6月県議会最終日の7月1日、日本共産党の河村ひろ子県議は本会議で反対討論をしました。その討論を紹介します。
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日本共産党の河村ひろ子です。党県議団を代表して6月定例議会に提案されています県第66号議案「指定都市高速道路の整備計画の変更の同意について」は反対の立場から、請願7-1「家族従業者の働き分を認めない所得税法第56条の廃止を求める意見書の提出を求める請願」について採択するべきとの立場から討論を行います。
県第66号議案については、広島高速5号線に関わる事業費を150億円増額し1439億円にするため整備計画を変更するものです。
その内容は、5号線の本線や連結路の建設資材費の高騰78億円、牛田地区の家屋事後調査等に26億円、橋梁の構造変更等32億円、5号線の安全性向上等に18億円それぞれ追加します。
これまで、シールドトンネル工事に必要不可欠のセグメント代が含まれていないずさんな契約により事業費が87億円も増額されるなど、700億円程度だった5号線の事業費は約2倍に膨れ上がっています。また、度重なるシールドマシンの故障、騒音や振動など住民に多大な影響を与えました。さらに、国の建設工事紛争審査会で結論が出なかった工事の延期請負額の増額分の取り扱いについても課題は残されたままです。
広島高速5号線整備事業は、必要性・安全性・採算性の面からわが党はたびたび事業の中止を求めてきました。不要不急の事業は賛成することはできません。
次に、請願7-1家族従業者の働き分を認めない所得税法第56条の廃止を求める意見書の提出を求める請願については、以下の理由で採択するべきと考えます。
所得税法第56条は、「配偶者とその家族従業員の働き分は必要経費に算入しない」とされており、白色申告の場合、中小・小規模事業者の働き分・労賃として事業主の所得から控除される額は、配偶者で86万円、その他の家族では50万円だけです。そのため、事業主は当たり前の経費が控除できず、大きな負担になり後継者不足に拍車をかけています。家族従業員の社会的地位も人権も認めない所得税法第56条は多くの不利益を与えています。
そもそも56条は、戦前の封建的な家父長制の名残と言われており、女性の賃金は家計の補助的な扱いにしています。国連の女性差別撤廃委員会は、「女性の経済的自立を事実上妨げている」と指摘し、日本政府に対し所得税法の見直しを勧告しています。 イギリス、フランス、ドイツなど世界の主要国では、配偶者や家族従業員に支払う対価は、必要経費として当然認められており日本は大きく立ち遅れています。 家族従業員の「働き分が認められる」ことは、労働が正しく評価され、女性労働者への不当な賃金差別の是正につながります。人間らしく生き、働くための労働条件や社会保障制度の確立に向けたルールを国際水準に引き上げることがいま強く求められます。 広島県議会の総務委員会では県民の切実な願いに背き継続審査にもせず、即不採択としました。しかし、所得税法第56条廃止を国に求める意見書採択は、全国572地方議会に広がり、広島県内では広島市をはじめ8市5町で採択されています。よって広島県議会においても本請願を採択するよう強く求めまして日本共産党の討論と致します。
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