広島自治体問題研究所
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2018年を迎えて
 

 (2018/01/05)
 
                            広島自治体問題研究所 理事長  村上  博
『2017広島県政白書 県民に寄り添う広島県政へ』
 昨年は、皆様のご協力により『2017広島県政白書 県民に寄り添う広島県政へ』を発行することができ誠にありがとうございました。格差と貧困を拡大する安倍政権と進路を同じくする湯崎県政の問題点を明らかにすることができ、前回よりも充実した内容の白書を作り上げることができました。しかしこの白書を各地域での自治研活動に生かし、広めるという点では今後に課題を残すことになりました。
広島市政白書作成年へ
 来年は広島市長選挙の年です。1月25日に第1回となる市政研究会の研究成果を積み重ねて「市政白書」を刊行し、広めますので、本年も引き続きご支援の程宜しくお願い致します。
平和・核を巡って大きく前進
 昨年は、核兵器禁止条約が国連で採択され、この条約制定に尽力した国際非政府組織ICANがノーベル平和賞を受賞しました。また広島高裁の昨年12月13日決定が、四国電力伊方原発3号機の運転を差し止め、再稼働した原発を高裁レベルで初めて止めるなど平和・核を巡って大きく前進しました。
憲法改正発議発言
 この歴史の流れに逆らって、安倍政権は1月4日の年頭記者会見における年内の憲法改正発議発言にみられるように、自衛隊の海外派兵、アメリカ軍との共同軍事行動というアメリカの要請に応えて、世界規模で活躍するグロ−バル競争国家を目指して、憲法9条に自衛隊を明記する憲法改正を企図しています。
地方自治の原理は、平和主義の原理とまさに一体
 日本国憲法の原点は、日本の植民地支配と侵略戦争の再現の阻止です。「侵略戦争を遂行する国家総動員体制の内政上の最大の支柱が、旧内務省を中心に編成された官治主義的・集権的地方支配システムであったことから、戦争をしない国家をつくるには、軍備を撤廃して戦争放棄と戦力不保持の9条を置くとともに、内務省を解体し、旧体制を復活させない地方自治の確立が不可欠だったのである。(改行)すなわち、地方自治の原理は、平和主義の原理とまさに一体のもので」す(小林武ほか編『「戦争する国」許さぬ自治体の力』〔自治体研究社、2014年〕85頁)。自治研としても、憲法改悪阻止のために微力を尽くしたいと思います。

 終わりに会員の皆様の益々のご健勝、ご活躍を祈念して、新年のあいさつとさせていただきます。

 

2018年の課題

 (2018/01/04)
  3000万人署名
 安倍暴走内閣の動きが、憲法改悪の勝負の年としており、このことに対して、市民と野党共闘がどれだけ幅広い運動を沸き起こせるか、3000万人署名の果たす役割が大きな課題です。
 

広島市政白書のねらい
 広島自治体問題研究所が、これからの大きな課題として、広島市政白書の作成を挙げています。
 このねらいはなんでしょうか。白書づくりが11回になりますが、過去1回やっていない年があったのです。
 前回、第10次市政白書のはじめには次のように言っています。
 
@ 松井自民党市政を総括しつつ、市民が主人公の広島市政を展望するものにしようと、政策提言型の市政白書づくりにとりくみました。
A 松井市政による市民生活を犠牲にした市政運営を正すという、視点があったからだと思います。
B 憲法を生かし、地方自治がこの立場で生かされること、また、広島が人類史上初めて核兵器の惨禍を浴びたヒロシマとして平和を全世界に発信することを期待します。
 C 市民としての安心・安全をしっかり守る広島市に、そしてまた、地域のコミュニケーションが大切にされる優しい「ひろしま」を目指して、一人でも多くの方とつながることを願いながら、この市政白書を活用することができれば幸いです。
 
 さて、今年のねらいをどう考えますか。
 
広島自治体問題研究所会員の増加
 広島自治体問題研究所の財政が、この間の経済的疲労により大きな赤字を生む恐れが出てきました。宅配便価格の上昇です。広島職員組合からの支援の減少など、経過的には明らかになっていたのですが、いよいよ現実となってきました。
 本気で会員の拡大と、月報の発行様式の再検討が課題となっています。
 

かき船(料亭)パンフ
「原爆ドーム近くの
  かき船(料亭)営業を許すな」発行される

 (2017/12/13)
 
 広島原爆ドーム近くのバッファゾーン内に、昨年から営業を開始したかき船(料亭)について、かき船問題を考える会・ひろしま自治体問題研究所が共催して、「原爆ドーム近くのかき船(料亭)営業を許すな」のパンフを発行しました。
 経過報告
この問題は広島自治体問題研究所では、ひろしまの地域とくらしの月報で、2015年5月号 ●料亭船(かき船)の新たな係留の法的問題点 著者 広島大学名誉教授 田村 和之を皮切りに、今日まで11回の掲載をしてきました。とつぜん感のあるこの問題には、広島平和公園内の管理のあり方、原爆ドームの世界遺産の管理のあり方から、大きな問題であると、逐次その時の状況を踏まえ報告を重ねてきました。左の「地域とくらし」の目次を添削して必要あれば広島自治研まで!
裁判闘争へ
 また、運動団体のかき船問題を考える会(2015年1月)は、この問題の発覚の時期から市民運動として、高校生や地域の人を含んで、様々な運動を企画取組み、現在裁判闘争を闘ってきました。
この裁判闘争が、2015年6月11日から開始され、この経過を広く市民の方々に、理解していただき、原爆ドームのバッファゾーン内でのこのようなかき船(料亭)営業に多くの方々の批判を集め、船といわれるのなら別の地域に移動していただき、健全な環境を、原爆ドームに取り戻すことを願っています。
イコモスの見解
 今回の裁判で、このかき船(料亭)が侵している数々の違法性を明らかにし、行政の是正を求めてきましたが、裁判所は傍聴していても、根本的なことを不明確にやりすごうそうとしておりました。このようなことが、今後ともおこなわれるならば、イコモスの見解でも明らかなように、「人類史上初めて使用された核兵器の参加を如実に伝え、時代を超えて核兵器の廃絶と、世界の恒久平和の大切さを訴え続ける人類共通の平和記念碑」として世界遺産に登録されましたが、バッファゾーン内でのこのような維持管理の問題が解決されなければ解除されるとともに、日本の平和運動の評価を世界的に下げることになってしまいます。
「鎮魂と平和への祈念の意味との深い繋がりをもったエリア」の復活を
 ぜひ多くの方々がこのパンフを読み、原爆ドーム近くのかき船(料亭)の営業を許さない、早期に撤退をさせ、8月6日の原爆被爆者慰霊祭・灯篭流しを、心から祈念できるようにしていこうではありませんか。
パンフの申し込み先
このパンフの配布については、広島自治体問題研究所でも扱っております。ファックス又はメールで申し込んでください。1冊A4版 P16 ¥300円です。
                           広島自治体問題研究所
                          FAX 082-298-204 
                          メール:hjitiken@urban.ne.jp
 

「移動性役者」と地域交通 広島自治研ブックレット7 広島県立図書館にて展示

 (2017/12/08)
 
広島自治研発行本 まだあります。
たまたま広島県立図書館に用事があり、館内入り口側に資料展示 広島県道路整備計画2016 を見ると、なんと、広島自治研ブックレット7 「移動性役者」と地域交通が、展示されていました。
 もう3年の時間がたっていますが、住民目線での編集が効いたのか、この種の関係本は多くある中から選出されています。
 今後ともこのようなブックレットが出され、評価してもらいたいものです。
 また最近の自治研から、「地域交通政策作り入門」の地域交通の本が出ています。参考にしてください。
 
広島県立図書館入口展示
自治体研究社の本

2017広島県知事選挙を終えて

 (2017/11/13)
 
広島県の自治体の役割とは何か、県民とは経済成長のみか
 11月12日広島県知事選挙が、投票率31.09%で、前回を0.88%下回り、清潔であたたかい民主県政をつくる会から出た高見あつみ候補は、71,353票、得票率9.9.%を獲得しました。
2017広島県政白書の読み直しを
 この選挙戦で、高見あつみ候補のパンフは、「2017広島県政白書」を参考に、「283万県民の願いに答える県政」の実現へ、とまとめています。
三つの転換
 @核兵器禁止条約への署名を政府にせまる知事へ、
 A中小企業・農林業・地場産業を支援し、福祉を充実する知事へ、
 B消費税10%への増税中止、9条改憲ストップ、安倍暴走政治に「物申す」知事へ、
 をスローガンに、45項目の具体的な要求政策を示し、奮闘されました。白書での原稿は32項目について論じており、改めて読み返してください。
短期決戦での知事選挙
 総選挙と連続という短期間の選挙のため、十分な声掛けも出来ない中での選挙ではありましたが、県民福祉・教育と生活を無視し、大企業や観光産業・一部の元気な人を対象にした有利な施策だけを掲げてきた湯崎知事が、これから4年間引き続き広島県政のかじ取りを行うことになり、これまでの県民の格差と貧困の被害について、私たちは声を大きく上げていく必要があります。
広島県内の状況 
 また、安倍内閣の地方自治政策は、当初の県という中間機関を廃止して、道州制への道をストレートに行うことができず、広島市や福山市の大都市を中枢都市とし周辺市町との連携枠に選択と集中政策を行い、広島県内に格差を生んできており、湯崎県知事はその方針の推進者であり、本来の県の役割を活かさず、ほんの一部分しか機能させない県知事に収まったのです。
住民自治の進歩・発展
 しかし、住民自治、団体自治の活動は、全国各地で裾の広い活動が呼び起され、市町と県の役割は、連携を取りながら、県域全体として安定した発展を望んでいます。大都市中心の政策ではなく、小さな住民自治の運営を基礎にした地域社会づくりが、これからの社会進歩の方向であり、地域循環型経済の手法を早く身に着けることが望まれています。
自治研活動の進展を
 国保、介護、医療、教育、これらの施策の推進には、住民自治組織の連携・強化と発展が必要ですし、住民の地方自治に対する考えの発展が欠かせないものです。今後とも私たちの地方自治活動の基礎である「住民自治」を広めていきましょう。
 

自治体問題研究所発行発行本の紹介

 (2017/11/06)
  広島自治体問題研究所では下記の本について、在庫を持っています。

必要な方は11月30日までに申し込んでください。

 広島自治体問題研究所
730-0051
広島市中区大手町5丁目16-18
           (パルビル3F)
電話 (082241-1713
FAX
082298-2304
Mail hjitiken@urban.ne.jp

 

2017年広島県知事選挙と広島県政白書について

 (2017/10/26)
 
  広島県知事選挙にみんな投票に行こう
 広島県政白書では、湯崎英彦県知事の県政に対して、新自由主義がこの8年間続き、広島県民の中に格差と貧困を広げてきたとの意見を出しています。
 その具体的な指摘については、白書の総論の「広島の産業・就業と貧困」で広島県経済を分析するなかで、非正規労働者の広がりと貧困層の増大が分析されています。
新自由主義県政の運営課題 
事務局として県の行政運営についての意見を挙げてみます。
 
 まず前回の県政白書で湯崎英彦さんの履歴を振り返り、今回、湯崎さんの言葉で「企業も行政も組織運営の方法は同じだという考えに基づき、県行政の運営に民間企業の経営手法を導入しました」と、「捨てる戦略」を主眼に経営資源マネジメントの紹介しています。それは、『しごとの「強化」書〜成果志向の行政経営』(広島県マネイジメント研究会編、ぎょうせい2016年)に、その手法を広島県行政運営の事例を使って説明しています。
 この本については、私たちは、とっても選択と集中という新自由主義の理論を、行政の中で貫徹するためには特異なものだと判断しています。しかし、この手法で湯崎県政の行政運営がつづき行うことの大きな問題点を指摘したいと思います。
 「揺り籠から墓場まで」=行政
 本来「揺り籠から墓場まで」を担当すべき地方自治体が、この手法でこの課題をテーブルに載せると、「捨てる」という作業が理論的に楽になり、「選択と集中」この効果が、一見数値で表される時、成果という特質で説明され、批判が出来なくなってしまいます。しかし、「揺り籠から墓場まで」の行政分野は、一人の人間の成長に例えるならば、元気の出る経済活動分野もあり、優遇されていきますが、福祉活動や周りの環境である動植物などの自然とのつながりがありますが、経済成長という視点から捨てられる部分が多く出て、一体的継続性が失われて人間の成長にいびつさが生まれてくるのです。
 
 このような手法で、広島県の行政運営を8年間行われた結果、すでに捨て去られた事象が、格差と貧困を創出させており、これらを復帰させて豊かにすることは、かなりの力が必要となると思われます。
 中央集権的地方自治運営
 しかし、この新自由主義の考えは、安倍内閣においても重宝されており、中央集権的地方自治経営を、地方創生という名目で、全自治体に従わせ、人間と自然の関係については、行政がたずさわらなくても、国民の自助での解決を押し付けています。
 県政運営の転換を
 改めて今回の白書づくりで、問われた課題は、県行政が公助・共助・自助の順番が、自助・共助・公助となっている実態を問い、地方自治のあり方を問い、私たちが主権者として、税金を出し合っているおり、この問題についてしっかりした見解を持って、今回の地方自治首長選挙と行政を点検していくことを求めていると思います。
 県民の声を大きく
 この県政白書では、地域団体から今回の県知事選挙にあたり、県民としての具体的な要求と課題・解決方向などを掲げ、県民生活全般の安定した継続性を持った県政運営を提案しています。県民に行政の透明性と、公開の原則をより一層明らかにして、民間企業では、すでに誤りと認められている成果主義を、早く広島県政から無くしてもらいたいものです。

 皆さまのご感想をお寄せください。
 

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