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12月議会最終日の反対討論 (12月17日、河村議員)

2025/01/18

昨日に続き、昨年12月議会の最終日の本会議の反対討論をアップします。
今日は、河村議員分です。


A宿泊税条例案、宿泊税基金条例案の反対討論(河村議員)

県第83号議案 広島県宿泊税条例案、県第87号議案 広島県宿泊税基金条例案について、日本共産党の討論を行います。

 宿泊税は、宿泊料金が一泊6千円以上の県内のホテル・旅館・民泊などの利用者に対し、1人200円を一律に課すもので、2026年4月以降から導入予定です。新たな税収は年間23億円を見込んでおり、目的税として、その財源は観光振興に充てるとしています。しかし、以下の点から認められません。

1つ、県民への新たな増税になります。そもそも必要な環境整備は一般会計で行うべきであり、安易に目的税をつくるべきではありません。

2つ、観光のためとしながらもビジネスなど、観光以外の宿泊者にも税金を課すことは、目的税の内容からも逸脱します。

3つ、県民合意を得ていません。パブリックコメントで県民の意見を聴取したとしていますが、コメントができる期間はわずか1か月間で、意見提出はたった17人でした。多くの県民が宿泊税の内容について未だ把握していません。また、県が宿泊事業者へ行ったアンケートの回答率はわずか28%です。宿泊事業者の税の申告納入手続きや経費の負担軽減策は決まっておらず、県民・事業者の理解と合意を得ているとは到底言えません。

4つ、宿泊税の使途が曖昧なままです。観光に関連する新規・拡充事業を主な使途要件としていますが、「観光のため」と言えば、何にでも使える可能性があります。目的税でなければならない理由が不透明なままです。

5つ、徴収した税は県から県内市町へ配分するとしていますが、配分率や額などはこれから検討します。観光施策に取り組む自治体、宿泊利用者の数に応じた配分となれば自治体間の不公平感を生み出しかねず問題です。

6つ、課税免除対象は、学習指導要領に定められた修学旅行や野外活動などとしていますが、朝鮮学校は免除対象にはなりません。朝鮮学校は学習指導要領にそった学習を行っており、免除対象から外すことは「人種・信条・門地によって教育上差別されない」とする教育の機会均等に反します。

7つ、議会での審議が不十分なまま上程されました。この議案は、DX推進・行財政対策特別委員会に突如付託されました。県民への新たな増税となる案件であり、本来なら、宿泊税を導入している自治体へ調査に行くなど、議会として慎重な議論を積み重ねるべきにも関わらず、採決に持ち込んだことは大きな問題であり、到底認めることは出来ません。差し戻して、議論をし直すべきです。

以上の理由から、宿泊税の導入は認められません。よって、委員長報告に反対を表明して討論と致します。


B新病院建設、刑法等の一部改正による条例改正、手数料条例、請願4本の討論(河村議員)

 日本共産党の河村ひろ子です。党県議団を代表しまして本議会に上程されています、議第84号、85号、86号、88号、89号、90号、95号、97号、113号および114号について反対の立場から、請願6-3から6-6までについては採択すべきとの立場から討論を行います。

 今議会には、2025年度から、県立広島病院、県立安芸津病院、二葉の里病院を地方独立行政法人で運営をするための「中期目標」など6件が上程されています。2030年の開院を目指す新病院の建設費は物価高を受け当初計画の1400億円を大幅に超える事が懸念されます。
 また、独法化によって経営の効率化が追及され、中山間医療、小児周産期医療など採算性の低い政策医療が切り捨てられる可能性があります。また、高度医療の提供は医療現場の過密労働をもたらし人手不足が加速化する危険があります。県民の命を守るためには公的病院を堅持するべきです。
 「病院削減で、断らない救急が本当に可能なのか」「緩和ケア病棟を残して」という、住民や医療関係者の疑問や切実な声に県はまともに応えていません。統廃合前提の新病院建設と独法化は認めることはできません。

 県第89号議案は、刑法等の一部改正により関係条例を整理しますが、次の問題があります。これまでの懲役刑と禁錮刑を廃止し、新たに拘禁刑が創設されました。
 懲役は、刑務所における作業を義務付けますが、禁錮刑は義務付けていません。ところが、同法の一部改正によって新たに創設された拘禁刑は、全ての受刑者に対して作業と指導を義務付けます。
国連社会権規約委員会は日本に対し、刑としての強制労働の廃止を勧告しています。受刑者の自発性、自律性、尊厳を尊重せず、懲罰の威嚇の下に改善更生を行うことになり反対です。

 県第90号議案の手数料条例の一部改正は、運転免許証を更新する際、マイナンバーカードと連動させれば、更新手続料がこれまでの2500円から2100円と400円安くなり、従来の運転免許証にすれば350円高くなります。
 毎年約40万人の県民が免許更新を行っていますが、県の想定では3%の人しかマイナンバーカードに連動させないと見込んでおり、免許更新者の大多数が料金の引き上げになります。マイナンバーカードの利用はあくまでも任意であり、手数料に差をつけるのは問題です。

 請願については、選択的夫婦別姓導入と、1歳児の保育士配置基準の改善の意見書を求める請願、すべての子ども達にゆきとどいた教育を求めるなど、4つの請願が寄せられました。
 世界では夫婦同姓を強制しているのは日本のみです。世論調査では7割の国民が選択的夫婦別姓の導入を希望しており、日本も民法改正を急ぐべきです。また、2024年度から3〜5歳児の保育士配置基準が改善されましたが、1歳児は拡充されていません。子どもの命を守り、子どもの最善の利益を保障するには、配置基準の改善は早急に行うべきです。

 県独自の返済不要の奨学金制度の整備・拡充、35人以下学級の実現、給食費の無償化、年収590万円以上の世帯も私学助成の対象にする事などを要望されていますが、当然の願いです。
 すべての子どもが等しく教育が受けられるよう広島県議会として請願に採択するべきであります。

以上述べた理由により、委員長報告に対して反対の討論と致します。





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