広島自治体問題研究所
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2020年6月号 読者ノート

 (2020/05/22)
 

目次
  事務局として気になった記事にコメントを載せます。一緒に読み合わせしましょう。
あなたの感想や意見もお寄せください。コロナ感染非常事態宣言が、まだ残っています。今回コロナウイルスの感染問題で大きく『政治とは』の問いかけが行われ、体制が揺れましたね。皆さんの御体はいかがお過ごしですか。

●連続企画●「新型コロナ」から日本の社会を考える 第1回 「新型コロナ特措法」と民主主義・地方自治 (白藤博行)
 私は、今回のコロナ対策の遅れについては、オリンピック・パラリンピック開催優先の政府・都知事の動向が、3月24日まで続き「感染爆発」を抑えきれないという事態を生んだと思います。また、新型コロナ感染拡大防止対策の基本は「検査と隔離」対策にあるのに、なぜかクラスター(感染集団)」対策を重視し、検査を担うべき保健所に複雑な検査手続きを強い入りキャパシティーを超える事態を生んで危機をもたらしました。そもそも保健所数はこの30年間の「行政改革」でほぼ半数になっており、保健師など保健所職員の非正規化も顕著になっていたのです。この問題の解決を行わないといけません。
 2019年年末、既に中国発の新型コロナウイルスのヒト・ヒト感染が確認されたにもかかわらず、いわゆる「水際作戦」に失敗し、2月25日に新型コロナウイルス感染対策本部が「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」を発表し、安倍首相が、突如全国小中高校の一斉休講措置を要請し、教育現場や保護者等の混乱を生んでしまいました。雪まつりが終わった、北海道では何ら法的根拠がないにもかかわらず、外出自粛などを求める自主的な「緊急事態宣言」を出さざるを得ない状況にまで追い込まれました。その後の法適用は順次実施され、新型コロナ特措置法の成立になっています。
 この法の目的は、「新型インフルエンザ等の発生時において国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済に及ぼす影響が最小となるようにすること、とされていますが・・・。この法のモデルは、「武力攻撃事態等において、武力攻撃から国民の生命、身体及び財産を保護し、国民生活等に及ぼす影響を最小にするための措置に関する法律」(通称「国民保護法」)に倣ったものですので、この法律が持つ本質(人権侵害の恐れ)が出て、非常事態に対処する危機管理法となっていることを承知しなければならないと思います。従って、国のように、「補償なき休業要請」が出され、東京都から「国による補償はセットで」の声に押されていったのです。緊急事態宣言は、本来、もろすぎる社会の実態に目をやる「緊急事態保障宣言」であるべきです。
 このような時、もう一つのウイルス、「改憲ウイルス」を出すとは。 世界史上まれにみる公衆衛生緊急事態に対して、まずは、国民一丸となって、前例のないほどの透明で公正で民主的な政治的意思決定で望めないのでしょうか。
 ドイツ連邦首相のアンゲラ・メルケル氏のテレビ演説(3月1
8日)を見たいものです。

●特集● 豪雨災害と避難・生活再建─その現実と自治体の役割
•豪雨災害と避難・生活再建 (塩崎賢明)

  『災害が過ぎ去ってからも危機が継続し、命や健康が損なわれることを軽視してはいけない。』このことを大いに肝に銘じ対処するすべを学びましょう。関連死の実態が述べられていますが、最近増加傾向にあるようです。また避難所の雑魚寝について危険性があげられており、早急な解決が必要です。また在宅被災者扱いの問題も、市町村職員の手の届きにくい問題ですが、放置できないものです。仙台市から生まれた、災害ケースマネイジメントについて次の講義に学びましょう。また世界の先進的な技術(スフィア基準とか)について国際的な経験から学ぶとともに、国民性に対する注意も心づけていかなければいけませんね。ボランティア組織の健全育成が、きちんと行政の中に組織化されていくことが必要です。災害時に国民を守るナショナルミニマムを確保する体制は、国の常設組織として確立させ早期に立法化しましょう。
•広がる「災害ケースマネジメント」 (菅野 拓)
 災害時、異なる多様な困難は、障害・高齢・生活困難など平時の脆弱性が増幅されことから生まれます。事前の把握が必要ですね。仙台市のこのプログラムは、仮設住宅入居世帯を4分類して細やかに伴走していくようです。仙台市の組織の中に、生活再建支援室が作られていますが、常設ではないのでしょうか。またこの中で、一般社団法人パーソナルサポートセンター(PSC)の存在が気になります。長野県では当初予算案の中に、災害が起きていないのに、このようなシステムをスタートさせており、今後このような予算編成は必要であり、国の予算化も強く求められます。
•市民に寄り添う、伴走型の災害対応 20187月豪雨 岡山県総社市のとりくみ (新谷秀樹)
  自治体の職員として災害担当となり、幾年かの経験から、被災者に寄り添う行動が数々言葉として出ています。また市長の災害被災者に対する姿勢が、行政官としての職員の姿勢を押し出しています。「被災者のお宅を一件ずつ訪問し、ニーズを聞きなさい」「災害時は法律を破れ」「現場の判断に任せる」など大いに参考にしたい言葉です。「即断即決」の言葉は、被災者にとって心に響く優秀な言葉です。総社市の「大規模被災地支援条例」は、市民が大規模災害地へ支援する時に総社市が支援することを条例化しています。このような地元市民を育成しておくことが自らの災害時に役立つのですね。
•豪雨災害の教訓とハザードマップつくり (梅原 孝)
 ハザードマップ作りの経過は、市職員に依存しないで作ることが大切とのことですが、この研修作業中は、専門家の指導と、「隠さない、ごまかさない、逃げない、うそをつかない」職員との共同作業が必要です。自主防災組織育成で、防災人ライセンス取得者と協議会の結成で、伴に育ちあう組織があることを、行政は組み込むことが大切ですね。災害時に公務職員が現場に半分も参加できていないとは、行政改革の負の要素であり、職員の増加が必要であると認識するべきです。
•「避難所の景色を変える」災害関連死を防ぐ段ボールベッドの取り組み (水谷嘉浩)
 段ボールベットの災害時に導入することが今日当然のようになってきています。この効果があげられ、業者との協定書の締結も行われているようです。まさに雑魚寝からの解放をを示しています。全国に3000社もあり技術的にも差もないものとして普及されているのです。
•仮設住宅の新技術としてのムービングハウス (長坂俊成)
 もはや仮設住宅ではなく、高級住宅と同程度のものを供給できる体制づくりが、ムービングハウスを活用した、「社会的防災備蓄」へのアプローチになるとか。プレハブ設置と比べても、そん色ない経済性を示しているようです。2020年3月茨城県堺町で活用されているようです。官民協働による社会的備蓄がこれからどう進むのか、市民生活の中の公営住宅の普及との関係でも見ていきたい課題です。
•災害時のトイレ事情と課題 (加藤 篤)
 災害時のトイレ問題は命と尊厳にかかわりますが、現代は水洗トイレが普及している一方、災害時には水問題が大きく作用して、使えないことが引き起こされ健康被害に結びつきます。このため防災基本計画の中でトイレの管理ガイドラインが整備されているようです。トイレ区分も多く示されていますが、排せつは待ったなしです。災害時だからこそ安心して使用できるトイレが必要です。災害当初は避難者約50人に1基、長期化した時は約20人に1基が、災害時のトイレの確保・管理計画の早期樹立と、障害者トイレの配置も必要だということです。
•地球温暖化と台風の極端化 (寺尾 徹)
  地球温暖化が具体的にどこに現れているのといった事例として、昨年の台風15号があげられています。ここで明らかになったのが、気象庁が観測してきたこれまでに一度も見られなかったということは、再現期間があるいは100年を超える極端現象であることを意味すると注意しています。2019年台風19号は、その大量の降水量に温暖化の影響を示しています。とりわけ評価時間12時間の降水量で、極値更新が相次いだのです。地球温暖化の下で台風の強度が増加することについて研究者間では大方の合意があります。大気中の水蒸気の増加は台風の内部での水蒸気の凝結量の増加を通じて台風の強さも、降水量も増加させることになります。また日本付近の海水温の上昇が30度を超えるようになっていることも原因として挙げられます。
2050年脱炭素社会にどの程度近づいているのか─永続地帯2019年度版報告書から─ (倉阪秀史)
 2050年までに脱炭素社会にするという課題について、世界は動きだしています。このままでは2020年から2052年の間に1.5度地球の温度が上昇する可能性があり、超えると後戻りできない悪影響が発生する恐れがあるのです。この取り組みに自治体がどのように参加しているか報告されています。2012年7月に施工された固定価格買い取り制度の影響で、太陽発電の発電量が16%増加した。しかし以後の伸び率は低下にとどまっているようです。また、日本全体として再生エネ導入に向けた市町村の取り組みが停滞しています。人口規模が大きいほど再エネ目標を設定している比率が大きくなっていますが、最近は頭打ちのようです。https://www.env.go.jp/policy/01_ponti_200507.pdf
●連載●
•おんなのRun83
 幕張メッセに武器見本市はいらない (金光理恵)

 武器見本市がこの日本で開催が行われているとは?。千葉県知事が会場許可を与えているとは。このような死の商人の行動を公が認めていることを、国民に知らせなければならない。そこでの武器が即、人殺しに使われるしかないのだから。頑張ってください。
•@NEWS 東京・世田谷区 学校休業中の弁当配達と子どもの貧困 (増井賢一)
 子どもの実態調査で貧困問題が話題となり政策作りが合行われていますが、その報告を目にする機会が少ないと感じていました。二人親家族でのこのような貧困実態に対し、もっと親の教育と経済負担の軽減を行い、子どもの現在と将来がその生まれ育った環境に左右されないよう社会が見守り貧困連鎖を止めたいものです。
•再生可能エネルギーと環境問題 第3回 太陽光発電A「生活環境への影響」 (傘木宏夫)
 再生エネルギーを使って地元の産業の持続的な進展に活用しようと呼びかけられています。この問題が市民の生活環境に及ぼすことがないよう、反射光や熱、騒音、振動などについて数値で把握し、その許容範囲について議論することを導入の前提にしたいものです。
•自治体清掃はどこへゆく 第4回 清掃業務の危険 (福田日輪)
 清掃作業の中で、危険な仕事ナンバーワンが市民の持ち込みごみを受け入れた際の解体・分別作業だと言われます。この作業の進展でリサイクル社会の前進を知るとは、福田さんも専門家ですね。
Jつうしん
•自治の風─沖縄から 第2
回 ひめゆり平和祈念資料館の次世代継承とリニューアル (普天間朝佳)

 沖縄歴史資料館の一つの「ひめゆり平和祈念資料館」が30周年を迎えているとか、戦争中の女性の在り方を語り、平和への願いを込めて綴られた資料など、世代継承が大変だったと思います。多くのこのような資料館に次世代への継承の経験を語って下さい。この問題は多くの施設の課題であり、そのリニューアルな変容は見守られていることが必要ですね。
•わがまち50 徳島県上勝町 (花本 靖)
•編集後記


DL:80.docx

(新型コロナウイルス感染症対策に関するメルケル首相のテレビ演説.docx)
22341バイト
災害時 直接死と関連死 P12

2020年5月号読者ノート

 (2020/05/06)
 
目次
事務局として気になった記事にコメントを載せます。一緒に読み合わせしましょう。あなたの感想や意見もお寄せください。今回コロナウイールスの感染問題で大きく体制が揺れましたね。いかがお過ごしですか。
●特集● 「観光立国」政策下のオーバーツーリズム、そして新型コロナ禍の教えること
  オーバーツーリズム(観光客過剰)が今新型コロナで、全世界的な問題となり、今後の社会の在り方が根底から問われております。ぜひ参考にしてください。
•「観光立国」政策とオーバーツーリズム (堀田祐三子)
 オーバーツーリズムの定義:来訪者の数が増加し、観光地が過密となることによって住民の日常生活が妨げられたり、生活の質が悪化したりする状況や、来訪者が満足できる観光体験ができなくなる状況と、ここでは言われます。日本で、1970年代に起きた「観光公害」も、このことです。この要因に3つ上げています。この中で『観光地管理』という用語が出ています。この定義は勉強してみたいですね。また日本の観光立国政策との関係が述べられていますが、3つの方針のもとに繰り拡がれ、2018年8月には官公庁が『持続可能な観光指標』を提起していますが、高級ホテルを全国に50か所程度新設することがあげられています。このことは広島県も行っていることでこの指導による施策ですか。2018年に出国税(国際観光客税)が導入されていますが、DMO(観光地管理組織)は、現状は誘客中心のようです。現状オーバーツーリズムの問題に直面しても、来訪者数の抑制より「稼ぐ」機会の喪失を恐れることが先行しているようです。重要なことは、観光政策を稼ぐことを目的とするものではなく、人びとの暮らしの豊かさを実現することを目的にするものに転換させることですね。図 訪日外国人観光者数と観光予算の推移参照
•欧州諸都市のオーバーツーリズムへの取り組み (阿部大輔)
 コロナウイルス禍のパンデミックスは、観光は移動する営為であること、そうであるがゆえに間接的に疫病を拡大する行為になりうること、そして観光は極めて脆弱な産業であることをあらわにしました。オーバーツーリズムを、物理的要素、社会的要素、経済的要素、環境的要素、心理利的要素、政策的要素で示されていますが、総合的な見方で考えなければいけないことを感じましたが、不可逆的な変質による界隈の社会構造の変化、並びに地域資源下の再投資なき消費との言葉は、深めて学習しましょう。ここではベネツッア、バルセロナ、アムステルダムがあげられています。また市民運動についてもあげれれています。私たちの視点も、観光により生じる様々な利益が、何らかの形で地域に還元されているかを見つめ、観光があるからこそ市民生活環境も改善されるというサイクルがあるかないか、どう構築するかが問われているのですね。
•ちぐはぐな京都市の観光政策 (中林 浩)
 日本の古都の代表地京都市での問題点があげられています。この地での問題点は、広島市にも関係してくることでしょう。コロナウイルスで観光客がいなくなって改めて、日本における今までのインバウンドの急増が、日本経済の不振がアジアと周辺諸国との経済格差を縮め、来訪しやすくしているからだと気づきした。世界の人々が労働から解放された時間を楽しみに使うために、観光が健全に行われるべきだという観点は欠かせないものです。現在起きている京都での問題で、富裕層を対象にした高級ホテルの無秩序な建設に、怒りを覚えます。広島県も、県有地の払い下げで、高級ホテルを建設することが決まっております。また小学校の統廃合でその跡地利用が、住民の意思に反する形で決まるなど、今までにあったコニュニティーの歴史が崩れていくことに危機感を覚えます。観光収入を期待するだけの観光政策ではなく、モノづくり産業との振興と結びついたものにしていきましょう。
•コラム 奈良公園にリゾートホテルはいらない (中島 晃)
 驚きました、古都奈良公園内に高級リゾートホテルを建設するとか、便益施設と認定できる理由など、行政ではないはずですね。こんなことを、だれが指導してのか、京都の問題点にも挙がっている日本の観光立国推進の中心となってきた菅喜偉官房長官ではないでしょうか。
•外需、外国依存のクルーズ船観光の危険性 (池田 豊)

 クルーズ船への乗船が夢で、高価な買い物が、今やプレミアムなものになっているようですが、この観光船の地元に寄せる危険性はどんなものか明らかにしています。またクルーズ船観光の仕掛けは、2003年来からあり、国交省が担当する課題のようです。広島県でも港湾開発はこのことに使われているようです。駐車場に観交バスが一度の700も並ぶとは、これを維持管理する会社は地元にはないはずです。地域観光とはまさにかけ離れた、形態が進行しているのだと気づきました。確かに乗って、観光地巡りを2時間足らずで回り、止まるのは船の中でさわぎ、地元に落とす金は、土産だけかと反省します。
•民泊法制度の現状と課題─地方自治体の独自規制に着目して─ (堀田祐三子)
 コロナ問題でまた明らかになった民宿問題。法整備がまだ不十分だとしても、民泊が地域及ぼすその影響に住民がどう向き合うかが大きな課題のようです。京都・奈良での取り組み、沖縄での真摯な取り組みを参考にしてください。空家問題が大きくかかわっていることから、また考えてみたい問題です。
•「山里ツーリズム」への模索─九州脊梁の「日本遺産」登録を見据えて (中島熙八郎)
 新たに「日本遺産」の再生を目指この地域は、九州山脈の「山の道」の復活を通じて、過疎・荒廃に瀕した現地の森林環境、山里の生活条件を現代的視点に立って再生、継承する方策を探ることを大きな目的にしているようです。かっての研究課題からこれまでの活動の発展が綴られています。この運動の地道な活動を見守りたいと思うと同時に、森林内の復活が、全国に起こることは、新たな資源の復活になることでしょう。
新型コロナ 揺らぐ現場からの報告
 2020年3月23日現在の状況です。
 また、コロナ感染でピークになった時の日本各県の感染病棟の実態を検証しましょう。
https://www.jmari.med.or.jp/download/WP443/WP443-appendix.pdf
•新型コロナウイルス感染拡大を阻止するために奮闘する医療現場から (森田 進)
 今回の感染症の対応を、現在実情がどうなっていたのかを振り返ることが出来ました。一つとして、感染病床数が、1998年には9060床設置されていたものが、現在1869床になっていることを、私たちは深く反省し、今後の再生に向かわなければいけないと思います。また政府が次から次に出す推計数式に根拠があるのでしょうか。ここで取り上げられた数式に基づく基準病棟数に達していない県が12県であるとは、驚きです。基準病棟数は国が病棟を減らすための手段のようです。国の経済優先の姿勢がここにも表れています。点検しましょう、福祉・医療を削った原状回復のためにその地域の基準となる数値を見つけましょう。

•新型コロナウイルス対応を行う自治体労働者の現状 (水戸川慶太)
 この報告者の職場の名称は、正規に保健福祉事務所という名前になっているようで、本来の仕事に福祉を入れており、純粋に保健業務を行う人の数はきりきりの実態であることがわかります。「人が足りない、派遣できてくれている保健師の契約が3月で切れてしまう。」の表現のように、派遣職員の配置が常態化している不安定さです。命を守る職場で派遣職員を常時配置するなど、早期に解決してほしいものです。
•一律休校がもたらしたもの (宮下直樹)
 突然の一律休校の要請は、こんなにも問題があることなのか挙げられ市民としては驚きです。子どもの学習権、発達する権利、心と体、を傷つけたとのことです。あまりにも実態を知らない安倍首相の発言だったと思いますし、それまでの取り組みがこうさせたので、二度とこのようなことの無い様目を見張りましょう。
•学童保育の現場から─不安と疑問のなかで (井上静子)
 安倍首相が一律休校を言い出したのは、それまで学童保育のことをさんざん雇用確保の為のみ抱いてきた安心感から大胆に言いだしたのでしょう。彼の学童保育に対する気持ちは、就業機会の拡大のみで、子どもの発達などは目に入っておらず、この過密な実態、職員の職場での感染不安など全く目に入っていないのでしょう。施設内容の改良費など公立には出さず、保育資格者を一人にまで下げるなど大きな問題を抱えている中不安です。今後解決をポストコロナで戦いましょう。
•消費税増税と「新型コロナ危機」 中小業者の苦難打開へ (中山 眞)

 コロナ大戦で、中小 企業者の被害は「リーマンショックどころではない」状況、科学的な知見も踏まえない政府の要請が招いた経営危機は、まさに『人災』であり政府の責任で損害を保証するべきです。長期化させることの危機意識がない安倍内閣に怒りを感じます。税金はどのように使われているのか、ハッキリ私たちも見つめていきましょう。
•「新型コロナウイルス」問題が広がるなかで (河村泰三)
 コロナ惨禍が3月にジェットコースターのごとく、中小事業者に襲いかかった実態が述べられています。また中国に依存している製品の問題も掲げられています。今後消費動向の喚起に消費税率の切り下げが提案されています。
•種苗法改正の問題点─種子条例の意義と地方自治体に今後できること (山田正彦)
  種子法の廃止から2年がたちましたが、多国籍企業による種子の支配が問題となり、各県で種子法に代わる条例制定が進んできました。この数が24の道府県であるようです。しかし、多国籍企業の本当の狙いは、種苗法の改定であるとのことです。農家が種子をすべて毎年多国籍企業から購入せざるを得ないように法制度を改正し、莫大な利益を得ようとするとのことです。
●連載●
•新連載 自治の風─沖縄から 第1
回 首里城焼失
  沖縄県民の声を毎回聞きたいもので、今回の首里城は14世紀ごろ創建され、数々の歴史を振り返し、今回の喪失後には、早くも30億円の募金が集まり、「辺野古基地より首里城を」というオール沖縄のアイデンティーの力強い声が頼もしいものです。
•@NEWS 長崎県の石木ダム建設計画。半世紀経ても完成できない、その理由とは (松井亜芸子)
 本来の里山から豊かな生態系が現存する希少地域の「こうばる」を、ダムの下に沈めるとは。半世紀も戦い続けた炭谷奈津希さんは6歳から68歳になったとか。公共という名で、13世帯50名以上のくらしを破ることの無い様長崎県民の声に期待したい。
•再生可能エネルギーと環境問題 第2回 太陽光発電@「立地の適切さ」 (傘木宏夫)
 太陽光発電が中山間地に多く配置してされていく過程を前に、立地の関係者として、地方自治体、土地所有者、地域自治会員などの人の学習が必要です。これら間で、バランスをとるためにどのようなガイドラインがあるか、無いかは大きな課題ですね。まずはこの段階での参考に長野県上田市の「太陽光発電施設の適正導入ガイドライン」が紹介されています。
•自治体清掃はどこへゆく 第3回 自治体ごとのリサイクル (福田日輪)
 リサイクルの為に、ごみの分別区分はどうなっているのか。地域自治体研修に参加して確認する必要があるようです。鎌倉市では20品目が分別されており、広島市は8品目だそうですね。公営での分別技術の違いが出ています。
•おんなのRun82 ほのぼのこどもレストランとの出会い (藤岡淑子/村井民子)
 「子ども食堂」の活動報告で、毎回30名近い子どものため、保護者、ボランティアの活動で、50名が集まるそうです。この場での子どもの新たな発見ができた保護者の声や、4年がたち新たな活動が検討されているようです。
Jつうしん
•編集後記
コロナ感染ピーク時の県別感染病棟の実態です
急速な観光立国政策です。

2020年4月号 読者ノート

 (2020/03/18)
 

目次
  事務局として気になった記事にコメントを載せます。一緒に読み合わせしましょう。あなたの感想や意見もお寄せください。コロナ対策は公衆衛生の普及から、
●特集● 児童相談所がんばれ!
  今の日本社会での子どもの虐待のひどさには、みなさん心を悲しませるものがあると思います。資本主義社会の中で、弱者がどのようになっているのか、日本の安倍内閣はこのことに、何ら改善のめどを立てようとしていません。現在頑張っている方々の意見を聞きましょう。
•児童相談所における子ども虐待対応の現状と課題 (川松 亮)
 今回子どもの虐待問題の実態と児童相談所の在り方について、大きな課題があることが述べられています。子どもを保護育成する親の問題から発生する虐待問題と本来子どもの発達に対する相談内容とでは大きな性格が違うことが述べられています。また児童相談員の職員の体制についても、日本社会の貧困さを、イギリスとの比較から述べられており、厚生省が画一的に発する施策が、現場の実態とかけ離れたものであるということが指摘されています。
 児童相談員の専門性を培うには10年という経験が必要であるにもかかわらず、職場実態は3年間での交代にならざるを得ないほど、厳しさがあると。ソーシャルワーカー力の蓄積を、地域社会と連動した形で培うことを提案されています。一ケースワーカーが平均155.2ケースを担当するなど、改めて私たちは知るべきです。イギリスが約16.8ケースと言います。
 これからの子どもの問題は、社会が大きくずれていく中で、ますます違った課題になると恐れています。大きく耳を広げてみて、よく学び合いましょう。また同じようなことが保育園の保育士も関わっています。

•座談会 何が課題? どう改革する? 児童相談所問題 ─野田市の心愛さん死亡事件の二つの報告を踏まえて (浅井春夫・小宮純一・仙田富久・畑井田泰司)
 児童相談所の在り方について本当に課題が多くあり、子どもに接する大人社会の在り方がどう作用しているのでしょうか。この課題での現行の児童相談所の方々は、野田市の心愛さんの死亡とこれに関わる児相のあり方に本当に回答を出してください。マスコミの方々の意見を聞きながら、実務者の方との格差を感じました。本当に今日県・市の連携がなっていないのでしょうか。
•一時保護所─その現状と課題─ (樋口真理)
  一時保護所とは、「一時」的であるのが望ましいが、現状では保護所内に分校並みの教員を配置することが必要かと思うほど滞在日数が多くなっているようです。ここでは子どもの権利は、十分な保証はなく、大人の都合なのです。このような現状を改革するため頑張っておられる方からの実情報告であり、敬意を表したいと思います。
  一時保護所の役割は、ガイドラインから、「緊急保護」「アセスメント保護」「短期入所指導」があります。世の中の変動に合わせるのなら、マンパワーや、施設整備、設置基準など多くの課題が生み出されていますが、自治体任せになっていないでしょうか。安心して次のステップに向かう力を蓄えられる場所になってほしいものです。


My Voice
Change! Yes,you can!
 (奥山眞紀子)

 今まこそ、児童相所生まれ変かわる必要があるのでしょう。まず子こどもの権利擁護の最後の砦であることに誇りを持って、業務を遂行することが最も重要です。特に、虐待対応は危機対応であり、組織の士気を高めることが欠かせません。職員に求められるのは、子どもと向き合い、どんなに小さい子どもであっても、「あなたを守りたい」という強いメッセージを伝え、「守りきる」という意識を共有することが大切です。
•地域社会とのさらに深い連携を (杉山 春)
 餓死事件での両親は、困窮の中で育ち、虐待、ネグレクトを受け社会的な力を育ててもらえなかった人たちで、子どもらのけが、発達の遅れなどをきっかけに行く詰まり、さらに経済的にも追いつめられていたのでしょう。今児相に求められているのは、地域社会とのさらに深い連携と、役割分担でしょう。上位下達では届きませんね。
•子どもの生活と権利を守り、働きがいのある職場にするために (川ア二三彦)
  何をなすべきか、児童相談所職員だけでなく、連携、連帯すべき多くの人たちとともに知恵を集める時ではないでしょうか。
•資料 ある児童福祉司の一日
 多くの手間のかかる行動が矢継ぎ早にあげられていますね。ご苦労様です。
•児童虐待を考える 本棚
 18冊の本の紹介がありました。
•子どもの貧困対策に「地域格差」 大阪府内43市町村への施策調査結果報告 (藤井伸生・堤 惇一郎)
  大阪府下の43市町村を対象に子どもの貧困調査されて、2015年に計画が策定され、2016年に調査、2019年に再調査されています。子どもの貧困に対する格差問題があげられていますが、このことでの大阪府のとらえ方でイニシアティブをとり、人的・財政的援助を含め市町村を支援していくことが必要と述べられています。
 子どもは社会で育てる、子どもの貧困は大人の貧困であり、その抜本的な解決は労働政策の改善を含む府民のくらしを支える施策の充実なくしてあり得ないと。子どもの貧困調査で明らかになった事象が図で8つ示されていますが、自治体が取り組んでいる事業の学習支援事業について、75.8%の自治体が取り組んでおり高い数値が出ています。
 が、塾産業など大手民間企業の参入が進んでいることの明しになっています。行政にまとわりつく利潤の追求が、ここにも顕著に表れており、これを活用する府政にもなっています。どう考えるべきでしょうか。

•全世代型社会保障検討会議「中間報告」を読む (芝田英昭)
 社会保障全体の今後の方向を決める検討会報告書が6月に出されるようで、自民・公明の両方からこれに向けて意見が述べられ、検討会議として中間報告が提案されています。改めて私たちもこの社会保障政策の根幹を勉強してみましょう。
 かねてより自民党政策の社会保障削り政策は批判の的になっておりますし、今回の「全ての世代が安心できる社会保障改革」に向けての中間報報告も、自民党の内容は、給付の見直しというよりも、全世代に満遍なく負担を課すことにあり、公明党の案は、現世代の負担を減らしその分を高齢世代の負担増で賄う方向を鮮明にしたものとなっています。
 私たちは社会保障制度を論じる場合、財源を無視した議論は無謀ですが、人権視点が欠落した中での改革議論も本質を見失う可能性が極めて高いことを知っています。従って個別性だけを取り上げて考えるのではなく、社会保障制度を、生活保障、人権原理から鳥瞰し全体の整合性を勘案して論じることが肝要です。社会保障財源は、応能負担原則による税や社会保険料で賄うべきであり、サービス利用時の一部負担(利用者負担、患者負担、窓口負担等)は利用抑制の謗りは免れず、人権原理からは到底受け入れられません。

•日米貿易協定と日米デジタル貿易協定の何が問題なのか (内田聖子)
 今や日本は世界の中で自由貿易を推進する先進国になっているそうです。その日本が、アメリカとの貿易協定を物品に限らす、サービス分野、デジタル商取引にまで広がる自由貿易協定を、2020年1月1日発行させています。この交渉自体、交渉前から自らのカードを示し『ウインウイン』どころか、非対称・片務的な協定を結んでいるのです。この影響が日本国内の農業・地域経済に大きな影響を及ぼしています。
 またこれらは「第一段階」のものであり今後「第二段階」交渉がいつ行わるか非常に注意しなければなりません。デジタル貿易とは、5Gの導入やAIを用いた産業ロボット、自動車の自動走行、電子マネーなどを通じた電子決済、さらにインターネットでのモノやサービスの購入などがあります。これらは米国のグーグルやアマゾン、ウーバー、中国のアリババなどに代表される企業が提供しています。
 しかし、この分野は世界中で統一されたルールがなく、米国・中国・EC・インド等新興国および途上国という四極で対立しています。この中で日本は米国に追随しています。今後、協定作りにあたっては「有害条項」として批判されている投資家対国家紛争解決(ISDS)や医薬品特許延長保護期間の延長などに対し削除・無効化し、環境(気候変動対策を含む)保護や労働者の権利保護などの条項を強化するよう働きかけることが望まれています。

●連載●
•新連載 再生可能エネルギーと環境問題 第1
回 ためされる地域の自治力 (傘木宏夫)

 各地での再生エネルギーの開発がいま大きく進もうとしていますが、この焦りが各所の環境破壊(5点が示されています)を生んでいるのでしょ。改めてこの問題の原則について、おさらいとして、現代のエネルギーの消費の在り方が浪費型で、かつ大都市部集中型であり、生産においては植民地型となっている、このまま放置しては環境破壊が必然として起こることを振り返りましょう。
 再エネの導入に際しては、個別具体に評価し、地域社会において許容できる開発の範囲で進めるべきです。

•自治体清掃はどこへゆく 第2回 清掃の仕事 (福田日輪)
 ゴミ収集は清掃部での実は本の一部ではあるがとても大事な業務なのです。戸別収集とステーション収集との違いが明らかになっています。また「ふれあい収集」という独自の収集のメリットも出ています。多様な収集方法と、直営方式委託方式の内容が身近な言葉で書かれています。
•おんなのRun81 人と人、人と社会、広島と世界をつなげる (安彦恵里香)
 広島市在住の方の発言です。真面目に社会問題を語っても浮かない場がほしいと活動を開始されています。活動的な姿が目に浮かびます。
•@NEWS 620日は「世界難民の日」 (織田朝日)
 難民問題に対する政府の政策は人権侵害になっているようです。戦争や迫害、生命の危険を恐れ、自国を離れ、他の国へ避難する人々を難民と呼びます。日本では1以下の難民認定率だそうで、これを守ることが入館の仕事のようです。ちょっとおかしいのではないでしょうか。今の世界に目を開かない日本は、大変遅れた国なのでしょうね。市民として恥ずかしい思いです。
Jつうしん
•史跡さんぽ58
 (藤原宏志)
•おいでよ49
 長野県泰阜村 (横前 明)
 人口1600人で140年間合併のない村、「都会を追随しない村づくり」がもっとうだそうです。
•編集後記


児童虐待対応の基本的な流れ
児童相談所における児童福祉士一人当たり相談件数2018年度3

2020年3月号 読者ノート 

 (2020/03/02)
 

目次
 事務局として気になった記事にコメントを載せます。一緒に読み合わせしましょう。あなたの感想や意見もお寄せください。今回年末担当者が入院し遅れて申し訳ありませんでした。
●特集● 自治体の経済政策と地域再生
 自治体の経済政策が今日グローバル化の波にどのような力が存在しているのか、改めて見直して勉強しましょう。
•グローバル化の加速に翻弄されない地域経済をつくる (鈴木 誠)
 膨張するグローバル経済が、明らかにされています。日本の2018年度国際収支は19兆4144億円の黒字となっているのです。一方地域経済は、21世紀以降日本の賃金抑制が顕著で、先進6か国の中で2000年の日本の製造業従事者の賃金を100としたら、2010年ではありますが、日本は101.4に対し、イタリアが145.9、イギリスが143.9、ドイツが121.5です。グローバル競争をリードする大企業の本社が東京など大都市圏に集積し、海外直接投資や貿易などで稼いだ利益も集中させています。かたや地方、特に山陰・四国・九州の各県では、10年間の県内総生産が全国平均を下回るだけでなくマイナスに至り、就業者の減少率も著しく高い状況を迎えた県が生まれています。
 またグローバル化の影響のみ非ず、環太平洋連携協定(TPP)の影響が国内農業に自由化の波をかぶせています。今公共サービスの規制緩和・民営化が、特に民間資本の少ない農山村・過疎地域では、雇用や所得、消費の源泉となっているコミュニティの維持、災害防御等につながる経済を壊しだしています。
 「自治体戦略2040構想」は、人口減少の原因や対策には一切言及せず、人口減少がもはや避けがたい社会経済の前提条件であることを強調します。そして、自治体が住民サービスを安定的に供給する条件として、AIやロボティックスによる無人の事務作業割合を高め、それを担える民間企業が参画できるよう規制を緩和していく重要性を訴えています。
 上下水道の民営化の動きが活発化していますが、民営化によって、公共サービスはグロール競争をリードする海外資本が担うことも許可されています。種子法改正で、大きく農家が民間の生産した安価な種子や農薬など農業資材を購入する道を開いたのですが、このことはコメだけでも300種近い品種を作り登録して、国土に広がる多様な土壌や気候を生かしたコメ作りを続けてきた歩みを閉ざすことに及ぶのです。
 地域経済の自立を託す自治体独自の地域産業政策をつくる作業が、中小企業振興条例の制定とともに提起しています。幅広い住民自治の運動が、グローバル競争に翻弄されない中小企業政策や農業政策の再構築を後押ししてくれることでしょう。

てい談 中小・小規模企業から見た自治体の経済政策 (岡田知弘/荻原 靖/中山 眞)
 珍しい鼎談です。中小企業事業者を取りまとめている二つの異なった団体の活動に対し、紹介されています。中小企業家同友会は、すべての都道府県に約4万7500人、民商は、全国約600の民主商工会約17万人の規模を持っています。それぞれがアベノミクス7年間を総括していますが、恩恵は同友会では20社があったと言っていますがあとはなかったようです。消費税増税の影響は、同友会では、大きな影響が、5.2%、5割を超える企業が影響が出るとの判断で、消費税の転嫁ができたというのが、44.8%となっており、事業者税ではないかとの意見が出ています。この消費増税の導入とともに廃業した業者さんの原因の言葉で「一つはレジスターの交換、カード支払いの設備と費用、二つは人員不足によるサービスの低下、三つは、食品表示法の改正の影響を掲げていました。またキャッシュレス取引の問題点が指摘されています。この手数料約2兆円が大手銀行へ行くとのことです。また中小企業振興条例の活動について、多くの地域からの報告があります。ぜひ読んでください。これら活動をとおして、中小企業業者は地域社会のインフラであるだけではなく、ライフラインであるという認識を広めていきたいものです。群馬県の建設協会が『限界工事量』
https://www.mlit.go.jp/common/001177327.pdfなる提案をしており、このことは各地に当てはめて検討したいものです。また経済評論家の内林さんが『FEC自給圏』https://www.nhk.or.jp/chiiki-blog/900/241791.htmlを提唱されているようです。これらにも触れてみましょう。 
•帯広市の地域経済政策と地域再生 (稲葉典昭)
 十勝・帯広は本当に日本の農業地域であり、そこでの農業振興が、地域経済の中心として息巻いている感じがします。それが起きている根拠に、帯広市中小企業振興基本条例制定から10年がたっていることを挙げています。中小企業事業者を地域の産業育成の中心的担い手としての位置づけをきちっととり、政府の言う人口減少問題に対する具体的な対応策を掲げて一極集中政策を押しとどめ、十勝での活動を現状分析と提案、施策の完成度を高めることに費やしてきたからだと思います。各種実態調査で乗るいい事項の設定は、きめ細やかなものでしょう。また食と農、環境とエネルギーなど新たな産業と雇用、中小企業の人づくりを目標に実施しているようです。こうした取り組みから十勝街づくり研究会が誕生したようです。北海道大学・帯広畜産大学など地場研究機関の参画もうらやましい限りです。
•気仙沼市中小企業・小規模企業振興基本条例の実現 (千葉哲美)
  気仙沼市の中小企業振興条例の制定に向けた活動報告です。すでに多くの指摘があるように東日本大震災で多くの産業が壊滅的な影響を受けた時、それを担ったのが小企業事業家だったという点に、あらためた確信するものです。水産業が主力な気仙沼市での産業起こしでは、復興と合わせ公的支援が大きく個別企業を支えていたと、特に今回グル―プ支援の形での補助体制を作ったことが、地域に結びつきの輪を残すなど大きく地域貢献となったことが報告されています。一方中小企業振興条例の議論の中で、小企業は選別淘汰の対象としか見ていないということに対し、小企業者を持続的発展を促すものとして小企業条例の制定を掲げています。
•世田谷区産業ビジョンと経済産業政策 (田中耕太)
 大都市東京都下の世田谷区の地域産業政策の概要が出されています。数々の先進的な行政を打ち出し、大人の経済政策が行われているのかと考えました。地区の経済規模は、毎年のごとく詳細に調査され分析されているようです。特にサービス業の大きな発展は地域を代表するものであり、こそには人と人の結びつきが根本にある条例を作ってきたことでしょう。このことをあらわすものとして、世田谷区産業ビジョンで、世田谷独自の新たな価値の創造、量的な豊かさではなく区民生活の質的な充実を図るなどの視点が人に向かっています。またビジョンで、7つの「ありたい姿像」を提案しています、この言葉でチェックしているようです。建設業振興でも、災害時に地域の災害対応力の向上につながるものとして取り組まれているようです。

2020年度政府予算案と地方財政への影響 (平岡和久)
  2020年度予算について酷評していますが、まさに前年度からの地方財政政策の継続を基本とする、新自由主義的緊縮再生と集権的地方財政改革で、疲弊した地域と自治体財政の困難回復は程と遠いことが示されています。
 アベノミクスが2000年代の小泉政権下の構造改革路線を一定修正し、金融緩和とともに『機動的な財政政策』を打ち出したが、超金融緩和は円安と株高をもたらし、一時的公共事業拡大で、マクロの需要を支えたこともあり、企業利益は増大した。
 しかし、補正予算による公共事業等の財政出動が一過性である一方、2014年4月の消費税引き上げや社会保障関係費等の抑制といった緊縮政策が日本経済に継続的な悪影響を及ぼしており、ブレーキをかけ続けながら、時々アクセルをかける状態にあります。
 この中で今回の消費税増税は日本経済に深刻な影響が表れることでしょう。2011年度から地方一般財源総額実質同水準ルールが導入されています。この制度のもたらす地方財政の悪化は経常収支比率の推移で明らかにみることが出来、地方自治体に社会保障関係費の伸びの裏付けとなっています。その中で、軍事費は1.1%増と過去最高を更新しているのです。
 自治体現場が緊縮政策や自治体戦略2040構想に追随して自治体リストラと緊縮財政を先取りするのではなく、必要な地域財政需要に対する住民合意を基に地域財政需要にこたえるぎりぎりの努力を続けるとともに、自治体財政の充実とそのための国・地方財政の抜本的な改善を国に求めていかなければなりません。

•東日本大震災からの復興政策 できたこと、できなかったこと (井上博夫)
  東日本大震災から9年がたち、この災害復旧復興について、政府が昨年総括文書と、継続体制の閣議決定を行っています。これを踏まえての報告書です。多くの人員と新たな問題を全国民に訴えた課題に対する整理をきちんとおこなうことが私たちに課せられています。ぜひ皆さんの立場から振り返ってください。政府か掲げる成果と課題が私たち国民の視点からはどうだったのでしょうか。
•水道再公営化をみる欧州の旅─パリ・ロンドン─ ロンドン編 (尾林芳匡) 

  前回のパリからロンドンに移り、イギリス最大の労働組合団体からの聞き取りです。ユナイト労働組合は組合数140万人で、10エリアに分かれており2007年から現在の姿になり、労働党を支持している団体です。公共の水に戻す言葉として「私たちこそ所有者だ」運動を2013年に立ち上げたようです。民営化された英国の水道の実態を伝えた時に、スコットランドとの比較から民間のあまりにもひどい実態が明らかになったようです。債務ゼロで出発した民営化事業が25年間に債務が560億円になっていること、投資家の報酬の取り分だけが借金になっているとのことです。また水の漏水率は20から25%になっているのです。この再公営化に向けて掲げられたっテーマは、@証拠に基づいた政策A新しい水道公社は市民参加の統治でB環境にやさしく弱者にも保障される21世紀型の水道、でした。さまざまな対決路運を打ち砕き公営化への闘争を続けているようです。いま日本で行われようとする民営化を絶対阻止していきたいものです。
●連載●•新連載 自治体清掃はどこへゆく 第1回 民間委託の波の中で (福田日輪)
  今回清掃事業の民営化の問題が、鎌倉市からの報告となっています。現業職場の民営化の辿り方はどこも同じのようです。今回報告される福田さんのすべてを経験してきた自分の同僚がこの鎌倉には多くいるとのことです。これら諸氏の団結力を期待したいと思います。この中で、「声かけふれあい収集」事業
https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/gomi/koekake250401.htmlとはどう生まれたものでしょうか。これから期待して読んでいきたいと思います。
•最終回 子どもの未来図 第12回 子どもの未来を描くための手がかりB 沖縄の子ども ─国の主権が侵害されたままで住民の人権は守れない─ (浅井春夫)
 今回で最後となる時、沖縄の子どもの歴史が語られています。戦後の10年間は子どもにとっても児童福祉法の適用のない地域だった。その後本土と同じと言われながら、その格差是正は一向に進まないいました。、アメリカ軍基地下の影響で、日本の主権が侵された政治行われ、それに対し、まずは子どもの貧困対策に特化した政策が先行させ、近年ようやく『オール沖縄』の思想と行動の下、安倍内閣打倒で一致した行動がとれるようになり、子ども対策が進むようになっています。戦争のない国づくりこそ、子どもの未来図を描けるのですね。
•おんなのRun80 俳句と歩む我が人生─自然と豊かな風土のなかで─ (鳥羽しま子)
 句会に入ったのが60歳からとのこと、新たな地元の自然と向き合う時間が持てて、また世の中の移り変わりを結びつけながら句を作りあう仲間との時間素晴らしい人生ですね。
•@NEWS 性暴力を許さない社会へ (雪田樹理)
 性暴力に関する歴史的経過が述べられています。女性に対する当時の「道具」として人格を認めない社会の反映だったようです。このことがいまでも通じている現代社会に早期に訴え改める根本的な働きかけが、フラワーデモですね。また性教育の今後の進展を望みます。
Jつうしん
•史跡さんぽ57 (成瀬龍夫)
•おいでよ48 北海道蘭越町 (金 秀行)
•編集後記


DL:77.pdf

(国の東日本災害復旧・復興総括.pdf)
684274バイト

2020年2月号 読者ノート

 (2020/01/20)
 
目次
 事務局として気になった記事にコメントを載せます。一緒に読み合わせしましょう。あなたの感想や意見もお寄せください。今回年末担当者が入院し遅れて申し訳ありませんでした。
●特集● 公立・公的病院の再編統合と地域医療
 今回の公立・公的病院の再編統合の一方的な報道に対し、広島県でも大きな話題になりました。地域に生きる、公立・公的病院と地域医療のつながりの現状を再度学習しましょう。声を上げていきましょう。
•公立・公的病院の再編統合と地域医療 (長友薫輝)
 今回公表されたリストは、100万人以上の地域に存在する病院を除いている、非科学的なデーターを使用している、地域の声を聞いていないなど、全く政策としては、ただ単に病床数を削減するための施策となっています。ここで確認しておきたいことは、現在4つの医療機能区分という基準で病院経営が判断されているということです。それは、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の4つで最も診療密度が高いものが高度急性期だそうです。この基準でのみ判断されることがいかに、地方の中小病院にとっては、また地域経済の循環、包括ケアシステムの構築にとって、相容れない基準ではないのか、市民に知らせてほしいことです。なぜならば、数値でもって経営実態が明らかにしようとするあまりその周辺がネグレクトされて、本質を見失っていくのです。公的病院での取り組みで、地方自治、そして住民自治の観点で、地域医療構想、地域包括ケアシステムをとらえ直し、地域から実情を反映した中身に造り替えていってほしいものです。
•「診療実績データの分析」の概要と問題点 (塩見 正)
  今回医療費抑制に使われている診療実績データーの分析項目は9領域・17項目だそうです。それらは、公立・公的病院が患者・住民の命・健康を守るために果している役割・機能の一部にすぎない検証項目であり、非科学的で一辺倒な側面を使っていることが述べられています。ここで明らかになる医療実績は、患者の実態を踏まえてモノではなく、治療のみで評価されています。さまざまな病気になっている患者層の反映はここではされていないのです。脳卒中になるのは老人から若者まで様々な層がなります。この層に対してその治療はさまざまであるはずですがその判定はされていません。今回それに加えて、医師・看護師不足などでの困難さは対象外になっているようで、100万人以上の地域での病院を配慮したとはまさにこの最たるものです。A基準、B基準と分け、病床数の削減のみ追求できるようにしたデーター分析で発表されているようです。アクセス悪化の評価で使用されている「20分の時間」は、自動車のアクセス距離を挙げたもので、高速道があればそれを使うとし、料金判定をしない、無意味な判断です。まさに地方切り捨て、公的責任の放棄を前提に「地方創生」を謳っているのです。今医師の削減が行われ、地域に安心して住むことができる体制が確立しない政策がとられていることを国民は知るべきです。医師の増員を要求しましょう。
•地域医療体制と人減らしにつながるカラクリ (長尾 実)
 公立・公的病院の「成果主義評価制度」の成果として「公表リスト」は発表され、今後、病院職場では職員の業務実績に対し『成果主義に基づく評価制度』が導入されていきますが、その評価の仕方と瓜二つではないかと言っています。その流れに沿っていくと、次は評価結果が賃金に連動する成果主義賃金であり、「公表リスト」の評価結果により、各種補助金等への連動が打ち出されてくるのではないかという懸念が表明されています。まさに病床削減等を強制する『必要病床数』は、平均在院日数の短縮、受療率の低下、マンパワーの確保困難による診療・入院制限など様々な要因で年々減少傾向をたどっているのが現状のようです。しかし、都道府県単位や、地域医療構想区域単位、4つの病床機能ごとでみると差があり、このままでは『必要病床数』に達しないことが明らかになったようです。今 多くの公立・公的病院が『赤字」経営を余儀なくされている中、病院の経営改善と称して、病床数の削減や、病床機能の見直し転換のダウンサイジングが強行されています。これは地域医療後退の「悪魔のサイクル」なのです。国が目指す「必要病床」の実現は、全国で156000床もの病床削減が必要であり、深刻な地域医療の崩壊が起きかねません。またそれは、地域経済への深刻な打撃へ結びつきものです。 
•地域医療を守れ─北海道の深刻な地域医療の現実と運動 (沢野 天)
 広大な大地に広がる北海道での地域医療の守り手からの報告です。広さ、寒さ、人口減少など多くの課題を持っているところでの活動の基本を学びましょう。議会と首長、医療関係者、自治体労働者と道民との結びつきを強調しています。今回北海道で55の施設が掲げられたことから見ても大変なことだったと思います。「必要な医療が受けられないのでこの町に住み続けることができない」という市民の声は、日本どこでも聞かれる言葉でしょう。国の責任を追及することがいま必要ではないでしょうか。日本国民運動として立ち上がってほしいものです。安倍内閣打倒ですね。
•国立徳島病院存続運動の成果と課題 ─住民運動を元気に輝かせる行動力と「戦略と戦術」─ (井上 純)
 徳島での病院存続の新しい戦術として、災害ハザードマップを活用している点が報告されています。これから日本では、災害が頻繁に起こるであろう時代に入り、病院の果たす役割を調査し、災害防災拠点に整備することが必要です。市民と労働組合の連携、市議会・自民党議員を巻き込んだ署名の倍加、などよくまとめられた運動方針です。ここに掲げられている、4つの教訓を見ておきましょう。@考え方の違う方々と行動を共にしても意見を認め合い決して批判はしないこと。A問題が発生した際でも『協力協働』が継続できるよう、常に建設的で冷静な言動に徹すること。B団体・政治家とは常に対等平等であり、一部の主義主張に偏らないように同じ距離感で組織運営を行うこと。C地域住民とともに行動する時も、組合員と同様に情報共有の努力を行うこと。
•「公表リスト」に掲示された公立・公的病院との懇談、自治体アンケートのとりくみ(三重) (新家忠文)
  三重県での取り組みは、10年来に地域医療の取り組みを反映した報告となっています。7施設と県との懇談した内容がを中心に報告されていますが、地域医療構想そのものの問題点として、医師不足解消されるのか、職員と地域の救急体制確立は大丈夫かと掲げてアンケート調査に入っています。この課題に対して今回の公表そのものが全く答えるものではなく、三重県との懇談でも。独自に自治体病院等と自治体が、地域の医療を「地域完結型」にしていく展望を描く責任を問う取り組みをしてきました。病床削減は地域包括ケアシステムの構築なしに進めることができないとの一致を見ていたのです。「医療・介護総がかり行動」を県内に広げる計画のようです。
•宮城県の「水道事業民営化」と住民の課題 (中嶋 信)
 宮城県知事の発案で水道事業の民営化をより強力に行うコンセッション方式が提案され、住民を抜きにどんどん計画されているようです。今回掲げられたコンセッション<公共施設運営権>方式は、資産は公有で経営を民間事業者が担当売る方式で、民営化の度合いが高まります。そもそも公共サービスは、「国民が健全な生活環境の中で日常生活および社会生活を円滑に営むことができるようにすること」<公共サービス基本法・第3条>を、基本理念とします。
•水道再公営化をみる欧州の旅─パリ・ロンドン─ パリ編 (尾林芳匡)
  水の委託管理問題の専門家である筆者からフランスでの再公営化の報告です。官から民へとの合言葉が、水道事業にも及び、多くの国で民間化が進みましたが、2018年ごろから各国での再公営化が起こってくることになり、その経過が報告されています。パリ市では、1987年に官民混合会社が設立され、出資割合は70%がパリ市、多国籍企業が14%・14%づつ持ち、再公営化まで続きました。水道料金は民間経営の不透明化により上昇し、174%にまでになっていました。この間汚職が明らかになる、知識の乏しいものが仕事につかされたり子会社が進むなど労働条件の低下が問題化してきたのです。2010年に再公営化に取り組みましたが、容易なことではなかったようです。公社に管理能力のある人がいない、ITソフトを民間が握っている、独自システムの開発が必要、担当した企業は、外される際にもタダでは収益を手放さないのです。そのために、消費者に対する啓発、消費者と連携した運動、憲章を創るなど多大な努力をし、2016年にやっと賃金格差の解消、価格の7%の値下げ水質もよくなり、稼働率も高く、監督の強化がされる、低所得者層への配慮、パリ周辺都市との連帯や国際的連帯を挙げることができるまでになっています。水道事業だけではなく、社会政策、環境政策など幅広い活動ができるようになっています。ここで憲章についてあげておきます、水は地球のものですべての動植物が享受しなくてはならない、水は組み上げた所と近いところで使う、再生していない水は捨ててはならない、水資源を守ることは政府の義務である、十分な量の水は人権である、水資源を守るのに適した人は利用者そのものである、などが述べられています。
•書評 中島正博著『「競争の時代」の国・地方財政関係論 一般財源は自治体の自由になるのか』 (纉c但馬)
 地方交付税の性格変化が2007年以降集権化し、本来の自由度を失っている実態が描き出されています。頑張った自治体にはそうでなかった自治体から地方交付税が賄われている、という問題意識から出発しています。
●連載●
•おんなのRun79
 地域の中での難民支援 (櫻井美香)

 日本社会の中で、難民の方々はひっそり生活しています。同じ人間として支え合うことの必要性が説かれています。彼女達の実態に触れてみてください。
•@NEWS 横浜市が国保の短期証をとりやめ (佐藤長世)
 国民健康保険料の滞納による『短期証』、「資格証」の交付は避けて通れないものだと思っていましたが、これがゼロとなった横浜市について、やればできるのですね。しかし、滞納整理が強められる、機械的な差し押さえがおこなれないかの危惧は?大きくなります。しかし、国保だけの取立てではない滞納整理専門官が作られ、国保精神なしでの請求行為が弱者に襲ってくるのでしょうか。
•子どもの未来図 第11回 子どもの未来を描くための手がかりA 福島の子ども─そのコミュニティを支援する国であるために─ (浅井春夫)
 福島原発当初からの危惧であった放射線の子どもたちへの影響が語られています。また、原発避難者の生活が3パターン化している報告があります。このような影響を与えた責任者は、すべからず避難者に寄り添うべきです。子どもの成長発達に関しては、国が責任を持つべきであり、甲状腺の検査で、調査対象が約37万人ありながら、受診者が約18万人とはこれでは話になりません。広島原発被害者の思いが思い起こさせますね。
Jつうしん
•史跡さんぽ56 (戸崎曾太郎)
•おいでよ47 群馬県高山村 (後藤幸三)
•編集後記
DL:76.pdf

(公的病院のリスト.pdf)
118865バイト

2020年1月号 読者ノート

 (2020/01/07)
 
目次
 事務局として気になった記事にコメントを載せます。一緒に読み合わせしましょう。あなたの感想や意見もお寄せください。今回年末担当者が入院し遅れて申し訳ありませんでした。
●新年のごあいさつ● 国と地方自治体を主権者の手に取り戻そう 岡田知弘
  2020年みなさんの昨年度来の安倍首相の評価について、どう表現されますか。岡田先生の短い文章を参考にしてください。まさに地方自治・住民自治を破壊する策動が進んでいます。
●新春インタビュー● 宮本憲一先生に聞く 地球環境の危機とSDGs─地方自治の力で「環境権」の確立を─ 聞き手 多田哲子
  このインタビューの中で、地球環境問題が、世界の危機になっているということに、若者が敏感に反応していることを讃えています。日本で公害という言葉を生んだ宮本さんの発する言葉に一つ一つうなずくばかりですが、環境政策ができるだけ市場原理で動いていく現実と、環境権を確立した自治体づくりを行い、環境問題を切り開いていく自治体が描かれています。次の言葉書きが気にいりました、「環境を維持する範囲内で経済や社会は持続できるのであって、地球環境が維持できなければ経済や社会の持続性はあり得ない」ということばです。もう一つ、「今自治体職員は、人事制度などの仕組みもあって、住民の方よりも上の方しか見られないようになっていて、自治体職場に閉塞感が漂っています。分断されていることと、情報の統制が大きいためだと思います。」です。
●特集● SDGs(エスディージーズ)と自治体
 SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)とは、2015年9月の国連サミットで採択された『持続可能な開発のための2030年アジェンダ』に基づき、「だれ一人取り残さない」を基本理念として、世界が2030年までに達成すべき17の目標と各目標を実現するための169のターゲット(達成基準)から構成されています。
 現在、メガバンクがこぞって、環境(Envirounment)・社会(Society)・企業統治(Governance)を重視して投資するESG投資を打ち出したこともあって、産業界では競ってSDGsを標榜する事態となっています。しかしこの本旨を深く問いづづけていきましょう。  

長野県におけるSDGsの取り組みの展開と地域循環共生圏 中島恵理
 長野県での環境学習の歴史を振り返ってみると大きなことがわかります。地域資源を大切にし、学ぶことが地域の習慣になっているような気がします。そこに環境省からの職員が参加した取り組について報告がされています。まとめてみると、広く中小企業者の理解を深めていったのだと読み取れました。ここの掲げられている、長野県での化石燃料への支出額が、産業分野別に見積もられ、数値化して現され、大きな額が県外に流失していると明らかにされています。このような算出方法で広島県を見た時どうなのでしょうか。地域資源の防災体制に、県が先頭を切って取り組むことの有効性が明らかになったと思います。具体的な報告が楽しみです。
利根川源流のまち 水と森林と人を育むSDGs未来都市─「みなかみユネスコエコパーク」─ 小野宏和
 都心から1時間の距離にある地域での活動で、未来都市に向けての住民の活動状況が知りたいものです。町の呼びかけに対する市民の声が聞きたい、森林資源の持ち主の声、バイオマス活用の生活の実態、教育に親しんだ子供たちの声、みんながこの活動を通じて、今後どのような主体が作りだされて行く地区なのだろうか、見守りたいと思いました。
三郷町SDGs未来都市計画─人にもまちにもレジリエンスなスマートシティSANGOの実現に向けて─ 三郷町役場まちづくり推進課
 三郷町の大きな課題が、156本の支流が合流する場所であり、大規模な貯留施設や非常用電源の確保などレジリエンスな強靭・回復力のある体制を構築するまちづくりが明確となっています。これに向けて町全体での体制づくりの基本に、この計画が立てられています。2018年に設立された「地域新電力会社(株)三郷ひまわりエナジー」に注目したいと思います。今回掲げられた「住んで良し、働いて良し、訪れて良し、学んで良し」の標語がどれだけ町民23,000人に共感が持たれているのか知りたいものです。 
「大阪・関西万博」 SDGsを掲げるにふさわしいアセスメントを 傘木宏夫
 大阪・関西万博を、より市民的な立場での推進を願う立場から、環境アセスメントにいくつかの提案を行ったにもかかわらず、その提案事項を無視する態度が鮮明にされています。このようなことで、はたして将来気品のある環境の創造に引き継がれるのでしょうか。今まで関西の汚濁物の体積地として、いまだに完成していないところで、一方的に自然の生態系が進歩して張り付き始めている環境下で、アセスメントとして、このような実態を反映した評価指標を事前に提案されたことは、素晴らしい活動だったと思います。カジノ誘致に取り組み、その場所に関西万博を開き整備するなど、この目的優先で行うならまさに自然破壊の実態しか残らないでしょう。産業廃棄物場所の再生にどう生かしていくか、多くの国民が知る必要があると思います。カジノではなくこのアセスメントを生かした新たな事業化を提案してください。
●第24回全国小さくても輝く自治体フォーラムin南牧村報告
  「自治体戦略2040構想」と「移住・定住・定着」 宮下聖史

 全国小さくても輝く自治体フォーラムの活動が、16年の歴史の経過の下に開かれました。大きく地方自治の後退が行われていく時代になっており、この活動は貴重な実践報告ではないかと思います。「村ガールプロジェクト」の活動など、真摯に生み出されてきた活動ではないでしょうか。このような活動を広く実践するための場づくりになっていけばいいと思います。各自発的な活動を通じて、周りの人に結びつくことが、大事であり、これを壊す活動が、連携中枢都市圏構想であり、2040構想だと思います。
第1分科会「移住・定住」の報告 宮下聖史
 「田園回帰1%戦略」で、移住者確保は少しづつ継続すること、子どもへの心配りとして保育園や小中学校だけでなく、高校、大学への進学を想定した施策の展開が述べられています。また、移住者について『数』ではなく『人』を見ることから、お試し暮らしの活用の提案がありました。一歩引いて移住者との懇談が有効でしょうね。
第2分科会「地域資源活用・地域振興」の報告 水谷利亮
 地域経済振興の基本的な考え方が5つのポイントで示されています。@基盤産業として域外マネーを獲得している産業は何か、A基盤産業は持続的・安定的か、B基盤産業で生み出された付加価値は域内に落ちているか、C非基盤産業は所得を生み出しているか、D再投資は域内で行われているか、です。この点検から始めましょう。他に再生エネルギーの活用で、村外エネルギーとの関係も報告されています。段階的に自家消費の枠を広げることが必要なのかもしれません。
第3分科会「都市・農村交流」の報告 山口誠英
 農村と都市の交流実践の報告が群馬県神流町・群馬県川場村・滋賀県日野町の3町村から出ています。農村側と、都市側双方の「ギャップ」を如何に埋めていくかが重要だと報告されていますが、それぞれの経過年数を見ると、2009年から、1980年から、10年間など豊富な経験を持っておられます。この課題での実践を学びに行きたいものです。
台風15号等による房総半島南部の被害と自治体の対応 山口純一
   台風15号の被災状況が明らかになっていますが、今回の台風は大変まれな方向から来たので、災害として未経験なことが大きな負担となって、今日まだ復興に向かっていない問題があります。湾岸道路から2時間でつながる地域でありながら、この困難を生んでいるのが旧伊倉町で、かって100人いた職員が行政センターに30人しか在籍しておらず、災害対応ができなかったとの報告です。また千葉県の迅速な対応がなく、森田知事の責任ある行動もなく、防災ブルーシートを県が市町村に取りに来るように指示したとか、まったく災害対応の基本がない県であったようです。災害時、長期間の対応放置で多くの問題が出てきます、何のこともなかったように日常生活に戻れるものが、戻れなくなる、この責任をどう問い詰めようとするのか、個人責任ではないことは明白です。憲法に基づき早期に日本の災害発生時に責任を果たせる政府の確立を望みます。公務員の数がたりません。
●連載●
@NEWS 地元の「同意は得られていない」、羽田新飛行ルート計画 秋田 操

 羽田空港の新ルートの開設において、アメリカ飛行会社が12便、日本が12便となるそうです。明らかに航空圏をアメリカ軍に握られている日本の実態の反映です。しかも、国土交通省はこの開設でガイドラインの検証を行わないとは嘆かわしい実態です。ぜひとも関係議会での声を上げてください。危険度の判定は、国民の安全安心を保証するために必要です。
子どもの未来図 第10回 子どもの未来を描くための手がかり@ 災害遺児─その時を支援する国であるために─ 浅井春夫
 東日本大震災で、災害遺児が総数で241人出ていたという報告です。災害の後、児童たちに保護者がいないのですから、この課題に早急に真摯に取り組む市町村の役割は大きなものが必要です。また長期に支援するケアーマネジャーの役割は本当に大事だと思います。これから多くの災害が予想されますが、子どもを見捨てない社会を創っていきましょう。
おいでよ46 宮崎県木城町 半渡英俊
Jつうしん
史跡さんぽ55
編集後記

2019年12月号 読者ページ

 (2019/11/26)
 
 目次
 事務局として気になった記事にコメントを載せます。一緒に読み合わせしましょう。あなたの感想や意見もお寄せください。
●特集● 大阪市廃止(大阪都)構想の幻想
 2015年5月17日に実施された「大阪都」構想住民投票が、最近のダブル選挙で再び、大阪維新の会の候補が勝利し、2020秋の住民投票へのスケジュールを提案しています。この大都市で早10年の月日は立ちながら、府民の分断は続いているのです。大都市でのこの問題を再度学習してみましょう。
•大阪市が廃止になったら財政はどうなるか (森 裕之)
 大阪維新の会がこの「大阪都構想」を押し出すやり方が、ポスト・トゥルース(=真実などどうでもよい)を政治文化に持ち込んで行われてきたと言います。知性が感情に凌駕されてしまえば、もはや現代社会は成立しえません。この流れの中で大阪府について、私たちは、財政問題を見る中で、奪われる一般財源、財政調整交付金などに実態を知り、また周辺市町村との関係の悪化、「二重行政」「経済効果」のまやかしなど、常日頃から理性的に分析する力を活用すれば、知性を取り戻すことができるのではないでしょうか。多くの大阪府民の方の早い知性復帰を願います。
・みんなで、「大阪市廃止構想」と呼ぼう!─維新の「組織されたポピュリズム」への対処─ (村上 弘)
 今や大阪維新の会は、「組織されたポピュリズム」に変貌していると。また大阪都構想という表現は、事実は大阪市廃止構想であり、実態を迷わすものだ。大阪市廃止で失うものを語り、維新が主張するメリットにファクト・チェックを少し行い、これらに翻弄されているリベラルな方々を目覚めさせましょう。また大阪維新の会のユニークな特徴をを3つ上げています。本当に政治の右派的な要素を兼ね備えています。維新のダークサイド・ニュースを普及しましょう。ただ黙っていたらだめです。
•大阪市の地域産業政策の発展に向けて (本多哲夫)
  大阪市の地道な中小企業振興の内容が記載されています。大きな企業が発展すれば下の中小企業も発展する、元気のある企業だけに目をやってきたかっての大阪市の産業政策の失敗をカバーするものです。大阪産業創造館の暦を学んでいくことも大切です。各区役所で中小企業と連携して地域活動を行うことが、中小企業のモチベーションを高揚させ、地域の活性化を呼んでいるとの報告です。地域住民が、「わが町工場見てみ隊」と子どもを参加させ、毎年繰り返しているとか。地道な支援体制の発展が、これからの大阪市廃止のため危機に瀕しているようです。区役所単位での活動が、これから府で行われると、その性格も、参加者の意識も大きく地域から離れることでしょう。このような取り組みは広島でもやっていきたいものです。
•大阪維新による再度の大阪市つぶしに抗して (山中智子)
  大阪市会議員の山中さんからの切実なる声が聞こえてきます。維新の会・公明党・自民党までが大阪都構想住民投票の道をひたすら走っているようです。ここで紹介されていることは、「広域を一元化しても大阪の成長につながるものではないうえに、市を分割して作られる特別区たるや、財政・権限ともに一般市にも及ばない半人前の自治体になり下がるばかりか、初期コスト・運営コストがかさんで、住民サービスはカットせざるを得なくなるということがいよいよ明確となった。」、このことば、当時の住民投票の結果が出た時の住民の声であり、再度呼び起こすことが、いま求められているようです。百害あって一利なしの、大阪市廃止構想ですね。
•東京都区制度の現状と課題から何を汲み取るか─大阪都構想による住民自治の後退─ (川上 哲)
  大阪が目指す都構想を実際行っている東京都の区政の問題点があげれれています。結論的には、普通地方公共団体としての基礎自治体ではなく、特別地方公共団体として位置づけられ、都との財政負担調整会議を毎年行い、自由の利かない団体になることです。そもそも地方自治制度と経済成長に関係はありませんし、大阪都構想が実現したからと言って大阪経済がよくなるなどという保証はどこにもありません。それよりも同構想の実現によって大阪市の住民が失うものの方が大きいということを改めて認識することが重要です。失った自治権の取り返しは非常に難しいのです。
•直言 今秋の台風被害に思う (岡田知弘)
 この直言で安倍首相の行動が、20分とか6分の災害会議を行いリーダーシップを発揮したと、マスコミの追及をかわしているのでしょうか。災害時の会議ではその報告を聞くだけでも、20分以上かかり、現地の状況を十分認識をしないと、対応策は作れないのです。ここにある提言、機動的な災害対応官庁の設立、地方公務員の職員の増員、国土保全のために農林業の振興、地球温暖化に対する抜本的な対応と熱エネルギー循環の分散化を図ること。全く同感です。
•進むマイナンバーの利用拡大とプロファイリング (K田 充)
 マイナンバーの導入が国の機関でまさに矢のごとく進んでいることが述べられています。2040構想でのAIの活用の基礎データーとしてマイナンバーの利用拡大が必要であるとともに、個人情報保護の観点から、プロファイリング阻止の市民運動の活発化が訴えられています。そもそも、この狙いが、政府の定めた指標に従って『必要とする者』か『必要でない者』かを選別するものです。総務省・スマート自治体研究会での報告で、業務をコンピューターに合わせることを自治体に押し付けようとしているとの報告がありました。システム共通化が自治体の独自性の放棄による地方自治の形骸化を促すためのインフラともなるのです。EUは2016年にすべての加盟国に個人情報保護を義務付ける『一般データ保護規則』を制定しました。日本でも早期にこの制度の確立が求められています。
•東日本大震災 被災地自治体の今─福島訪問調査から見えてくるもの─ (千葉悦子)
  東日本大震災と原発事故から8年7か月の経過し、現地の状況がつぶやかに報告されています。故郷をやむおえなく離れた方々の思いは、さぞ無念なことでしょう。これらを引き起こした当事者が、どう対応しているのか、怒りに燃えます。この文章で、帰還をあきらめてはいるが、故郷への思いは募るとの言葉が多く語られています。地道な活動で、帰還を自治体として政策化している職員の方々に敬意を表します。政府が『寄り添い』を多用していますが、「揺れ動く個々の環境や意識に適した多様な解決策選択肢を用意する」のが寄り添うということで、それとは真逆な「画一的で標準化を志向する」では、いけないとともに、避難者が見えなくしていくことになります。各自治体に政府は、支援の縮減、打ち切りが始まっていることに警告を発揮していきましょう。
•指定管理者制度 2018年導入状況等調査結果の概要と制度運用の到達点、課題 (角田英昭)

 指定管理者制度が始まり15年になり、総務省が2019年5月に2018年度調査『公の施設の指定管理者の導入状況等に関する調査結果』を発表しています。この分析が述べられています。私たち身近な公の施設の統廃合が、地域コミュニティーの減退につながり、地域が無味乾燥して、ぎすぎす感を感じてしまわなければと思っています。指定管理制度の問題点について、私たち公務に関わる人間には身近でも、多くの一般の人々にその苦しみを理解してもらう機会が少ないことが大きな問題であり、自らが地域に訴えていかなければいけない課題だと思います。しかし、この報告書でも明らかのように峠は越えていますが、朽ちる道へ落ちていく感じがします。改めて、社会教育施設での、指定管理者制度は阻止するべきだと思います。広島でもその集いをやり市民に大きく訴えていきましょう。
●連載●
•おんなのRun78
 役者と布絵との共演─地域にはいろいろな人がいると実感できるきっかけを!─ (渋沢やこ)

 布で作った紙芝居とは見てみたいものです。動きが立体化して、演じられるものが身に降りかかってくるのでしょうね。想像するだけでも楽しくなります。地域の人の顔がよく見えることでしょう。
•@NEWS 横浜市のカジノ誘致の動きに対して市民が立ち上がる (菅野隆雄)
 横浜市の市長のように選挙時には白紙の状態を装い、突如このような提案を行うことが、最近の日本では多く異様な気がします。民主主義をないがしろにする首長は、絶対に許してはいけません、頑張ってください。この住民投票の経験を若い多くの人が体験することを期待します。
•子どもの未来図 第9回 格差・貧困と学力─学力の格差が表面化する転換期を考える─ (浅井春夫)
 学力の言葉から、思考能力、判断力、表現力などを考えました。これが、乳幼児期から学童期において、体験的まなびのチャンスを多く蓄積することを通して、抽象的思考を獲得する基礎が形成されるとは、大切な時期の貧困、格差は社会責任ですね。小学校4年生からこの格差が広がるようです。支援の在り方を、効果的に配置してください。
•最終回 行こう Zoo-Zoo-Zoo 第6回 動物園のこれから (森角興起)
 1882年に動物園が上野の地に産声を上げてから130年以上の月日がたったようです。この動物園にも限りない歴史があり、いま到達しているのが、「市民が動物や環境に興味を持つ入口であると同時に、具体的に生きた動物たちを保存していくノアの箱舟たらんこと」ということです。
•おいでよ45 甲良町 (野瀬喜久男)
Jつうしん
•史跡さんぽ54
•編集後記

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