが、保健所の人員体制強化、減収補てん債について重要な意見も出ています。
 歳入・歳出の項目別に金額が明らかになっており、その概要をつかみ個別の追求していきましょう。税収減等によって自治体の財政収支不足が話題となりますが、国の地方財政対策を正確に織り込み、妥当な財政収支予測を行うことが大切であり、緊急対策の規模と優先順位の明確化がポイントとなります。
 公共施設の集約・複合化、転用、長寿命化等に対しては交付税措置を伴う公共施設等適正管理推進事業債が適応されていますが、一部を除いて2021年度で終了することとされ、駆け込みがされていないかチェックが必要です。

2021年度予算政府案の問題点 梅原英治
  菅内閣の予算の検討ですが、これは社会福祉事業抑制の予算であり、経済優先で、コロナ感染防止に失敗していることなど、全く反省していないものです。このような政府が続く限り、コロナ感染防止、共生社会の実現は程遠いものになっていくでしょう。国民や事業者への支援策を、打ち切る項目として、 @ 「持続化給付金」 A 「緊急小口資金・総合支援金の特例措置」 B 「住宅確保給付金近」 C 「雇用調整助成金」 D 「休業給付金」などがあげられます。またGOTOトラベルは延長し1兆円超の予算になっています。  
「デシタル政府」が実現すれば、 @ 「超監視社会の実現」によるプライバシーの侵害 A IT企業による行政クラウドの独占支配 B 公共サービスの産業化、  C 国による地方自治体のデジタル端末化 D 国や自治体職員の削減 E フリーランスやギグワーカーの拡大 F 利用者間の情報格差(デジタルデバイド)など多くの問題が出てきます。
 リスクの大きな革新技術開発に2兆円、「大学ファンド」を作って株価のつり上げ、「便利な財布」となった補正予算、「敵基地攻撃能力」の実質的保有の進展、公債高依存財政などが掲げられています。また、楽観論は許されない地方財政となっている点として、麻生財務相の財政演説がコロナ終息後、地方財政が厳しい局面を迎えることを暗示しているとのことです。

富裕税の創設を 醍醐 聰 
 コロナ禍で長期化する困窮世帯の生活支援、休業補償に必要な財源を、応能原則に基づいて確保することの一つとして、富裕税の根拠について述べられています。読むにあたって、貧富の格差がひどいことは分かります。一般社会から見たときに、この税制を納得させるには、3つの課題が述べられています。この点での理解はできるのですが、統計上の格差から生まれる根拠が掲げられておりますが、理解できないのです。じっくり教えてもらいたいものです。
●連載●
東京・世田谷区の新型コロナウイルス感染症とのたたかい 第1回 保坂展人

  世田谷区の先進的な活動報告ですが、1月段階ではこのような「大激震」になると想像されていなかった。3月.4月.5月と対応策がたてられ、根幹となるPCR 検査体制の確立が整備され、4月下旬にはその日に相談を受けその日に検査できるようになったとのこと。検査方法の工夫もされ多量の検査が可能となり、社会的検査もできるとのこと、地域医療関係者の連携と、東大の児玉龍彦教授の指導に敬服します。第2波に向けての政府のだらしなさがよく分かります。
最終回 新型コロナと日本の公衆衛生・医療─その特徴と課題─ 第6回 コロナ禍が突きつけている3つの課題 松田亮三
 2021年がコロナ終息の年になるかどうか、依然不確かです。コロナ禍が日本社会に突き付けた3課題について頭に置きましょう。 △ 知識・政策・コミュニケーションの流れを総合する何らかの組織的対応が必要。 △ 福祉国家と新型コロナ感染症のつながりの中、どう向き合うか公衆衛生学的観点からも福祉政策の点検を。 △ 複雑な国ー自治体関係と医療供給体制は、対応における制度的限界が明らかになった。先を見越した対応が求められる新型コロナ感染症に適合した予見的な対応力が必要です。 
人つながる@ コロナ禍に生きる(上) 松本晶子
 まさに全盲の方々にとって、このコロナ禍はすべての感覚がふさがられる事態になりますね。どう生きてこられたか、次を読みたいです。
@NEWS 「異例」な裁判=新型コロナ専門家会議をめぐる情報公開訴訟 三木由希子
 このコロナ禍の時代に、公文書の根幹が問われる訴訟が起きていたのですね。議事録を議事の記録という表現で発言者を特定しない、雰囲気でまとめていく手法をぶら下げたのでは、このような緊急事態の実態をどうつかんだか、対策をしたか、後世に判断できないものになってしまうでしょう。
BOOK REVIEW
ローカル・ネットワーク
Jつうしん
自治の風─茨城から 第5回 巨大な県営産業廃棄物最終処分場建設反対!日立の市民は立ち上がった! 長山重道

 産業廃棄物の設置で50年後どうなるのか、この結論は多くの事例から問題が生まれていることが分かっています。このことに経済開発信奉者は大きなギャップを持っておりこれを正す戦いは、彼の身の回りから問い質すだすことが大切ですね。
編集後記

2021年2月号 読者ノート

 (2021/01/22)
 

目 次
 コロナ禍が全国的に頂点に達していくようです。気を付けてください。
核兵器禁止条約の発効が1月23日になっています。広島での取り組みが、世界に通じたということと、「核兵器は悪」だということがこれから世界の常識になるよう広まっていく「一里塚の日」となりましたね。
 今月号で、住民の要求、現場を見直して伴に考えていきましょう。

◆新春対談 コロナ禍のもとで地方自治の未来をひらくために (片山善博×岡田知弘)
 この論客の言葉、東京に植民地化された地方自治とは、私たちの態度を大きく改めていきたいものです。解決は現場にあるということ、県と市の連携が必要だといことですね。議会改革がどうしても必要であり、自分の頭で考える公務員の増加が欠かせません
◆直言 大阪都構想、否決後の動き (中山 徹)
 大阪維新の会の策動が、大阪都構想での敗北を今度は、議会からもたらそうとしています。大阪市議会では維新の会は過半数を占めていないので、公明党が掲げる総合区案に便乗し、現行24行政区を8総合区にする案だそうです。大阪府にこれら削減した財政を売り渡し、広域的な開発に資するようです。改めて大阪府民・市民の働きに期待したいものです。
●連続企画● 「新型コロナ」から日本の社会を考える 第8回 少人数学級実現、消費税減税の雇用、経済効果─ポストコロナの経済社会を考える (有働正治)
 先月号からの産業関連票を使っての、少人数学級の実現、消費税減税の効果を科学的に表しています。コロナ禍で、雇用と景気後退をどう鎮めるかの課題に的確に答えていると思います。財務省の非科学的な行政手法を改めさせましょう
●特集● 公務員人事と民主主義の危機
 自治体職場のデジタル化による標準的で画一的なシステムの移行は、自治を骨抜きにするばかりでなく、人間から「愛」なきAIに職員を置換え、関係企業の利益を極大化するものです。住民と自治体職員との共同を打ち立てるために公務員の人事の変質と法治主義形骸化の経過を学びましょう。
•公務員人事と民主主義 (晴山一穂)
  安倍・菅政権の下で、恣意的で強権的な官僚人事の問題点が出ており、日本国憲法に基づき政治部門と公務員の関係の正しい在り方を学びましょう。
官邸による公務員人事の支配で、官僚の世界に「忖度」と迎合の姿勢がはびこりました。この恣意的人事支配の論拠が、3つの規定があげられ、「全体の奉仕者」としての公務員の基本的役割が正されています。大きく「全体の奉仕者」としての公務員の基本的役割が強く述べられています。

•自治体職員制度と民主主義の危機─その経緯と課題 (黒田兼一)
  コロナ禍の中、民主主義の危機が叫ばれており、その姿は、病院への入院の声が届かず自宅待機になり、命が亡くなった人が出てきているからです。公務員として「その声」を知り、それを自身の仕事に反映させること、反映されていない場合は、反映できるように改善することができているのでしょうか。この間新自由主義により、「公務員制度改革」がおこなわれ、地方公務員制度の破壊が続いてきました。改めて振り返ってみましょう。また、デジタル化時代に向けて地域住民と地方公務員との繋がりを薄くして『デジタル専制主義』が入り込もうとしています。菅政権によるこの速度が速まるようで危険ですね。当たり前の地方公務員制度に戻ることが今大切です。
•教育公務員人事と民主主義─七生養護学校「こころとからだの学習」裁判が示したもの (荒井文昭)
 教育分野での公務員人事の不当性は、広島県でも多くありました。しかし.県民の理解が得られない場合が多く根本的な課題でした。ここにある常勤職公務員が、教育行政過程での判断で実権を握っている実態が広がっていること、しかも、法規定にはこうした教育行政の実態とはかけ離れた、別の管理主体が規定されており、このことが教育行政の決定主体をあいまいにしているようです。学校や公民館、図書館などの教育機関では、そこで学ぶものに対して、自由に学ぶことが人権として保障されなければなりません。学ぶ自由がなければ、教育の営みは権力による教化になりかねなくなってしまうからです。首長と議会という一般政治に一元化させるべきではなく、教育には教育にふさわしい教育政治の在り方が追及され、それが一般政治とは区分されて固有に認められなければなりません。重層性をもった民主主義の決定システムが求められます。
•大阪維新政治による人事支配と管理強化とのたたかい (有田洋明)
 民間との比べを前提にした職員基本条例が設置されている実態が述べられています。その中には民間でも例のない厳格な相対評価制度は恣意的なものになっていることが明らかです。大阪都構想の住民投票時の市財政局試算を「捏造」と批判する市長の姿にはあきれたものでした。透明性と公平性の確保、職員の納得性を高めるため、恣意的な人事評価制度の導入に組合は断固反対してください。
BOOK REVIEW
 ここに載っている「コロナ禍を乗り越え新しい地方自治の在り方を考えるとちぎ自治白書2020」を広島県政白書の参考にしたいと思います。
●連載●
•最終回 いらっしゃい!
学校図書館です! 第6
回 学校図書館の明日に向かって (武田江美子)
 全国に「学校図書館を考える全国連絡会」が発足しているようです。広島県からの参加状況はどうでしょうか。これらの活動を県民に知らせましょう。
https://www.open-school-library.j 
•新型コロナと日本の公衆衛生・医療─その特徴と課題─ 第5回 レジリエントな医療に向けて (松田亮三)
 「不急な手術はあっても、不要な手術」はないという、幅広い影響を考慮し、医療サービスの在り方が示されています。 まさにパンデミックな状態となった日本の医療実態の中、今後の在り方として「レジリエントな医療の仕組み」意訳すれば「ショックに強い医療の仕組み」を作ることがポストコロナの課題ですね。
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NEWS 川辺川ダム建設容認表明に至る過程を問う (森 明香)
  ダム建設の効果について長年担当され、地域文化とその環境の効加を熟知している県知事が、今回の大洪水について検証の時間をおかず、即座に建設に移ったことは、いかなる理由があるのでしょうか。災害文化が機能不全になる豪雨だっただけでは意味がない。
•自治体の新型コロナ施策 ●地方紙ニュースから─広がる
PCR検査
 PCR検査が、自治体間で行われ始めたが、広島県での着手が今からだ。面的対応が感染症の対策では必要とされているのに、政府はこれらに金を出さないとは。??????
•ローカル・ネットワーク
Jつうしん
•自治の風─茨城から 第
4
回 再審法の改正を求める地方議会意見書の採択と政府への送付請願をおこなって (田村武夫)
 地方議会から国に対して意見書を挙げる作業は、民主主義の一形態ですが、あまり慣れていません。裁判での再審請求に対する意見書となると、かなりのご苦労があったことでしょう。これにより民主力が増していったことも確信にしたいものです。
•わがまち
58 福島県飯舘村 (杉岡 誠)
•編集後

 



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