広島自治体問題研究所
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広島県教育行政を考える学習・交流会
ー県教委「官製談合」の幕引きを許さない、国・文科省による地方自治体コントロールもさせないー
 

 (2024/04/09)
 
DL:179.docx

(教育長問題テープ起こし作業田村先生今谷さん修正.docx)
62651バイト
日時:2024年3月17日(日)13:30〜16:00
会場:ゆいポート研修室2
 で、広島県の教育長交代にあたり、問題点の懇談会が、報告者:藤井とし子県会議員、 コメントテイタ―田村和之広大名誉教を中心に行われました。今までの広島県の教育委員会の在り方をふりかえるとともに、新しく赴任される方に望む県民の声を聴く体制づくりの刷新が議論となりました。
 日本の教育の管理教育の元である、広島の実態を良く知り、これを改善する取り組みが、述べらました。
 参考になれば、読んでください。また録音テープ・レジメがありますので、必要であれば申し込んでください。なお以下の文章は事務局の責任で更生していますのでよろしくお願いいたします。

広島自治体問題研究所 主催者あいさつ
 教育行政の目的は、子どもたちが個人として尊重され、その健全な発達を保障するための教育条件を整えることではないでしょうか。
 今日は、県会議員の藤井敏子議員の報告をいただき、その具体的なところを皆さんと共有しながら、その問題点を追って行き、田村名誉教授に法的な具体的なところを学習し、皆さんとともに、この問題点を明らかにし、今後さらなる運動を発展させて頂きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

藤井敏子県会議員報告
 議会で、共産党の辻恒雄議員が最初に質問をしてきました。昨年私が6月議会から文教委員になって、早速これを取り上げてきたわけですけれども、キャリアリンクの契約と、図書館リニューアルの赤木寛子さんの分も、内部調査で問題なしと、議会に報告されておりました。議論が既に終わっており、平川教育長は給与3割2ヶ月分の自主返納で幕引きをされようとしていたときでした。法違反が指摘をされながら、なぜやめないのか、自主返納で県民は納得できていない私は取り上げてきました。実際は市民の運動が、再任を許さなかったというのが実態ではなかったと思うのです。
県知事湯崎英彦はどんな人
 広島版学びの改革アクションプランというのを2014年12月に打ち出しました。グローバル化する21世紀の間、社会を生き抜くための新しい教育モデルの構築を目指し、人材作りで、人の教育じゃなくて人材、本県が更なる成長が持続発展を遂げていくような教育が必要だということです。
・平川理恵 教育長2017年から2期6年をどう見る
 2010年全国で女性初の公立中学校の民間校長に就任し、同志社大学を出て、教育免許を持っていないわけ人にもかかわらず、湯崎県知事が、目をつけて広島で教育改革を進めてほしい、言いたいことをはっきり言える教育現場を教育委員会に、組織風土を変えてほしいと言われたという。
・ 教育行政のあり方、子供の教育を受ける権利とか、成長発達の保障と教育行政機関、教職員の専門職としての存在、教職員の集団として、検討をよくするような、そういう雰囲気が本当にあるのかどうか。
・ 教育としての教育委員会の独自性・地域の声、一般的なしっかりとした広島県の教育委員会としての役割を果たした行政ではなかった。
・ 民間企業の社長の感覚で、教育事業の民間委託契約が一気に増えた、教育長として、教育行政を私物化し現場を混乱させた。というこの責任は重大だと思います。
・ 湯崎県知事のもとで一緒に新自由主義の教育改革を進めたが、経済界が求める人材育成、トップダウンで進め、教育現場が求める民主的な改革という視点が本当にない。
・ 職場の風土問題については、1998年の文科省の教職員に対する徹底的な是正指導が効果を上げてきた、それを本当に切り替えることが私は今問われているのではと思うのです。
・ 職員会議が全く職員会議になっていない、校長の伝達機関になっているというのも聞きますし、教育現場には自由がない、こういうことを本当に変えるという改革が私は必要かなと思います。
・ 憲法とやっぱり子どもの権利条例が活かせるこういう教育を実際できるようにするのが、本当の教育行政の仕事だということを最後に申し上げまして、報告を終わります。
参加者Bの発言
・ 藤井さんが今のお話の中で、是正指導から紐解いていただいたのですけど、広島県の教育行政というのをずっと見てきた時に、変な言い方しますけど、まともな時期があったのか、というとそんな気がします。
 8者合意など、学校現場で差別事件があったら、運動団体との連携で解決するのだとか。いうようなことが、いろんなことが結ばれているような感じで、わかりました。解放教育と一体になっている教育行政はやっぱり転換するという明確な意図を持って、5人が配置をされて、3年間頑張った成果であると報告書が出した人が、文部省初等中等教育企画課長のポジションにつき、全国の教育委員会に、広島と同じような教育行政をやるのだっていうことで、指導徹底を図って、最初にやったのが、教職員の夏の長期休業期間の研修を、奪うことでした。
・ 解同を潰す解放教育をターゲットにしながら、国なりの、教育行政を作る動きで、広島の教育を徹底して国準拠で管理統制を目指す動きだったのです。
・ 今回平川さんが、湯崎知事の意向を受けて、さらにやっぱり管理強化や、あるいは新自由主義の教育行政を入れるという、そういう役割を果たしてきたと思うのです。その中には、今の日本の法律をどこまで考えるかというのはあるかもしれないけども、今の法体系からしても、許されない部分がやっぱりだということを、我々はやっぱりきちっとしたいと思っているのです。その一環が裁判であって、官製談合防止法違反だというふうに指摘をされていることだから、刑事告発もそういう一環としてやったわけです。
・ 私達が求めてきた全容の解明と、責任の明確化というのを引き続き運動で強めながら、やっぱりこういうことを許さない教育行政にどうしたらいいんだという展望が作れないかなと私は思っています。
田村和之広大名誉教授の発言
・ 広島自治体問題研究所が毎月発行している月報「ひろしまの地域とくらし」に書いたものを2点、配布してもらっています(NO.459号、473号)。参照してください。


「憲法・地方自治法75年、地方分権改革22年」
・ 憲法と地方自治法は同じ日に施行されているんですね。それから地方分権改革というのが、2000年の4月にスタートしました。これは大改革だったのです。憲法で地方自治の原理が保障され、戦前、中央集権的な天皇制国家の地方行政のあり方が、根本から引っ繰り返されるはずだったのですが、実態はたやすくは変わりませんでした。70年、80年経った今も、中央集権的な地方行政の支配・統制は変わっていません。その手法がいくつかあります。
・ 一つは人事です。平川教育委員長について言えば、文科省は一昨年、官製談合疑惑が明らかになった時点で、この問題にも着手していたと思います。文科省は辞めさせろ、後任は文科省から派遣すると圧力をかけたと推測されます。湯崎知事が「抵抗」して、任期満了まで引きのばしたということなのだろうと思います。しかし、これ以上は抗えないということで、文科省派遣を受け入れたということです。
・ もう一つの中央統制やり方として、財政統制です。教育行政にもかなりあり、たとえば教職員人件費の国庫負担というのがありますが、国からこのお金をもらうと、国から使い方に条件が付けられ、その通りに使わなければならないこととなります。
・ 機関委任事務制度というのがあったのですが、これは2000年の地方自治制度の大改革で廃止になって、いい方向へ向かうのかなと私達は期待したのですけれども、衣替えして導入された法定受託事務が、結局のところ、機関委任事務と同じ状況を呈しています。
このたび、広島県教育長で、文科省による人的支配が復活します。これにより国の教育行政統制が強化されるのは目に見えており、現場は身構えなければいけないと思います。

・配付資料のもう一つは「教育長は教育行政の独裁者か」です。
・ 2022年12月の初めに、県教委自身が委嘱した弁護士グループの「調査報告書」は、官製談合防止法違反の疑いがある、つまり犯罪行為の疑いがあるという指摘をし、また、その他に地方自治法違反の契約が2件あるとする、重大な報告が出ています。しかし、12月県教委会議でも、1月も2月の定例会議でも議論されていない。どこを見ても載ってないから県教委は何しているのだと藤井議員が質問したら、実は臨時会(秘密会)で、人事案件として議論しだけで、教育行政がこの官製談合により歪められていたことについて何も議論していないのです。
・ 教育委員会の本来権限を教育長に委ねると、教育委員会の規則に定めているのですが。場合によってはその権限についてきちんと監督ができると規則には書かれています。ところが、教育委員会は規則に定めた監督権限を行使しようとしていないのです。そういう教育委員会とは、いったい何をやっているんだ、言いたくなります。
・ 最後にお願いですが、教育現場にいる教職員がもっと県民に対し教育のことをアピールしてほしい。情報を知らせてほしい。親に知らせてほしい。親でない市民・県民にも知らせてほしい。新聞やマスコミは話題性のある事件は報道しますが、いわゆる事件になってなければなかなか報道しないという傾向ありますから、現場にいる教職員がもっともっと私達にいろいろな情報を投げかけていただきたい。私たちの反応は鈍いかも知れませんけれども。

参加者E の発言
・ 官製談合疑惑の訴訟は、判決が出た場合とかには、刑事罰とかが課せられるのか、あるいは、民事訴訟のなどのように、損害賠償というか、例えば公費の濫用であるというので、県民に返しなさいということが行われるようになるのでしょうか。どういう訴えで、裁判を損害賠償で請求しているのか、あるいはあの刑事罰も課しなさいという、訴えになるのか、その辺教えていただきたいのですけど。
田村和之広大名誉教授の発言
・ 官製談合防止法8条違反は刑事事件として取り上げられ、検察官が捜査を開始しました。平川教育長は容疑者(法律用語は被疑者)ですが、被疑者が多数いるとのことですから、県教委の中の他の職員も被疑者になっているし、パンゲアの関係者も被疑者になっている可能性があります。検察官が起訴をしないと刑事裁判になりません。刑事事件として起訴になるかどうかは、予断を許さない状況です。
・ 損害賠償というお話がありましたが、住民訴訟(行政訴訟)を去年提起しています。3月末には3回目の口頭弁論が開かれるのですが、住民訴訟は、平川氏などが違法に3000万円を超える調査費を支出した、あるいは、違法な契約で、全部で2600万円余り、合計でさしあたりパンゲアと違法な契約を結んで、広島県に損害を与えたから、損害を与えた責任者である平川氏などは広島県に賠償をせよという形の裁判になっています。この住民訴訟は、提訴して1年近くになろうとしているのですが、まだ入口のやり取りになっています。被告側は、公費の支出の責任者は教育長あるいは知事でないと言って、訴えの却下を求めています。
・ なお、住民訴訟というのは、地方自治体の公金の使い方などが違法であるとか、あるいは適正でないということで、監査委員に対して住民監査請求をし、これが却下された後に提起する訴訟です。当該地方自治体の市民・県民であれば1人でも複数でもできます。これは、地方自治法が特に認めている特殊な裁判の仕組みです。

参加者Fの発言
あの素朴な質問なのですけど、三つほど言います。
・ 一つは、平川氏が辞めてやめて広島県の教育行政はこれからどうなるのだろうかということが、結局もうそこへ関心が行くわけです。平川理恵さんは、やってきたことは、これは文科省がこれからやろうとする教育を、少し早取りするというか、先取りするようなことをやったということなのか、いや、そうではなくて、いわゆる湯崎知事を一つの考え方というか広島県版の考え方としてこの人間に、やらせてみようじゃないかと。
・ 次の教育長来たら、やり方変えるから中身を変えるかどうか、そこが我々県民というか、住民としてはちょっと、今の時点では知りたいところなんですよね。
・ なぜ解放教育が、広島県行政を乗っ取ることができたのか。そこのところが、我々が認識としてはっきり持たないと、結局ここから何も学んでないみたいな。
歪んだ教育行政がまかり通っているというわけですから、それをある意味少しでも正す、その力というか権限というか、それはどこなのだろう。本来なら教育委員会が。

参加者Bの発言
・ Fさんのご質問というか、疑問にも多少答えながらと思っているんですけど、今の文部省というか教育政策の一番強化、強調されているというか、ポイントに置かれているのは、2006年に変えた教育基本法をどうやって、具体化をして浸透させるかと。ここに全てがあるのだと思うんですよ。それまでの教育基本法を変えるまでの教育行政というのは、まともだったか、いやそんなことはなくて、多分、私達がずっと憲法・教育基本法に基づいて言ってきたけども、その憲法・教育基本法に基づいて日本の教育が行われたのは、おそらく5年くらいと思うんですよね。全体から言えば、アメリカの占領政策の転換から始まって、護国神社の方に銅像が立っている池田勇人さんが、まだ総理大臣になる前にアメリカに行って、ロバートソンというアメリカの高官と会談をして、日本には愛国心の教育が必要ですよねという合意をした。その頃からね。ずっとやっぱりやられてきたと思うのです。学校や地方教育行政は、それに対して、良心的に抗してきたと思うのです
・ 新しい教育長がおいでになって、部分的には平川さんの路線を言うけども、その本質はやっぱり文科省が今進めようとしている、教育のあり方、学校のあり方を、あるいは子どもの見方をどうやって、広島で具体化をするのか、彼なりにやるというだけの話だと私は思っています。
・ 解放教育を使って、教育や教職員を管理統制するのに好都合だったから、解放教育をやってきたのですよ。なぜ乗っとることが出来たのかじゃなくて、うまく利用してきたと、いうことだと思います。
・ 昔、教育国民大運動とかというので、教職員組合がしゃかりきになって、地域で、映画・親子映画を見る会をやったり、教育懇談会をやったり、そこで出された意見を校長先生との懇談する中で、反映をさせたり、そういうことをずっとやって積み上げてきたわけです。私は、学校や教育の今後を考えるときには、そこを取り戻すしか、ないのじゃないかと思っているのです。
・ 長野県に教育長が、派遣されたことがあるのです。どんな力かっていうと、保護者と一緒に学校を考える力です。長野県の高校は、地域高校というのがものすごく定着をしていて、地域に根ざす高校をどうやって作るかというのに立脚点があって様々な運動がやられています。長野県では今でも、PTAと、校長先生と、その学校の組合の分会が、3者連名の教育要望書を毎年教育委員会に出すのです。そういう教育運動をずっと積み上げてきているのですよ。その教育要望にはうちの学校の教育をこんなふうにしてほしいのだということと、そのためにもこういう校舎を作ってほしい、この校舎を改めてほしいとか、一期で止まりました。

田村和之広大名誉教授の発言
・ 教育委員会は地方自治体の教育行政の最高意思決定機関です。教育長は、教育委員会議で決定されたことを実施する機関です。ところが、教育委員会は自ら決定すべきことを教育長に丸投げし、本来みずから決定すべきことを決定していません。
・ 市民・県民が結束し、力を一つにして追求していくしか手はないと思います。署名や請願運動をやって、その問題を広く共有をする、そういう努力をするしかないと思います。

藤井敏子県会議員
・ 文科省の独立性も必要だし、各教育委員会の教育委員会の独立性、自治というのが本当に必要だし、やっぱり職員が生き生きと、ちゃんと教えられるという。そういう教育環境は職場が民主的にできるような、私はそれが本当に今必要じゃないかなと思います。が、難しいだろうと思うのですけども、それを目指して、私も議会で、頑張りたいと思います。はい、以上です。




 
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(田村先生のレジメ資料.docx)
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(広島県教育の問題藤井敏子.docx)
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