広島自治体問題研究所
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『定住自立圏構想』とは 
中国ブロック交流会第2弾

 (2016/11/21)
 
中国地方での定住自立圏構想策定市位置図
平成大合併→定住自立圏構想→連携中枢都市圏構想
                                            →道州制
 
定住自立圏構想はなぜ生まれたか
 定住自立圏構想推進要綱が2009年4月1日から実施されていますが、この構想は、平成の市町村合併を通じて300基礎自治体に集約する目標がとん挫したことから生まれました。
 強制的な合併に変え、地方の緩やかな連携を多様に作り上げることを当面の目標にし、最終的には「国のかたち」に関わる都道府県の廃止を前提とする道州制の導入を推進する政策です。しかし、この構想は都道府県によって事業の取り上げ方が偏っています。
地方創生と経済対策として進化
 一方、連携中枢都市圏構想は、経済策としては成長戦略(アベノミクスの第3の矢)の一環として、「連携中枢都市圏構想推進要綱」が2015年1月28日策定され、連携中枢都市圏形成に係る連携協約を締結することによって、国の成長戦略実施のための体制整備を効率的に成果を上げるために、政府が支援地域を選択して、財政と政策を集中させる施策を講じてきました。
全国の状況
全国の取組状況は、○ 定住自立圏は130市が中心市宣言済み。○ 112圏域(476市町村)で定住自立圏形成協定締結又は定住自立圏形成方針策定済み。○ 104圏域が定住自立圏共生ビジョン策定済み。です。
中国地方の状況
 中国地方では、定住自立圏関係では、鳥取市(岩美町・智頭町・新温泉町)、米子市・松江市(境港市・安来市)、倉吉市(三朝町・琴浦町)、浜田市、出雲市、益田市(津和野町)、備前市(赤穂市・上郷町)、庄原市、山口市、萩市(阿武隈町)、長門市が定住自立圏ビジョン策定済みで、津山市、三原市が中心市宣言のみ行っています。中心市:14、関連市町:11となります。

また中心市要件を満たす市は、岡山市、府中市、三次市、宇部市、下松市、周南市です。福山市、広島市、下関市はすでに連携中枢都市宣言を行っています。
従って、新たな圏域に含まれ再編に関与する市町は、中心市:17、関連市町: 55となっています。中国地方107市町村のうち、67%の市町村が現在関係しています。
 なお、「定住自立圏共生ビジョン」に基づく取組に伴う財政需要について、一定の財政措置を講じています。
対抗軸は、
 ・連携中枢都市圏構想と定住自立圏構想が、道州制の準備としてあることから、これに対抗するためには、地域再生を、地域経済を現に担っている現存の中小企業や農家、協同組合の投資力を高める(岡田)ことに努めることが大事です。
・憲法上の観点から
・これら構想が最終的に求めているコンパクトシティーに対する対抗する理念として、行政の公共性(存在理由)(室井力)である、公共性の3つの基準として、憲法における人権尊重主義、民主主義および平和主義を掲げることが出来ます。
 それぞれは
@人権尊重主義は公共性の実体的価値的側面
A民主主義は公共性の手続的制度的(技術的)側面 議会制民主主義、地方自治等
B平和主義は平和に生きる権利=平和的生存権という実体的価値的公共性である と同時に、平和的生存権保障のための手続的制度的公共性(戦争の放棄)をも具現することとなります。
今こそ都道府県の役割を重視しよう
 現行憲法の保障する地方自治を実現するためには、地域で暮らす住民の生活から出発する市町村自治の保障から広域へと視点を拡大していく都道府県論が重要です。
ステップ1
 都道府県は、市町村が広域行政の要請に応えて過度に広域化することを防止し、市町村の役割を補完することによって住民自治を最もよく体現した基礎的自治体としての規模の適正さを確保するという役割も担っています(地方自治法2条15項)。
ステップ2
 そこで、市町村間の協力・共同を通じて住民の権利・自由を保障する民主的な自治体間の共同処理を対案として提起することが求められています。
ステップ3
 まず、市町村における住民自治を保障するために、小規模な自治の単位が確立されなければなりません。市町村間の連携については、連携する各市町村の規模の大きさに関係なく、それぞれの施策が尊重されなければなりません。
ステップ4
 それを前提にして、都道府県による市町村自治支援機能が強化されなければなりません。これらの広域連携の積み重ねを通じて、自治の総量の拡大を図る自治の実践が期待されるのです。

以上、総務省ホームページ、村上博レジメを参照しました。
定住自立圏の概要(PDF)
全国の定住自立圏構想の取組状況(平成28年10月1日)(PDF)
定住自立圏構想推進のための地方財政措置について(最終改正平成28年11月4日)(PDF)
                    文責:広島自治研事務局
DL:34.docx

(想の取組状況.docx)
2225485バイト
DL:34.docx

(2015年 村上先生 レジメ.docx)
57120バイト

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