広島自治体問題研究所
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「住民と自治」読者ページ

 (2019/04/15)
 

目次
事務局として気になった記事にコメントを載せます。一緒に読み合わせしましょう.。あなたの感想や意見もお寄せください。
●特集● 保育の質の担保と待機児童ゼロ
 
2015年4月に、「子ども・子育て支援新制度」が始まり5年目を迎え、資格を必要としない事業、保育の質の向上を目指さない、財源の根本問題など、保育事業が公の責任で安定的に行える環境が崩されています。
•政府・自治体が進める保育制度「改革」の全体像と対抗軸 中山 徹
 
保育所の変豹を進めるベクトルとして、1.新制度と地方行革、2.無償化。3.民営化、統廃合,4.待機児童対策、5.子育て支援の財源を消費税で確保 を挙げ、これらが関連しながら大きく変豹しています。また、7つの具体的な改革案を挙げ改善の道筋を述べています。また、無償化の問題で、育児休暇の拡充が全く検討されていません。女性の就労と育児の両立をさまざまな価値観を実現させる多様な制度の構築が求められていますね。
•待機児童解消と規制緩和 逆井直紀
 待機児童が減らない原因、時代の変化の趨勢を述べています。児童福祉法24条に規定された公的に保育を保障する仕組みが機能していないのです。2002年小泉内閣から取り組まれてきたこの対策が、規制緩和という新自由主義的な政策潮流に乗せられたためなのです。また、2001年東京都の政策、認証保育所制度は、園庭のない保育所、保育環境の悪化を指摘する声はあるものの、補助金を使っての民間事業化の誘導策となっていますが、保育士の処遇悪化へと結びついてきました。新制度は、保育を受ける場所を拡大し、幼稚園の変質が図られましたが、その拡大は進んでいません。それ以上に認可促進事業が提起され、補助事業の適応で、民間参入を促進し、企業主導型保育を伸ばし、保育条件を問うことなく認可外施設を「公認化」しようとしています。このことは、子どもの権利条約の拡大や、豊かな保育条件を確保し、質の高い保育を求める運動に大きく繋がることを望みます。

•保育無償化政策により子育て世帯に生じる問題 田中智子
 今回の保育無償化の狙いが、政府が考える社会に役立つ「人材への投資」と「労働力の確保」であり、大人たちを最大限に労働市場へと引き出そうとしている思惑が垣間見えます。また、この政策による3つの分断、子どもたち間での分断、子育て家庭の間の分断、保護者と保育者の分断があることを指摘しています。そもそも、『保育園は誰のもの?』で、『保育園は、子どもが健やかに育つために必要とするもの、親が安心して生活し子育てをするために必要とするもの、社会が次世代を育み持続可能になるために必要とするもの』ということが、大切なのではないでしょうか。この根本をかなぐり捨てて、今回の無償化は出されています。
•保育士不足の背景と処遇改善 −北海道道北地域の保育者調査から− 小尾晴美
 一北海道北地域での保育士の労働実態の報告ではありますが、多くの地方での保育士の実態を挙げていると思います。低い賃金水準、労働時間・休暇とワーク・ライフ・バランスなど具体的に述べられています。保育士の処遇改善の必要性は、労働基準関係法違反で明らかにされていますが、国による「公定価格」の低さの是正がまず必要ではないでしょうか。 
•公立保育所を存続させた大山崎町の取り組み −町長を替えた、行政を変えた− 近藤哲子
 京都府下の町で、公立保育所を民間へ移行させるため、その場所を学童保育所に求め移動させた。とは、この街の為政者の、子どもの施策に対する感覚が問題でした。保育所の保護者と学童保育の保護者の連携が述べられていますが、この点を参考にすると、一緒に選対を作って町長選挙を戦っています。また、学童保育関係者の歴史的活動が垣間見られました。これからが大変でしょうが、協力していってもらいたいものです
「大阪都構想」による財政危機 −都構想・万博・カジノ─ 森 裕之
 この10年間、大阪維新の会の大阪府・市の二重行政に対する奇弁が書かれています。維新政治による民間化の進展が、今後の財政危機を生みだし、これからの府財政が心配だと思います。維新が掲げる、カジノ・大阪万博などの政策に伴う実態について述べられていますが、大阪万博参加者の数を途方もない値を挙げ計算するなど、うそのツキまくりを続けており、大阪府民の方々が惑わされていることに早く気付いてほしいものです。
•第9次地方分権一括法案の問題点 長澤成次
 基本的な社会教育施設が教育委員会から一般行政、首長所管へ移管が決められる法案が成立したのです。このことは、戦前の国家主義的・軍国主義的教育を深く反省し、人権としての教育権・学習権を守るべき教育委員会を否定するものとなっているようです。早期に学習しましょう。

•統計偽装問題の核心と揺らぐ信頼 福島利夫
 今回の統計調査のずさんさは、日本の公務員問題と連動して、花の部門以外の切り捨て削減が、ついに国家の基幹統計にまで及んで、時の安部内閣府の恣意により改変されたことを明らかにしています。提案されているように、統計行政の貧困を打開する根本的な方法は、統計行政を一元化して中央統計局のもとに集約することですか。・・
•会計年度任用職員制度 山縣宏寿
 まず確認しておきたいことは、日本における公務員比率と公務員給与比率が、OECD各国と比べて異常に低い位置にあり、公共サービスが誰によって賄われるかの問題を呼び込んでいる点です。この様な中、会計年度任用職員制度が2020年に導入されますが、この制度の特徴を、非正規と正規とを画する融通無碍と言わざるを得ない尺度、その帰結としての曖昧模糊とした非正規の概念である、と記されています。また「常時勤務を要する職」の会計年度任用職員制度への置換を提案していますが、これを指導する主体が早く見つかることが重要です。
●連載●
•おんなのRun 内なる優生思想を問いつづけて 後藤由美子  
 冒頭、「優生思想は、社会と個人の内面に深い断層と闇を作り、それを恐れる個々人・集団を囲い込む差別支配を支える「神話」といえます」と述べています。この言葉の持つ奥深さを被爆福島の現実で紹介されています。
@NEWS 住民のいのちと暮らしを守る「原発再稼働阻止」の自治体づくり 島田修一
 再稼働阻止の運動を、『主役は市民』「学びを通じて仲間を増やそう」との呼びかけ起こし、住民自治として位置づけ、「市民と共に」から「市民が共に」に実践されてきました。まさに新しい質を持った市民運動の立ち向かいを述べています。
•子どもの未来図 第2回 貧困と虐待の相関関係 浅井春夫
 子どもの貧困の現実について各種数値を挙げて実態を明らかにしています。その中で、シングルマザーとシングルファーザーの方々の非正規雇用の割合が、43.8%と6.4%と格差が出ています。女性の社会的差別が生む貧困化を断じて許してはいけないと思います。この親に直結する子どもの貧困を、生んでいる社会制度の改革を急ぐべきです。
•世田谷区公契約条例 公契約条例で住みたいまちへ、働きたいまちへ 第2回 アクターの連携による共通認識の形成 中村重
 公契約条例制定が、どのような過程で制定されてきたかを見ています。新自由主義との戦いとみて、労働組合が連携して行政に働きかけ、懇談会を成長させ、持続的に見守る体制を作ることが、この条例の進化を生みます。しかしトップダウンで、首長の意向で作られる例が多いようです。賃金水準の確保という点で、契約のおりの付け加えや、施工体制の適正化を図るなどの文句で、職員の賃金確保を図っている事例も紹介されています。
•ほけん詩の広場 D保健師と地域医療連携の推進 松島美穂
  県型保健師の役割が述べられています。多機関・多職種者との連携を行い、目的を共有し、同じ方向に向かってそれぞれの立場から専門性を発揮することで、支援や取り組みの質が何十倍にも高まります。このことが出来るのも日々ニーズや地域の声を受け取る技術があってのこと、2025年問題をよろしくお願いします。

•おいでよ38 湯川村 三澤豊隆
•史跡さんぽ㊼
•編集後記



2019年4月号 読者ページ

 (2019/03/22)
 

目次
事務局として気になった記事にコメントを載せます。一緒に読み合わせしましょう
●特集●障がい者就業の現在、未来─障がい者とともに働き、生きる─
•障がい者の働く権利と憲法・国連権利条約─障がい者雇用不正事件が障がい者から奪ったものは何か─ 平野方紹

 昨年は障害者にとって大きな事件が3つ発生しましたが、自民・公明政府からし掛けられた事案でした。このことに私たちは憤りを示すとともに、真摯に見つめなおし反省を迫る必要を感じました。また、「労働」の意義に言及され、さらに深める提言が行われています。「人」として保障する憲法と、国連障害者権利条約の真摯な適応を見届ける活動をしていきたいものです。
•障害者雇用の現状と課題 伊藤周平
 障害者雇用数の水増し問題の検証委員会委員に障がい者が入っていないとは、この問題に対する政府の認識の遅れは目に余るものがあります。また障害者雇用促進法の解説には、時代の変化を感じますし、国連障害者権利条約の日本の批准が、2013年であったことにも驚きました。差別問題の解決の中心部門として障がい者問題に歪曲させるやり方には憤りを覚えたきたものでした。障害者雇用の課題について4つの提言が行われています。これらの課題を支える地方自治体職員の削減に大きくふれています。この点での共闘が必要ですね。
•障害者雇用水増し問題をめぐって その背景にあるもの 増田一世
 日本障害者協議会略称JDの活動が、1981年から始まって、1993年に今の名称に変わったことを知りました。そして「すべての人の社会」を目指し活動を展開されているようです。今回の水増し問題が40年間の出来事である点、これらの課題で、JDの役割を広く知らせていきたいものです。この問題の根底には、「日本を席巻する経済至上主義の考え方の中で、効率中心で必要な支援を余分なコストとして考えていた」からと指摘しています。また労働行政と福祉行政の連携を掲げており、(仮称)社会支援雇用事業所の整備を提案されています。
•明石市の障害者職員採用の取り組みから 金 政玉
  一地方自治体の障害者採用における配慮は、「障害のある人が働きやすい職場は、だれにとっても働きがいのある職場です」と言うことにつきるし、改正障害者雇用促進法の内容の実施は、広く普及してほしいものだと感じました。
•一人一人の「働く」を地域に生かす 永瀬恵美子
  埼玉県の公益社団法人やどかりの里の運営から、障害を持った人たちの活動が紹介され、『誰もが担い手』「社会の中で役割を自覚する」「共に育つ」を合言葉に地域と一体となっている様子が報告されています。またILOの提唱している[ディーセント・ワーク」の呼びかけはまさに、健常者と同じです。派遣社会がもたらしている異常性は「働き甲斐のある人間らしい仕事」を奪っていきます。同じ被害が顕著に出るのも、弱者社会からですね。ともに連帯して行きましょう。
•いらっしゃいませ ほのぼの屋へ 材木淳志
 舞鶴市の社会福祉法人まいづる福祉会のほのぼの屋の活動は、最低賃金を払うことを大きな目標として17年間活動されてきた報告です。障がい者事業団がこの様な目標を持ち、達成できたことは素晴らしいことであり、社会との連携を多様化していたからでしょう。障害者の経済基盤の安定という課題を掲げての報告です。効率優先の働き方改革ではこのような活動はできないでしょう。
●特集●見のがせない! 解読、2040自治体危機論[V]
 •町村議会のあり方研究会報告と2040議会 榊原秀訓
参照: 
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/choson_gikai/index.html
  平成の大合併を過ぎても、なお残る小さな自治体、これらの町村対策を総務省が持つためたとか。本当に地方自治の観点のない、これを実施すれば、自然消滅する施策ではないかと怒りを覚えました。正に空論的な「圏域」「画一化」の名のもとに地方議会は危うい施策に、踊らされようとしています。議会改革を丁寧に行って庶民を受け入れて連携してほしいものです。
ICTAIの活用 ─描いたスマート自治体となるか─ 米丸恒治
  皆さん今自治体運営に驚きのAI化が進んでいます。スマート行政の推進は、このAI・ICTが『自治体クラウド化』(p34参照)推進で行われ、2014骨太構想からすでに自治体の財政のさらなる逼迫を生みながら、すでに30%前後の自治体で行われているとのことです。自治体の多様性を阻害する機械として導入されてきています。この政策を批判する、村上先生たちの主張に、もっと耳を傾けなければ、メリットを掲げて、コスト削減・効率化を地方自治体に求め自治体クラウドは、347団体56グループで既に取り込まれ、実施しているのです。しかしこれへの参加で、デメリットも大きくあり、総務省も10の指針で持って注意を喚起しています。住民票など、100%デジタル化がされ、職員が行っていた業務の半数近くがロボットにとって代わられているとのことです。この様なAI化は一地方自治体では出来ない規模であり、大規模な自治体でも周りを取り込んで行うことになり、自治体業務の変質化が進んでいきます。業務の効率化と住民中心の利便性確保で克服すべき課題を明確に訴えなければ、いつの間にか機械に支配される自治体になる恐れがあります。
AIの進展と公務労働 黒田兼一
  自治体戦略2040構想がスマート自治体を作る、その手段として、AI技術を使って職員を半減するというのです。AI技術には、「判断」「愛」「事の善悪」「社会に役立つ」などの言葉がないのです。AIは知識を分類・整理することは得意ですが、独創的な芸術性を習得することが困難だと言われています。今川崎市で、福祉業務に三菱総研のAIを活用して住民サービスの実験が行われているようです。その解答集の品質が問われますが、市民の声が届いたかどうか、役所仕事に終わっていないだろうかの判断は、職員の責任です。しかし、今自治体職員の時間外は平均158.4時間、民間が154時間ですので、この機械の導入で人員を減らすことが出来れば、導入が推進されるのでしょうか。コミュニケーションという分野は、もっともっと現場の職員の待遇改善がなければ、虐待児童の保護などできない実態が明らかになっているのです。まさに2040構想は自治体職員の質的変化を導きかねないのです。
•沖縄県民投票結果を受けて 紙野健二
  根拠のない辺野古軍用基地建設が、県民の間で反対が明らかになり、普天間基地の即時廃止でしかないことが明らかになったにもかかわらず、環境破壊を未だに止めようとしていません。世界でも希少なサンゴとジュゴンの海が破壊され、ジュゴンの死がいが発見されました。これは日本人の世界に対する大きな誤りであり、解消に動かなければいけないことではないでしょうか。
●新連載●
•子どもの未来図 第1回 子ども虐待とは何か 浅井春夫
 5歳の女の子(結愛アユちゃん)が両親によるネグレクト(育児放棄)と身体的虐待による殺人が報道されて、その後、いくつかの事件が続きましたが、まさに「子どもたちを殺す社会」への変質を描いていました。この問題の根源的な定義と推移を掘り下げています。
•世田谷区公契約条例 公契約条例で住みたいまちへ、働きたいまちへ 第1回 官製ワーキング・プアの克服へ 中村重美
  世田谷区での公契約条例の歩みを再度学習する場として発足しました。一からの学習に参加していきましょう。
●連載●
•おんなのRun71「善意の差別」がまん延する社会から対等に生きる社会へ 海老原宏美
 正に障がい者への差別である、特別支援学校や入所施設に対する「善意の差別」が蔓延しています。この課題のNPO法人の人からの提言です。ぜひ熟読してください。
@NEWS 究極の環境破壊、沖縄辺野古新基地建設は許さない 立石雅昭
 先の紙野さんの意見と重なりますが、環境破壊の具体的な流れが述べられています。軟弱地盤の上には軍港は出来ないのですからすぐ土砂廃棄をやめてほしいものです。
•ほけん詩の広場 C難病患者、家族への支援─家族とともにある生活─ 植村亜由
 難病患者さんと医師を結びつける保健師の仕事は、まさに専門家の仕事ですね。「お会いできてよかった」と言える人からの言葉です。 
Jつうしん
•おいでよ37 東川町 松岡市郎
•史跡さんぽ○46
•編集後記



2019年3月号読者ページ

 (2019/02/25)
 
目次
事務局として気になった記事にコメントを載せます。一緒に読み合わせしましょう
●特集●東日本大震災から8年 一人ひとりの復興
  大災害から8年がたちました。その現実は、未だに54,000人の避難者、帰還困難区域の存在があり、復興・創生期間に入ったと言えるのでしょうか。この人たちに心を寄り添うことが大切です。一方、水力発電、「雄勝花物語」などの立上げる人々の姿や実践は、多くの人を励ましています。今回の特集で、整理の方向性や、住民の手による産業・仕組み作り、集いの場づくりの実践を学びましょう。
•原子力災害からの「一人ひとりの復興」をめざして ─震災8年の現状と課題 除本理史
 自然災害と違って、原子力災害は、賠償・支援金の支払いに東電が関与しています。一人ひとりの復興を目指すとき、東電・国は、その作法に区別・差別を持ち出しています。これが様々な困難を生み出しているのです。区域外避難者の経済的困難として、家賃補助の終了、社会的孤立などが産まれています。被災者の住まいの確保を「自己責任」の問題とせず、「居住圏」保障の観点から政策的対応を行う「二重の住民登録」の実施、地域の経験をつなぐ連携など、今後の政策提言がしめされています。被害の過小評価と「風化」を食い止めることに努めましょう。
•インタビュー 原子力に依存しないエネルギーを自分たちの手で ─会津電力の取り組み─ 佐藤彌右衛門
 原発事故を契機に地元で再生エネルギーの地産地消を行う勉強会から生まれた会津電力は民間企業としてユニークですね。今後日本全国にこのような電力会社が出来ればいいなと思います。今の大手電力会社が、地域から奪っている再生可能エネルギーが、地域循環の要となるためには、「立ちんぼ日本人」ではいけないとか。あのユニークな農業展開をしていた飯館村にも、飯館電力がたちあがり、まずは畜産の再開が出来たそうです。
•低平地の利活用を進める官民連携事業 ─石巻市の雄勝花物語の挑戦─ 徳水博志
 石巻市の雄勝町は震災前から人口減少が進んでいた地区で、災害を契機に人口の大流出が起こった街だそうです。また曰くつきの高さ9.7m、全長2kmの巨大防潮堤と河川堤防が作られ「創造的復興」拠点でもあります。ここに住民主体のプロジェクトが構想され、実施、実現してきたのです。この地では花の栽培にボラティアが年間1000人来ているようで、オリーブの木やローズの花など、自然を育てる活動を手本にしているようです。
•復興まちづくりの経験から ─外部者として大事にしたいこと─ 宮定 章
  今回の災害で、居住地が高台に設置され、低地は災害危険区域となるなど、かっての故郷は、人が住めない土地になった。このような計画が果たして復興と言えるのだろうか。外部者として、寄り添った経験が述べられていますが、過去の経験の掘り起こしが、大事だと感じました。
•変化する被災地ふくしまと自治体の復興・再生への課題 丹波史紀
 災害復興の自治体の果たす役割は、インフラの整備であり、生活できるかどうかです。数値で復興を見定めるのであれば、被災者の生活再建という観点から、具体的なKPIに基づく指標を十分示し管理して発表しないといけないと思います。しかし、一部生業などにおいては、中小企業グループ補助金による復旧支援件数を挙げる程度で、被災者の生業全体の被害に対しどれだけカバーされたかという指標がほとんどないことは重要問題です。
●特集●見のがせない! 解読、2040自治体危機論[U]
•「圏域のマネジメントと二層制の柔軟化」による「二層制のスポンジ化」 本多滝夫
 今回の論文で2040構想の発想の経過について言及しています。改めて、個々の市町村が行政のフルセット主義を排することを強調した構想ですね。そのために、基礎自治体の主体的機能を奪うことを狙いにし、「連携中枢都市圏」とか、「定住自立圏」形成を進めてきたのですが、それでは不十分だとして、都道府県の関与を強力にするため本来の二層制を柔軟化することを提唱し、周辺市町村を中心都市に従属させ、自己決定権の抑制することに勤め、スタンダード化される行政分野の拡大に応じて、周辺市町村の自己決定権全体を侵食していくのです。これにさらに、憲法が保障する地方自治の保障の観点である、独立、対等性を踏み破る県の指導性を強調する「柔軟な二層制=二層制のスポンジ化」を進めようとしています。これは憲法違反で認められないものです。
•小規模自治体の行方 ─「多元・協働型自治」モデルを求めて─ 水谷利亮
 中央政府の狙う2040構想に対し、具体的に対抗している小さな自治体の連携の活動が掲げられています。京都府(相楽東部地区)と、長野県(南信州圏域)での事例ですが、この京都府、長野県の果たす役割が注目です。連携圏域にかかる県の出先機関が支援に入っているのです。『多元・協働型自治』モデルとしてこれからの広域連合の注意事項として、制度上可能な連合長や連合議会議員の直接選挙の実施や、連合議会における「熟議」を一層重視するなどして、「圏域自治」を充実させることを提案しています。 

•2019年度政府予算の特徴と地方行財政の課題 関 耕平
 自民・公明の予算編成が、アベノミクスの「成功」とみる事項が掲げられており、彼らにとっては確かなものだったことを感じさせます。しかし、国民生活を全く無視し、大企業のグローバル化を支援した予算だったことの証です。その最たるものが、エンゲル係数が23.5%から25.7%に増加している事実を、私は身近に感じました。また、消費税増税を盛んにやると言っている動機の一つに、輸出戻し税が膨らむことで、グローバル企業支援には欠くことが出来ないことなのです。また、今年の予算案は、過去最大を更新し続ける軍事費、社会保障関係費の「削減」、地方財政を切り詰めるため成果主義を導入しています。災害復興・復旧対応でのハード事業のみの実施し、ソフト事業を行っている市町の活動には支援をしない、玉城デニー沖縄県知事の誕生で、地方交付金の削減などなど特徴が挙げられています。また、今後の地方自治確立に向けて、県職員の地域住民との距離を詰めることの重要性を強調されています。
•書評 大坂自治体問題研究所・自治体問題研究所 編集『豪雨災害と自治体』 染谷修司
 この本については、広島自治体問題研究所は独自に普及に努めています。広島県の実態についても越智先生が執筆してされており、愛媛県のミカンの実態や、災害避難所での様子を古い時代の写真と今回の避難所の写真を掲げ、何の進展もない、変わりがない実態を明らかにしています。ぜひとも確認してください。
 ●連載●
•最終回 ス・ス・メ「議会改革」実践 議長のリーダーシップと議会事務局 寺島 渉
 最後の講義となり、寺島さんの議長経験で、リーダーシップと議会事務局体制の指揮権の確認、議会を住民の学びの場とする事業の創設、関係市町との議員シンポの開催など、地方議会が民主主義の館へと築かれたと思います。ありがとうございました。
•おんなのRun70 なんでおそらからおちてくるの? ─米軍ヘリからの部品落下事故─ 佐藤みゆき
 保育所の上を走り、部品落下事件を起こした、この米軍機の飛行問題は、日米の密約が沖縄返還時に秘密文書として作られていたことで、政府は何も言えないことが分かりました。日本は、正に独立国ではないこと、大人の責任が問われているのです。怒り、独立運動を行いましょう。
•@NEWS 京都府亀岡市「かめおかプラスチックごみゼロ宣言」を受けて 大倉 茂
 プラスチックの再資源化が、これからの課題だとか、広島自治研月報3月号でも、廿日市市のゴミ問題でのこの対応を提起しています。
•ほけん詩の広場 B保健師と児童虐待予防 田中美穂
 母子保健の重要性を改めて綴られており、多くの保健師さんが、自分の働き甲斐として確認され、成長してください。これが、子どものためになる出発点です。
•おいでよ36 大川村 和田知士
•Jつうしん
•史跡さんぽ45
•編集後記
 

2019年2月号読者ページ

 (2019/01/25)
 
目次
事務局として気になった記事にコメントを載せます。一緒に読み合わせしましょう
●特集●見のがせない! 解読、2040自治体危機
 この問題は広島自治研でも月報2018年8月号に ●総務省・自治体戦略2040構想研究会「第2次報告」〜連携中枢都市圏(圏域)の行政主体化〜として、広島修道大学教授 村上 博氏に報告を頂いておりますので読んでください。
本当に地方自治の本旨を覆す論であり、多くの国民に知らせていかなければ、何のために税金を払っているのか分からなくなります。

•総務省「自治体戦略2040構想」の検討 白藤博行
この報告書の2040年は、いわゆる「団塊ジュニア」世代が高齢者となる年だそうです。愛より金の資本主義の極みが、人間不信をかき立て、人間愛の喪失として顕在化させた未婚者・人口減少の構造を指摘、今回の報告書のキーマンを、山崎重孝氏と言っています。もっぱら圏域マネイジメントを担って生きた人です。この問題を端的に表現するなら、これからの地方自治戦略を考える「地方自治体2040構想」ではなく「自治体戦略2040構想」と名付けていることに表れています。もう一つ、シャウブ勧告」70年という言葉に、気付かされました。勉強しましょう。
•自治体戦略2040構想をめぐる論点 小原隆治
  山崎さんの言葉、『ネットワーク論』が重要」「戦略の要諦は「悲観的に考えて、楽観的に行動する」」と述べたそうです。4つにまとめた今後の課題、「迫りくる危機」のリアリティー、「二層制の柔軟化」、圏域マネイジメント、連携中枢都市圏の今後、などありますが、私たちが心がけるべきは、年金や地方乞う増え位と言った暮らしと自治を支える大本の制度を大切に維持していくこと、今手元にある制度と資源を可能な限り使って、自治の成果を上げることです。
•「自治体戦略2040構想研究会報告」と地方財政改革 平岡和久
 
2040に向けての政策ですでに走っている事業がある。集権的地方財政改革だそうです。@ふるさと納税、地方交付税における成果配分方式、A自治体行政の「標準化」「アウトソーシング化」「産業課」促進のための地方財政改革です。B、拠点化、広域化、圏域単位の行政。連携中枢都市圏、立地適正化計画、「小さな拠点」、水道事業の広域化、公共施設等総合管理計画、学校統廃合の推進などです。
•「『我が事・丸ごと』地域共生社会」からみた「自治体戦略2040構想」 大沢
 福祉事業関係からみた2040構想ですが、筆者は既に2017年社会福祉法の一部改正と、「共助の場」の創設で、その方向性が、実施の段階に入っており2040年には、福祉サービスは、「地域」へアウトソーシングされてこれが担い、自治体は社会問題化しうる深刻な地域生活課題についてのみ、コーディネーターとして支援関係機関への仲介機能を果たすこととなっているのです。また財源についても社会投資債」というものを通じて、社会貢献をそれら団体が行うこととなっているのです。行政は、公的負担の義務はなくなっているというのです。本当に今までの行政の責任をなくした社会になるというのです。行政サービス受給権の保障が問題になると述べています。
•東京圏(大都市圏)のプラットフォーム 森 裕之
  ここでの課題は、大都市圏での今後の高齢化社会の到来に対し、危機的な状態が産まれることを謳っているというのです。たしかに地方での高齢化社会の手立てについては、大牟田市の活動が出され、社会体制としての準備が出来そうですが、東京圏での急速な事例はすでに他県への依存型での手法が行われており、これを直さなければ、「住み慣れた地域」での老後は保障されなくなります。ここでの府県の役割が再構築されることが必要となってきています。
•「地域自治組織」による「機能的自治」の限界 門脇 美恵
 2040構想の中で述べられている、「公」「共」「私」とは、のコメントが参考になります。また共としての「地域運営組織」が今回の2040構想の主役になるべき団体で、その機能を保障する「地域自治組織」への変化の必要性が、フリーライド問題の解決能力を持つべき、「機能的自治」の創設につながっているようです。ここに来ると、専門的な課題になり小委員会の報告を勉強しなければいけません。
•松之山・雪シンポジウム報告 ─山間・豪雪の地で住み続けるために─ 齋木文夫
 
豪雪が自然のめぐり合わせ、季節の移り変わり打が産まれて今まで住んで、高齢化氏だあすと、過疎化により雪おろしのできない人が出てくるそれをお互いさまで助け合っていく。過疎化をどうとらえるか、集合住宅に一時的に生活を確保する。この手段が作られる地域はうらやましいと思うが。社会が支援する必要があるにもかかわらず放置されることが許される社会は貧層だ。
書評 浅井春夫・艮 香織・鶴田敦子 編著『性教育はどうして必要なんだろう?』 安達倭雅子
 
まずは読んでくださいとのこと、性教育が、戦前の家制度に基づく恫喝が盛んになってきているようです。連帯のためにも、包括的性教育の勧めを理解しよう。
●連載●
•最終回 だれのためのコンビニ 地域経済に役立つコンビニに向けて ─新たな地場コンビニづくりへ─ 岩佐和幸
 
地場コンビニの発想が産まれているとは、また条例持ってその運営について規制を行うなど、これからの地域経済の中心的なものを磁場に反していく活動が提案されています。
•おんなのRun69 市民がつくる、育てる、地域密着型電力とくらしの地産地消 手塚智子
 
地産地消の自然エネルギーを生み出し、その活動を誇りの思い続けることのすばらしさがわかります。
@NEWS 改正入管法の根本問題 斉藤善久
 
この問題点を、国際的に人身売買などとして批判さえて来た外国人技能実習制度のじったを検証しないまま、これと地続きの制度として新制度を上乗せしたばかりか、外国人技能実習制度の悪い点をさらに悪い形で引き継いでいることです。
•ス・ス・メ「議会改革」実践 第11回 開かれた議会と住民参加 寺島 渉
 
議会の見えるかがこんなにも進んでいる町での生活はどんなのでしょうか。忙しいのかな、面白いのかな、身近に議会があることが、民主主義の鉄則ですね。
•ほけん詩の広場 A保健師と母子保健 田中美穂
 
乳幼児健診の委託化、「子育てサークル」勝つなど、横浜の保健師さんの活動報告です。あなたの街の保健師さんの活動を振り返ってみてください。母親支援が大きな連携のもとで行われているようです。
Jつうしん
•おいでよ35 川場村 外山京太郎
•史跡さんぽ44
•年賀広告
  
見てください、財政緊迫の各自治研と労働組合か。
•編集後記

2019年1月号読者ページ

 (2018/12/17)
 

目次
事務局として気になった記事にコメントを載せます。一緒に読み合わせしましょう
新年のごあいさつ●多数者のための政治 −その実現の年に− 岡田知弘
 
昨年の漢字は「災」、大阪北部地震、西日本豪雨、台風21号災害、北海道胆振東部地震などが挙げられ、多くの尊い人命や人間らしい暮らしが失われた災害が多発しました。それらのさなか、自民党の「赤坂自民亭」は、為政者がだれのために政治をしようとしているのか如実に示した。「2040構想」は団体自治や住民自治を無視したものとして発表された。今年の統一地方選挙、参議院選挙はこの悪政を断ち切る絶好のチャンス、そのために頑張ろう。
●新春インタビュー●沖縄の尊厳と日本の未来 呉屋守將 金秀グループ会長に聞く インタビュアー 白藤博
 
ポスト翁名知事のもう一人の呉屋氏とのインタビュー。ウチナーンチュ(沖縄の人)の思いが語られています。デニーさんとの交流の中で、ダイバーシティーという言葉を、雑木林に変えて語っています。元県庁職員だった人で、沖縄の経済界の重鎮だそうです。改めて沖縄人としての働き方を語っています。
●新春対談●ライオンの檻を意識してみませんか 楾 大樹×朝岡 幸彦
 
「檻の中のライオン」の作者が広島市にいる。この人の作品は憲法と国家権力者との関係を明確に分かりやすく描いている。今檻からライオンが出て騒ぎだしているという表現は確かなことです。それにしても、社会科が既に崩壊している高校生の授業。サファリーパークでライオンを見るか、動物園の檻のライオンを見るのか。このことの違いを、多くの人が認識することが、憲法改悪反対の第一歩、忖度の社会から、広げよう憲法を守れの声。
●特集●人権としての水
 
今回の臨時国会で水道法の改正が行われ、改めて公共の水の性格を考えてみましょう。しかし暴走内閣のこの法案に対する姿勢は、もはや行政府ではなくなりましたね
SDGsと水政策 仲上健一
 国際課題としての水道事業の普及について、国連で長きにわたり諸会議で整理され、検証されていたとは不勉強でした。「命の水」を取り上げるとき、基本的人権の問題として扱う、何万年来の水と人の営みで培った知恵でも、これらの未曽有うの危機に対する解決方法を見出だすことが困難だと言っています。世界で優秀な日本の技術を真摯に活用すべきで、金儲けの発想をこの分野で行うことを戒めてほしいものです。
•水と人権 なぜ世界で多くの都市で水道再公営化が起きているのか 岸本聡子
 今世界で新自由主義の国が多くあり、そこでの公営水道の民営化が一定進んでいるとともに、その破たんが各地で起きているとの報告です。民営化されたものを再公営化する理由として、あまりにも不透明な経営だったり、高到化する水道料金であったりしています。公的運営をしているからと言って放置できません。「公的センターは絶えず公共の利益を実現するために自己改革を続けることで、本来持っている民主性を発揮できるのです。」
•持続可能な水道事業の再構築 ─広域化、民営化への対案─ 近藤夏樹
  公営事業担当者からの提言です。この提言を市民が理解し、一緒に守るよう働きかけると、もっと多くの自治体で、自立した水道事業が確立することでしょう。公公の連携を積み重ね、持続的な運営をお願いします。だけど今回の改正で、国の責任が書かれていないとはひどい話ですね。
•水道の民営化・広域化とわたしたちのくらし 尾林芳匡
 今国会の水道法改正法を分析を掲載しています。今後政府が民営化を推進していくためのもので、本来の命の水を扱うことから離れたものになっています。また、広島県の指定管理者(株)水みらい広島が政府の説明資料として挙げられているようです。この検証を行っていく必要があります。今回の改正の問題点として3点が挙げられています。
•井戸枯れから始まった越前おおのの取り組み 水への恩返し〜Carrying Water Project〜 帰山寿章
 水の持つ力は、渇水や地下水低下での枯渇から始めて感じますが、水に恩返しという文化を作り出し、国際的な支援に発展させています。「当たり前」から、「ありがたい」の変化を大野市では行政が行っているようです。古来の文化の組織化でしょうか。
•書評 立石雅昭・にいがた自治体研究所 編『原発再稼働と自治体 民意が動かす「3つの検証」』 村上達也
 新潟県の原発検証委員会の活動を、この本の序で、総括委員長の池内了氏が書いているとのこと、ぜひ病んでみたい。真の地方の発展と住民の幸福は、住民の自覚による政治革新、つまり原発的なものへの依存から脱却にあると。
•書評 中山 徹 著『人口減少時代の自治体政策 市民共同自治体への展望』 桜田照雄
 この本の「コラム」と「証拠」は、今までの本に比し、解りやすい構成になっています。「市民共同自治体」構想の発展を期待したい。「『地方創生』の声よりも、「人づくり革命」という名の低賃金・無権利労働者の大企業への人的供給に施策重点が移行した観もある。」とは
●新連載●
•ほけん詩の広場 @保健師と感染症 中曽根万紀子
 結核防止は今でも感染症の大きな仕事だそうです。大阪では2000人が掛かっているとか。保健師さんの起こりが貴族階級の女性たちが起こしたもの。この地道な仕事の紹介の始まりです。
●連載●
おんなのRun68 健康に生きる権利を子どもたちに 鈴木 薫
 東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故後、地域の子どもたちの健康測定をNPOとして活動されているとのこと、本当にご苦労様です。測定室の毎日での驚きと苦労に、科学がすべてを解明しているわけではないことを実感されたとか。
@NEWS 「福祉灯油」の実施と内容の拡充を 沢野 天
 福祉灯油」寒い北海道地方の生活と健康を守る会の活動紹介です。本当にこの灯油代が上がると生活困窮者にとっては大変な事態です。頑張ってください。広島は何があるのかな。
•だれのためのコンビニ 第4回 地域経済に役立つコンビニに向けて─オーナー保護のためのルールづくり─ 岩佐和幸
 コンビニの契約者の活動を、フランチャイズ法で守ることは、今多くの利益を東京に吸い取られる地方の市町にとって大きな手立てです。多くの自治体の働き掛けを期待します。!!FC契約・フランチャイズ法の精神・コンビニ・オーナーの権利回復などの言葉に確信に。
•ス・ス・メ「議会改革」実践 第10回 「チーム議会」の政策提言とサポーター制度 寺島 渉
 議員が地域に入り政策提言を行う活動、善政を町長と競うことになるとか、また、このサポーター選定も、議員のでていない集落からも選ばれるとか。この作業に議会事務局が参画していることも挙げられています。この様な事例を持つよう議会改革を進めてほしいものです。
Jつうしん
•おいでよ34 豊郷町 伊藤定勉
•史跡さんぽ43
 今回は広島県府中市上下町です。ぜひお越しください。
•年賀広告
•編集後記



2018年12月号読者ページ

 (2018/11/26)
 
目次
事務局として気になった記事にコメントを載せます。一緒に読み合わせしましょう
●特集●いのちのとりで裁判と生活保護法改定
  裁判で、生活保障基準の引き下げの問題を取り上げて戦われていますが、社会福祉事業の大きな根幹にかかわる問題として多くの方々が、関係されています。広島でもこの裁判闘争は生健会を中心に取り組んでいます。政府のこのような憲法違反の施策に憤りを覚えるとともに、安部内閣の退陣が、どうしても必要ですね。

•貧困を見えなくする社会保障改革 金子 充
 生活保護事業の歴史的経過を、単純な統計数値を見て納得することの危険性を明らかにしています。もはや改革ではなく改悪、切り捨て、新たな貧困の増幅とでもいいたいものです。生活保護基準の引き下げがこの様な要素を新たに生み出しているのです。また、生活困窮者自立支援事業など、公的事業ではなく、民間事業化され、PDCAや事業評価などで、対象者を差別される制度へ変えられています。一方住民が生活困窮者の支援に直接かかわる機会が増え、そのことによる地域活性化や「共生」のコミュニティーづくりと言った新たな効果が生まれています。しかし、政府には貧困・生活困窮者の生存権及び幸福追求権を保障することを、声高々に叫んで行きましょう。
•いのちのとりで裁判を闘う 吉田雄大
 生活保護基準の引き下げは、国策に基づくといわれ、「生活保護バッシング」を大きな契機として始まっています。今いのちのとりで裁判を闘う中で、多くのねつ造が明らかになっています。原告数は1000人を超える一方で、裁判所が主導的に「審理予定案」を示し、大きな山場となっています。国際的にも『貧困層の社会保障を脅かす』と批判されています。今後総力での闘いが始まります。
•インタビュー いのちのとりで裁判−原告に聞く 実践「青森方式」の取り組み− 神 覚・佐藤明夫 インタビュアー 村田隆史
 生活保護裁判を闘う中で、青森方式という言葉があります。この言葉は、この生活保護制度が、偏見をなくし、だれもが安心して暮らせる社会にするために、@原告が明るい、Aみんなが仲良し、B積極的に交流していることだと言っています。裁判制度の活用する手立てを生健会が持つことで、広く社会に働きかける手段を得てきたようですね。
•生活保護改革と自治体行政への影響 村田隆史
 生活保護基準が改革の根底にあるのは、その基準が、就学援助制度、生活福祉資金貸付制度、社会保険の保険料や利用料、住民税の非課税限度額などに利用されており、一気にこれらの制度の水準を下げることができるからです。生活保護法の基本原理とは、最低生活保障+自立助長だそうです。この基本原理の変更が改革の名のもとで検討されているようです。多くの社会保障費削減を狙っての攻撃であり、全体の運動の基礎であることを学びました。
書評 宮本憲一・白藤博行 編著『翁長知事の遺志を継ぐ 辺野古に基地はつくらせない』 宮平真弥
  沖縄での自治のたたかいをこの本はまとめているといいます。今日本の地方自治は大きく縛られ、中央直結の垂れ流し自治破壊が横行していないだろうか。沖縄県知事翁長さんの「戦う民意に支えられ、戦う民意を具体化してきました。自治は闘争なしに獲得不能であり、もっといえば自治の生命は闘争である」の言葉を見つけてください。
•旧優生保護法−戦後日本の隠された差別と闘う− 新里宏二
 旧優生保護法が、新憲法告示の年に全会一致で成立し、1996年に改正されたが、その被害者に対するケア―が問われていなかった。そして2018年になってようやくマスコミに上がり知った次第です。しかしこのような人権に対する被害の救済のもとになる書類がない県が30県とあると、地方自治体に働く職員として大きな反省材料です。広島県では、手術者数327人、個人資料がある数31人です。優生学の存在が、今社会に差別を生む元凶である点、容認できないことを訴えていきたい。
•「旧優生保護法」時代に行われていたことが問いかけるもの 結城俊哉
 旧優生保護法の成立の時点でアメリカからこの法の違憲性が指摘されていた。スエーデン・ドイツでもこのような法律がはびこっていたが、問題視された1980年から1990年代に、過去の罪に向き合い被害者に謝罪と補償を行っている。しかし日本では、「当時は適法だった」と言い逃れてきた。この様な日本の実態を深く反省しなければいけない。差別意識の情状に目を積むんではいけないと。
•能登産廃問題は終わっていない 須藤春夫
 能登半島に産廃ビジネスが入り込み、市長までが住民投票を進める立場に立たず妨害に走った。この問題は、多くの過疎の町の問題でもある。その中から、4つの方向性を打ち出す会の運動に期待したい。
•狛江のハラスメントが残した課題 平井里美
 市民運動と首長との関係はその課題によって違いますが、セクハラ・パワハラの認識がない首長と市民運動家との間には、共同は成り立たないことでしょう。
•「茨城租税債権管理機構」の強権的な滞納処分を許さず 急がれる「滞納処分対策会議」 高橋 孝
 今や滞納者には何をしてもいいとの考えで、滞納処分を行っていく機構が作られているのですね。広島県では、税務の担当者が市町から兼任の協定書を受け、滞納金回収に協力しているようです。この様な協力より、滋賀県野洲市の「ようこそ滞納していただきました条例」のような活動を進めていただきたいものです。急がれる「滞納処分対策会議」の設立も考えに入れておきたいものです。
●連載●
・My My 公民館 最終回 E日々の公民館の仕事から 中村亮彦
  公民館職員の原点は、住民の皆さんから信頼を得ることから仕事の第一歩が始まると述べられています。数多くの課題が山積しており、公民館の原点を忘れずに、また学んでいってほしいものです。
•おんなのRun67 銭湯存続からまちのお茶の間づくりへ 山中雅子
 本当に茶の間がない都市の住民が増えていることでしょう。ワイワイにぎやかな場があれば、それでその地域は元気になります。これが多くの都市・農村でおこればそれなりのにぎやかさが産まれるのですが。
@NEWS 公有水面埋立の承認撤回に対する国による審査請求 北見宏介
 行政不服審査会に国が手続きを行う権利があるとは思えない。この様なことが今日本の政府が行うとは、立憲主義に反する行為であり、このまま辺野古での行為が認められることのないことを期待します。
@NEWS 北海道大停電 ブラックアウトは人災 川原茂雄
 北海道の地震でのブラックアウトは、北海道電力のサボタージュに関して、日本電力会社の各社はどう判断しているのでしょうか。怒りに燃えます。
•知らない☆知りたい憲法 第9回 憲法に基づく社会保障財源の再構築 伊藤周平
 社会保障の財源の問題点として、消費税制が挙げられています。消費税創設の時、後代へのつけ回しを理由にしていましたが、消費税の増税に合わせるかのように、法人税の減税が行われてきました。資本金10億円以上の大企業の内部留保は430兆円と最高額を更新しています。憲法に定められている税制の基本原則は、負担能力に応じた負担、すなわち「応能負担原則」です。他の国に比べて社会保険料負担に占める割合が低い事業主負担と公費負担を大幅に増大させるべきですね。
•ス・ス・メ「議会改革」実践 第9回 長野県議会継続6回、そして不採択−民意を軽視していないか− 寺島 渉
 請願書の採択に当たっては、一般的に「願意が妥当であるか」「実現の可能性があるか」「県や市町村の権限事項に属する事項であるか」などです。この判断を行わないで、継続審議や、否決することは民意を軽くあしらうことになります。
•だれのためのコンビニ 第3 ブラック化するコンビニ・バイト 岩佐和幸
 コンビニで働く外国人労働者の実態は、マスコミによく上がります。外国の留学生は週28時間までしか働けないとか、外国人の必要性から、移民政策が起こってきたのかと思わせます。働くことの意味合いを守るためにもこのようなブラックをなくすようにすべての経済人は努めるべきです。
Jつうしん
•史跡さんぽ42
•おいでよ33 上小阿仁村 小林悦次
•編集後記



2018年11月号読者ページ(感想をお寄せください)

 (2018/10/19)
 
一読される前に読んでみて感想をお寄せください。
目次
事務局として気になった記事にコメントを載せます。一緒に読み合わせしましょう

●特集●現代政治の縮図・維新政治
 フェイク・ニュースに基づく政治、どの端緒が大阪の維新政治だと。大衆扇動政治のもとにファシズム政治が形成された経験を二度と繰り返してはいけません。
•鼎談 住民自治を無視した維新政治─都市内自治をどうつくりだすか─ 中野 雅司×藤永 のぶよ×森 裕之
  今大阪は維新党が政治を握っており、その手法が、大衆扇動政治なのだと、今まで多くの人がその犠牲になっており、市民の会の活動が、ようやく盛り返してきていると座談会では語られています。市民、行政は考えることを維新党から停止させられ、フェイクが横行しているのです。市民が学び交流し運動に参加する時代でなければ、良い住みやすいところはできないのですね。大坂は、区単位に自治体学校を行っていると。
•「大阪都構想」の住民投票─「シルバーデモクラシー」論への疑問─ 薬師院 仁志
 住民投票の意義とは、その趣旨を十分知らせ、理解させ、住民の意思を多数に築くことがなければ意味がない、今回の大阪の住民投票は3分の1づつに賛成・反対・棄権が分かれており、危険な意味のないものだったと説かれています。投票の意思を曲げて宣伝した維新の会の果たした役割はまさに、住民の意思を統一することのない危険そのものでしたね。またシルバーデモクラしーどころかそもそもデモクラシーから逸脱していたとは。
•維新政治の本質─その支持層についての一考察─ 冨田 宏治
 この報告書で述べられている大阪維新の会の本質に、私たちはもっと気づかうべきではないかと思いました。大阪で広がっている貧困と格差を「分断」へと転化し、固定化がされているのです。この文章で理念型的に描き出されたところをぜひ読んでください。
•大阪で生まれた「ニヒリズム政治」 いま、日本中を覆い始めた 藤井
 ニヒリズムについて、語られています。このニヒリストの代表が橋下徹なのです。ニヒリストが政治に参加する条件が二つあると述べています。だましやすい環境・嘘を許容するあるいは好む有権者が多いと指摘しています。アメリカのトランプのことが重なりあいます。この風潮が全世界に蔓延しているみたいですね。
•軍部化する自衛隊の現状と陸上イージス配備 纐纈
 今日本の自衛隊は、文民統制が破壊された法体制に入っている。と指摘されています。武官が直接防衛大臣に意見を挙げることができるようになったとか。イージス艦配備についても、住民の性格とくらしを守るのではなく、軍事情勢優先での配置を、2か所とあったものを幅広く提案する姑息な手段を使っているようです。私達の気づかぬところから、安部首相の思う新軍部の創設が行われ、国際政治が依然として力の論理で動いているという誤った認識が横行しているようです。
•秋田県 ミサイル基地「イージス・アショア」はいらない!−平和な生活を奪うな− 川野辺 英昭
 今回のイージス・アショアは秋田・山口の2県で行われようとしています。ここでの闘いの報告ですが、市民の生活を無視した、また自治を無視した押し付けを行っているようです。既存の自衛基地の存在の中、今までの兵器と違った新たな危険性を、説明しきれない、北朝鮮で進んでいる事態の進展を無視するなど、狂気の沙汰だと思います。辺野古基地問題などと一体化して、地方自治の立ち上がりを期待します。
•山口県 「イージス・アショア」からみえるこの国のかたち 森上 雅昭
 国会議員の賛同を先にとり、県自治体への根回しを行ってきたが、住民自治会では反対の声がさらに高まっている。署名活動に多くの市民が参加しており、これを受ける自治体は、調停者ではなく表現者になってほしいものです。
•沖縄県民の覚悟と英知 玉城デニーさんが新知事に 佐藤
 沖縄知事選挙この情勢が端的に記載され、改めて、沖縄県民の選択に敬意を表します。
 選挙情勢がこんなにも危険な状態にあったのかと、名護市隠しと、日本会議直系の知事誕生を拒否し、日本と、沖縄にとって歴史的な勝利を生んだのです。

•岡山県における西日本豪雨災害の状況と課題 磯部

 今回の災害は想定外ではないものだと、事前に国・県・地方自治体が災害対策を実施、気象庁の予報を着実に守っていれば防げたものだと言っています。国の政治の在り方が問われています。地球温暖化の中で、やるべきことを明確にし、市民生活でもこれに対応した改善が必要です。ね
•書評 尾林芳匡・渡辺卓也 編著 『水道の民営化・広域化を考える』 近藤 夏樹
 水道法の改正は何故に民営化を言うのでしょうか、この本で言いたいことは、水道が福祉であるという存在意義を確認することだと言っています。
●連載●
•おんなのRun66 女性の地位向上をめざして 長田 満江
 長田さんの時代から、今日までの女性の地位の向上の動きは大きなものがあったと感じますが、現代その動きは停滞感があります。人口の半分は女性ですからこれからもがんばりましょう。
@NEWS 関西空港ダウン 台風21号の猛威 「想定外」で片付けられない 岩本 智之
 関空の構造的欠陥が明らかにされています。大型公共工事のやり方の警鐘を鳴らしている文です。自然との対話を欠いた工事はやるべきではないことが、今回の台風の教訓でしたね。
My My 公民館 D公民館に「つどう」 中村 亮彦
 公民館の機能は「つどう・まなぶ・むすぶ」と表現されている。この様な機能を担う公民館活動で、地域が育ちますように。
•知らない☆知りたい憲法 第8回 憲法の理念と性差別 太田 啓子
 女性差別が医大の試験で発覚し、それを「必要悪」と言いくるめる環境に驚いています。また、個人という言葉が憲法13条と24条に上がっていること、貴重な見方です。性差別大国から日本が早く脱退するために不断の努力を積み重ねましょう。
•ス・ス・メ「議会改革」実践 第8回 住民の請願・陳情に誠実に対応 県議会に要望書を提出 寺島
 市民の権利である請願書の扱いが、議会の運用によって、正確に行政に反映されるか疑問な点があります。市町村議会から県議会への請願書が要望書として扱われたとか。この様な言動に対する真摯な動きが高まることが大切ですね。
•だれのためのコンビニ 第2 高リスク・低リターンのFC契約 岩佐 和幸
 コンビニと出店オーナーの契約が、こんなに高いのには驚きます。吸い上げコンビニいなっています。
Jつうしん
 島根自治研が県政白書を作るそうです。期待します。
•史跡さんぽ41
•おいでよ32 原村 五味 武雄



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