広島県議会でで、日本共産党の辻つねお議員は、福山、府中両市の二つの障害者就労継続支援A型事業所で昨年11月に利用者や職員が大量に解雇された事態をめぐり、再発防止の体制を強化するよう求めました。 A型事業所は、障害者と雇用契約を結んで最低賃金を保障し、職業訓練などの障害福祉サービスを提供して一般就労への移行を支援しています。
今回の事態は、福山市に拠点を置く一般社団法人「しあわせの庭」が昨年11月17日に経営破たんし、利用者106人と職員29人を一斉解雇。10、11月分の給与や解雇予告手当が支払われないなど重大な事態があり、県障害者自立支援協議会が今年1月に事態を検証するワーキンググループを設置し、今月6日に再発防止策をまとめました。
辻議員は、県が管轄するA型事業所が4年間で300カ所から429カ所に急増しているにも関わらず、指導監査にあたる職員数は6人のまま増えていないことを重視。「事業所の増加に指導体制が追いついていない。再発防止のためにも指導監査にあたる職員を増やすべきだ」と要求しました。健康福祉局の田中剛局長は「ゆゆしき事態だと認識している。国は検証中であり、その中で体制の問題も考えていきたい」と回答しました。
さらに辻議員は、解雇された利用者106人の障害種別うちわけで身体障害と知的障害がいずれも25人(23・6%)に対して精神障害が56人(52・8%)と過半数を占めていることを重視。「利用者は精神障害が一番多く、人間関係の調整などのために障害特性の理解が必要だ」として、事業所に精神保健福祉士などの資格者の配置を義務づける▽管理者に障害福祉の理解を深める定期的な研修の実施を求める―ことを要求。障害者支援課の岩崎和浩課長は「研修を通じて質を向上させたい」「福祉や経営に目が届く人に参入してもらいたい」と答えました。
また辻議員は、「障害福祉サービスへの参入資格を社会福祉法人以外にも緩和し、営利目的の業者が参入できるようになったことが根底の問題であり、このことについて触れていないが、検証がいるのではないか」と質問。岩崎課長は「障害福祉サービスの拡大に一定程度効果はあったが、歯止めを考えることも必要」との認識を示しました。
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