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2023年3月号読者ノート
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(2023/02/24)
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特集:農と共にあるまち―生態系をいかした持続可能な農業 生態系の一部である人間として、食糧問題がいのちに直結する以上、食料精算を担う農業のあり方に寄り添い、持続的な発展について考えます。 目次 ◆新春対談 岸本聡子氏(東京都杉並区長)/中山 徹氏 「参加」をキーワードにまちづくりを語り合う 今回新しく杉並区の口調になった岸本房子さんの話は、ヨーロッパでのシンクタンクで過ごされた経験と、日本の杉並区民の気象をよくご存じであるように感じました。直営化民営化をシンプルに分けた仕方をしない、そこにいる働く者、子どもを預けている保護者、自治体職員の声を聞き判断することが大切だと。ヨーロッパではグローバル企業が多く、日本はまだ社会福祉事業団みたいな組織が多くこれとの連携が取れると言っています。❹こマで、自治体が、自分たちの地域の中で何が一番合っているやり方なのか選択できない。民営化さえすればうまくいく、という乱暴なともいえる前提で押し付けられて、しかも線引きは附いても全然議論できなくなっているこの指摘は本当に大事だと思います。 一方地域サービスは市民が協力しながら作っていくとのやり方で、情報公開して、みんなで意見を出し合って時には手足を動かしてよりよくしていくと言ことが必要で、そのやり方の選択肢は無限にあるそうです。 「公」を行政だけが担うものとせず、もっと広くとらえて、そうした力を街づくりや地域の課題解決に生かすことを前提にデザインしていく。 また市民参加型予算」と「地域化課」が述べられています。住民が提案する、選ぶ、そして執行される、それが地域に戻ってくるという、住民の地域に対するオーナーシップだとか、自治体に対する信頼が高まっていくことが大事である。 かっての「自治のゆりかご」という考えは、現代に働いている世代にはあまり受け継がれていないと思います。だからこそそこは新しい魅力を発信していかなければならない。市民のニーズを把握してそれにぴったりと合った政策をする、それが「地域化」だろうと。大学が多くあり、「気候区民会議」などを開いているようで、専門家が直接審議会に出られていますが、キャリアを積むためにトレーニングのチャンス、いろいろな仕事をやるチャンスを若いうちから重ねていくことが管理職の役目だと、公務員として誇りと自信を持ちながら、地域社会にどうなってほしいのか、余裕があって創造力の生まれる公務員になってほしいと訴えられています。 ◆連続企画 「新型コロナ」から日本の社会を考える 第 31 回 コロナ禍で顕在化したDV─支援の現場の「今」 岡村 晴美 コロナ禍ので、ステェイホーム、在宅ワーク、学校休校等を余儀なくされ、DVを受ける被害が増加し、2020年度のDV相談件数は、過去最多の19万30件を記録し、2019年度の1.6倍になっています。DVになり離婚となりすぐ慣れない環境、子どもの教育のためにはしがみつかないければいけない状況にあることを、私たちが知っておかなければならない。DV被害者のおかれた現状について、そして、支援者に対する誹謗中傷について、どうか関心を持ってほしいと思います。 ◆直言 まちの財政を身近なものに 財政勉強会のネットワークを 内山 正徳 財政は首長のものではない、国と自治体との関係等々、課題が並べたあり、難しそうと食べず嫌いが多いいようですが、理解が深まるともっと楽しいものになるようです。「街の財政を身近なものに」を旗印に自治研ネットワークを作ろうとの名呼びかけです。 ●特集● 農と共にあるまち ─生態系をいかした持続可能な農業 農がこんなにも減少して日本人の食料はどうなるのか心配です。農の社会的機能を維持するためのコミュニティーを作り地域の環境と循環を守ることが必要。生体系の一部である人間という意識を感じます。 三重の危機に直面する日本の食と農 清水池 義治 食料輸入、日本農業の縮小・解体、農業政策の3つの観点から。 食料輸入の不確実性が数値としてカロリーベースで、2021年38%の自給率をみんながどう見るのか、輸入されてきたものを耕地で測れば、推定1200万haで、日本全体面積460万haの3倍です。食料輸入なしでは現在の豊かな食生活は成り立たないのです。 また2007年の食糧危機以降の価格の高止まりが今後も続き、途上国の経済発展による需要増加を受け、2030年にかけて名目価格は穏やかに上昇が続きそうです。 @@[1農業の実態] 一方、食料自給を担うべき日本の農業は縮小・解体が進んでいます。表1を参照してください。 今酪農農家の衰退は激しく、所得で見れば、2021年から2022年度にかけて一挙に半分以下になり、かなりの割合の経営が赤字に転落すると思われます。このような危機にあるにもかかわらず、1961年に制定された農業基本法は規制緩和などを行う新自由主義化により「無効力化」されています。そもそもアベノミクス農政改革の対象は日本農業のセーフティーネットの破壊にありました。日本の食と農をどうするかというビジョンを実は持っていなかったのです。経済成長や技術革新のための手段にすぎず、農業の現場実感と乖離した不毛且つ有害な、市場競争を万能と考える新自由主義から決別が必要です。 新しい農業政策の核は、@食料自給力向上による食糧安全保障の長期的確保、A食と農における環境保全と気候変動への対応、B農村地域の社会経済的基盤の強化の3点と考えるようです。 都心への一極集中から地域での農業へ─循環型地域社会の再生こそ 長谷川 敏郎 農業をどう見るのか、工業的農業の行き詰まりは、人類の未来に深刻な影響を与えています。アマゾン流域に開発で未知のウイルスの発生が起きているなど、大きな問題を起こしています。長谷川さんは島根県の山村で農林業を営んで、自宅では農作業とテレワークとリモート会議の連続の中で、生態系と持続性・循環を求めるアクロエコロジーの探求を行っているそうです。日本食糧危機と農業危機が同時振興している「日本から酪農・畜産の日を消すな」の運動が広がっています。まさに農地の減少は最高時(1961年)に比べ200万ha減少し3分の2になっています。ゆがんだ日本農業に市場原理主義=新自由宇主義政策を持ち込み、「成長産業化」、「儲かる農業」政策でさらに農村と農業の破壊を加速させてきました。これに代わる「アクロエコロジー宣言」が農民連から出されています。*農民連第24回定期大会議案(2020年12月03日)ではアグロエコロジーについて「環境に負荷をかける化学肥料や農薬を減らし、作物残さなどを再利用し、自然の循環を促進する環境にやさしい農業と食のあり方」と定義している。地方自治体での様子は長年国の農政の下請けにされ、その時々の政策に振り回され行政として正しい判断として実施したことが時代の積み重ね中で「合成の誤謬語病」が生じ、まさに現在の地域農業の衰退はそれに当てはまるものですね。何よりも食料とエネルギーは住民生活と地域産業の基盤でこれを抜きにした「住民福祉」などありえないのです。 デジタル化は日本農業の救世主となるか〜その恩恵と限界を考える 行友 弥 DXという名の根本的行先はどこなのでしょうか、特に農業関係でのこのÐXは、さまざまな技術開発を生むことになるでしょうが、農業は多様な生態系を支え、人と自然が出会う場でもあります。このことを根本的に抑えていかなければ、技術者の自己満足や机上の空論に陥るリスクが伴います。住民が総出で定期的に草刈りをし、用水路にたまった土砂や落ち葉を掻きだしていますが、このようなコミュニティー機能をどう育成するか、ことなくして、DXで変わることが出来ないことを肝に置いていきたいものです。そのための予算の削減は許されません。 「有機農業公園をつくろう」身近な農の風景で食と農をつなぐ 久保田 裕子 有機農業公園が足立区に10年前から存続していることに驚きを感じました。この運営が広く各地に広がらないのはなぜでしょうか。ここに挙げられた運営の実態が広がることは農業の進化に少なからず生きていくことでしょうが、その根本に、自治体が存在しなければいけない、この運営実態が明らかにならないと広がらないのではないでしょうか。NPO日本有機農業研究会(日有研)をもっと知りたいものです。* https://www.1971joaa.org/ 足立区有機農業公園:https://www.ces-net.jp/toshino/index.html 指定管理者制度で運営されています。 年間を通じて学校給食において 100%地元産有機米を達成 鮫田 晋 米作りでの有機米の技術の継承として雑草を代掻きの時の作業を応用して、効果が大きく、始めることが出来たということですか。除草ではなく抑草だと言われています。有機米での効果が7項目上がっていますが、どれも当然の事であるかと思います。学校給食の果たす役割がこんなにもつながるとは、持続的つながりを生み、自然と共生する地域づくり、人づくりが教育ファームとして確立したのでしょう。行政としての効果も大きく、計り知れないものがあったと、市長の弁明を聞きたいものです。食育の重要性が、子どもたちの発達につながればと思います。*いすみ市長太田洋から、皆様へメッセージをお伝えします。〜全国に生産物が販売される仕組みを作ることにより、地域が豊かになるよう様々な取り組みを進めています。環境と経済の両立で始めた有機の米作りの取り組みで作った無農薬米は、全国で初めて学校給食の全食に取り入れました。 ●連載● 人つながる㉔ 自立・自律・侍立─福島県二本松市で営農型太陽光発電に取り組む 近藤 恵 営農型太陽光発電とは、同一の土地で太陽発電と農業を同時に行う土地利用形態を言います。農業の忙しく二束のワラジは履けないなど出来ないと思われますが、これが、設備の進化、低価格化しており大型農業機械が入ることが可能となる発電ピークの調整でできるようになったそうです。このような進化が進んでいるのです。 くらしと自治と憲法と 第 21 回 憲法 53 条違憲国家賠償請求事件 伊藤 真 憲法53条「内閣は、国会の臨時会の招集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない」と規定されています。これを安倍内閣は放置し98日後ようやく臨時会が招集されたのです。そして冒頭で衆議院を解散して、圧勝したのです。このようなことが、裁判所に「憲法の番人」として憲法保障の役割を果たすことを期待していますが、最近多くの意見審査会での役割が保たれていません。国会召集権が個人の議員に属さないと、政治的責務にすぎないと居直っています。「公益的なもの」「国会に対する義務にすぎない」と国会議員の権利、国民の議員が有権者から託された職を遂行するため、個人としての具体的な経済的利益と人格的利益を持っていることを認めるべきです。 シリーズ 地域発信 耕作放棄地に挑み果樹園の再生を! 第4回 仕留めた獲物の命をいただく 渡辺卓也 この地域の野獣の頭数が、鹿が400頭以上、イノシシが300頭前後いると思われるそうですが、捕獲してから解体処理までの施設や衛生管理、販路の確保によって獣肉の地産地消が拡大すれば、農山村にとって活路が見いだせるかもしれません。 検証 津久井やまゆり園事件を人権の視点から考える 第 15 回 障害者と家族、地域住民の人権と福祉労働者・公務員の権利 ─地方自治の視点から事件の再発防止とこれからを考える(上) 池上洋通 障碍者問題のまとめに入ります。憲法と障碍者の権利条約をもとに、個人としての障碍者の自立」−目指すべき根本的課題の冷機、障がい者に対する認識と国民の意識―「社会的な抹殺と隔離に関する歴史的経過、基本的人権の具体的な補償と地方自治の重要性として、政治の最大義務は、各個人の幸福追求権の実現―自己実現を権利として保障することであると述べています。ここで、「市町村最優先、都道府県優先の原則」が掲げられています。また障碍者の人権保障の具体化とは5項目が19条・20条・21条の条約項目に沿っても、挙げれています。 「緊急 1000 万円カンパ」へのご協力に感謝いたします J つうしん 広島県からは14個人団体から¥273,000が送られています。ありがとうございました。 自治の風─広島から 第4回 河井疑惑、まだ終わっていない 被買収議員は立候補するな! 山根岩男 広島風土というか、裁かれるべきは、「氷代や餅代・陣中見舞い・当選祝いなどの金銭感覚」ですが、慣行であるならば見直すべきでありいまだに裁判が開かれていない状態で、中にはこの選挙に出る人も出ています。このような広島県の民主的成長の遅れを早期に変えたいものです。 編集後記
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2023年2月号読書ノート
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(2023/01/27)
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編集局 2023年4月に行われる統一地方選挙を迎えるにあたって、それぞれの自治体において、地域の課題が争点になります。これからの地方制度・行政がどのような方向に進むかを理解することで、自分の考えるまちづくりにはどのような政策が必要なのか、その政策を実行する裏付けはあるのか。選挙を前に争点の立て方を考えます。 目次 ◆直言 未完成のまま22 年が経過した都区制度改革 吉川 貴夫 大都市での自治体では統治できない人口規模のため、東京都と23区の計24自治体が一体性と統一性に配慮しながら行政運営が行われている。この原則が実際は守られていない。特別区制度と地方自治の民主的な発展を阻害するものになっているとは。広島市の区間の財政的調整を制度として行うことによる調査を広島市でも行って明らかにしていくことが必要ではないか。 ◆連続企画 「新型コロナ」から日本の社会を考える 第30回 旅館業法改正案の問題点─令和4年秋臨時国会の審議断念 黒木 聖士 コロナ感染の広がる中、宿泊業者の中で、感染者宿泊拒否が出来るよう改正案が出来たとか。このことは、この期間宿の泊まる際に、予防接種をした証明をもっていかなければ泊まることが出来ない事態が発生していました。このことからも、この改正案に対する見方を確立しておかなければ、間違った差別、人権侵害を生んでいくことになります。 人類は感染症と共生していかなければならない運命にあり、誰しもが感染症に罹患する恐れがあること、感染症患者らが差別されてきた歴史への反省を踏まえれば、感染者ましてや感染の疑いのあるものを社会生活から排除するのではなく、患者・感染者の基本的人権を最大限尊重しながら、政府が十分な情報公開を行い、広く市民間で議論をすることを通じて、さまざまな知恵を絞りながら、感染防止対策を模索していくことが必要です。 このコロナ禍で、ホテルでクラスターがほとんど発生していない事実が報告されています。 ●特集● 統一地方選挙の争点の立て方 自治体を小さくする勇気を 自治体政策に不可欠な自立の精神 福嶋 浩彦 自治体政策で、隣の町にあるものを求める、一見市民の声で、成長期にはこれが大きな力になりましたが、「現在の社会の仕組みを維持したいから人口減を止めよう」ではなく、人口が減ってもみんなが幸せに生きていける持続可能な社会の仕組みの変えよう」に転換して政策を建てることが重要です。「うまく小さくして質を高める」という視点が大切です。市民合意を作る方法を明確にし、新たな創造は、市民が納得し、みんなで知恵を出さなければ進まないのです。利用者の声だけが市民の声になると、公共施設再編成に総論賛成でも各論反対になります。納税者のの立場で議論に加わる「自分ごと化会議」が松江市で行われたようです。「私はどんな社会で暮らしたいか」を前提の出し合うためには、正確さ情報を得て自分なりに考えたいという人がたくさんいます。2000年4月に施工された地方分権一括法で、国の府庁からの通達は廃止され通知になり、これはあくまで技術的助言で、強制力はなくなったのです。自治体は国より市民を見る目があるのですから独自性の発揮が求められます。 市政と選挙に主権者市民の主体性を取り戻す 「市民マニフェスト選挙」でめざす市民自治 松本 誠 明石市の「市民自治あかし」は、政策提言市民団体として13年前に市政運営の三原則とし、「市民の行政への参画」と「情報の共有」「協働のまちづくり」を全文に掲げる「自治基本条例」の制定をおこし、これがて『明石市の憲法』となっています。「市民自治のまちづくりとと市政」を目指すことを宣言したことで「市民自治あかし」は、「市民マニフェスト選挙」として市長候補者に「市民が作る市民の政策」を提案する事を展開してきました。中間検証評価も行い、今春4回目を迎えます。参照:https://shiminjichi-akashi.net/ 第33 次地方制度調査会での議論は、どのように地方自治に影響をもたらすか 榊原 秀訓 第33次答申は非常に理念を述べており、その具体化は今後の課題だと思われますが、地方議会の在り方は独自に議会改革として進めるべき課題です。今回挙げられた課題の整理を行ってください。この報告書にもあるコロナ問題は独自課題としてまだ十分な議論を終えていないとみられます。しかし、政策形成をAIに委ねるいわばAI民主主義によれば、議員や議会は不要のものとなるといった議論です。この主張は、実際には首長や職員も大幅に不要とする民主主義や自治体の存在自体を軽視するものと考えられます。DXやAIによる自治体の変容は予想以上に大きなことが予想され、議会、行政、さらには、統一地方選挙で選択を行う住民もそのことについて真剣に言考えなければなりません。 https://www.soumu.go.jp/main_content/000854239.pdf 自治体は、住民の個人情報と安全を守る対策を取るべき 久保 貴裕 DX時代に危険な実態として、個人情報のデジタル企業への横流しを促進して、新たな構成での資料にされていく危険が明らかになりました。一刻も早く自治体でのこのような取り決めの改善と市民もこのような動きに注意していく必要を感じました。「まさに自治体は今「デジタル化狂騒曲」ともいうべき現状です。保育・子ども関係が述べられていますが、自治体の仕事は人的繋がりがあり、他の分野面での実態も明らかにしてほしいものです。 デジタル臨調は「穴グロ規制の見直し方針」を打ち出し、国民の安全を確認するために設けられている「目視」「実地監査」「定期検査・点検」「常駐・専任」「対面講習」「書面提示」「住訪覧縦覧」の7項目の規制を「アナログ規制」と一括りにしてまとめ緩和撤廃するようです。9669項目の規制条項ありこの中について十分な調査を行って実施するようにしてほしいものです。安全を守る専門職員は必要不可欠であり、デジタル化はあくまで職員の補助手段として活用されるべきです。国が施策として進めるのではなく、自治体が「住民福祉の増進を図る」という役割を担っており、住民の個人情報と安全を守る対策を直ちにとるべきです。 山形県遊佐町 少年議会の活動を通じて まちづくりの客体から主体になる取り組み 解説 荒井 文昭/インタビュー 齋藤 愛彩 こども会議の発生と経過体験が語られ、大人と子供の目の違いが解った。こどもの意見を大人がどのように扱うことがたいせつだか振り返ってください。子どもたちの議員としての発言は、忖度のない純粋なものでしょうね、大人は是非参考にしていきたいものです。 http://www.town.yuza.yamagata.jp/ou/kyoiku/shakyo/shounengikai_2021html 地域・自治体からボトムアップ「Local Initiative Network」からのお誘い 東京都の小金井市・中野区・世田谷区・多摩市・杉並区の5区長が揃っての、硬直した権威主義的計画行政から地域や市民が主導するまちづくりへの転換が図られ、公契約条例による労働報酬を底上げし、地域が豊かになる改革を進める。デジタルデモクラシーで、伝統的既得権、と「新自由主義的な公的セクター解体」が交錯する政治構図から、現状をよりよく修復し、再生させていく社会包括型の「いのちの政治」を目指していくそうです。「政党の選択肢」ではなく、地方から変える、と言います。https://peatix.com/event/3448503 『住民と自治』定価改定のお知らせ 住民と自治誌が3月号から800円になります。 斎藤文男先生逝く90 歳、民主主義への熱い思い 宮下 和裕 福岡自治研の創始者の冥福をお祈り申し上げます。 ZOOM IN 高知県・四万十市 子どもの教育、人権、命を守るために 大学誘致失策からの新たな地域創りに向けて 有原 陽子 まさに市民の声を聴かない市長・教育委員会の姿です。看護大学を中学校の跡地に誘致するとして学校のプールもすぐ解体するなど、子どもの状態を無視したものであり、行政ではありませんね。頑張ってください。 ●連載● 人つながる(23) だれもが安心して楽しめる映画館 平塚 千穂子 障害を持った方々が、楽しめるシアターニュニバーサルシアターが東京都北区に生まれたそうです。ここでまた映画製作に取り組まれ、新しいツールや言語、習慣や価値観が違っても、根っこの部分で「心」は伝わるというコミュニケーションの本質を描いた作品です。タイトルは「こころの通訳者たちWhat a Wonderful. World」 https://www.bing.com/search?q=%E3%81%93%E3%81%93%E3%82%8D%E3%81%AE%E9%80%9A%E8%A8%B3%E8%80%85%E3%81%9F%E3%81%A1%EF%BC%B7hat+a+%EF%BC%B7onderful.+%EF%BC%B7orld&qs=n&form=QBRE&sp=-1&pq=%E3%81%93%E3%81%93%E3%82%8D%E3%81%AE%E9%80%9A%E8%A8%B3%E8%80%85%E3%81%9F%E3%81%A1%EF%BD%97h くらしと自治と憲法と 第20 回 信教の自由〜統一教会の被害者救済法案との関連で 櫻井 義秀 統一教会の、批判のやり方で、信者の宗教的人格を認めたうえで、公共の福祉を害する教説と実践を批判するのが、信教の自由が認められた社会のあるべき姿だと。しかし、統一教会には建設的な日韓関係の構築を損なう教義や歴史認識があります。日本の植民地支配に対して食材を迫る協議と実践があり、そのために多額の献金を要求、嫁不足の一環として合同結婚式で未信者の韓国人男性と結婚させられ、韓国に渡った約7000人の日本人信者たちの苦難の人生が生まれているのです。 シリーズ 地域発信 耕作放棄地に挑み果樹園の再生を! 第3回 ともに畑を耕す仲間たち 渡辺 卓也 有機野菜コーナーでの野菜作りの基本は落ち葉を肥料として使うことだと、昔の百票がやっていたことで、化学肥料などを使う必要がなかった土づくりでした。自然のサイクルにもっと興味を持っていきたいものです。オーガニックコーナーも同じですか。 @NEWS 住民無視、工事強行再開に踏み切る事業者 年明けから緊迫 東京外環道トンネル 丸山 重威 大型公共事業で、裁判でも判決が出ているのにその解決を行政が行わない。なんという事態なのか怒りを覚えます。そもそもこの被害を起こし原因が明らかになり、しかしその責任者が不明とはどういった発注なのでしょうか、やればいいと見逃す行政姿勢に、税金が使われているのですから大きな問題です。住民のあたりまえの生活と申請を復活させてほしいものであり、裁判判決を愚弄するものに厳しい対応を司法当局も行ってほしいものです。 書評 稲葉一将・稲葉多嘉生・児美川孝一郎著 『保育・教育のDX が子育て、学校、地方自治を変える』 石井 拓児 デジタル化が保育関係で素早く行われており、この問題点について各保育関係者はすぐさま掴まなければデータ連携に飲み込まれてしまいます。この本はデジタル化の問題点を鋭く分析しつつ随所で問題克服のための具体的な課題を提起しています。 書評 編集委員 上間陽子・川武啓介・北上田源・島村聡・二宮千賀子・山野良一・横江 崇 『復帰50 年 沖縄子ども白書2022』 佐藤 桃子 沖縄の子の声を聞こう、ここに今ある沖縄と将来への沖縄が見られます。多くの本土の国民がこの本に触れてもらいたいと思います。 BOOK REVIEW 年賀広告 Jつうしん 自治の風─広島から 第3回 高炉の火が消えても、平和の灯は消させない 奥田 和夫 呉市には、旧軍港都市転換法が生きています。軍港拡大に反対の声を上げていきましょう。 編集後記
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2023年1月号読者ノート
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(2022/12/15)
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目次 ◆新年のご挨拶 市民生活の向上、地方自治の発展、地域経済の活性化をめざして 中山 徹 昨年度最も衝撃的だったのはロシアのウクライナ侵攻で、まるで、戦前に戻ったのかのようでした。国内では、少子化に歯止めがかからず、高齢化が進んでいます。政府は地方創生からデジタル化を進め、具体的なサービス供給を民間に委ねようとしています。 これがデジタル田園都市国家構想なのです。 今年自治体問題研究所は創立60周年を迎えます。 ◆直言 社会のデジタル化とスマートシティ 山田 健吾 我が国の行政事務のデジタル化は、2002年の「行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律hが制定されたことから始まり、基本法が2016年に成立し、2019年にオンライン化法が大幅に改正されデジタル手続法となりました。そして、2021年にデジタル改革関連法が成立その目的は、紙媒体などの情報をデジタル・データーに置き換えに留まらず、私たちの生活空間や労働環境など作り変えることになりそうです。 その最終法案として「デジタル田園都市国家構想基本方針で、スマートシティを100地域で構築する目標です。これらスマートシティーへの合意がどう得られているのか、デジタル化にともなう個人情報などの規制や調整はどうなっていくのか、数々の問題がコントロール不可能となっていきます。デジタル化を再編整備し、地方自治の再生を図ることが必要です。 ◆連続企画 「新型コロナ」から日本の社会を考える 第29回 新型コロナと介護 伊藤 周平 コロナ禍で、パンデミックの発生が甚大な影響を及ぼし、医療など日本の社会保障の制度的脆弱さお浮き彫りにしています。医療崩壊とともに、2022年11月末まで累計5万人近くを数える新型コロナによる死者数が出ており、介護現場も低く据え置かれた介護報酬と政策的帰結としての人でず足による老人福祉・介護事業の倒産件数が2020年には118件と過去最多となりました。また介護報酬の抑制は給付抑制策の帰結しており、介護専門性の劣化が進んで廃校に至った介護福祉養成学校も出ています。コロナ禍で在宅介護が広がり、家族介護者の負担が増大しています。高齢者施設では、新型コロナのクラスター発生が相次いでいますが、全国で850件と過去最多と記録していますが、そもそも高齢者施設では、感染疾患に感染対策が脆弱であることが大きな原因です。高齢者施設への医師や看護師の派遣施設内診療体制の確立が難しいことを示しています。その中で、厚労省のPCR 対策の遅れが大きく、定期的、頻回の検査の実施が必要なのです。 当面の課題として。第1に定期的なPCR 検査を全額国庫負担で実施、第2に感染者を直ちに入院治療に移せる医療提供体制の整備、第3に、利用者減少などに伴う減収を公費で保障があげられています。 安心できる介護保障の仕組みに向けては、介護保険法は廃止し、自治体の責任で高齢者や障碍者への福祉サービスの提供を行う税方式の総合福祉法を制定すべきです。 ●特集● ジェンダー差別を超えて多様性の時代へ 「ジェンダー」とは社会的・文化的性差を指しますので、「社会的性差による格差指数」とするべきでしょうか。ジェンダーギャップ指数で日本は2020年で、0.650で146か国中116位で、2006年が、0.645でした。 今回の特集では、@ジェンダー差別を生む構造がどのような所にあるのか,Aどのような思想のもとに成り立っているのかを知り、Bどのような人もありのままの自分でいられる社会の在り方について 考えていきましょう。 文化の多様性とジェンダー平等 松岡 悦子 世界の共通の目標となれる一方で、ジェンダーと相いれない文化や道徳観を持つ社会が世界には多くあるでしょう、日本がこのジェンダー平等の大きく遅れていることに、なぜ気が付かなかったのか、大きな遅れと言いつつ、それを正すのは、経済レベルで気が付くのか、文化の在り方か、日本が国連の定める勧告や目標を自分たちに関係のない他人事のように見なしがちなのは、未来に目標を定めて、それに向かって社会を変えていくというあり方に抵抗を覚えるからのように見えます。ですが、社会を変えずに現状維持を保とうとすることは、未来志向で動く欧米とのずれを一層広げることにつながると思われます。 道徳観は文化によって異なり、ジェンダー平等という概念は必ずしも世界共通の価値になっていないと言えます。ジェンダー平等は欧米の一部の人たちが重視する民族自決の概念だという見方もできるでしょう。 文化に優劣はなく、自文化の基準で他の文化を判断をしてはならない。これは文化相対主義と呼ばれ、異文化に対して寛容であれという点で、とても重要な考え方です。また、多様な文化の存在を認めつつも、世界は共通のルールを良くして居ます。グローバル化がそれを促進し、共通のルールがなければ議論の基礎を築けず、問題解決に至らない場面がたくさんあります。より普遍性の高い概念を用いて多様で異質なものを含みことであり、普遍性のレベルを上げていくのです。グローバル化の問題は多々あるとしても、私たちはローカルな文脈を考慮に入れつつ、普遍性の高い概念を用いてより多くの人々を包み込み、未来志向で社会を変えていくことが今求められているのだと思います。 東京・国立市 多様な性を尊重するまちづくり 木山 直子 国立市での多様な性に対する条例が、2018年4月に施工され、その施策の中心施設が、パラソルという小さな小さなセンターで、行政から民間委託されてSOGI、個人の性の在り方を示す言葉をとおしてじわじわジェンダー平等の社会が実現する活動が、紹介されています。ここで気づいたことで、医療者向けの研修を実施したところ参加者がゼロだったと言ことがあります。???参考:https://www.nijiirodoctors.com/aboutus ケア労働者の処遇改善のためには「ジェンダー平等」の社会が不可欠である 森田 進 日本における女性の蔑視の傾向が依然として変わっていない。この変化をどう生み出すのか、ジェンダー平等を強く社会に広めなくてはならない。特に医療関係での女性の扱いが、大学入試制度の当選点数の規定で、100点を取っても女性は80点しか認められないとなっているなど、この社会規範がそもそも、女性社会の劣悪さを象徴しています。ケア社会の介護においても制度立案の政府自体に、この女性蔑視が絡んでいたので、今や崩壊に向かっているのですね。「女性中心の家事労働について、若いものからの変化が生まれているのですが、社会化するとこの壁が大きく立ちはだかっていることが明らかで、政治社会での女性比率の向上など、早期に解決できない問題に加担に取り組む政党が大きく伸びていけるようにしたいものです。 労組内での意思決定の場における女性の参画の現状について 岡上 則子 労働者組合の女性部での活動が、多くの男性に訴え切れていないと感じるのは自分の偏見なのでしょうか。看護婦の父親として今まで来た裏方には、このような女性部からの働きかけはなかった。組合の意思決定に女性の意見の反映割合が小さかったからなのでしょうね。労働組合のジェンダー平等は、率先して行われてほしいものです。食事の下ごしらえをこれから自分が出来るようにならなければと思います。 シンポジウム 「法整備と SOGI」 に参加して 編集部: 松川 遥 LGBTに対する関心が高まる中、自らが当事者であることをカミングアウトし、それによる困難を周囲に知らせしめることは重要な過程ではありますが、強い差別が残る現状で自身が当事者であると名乗り出る必要のある法の在り方であってはならない。このシンポジュームで話題に上がったのは、日本社会の宗教右派による、根深いトランスフォピア(トランスジェンダーへの嫌悪)に基づく情緒的な反論です。思想や価値観がスピーディーに変わる時代の中で、自分の信念・価値観が揺るがされている人の不安があるように、この変化の速さはあっという間に、違った方向に社会通念が誘導されうるという事でもあり、誰もが暮らしやすい社会に向けて、たゆまぬ努力が必要になりますね。 自治の視点が問われた─区画整理 再開発住民運動集会を終えて─ 遠藤 哲人 自治の視点で都市計画自体の作成が行われた時、その段階での当局と住民との間にどのような関係が作られていたのか。このことが大きく性格づけられたものになっていきます。一方新自由主義はこの糧で、自治体ではなく一事業者として、市民に犠牲を押し付け、利益を業者側に与えることを任務としちきます。ただの地方統治機関である以上に、独占資本の先導者化しているのです。暮らしなどに構わず、潤沢な開発行政に、国が大枚を与えているのです。このような地方自治体の姿に、横浜市での敵を作らず、公共性の錦の御旗を掲げた交渉が目を引きます。市民、自治体職員、議員、市長の総合力で、都市計画の話が出来ればいいですね。 ●連載● 人つながる(22) NPO法人フリースクール「てだのふあ」 〜子どもたちが安心して過ごせる居場所づくり〜 山下 吉和 子供の多様性の中に不登校があるのでしょう。全国にあるフリースクールの数が500あると、不登校の受け皿を官民一体となって増やしていくことが、喫緊の課題ですね。子どもたちの太陽が輝く場を確保することは素晴らしいことですね。 検証 津久井やまゆり園事件を人権の視点から考える 第14回 津久井やまゆり園の地元住民としての想い…考え、行動 鈴木 哲夫 やまゆり園の問題は、地域から障がい者差別をなくさなければならないとの声が沸き起こり、「障害の有無にかかわらず共に生きる社会について考える会」が生まれたようで、自らに内に秘める「差別意識」の克服と合わせ、犯人が「障がい者は役に立たない」として障がい者の基本的人権、生存権を全否定したことが「事件」の本質と考え、まず何よりも人権の大切さを学ぶためにその根本となる憲法を学び、「差別を許さない社会を目指してできる活動は積極的にやろう」と努力されてきたようです。 おきなわ定点観測 第10回 日本国憲法の“真価”を私たちに問い続ける沖縄 関 耕平 沖縄生活9か月間で、基地をはじめ沖縄で起きている問題が、日本全体で受け止めるべきことだと強く感じられたそうです。明治憲法から日本国憲法へと変わる際に追加された2つの条項は、「戦争の放棄」(平和主義)と「地方自治」。これが日本国憲法の“真価”ですね。キャッチャーとして今後とも沖縄問題に、受け止めていきましょう。 シリーズ 地域発信 耕作放棄地に挑み果樹園の再生を! 第2回 荒れ地を開き安心安全なみかんを育てる 渡辺 卓也 ミカン栽培での無農薬・有機農法を実施されるまでの不安は大きかったことでしょう。小鳥のさえずる農場での栽培が、自然循環を豊かにしているのでしょう。耕作放棄地の無農薬は、自然に劣る実態だった、これが整理されて築く自然の中に育つミカンは、味はどうでしょうか。全国的な無農薬ミカン栽培はどのくらいあるのでしょうか。 @NEWS ユニチカ跡地住民訴訟と住民自治の展開 御代田 桜子 企業融資と土地の全面移譲が行われる際の協定書が、住民運動の成果で守られているようです。ここにも、住民監査請求や、住民訴訟が出てきますがそのまとめ方が大切ですね。130名の原告団の一致した運動がこれを支えていると思います。https://yunichika.jimdofree.com/ BOOK REVIEW ローカル・ネットワーク 年賀広告 Jつうしん 自治の風─広島から 第2回 鉄道のある暮らしを未来へ 佐々木 隆一 国民の足を守る国労からの報告で、JR本州3社の「内部留保」が、7.5兆円にもなっているとは、大きな額が、中央新幹線に使われるのでしょうか。住民との今後の連携を期待します。 編集後記
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2022年12月号読者ノート
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(2022/11/24)
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編集局 四日市公害ぜんそく裁判が結審してから50年。経済成長第一の政策の結果、環境破壊は公害という形をとり生物学的・社会的弱者に集中した被害をもたらしました。環境汚染は複雑で見えにくく、地域住民による科学的な検証とそのための運動・学習のネットワークが不可欠です。公害を教訓として環境基本法および個別法が制定され、国際的にもSDGsが提唱され維持可能な開発目標を掲げています。私たちは過去の失敗を正しく受けとめ、維持可能な内発的発展に進んでいけるのでしょうか。 目次 ◆直言 いまこそ、地方公務員の長時間労働解消を 重野幸介 新型コロナ感染症拡大以降、全国で地方公務員の長時間労働が続いていることに、労働基準法違反であることの認識が誤解されており、すでに2年以上が経過した時点で、見直さなければいけませんね。最近の自治体DXのための業務の標準化は、地域の特性に沿った地方自治を破壊することが出ています。中には「行かなくてもよい役場に」などというスローガンを掲げる自治体が出てくるなど、密接であるべき住民と自治体の距離が広がろうとしています。 ●特集● 四日市公害裁判から50年 公害から今何を学ぶか 1972年の公害闘争が、多くの課題を環境破壊という形で生物学的・社会的ジャンク者に防衛闘争として立ち上がりました。それから50年国際的にSDGsが提唱されるに至っています。持続的可能な内発的発展に進む方向を学びましょう。 公害経験の継承を通じた協働のまちづくり─維持可能な内発的発展に向けて─ 除本理史 公害での各地の司法上の紛争が終結したことで、公害患者と被告企業、自治体など様々な関係主体が、協働し地域発展を目指すという方向転換が期待され、持続可能な内発的発展に結びついた事例が綴られています。宮本氏の内的発展の「目的」「方法」「主体」をまとめています。この用語に関知してください。 NPOとして団体として、「環境再生まちづくり」「脱炭素社会をめざして」と取り組みを起こしていることが、報告されています。 一方、公害紛争の中で、解釈の視点が立場によって異なり、それらの間の分断や対立が生じた影を、「困難な過去」と表現されています。このような地域での公害経験の継承に取り組むにあたって、重要なのは多視点性(多様な視点から解釈を許容しつつ、「過去」からの学びを促す姿勢)が重要だと言っています。公害経験の継承に正面から取り組むことが協働のきっかけになり地域の歴史を知り地域の将来を考える可能性を生むのです。 多視点性による公害経験の継承─倉敷・水島の公害資料館づくり─ 林 美帆 倉敷・水島のコンビナートでの公害資料館を作るにあたって、「公害」を見る複数の視点、環境や人権、健康)があげられています。視点が複数になることで、ある視点に限定されることはありません、複数人で作り上げることで「みんなの歴史」となり、参加者が自分の歴史として語り出すという効用があるのです。水島の歴史が語られていますが、古くからの新田開発の歴史があるのですね。改めてこのような振り返りが必要ですね。 消えないPFOA汚染─大阪府摂津市からの告発 増永わき PFOAが、耐水性、耐油性に優れた有機フッ素化合物で、フライパンのテフロン加工など様々なものに使用されてきた。ダイキン工業の製作所周辺の畑で農作物を作り、非汚染地域の70倍もの検出があったのに、摂津市は全く動こうとはしていません。このようなことが今の社会でも残っていることに驚きを感じました。企業自治体の責任は、今からでも遅くなく、解消の点検を行ってほしいものです。 住民の学習をつうじた公害経験の継承 清水万由子 1967年四日市公害患者9名がコンビナート企業6社に対して損害賠償訴訟を起こし、1972年伊都地方裁判所で米本清裁判長が下した判決が出されました。 判決は、「人間の生命・身体に危険のあることを知り得る汚濁物質の排出については、企業は、経済性を度外視して、世界最高の技術・知識を動員して防止措置を講ずべき」であるとして、国・自治体についても、「当時の国や地方公共団体が経済優先の考え方から公害問題の惹起などに対する調査検討を経ないまま、旧海軍燃料廠の払い下げや条例で誘致を奨励するなどの落ち度があったことは窺われる」としています。 この判決文を契機に住民運動の大きな刺激になり、石油コンビナートの取り消しなどを起こした地域も現れたのです。これらの地域では住民が重ねた学習会が大きな力になっています。住民が学習会を通して獲得した主体性は、住民アイデンティティの核心にある地域環境(アメニティ)の価値も含んだものだったのです。今、このような公害地域での経験の継承という課題が自治体や公害被害者団体、大学などが公害資料館を設立し、展示解説、語り部講和、現地研修、公害資料の収集・保存・整理・活用などに取り組んでいます。公害の経験を通して確認された「価値」を地域において具体化し、現実のものにすることが、公害経験の継承であると考えます。先人から受け継いだわが町の環境をより良いものにして次世代に手渡していくための継承は、重要な意味を持つと考えます。 インタビュー 公害被害者救済から地域再生のまちづくり運動へ 森脇君雄・上田敏幸・傘木宏夫 歴戦の勇者の思いを感じますね。公害という言葉がなかなか使えなくなっているとは、かって被害者の集団作りと、認定漏れになった人の補充闘争が残っているのですね。医師との共闘が、民医連が中心になっているようです。かっての戦いの分裂に労組があったとは、今は被害者中心に戦われているとか、公害という言葉から街づくり運動が生まれるとともに、語り部の継続が大切だとか。環境を監視することが、経済界からの圧力から消されないようにしないといけないし、原点に立った公害被害者運動を続けることが大切ですね。 資料 公害とそれに関連する主な出来事 1891年っから2021年までの動きの中で、1946年の新憲法発布、1963年三島・沼津の石油コンビナート反対運動、1970年「公害国会」開催、1972年ストックホルムで国連人間環境会議開催。1974年大気汚染防止法改正など多くの系列が記載されていますが、2011年東日本大震災の原発被害に対する環境破壊がいまだ続いていrことに疎くなっていないだろうかと反省しています。 ZOOM IN 大阪・枚方市 市役所移転を止めた「市民の力」 野口光男 枚方市の住民運動は、革新市政の経験から粘り強く市交渉と、学者を呼んでの学習会、議員団主催の全戸ビラ配布、毎週の考える会の事務局会議の継続など、優れた活動が目に入ります。一方の維新の会の無謀な予算増額、民間優先の活動に怒りを覚えます。又役所の住所変更は地方自治法第4条の特別議決という項目があり出席議員の3分の2の賛成が必要だとか。大型開発事業は、総事業費781億円が855億円に増額されるなど広島市の総合開発と同じことがされています。 FOCUS 医療を人質にマイナンバーカード取得強制 松山 洋 マイナンバーカードの強制的取得に、医療保険制度をかますとは、河野大臣の智弱な発想だと、批判されています。これが及ぼす、地域医療の崩壊、認知症増加による忘れ放題、自治体での保険証発行義務の負担など、ようやく5割になったマイナンバーカード取得者数をどう見ているのでしょうか。 ●連載● 人つながる(21) だれでも なんでも「アートスタジオ大山」─声を出せない人の声を拾う 尾曽越理恵 素晴らしい活動場所だと感心しました、「表現は自発的なもので、その結果生まれる独自性を大切にした」という発想も、生活困窮者の集まる場での展覧会は、お互い引きつけ合うことでしょう。 くらしと自治と憲法と 第19回 日本国憲法前文の先見性 只野雅人 憲法第2段落最後の「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から逃れ、平和なうちに生存する権利を確認する」と一節を改めて学びましょう。この条文を作るときの参考文案は「大西洋憲章」にあるとか、この条文に関する判例で、長沼ナイキ訴訟での札幌地裁判決が上がっていますが、高裁で平和的生存権には具体性がなく、裁判で主張することはできないと判断されています。この項目が全文にあり、個々の人権規定解釈の指針になる以上、憲法第3章が保障する個々の人権の問題として、その趣旨を生かした解釈を考えてゆくことは可能なはずです。75年前に制定された前文に盛り込まれた先見性ある視点をどう生かしてゆくべきかが、平和的生存権を宣言した「私たち」に問われているのですね。 検証 津久井やまゆり園事件を人権の視点から考える 第13回 障害者権利条約日本審査の総括所見の意義 赤松英知 障害者権利条約の締結国に対し、国連本部では、建設的対話と称して、この条約の実施状況の聞き取りが行われるのです。政府はもちろん、この条約に関係する団体からもこの会議に参加できるのだとか。この建設的対話から、今回津久井やまゆり園事件での政府の対応にも鋭く意見が述べられています、今後の不備に関しての進展させる方策が実施されることを期待します。 おきなわ定点観測 第9回 沖縄のメディア・ジャーナリストの矜持─2人の記者との出会い 関 耕平 沖縄のジャーナリズムの質の高さがあげられています。旧陸軍幹部が行った沖縄県民徹底抗戦を指揮した幹部を、自衛隊員は18年間集団参拝し敬意を表明していたとは、驚きです。又硫黄島に射撃訓練場を作り米軍に使わすことを、「島を外国に売り渡すのか」と批判したジャーナリストの言葉は、私も反省すべきことです。 公民館における出会いと学び 最終回 第6回 住民に寄り添いともに学びを創る職員 田中純子 岡山市の公民館職員の働きで、地域を見つめ、住民に寄り添い対話を重ね、住民とともに学びを誘導し実践につなげていくためには、職員自身が学び続け、経験の中でその専門的な力を育む必要があることに気づかれたのでしょう。非正規職員では出来ないことですね。 シリーズ 地域発信 耕作放棄地に挑み果樹園の再生を! 第1回 セカンドライフへの道のり 渡辺卓也 大変なセカンドライフの出発ですね。それも無年金・未収入で借家住まいとは、奥さんも大変でしょうね。この点での対話も大変だったことでもありましょうが、それまでの援農の体験の不純が、導いた行為でしょう。農業とは本当に苦しいけれど、その喜びをどう感じるかにかかっています。頑張ってください。 @NEWS お粗末な市長暴走の顛末 辻 よし子 あきる野市長の暴走とは、本当に保守対決できる政治家がいないのでしょうね。独断での特養施設建設に関して、もっと静かに説得できなかったのでしょうか。目的と手段のかけ離れはなくしてほしいものです。 『住民と自治』読者・自治体問題研究所会員のみなさまへ どこの世界でも物価の値上がり、住民と自治誌の値上げが、今後の自治研運動にどうつながるか、会員拡大が望めない情勢の中大変厳しい世の中、早く岸田内閣打倒です。 BOOK REVIEW ローカル・ネットワーク Jつうしん 自治の風─広島から 第1回 原爆「黒い雨」被害者を支援する活動について 牧野一見 広島から6回にわたって掲載されます。期待してくださいね。 編集後記
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2022年11月号読者ノート
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(2022/10/27)
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編集局より 本年5月17日に公表された全世代型社会保障構築会議の「議論の中間整理」では、2040年に向けた生産年齢人口減少と後期高齢者の割合増加を危機として、全ての世代に行き渡る社会保障体制の構築を打ち出しています。しかし、その内容は本質的な解決策ではなく、その場しのぎ的、「やっている感」の演出に終始しています。本号では、中間整理で提示された論点について問題点を提示することで、本来あるべき社会保障の形について市民が考える材料をそろえるべく、特集を企画しました。 目次 ◆直言 新型コロナからの教訓 唐澤克樹男 コロナ禍の問題の本質は何か、改めて、生活、貧困、医療・福祉、社会保障、中小企業、食料・農業、雇用・労働、教育、環境、物価、などに関わる、新自由主義政策にいわば放置された社会問題が露呈したと言えます。必要不可欠な地道な研究成果が問われ、社会運動が大事です。 ●特集● 全世代型社会保障構築会議 中間整理の論点 2022年5月17日に公表されたこの報告書は、その場しのぎ的「やっている館」の演出に終始していると言われていますが、これをどう見るのか、本来あるべき社会保障の形を探っていきましょう。 全世代型社会保障構築の問題点と改善に向けた課題 村田隆史 全世代型社会保障の検討に当たり、「世代間対立に陥ることなく」との命題に対し、この枠を大きな問題であるとの認識がないまま、議論が進められ、社会保障のグランドデザインを考えようとしていない。個別政策の見直しをしない、など経済、財政が大きく関わることを優先させている取り組みに、批判がされています。6つの項目にそれぞれの「課題とめざすべき方向」及び「今後の取り組み」について票で表されていますが大きな項目になっています。これらが解決されなければ、真の全世代型社会保障は成立しないでしょう。 全世代型社会保障における「家族介護の是正」に係る考察 山ア光弘 介護保険が2000年に発足して多くの社会福祉法人が携わるようになったが、改悪の続く介護保険法により利潤がすくなくなり、撤退する法人が多くなったそうですが、政府は個々の社会福祉充実残額のある社会福祉法人にあっては「地域共生社会」の実現に係る義務付けが法の下に設けられたのです。これらは「互助」として義務付けられ、信頼関係ではなくなり、社会保障制度の意義と公的機関の役割について改めて再考することが今求められています。 多様な働き方・生き方を尊重する社会へ─勤労者皆保険・地域共生社会を中心に M畑芳和 夫が労働者として働くという勤労観や、妻が家事・育児を中心に担うという性別役割分業を前提とした家族観が、社会保障制度の構築にも色よく反映されていたのは周知のとおりです。しかし、21世紀に入って20年以上経過した現在、雇用されて労働者として働くという勤労観や、適齢期を迎える男女が夫婦となり子どもを設けるという結婚観・家族観は、もはや大多数の人々に共有出来る會舘ではなくなってきており、人々の価値観の多様性がはるかに進んでいるのが実態です。少子高齢化や長寿命化とも相まって、こうした変化に制度が付いていけておらず、制度の谷間を生み出し十分な保障が及ばない人々を生み出しています。???? 社会情勢の変化に対応し、あらゆる価値観を包摂する多様性を前提とした社会保障制度が求められていること自体に異論を唱える人はいないでしょう。 これに対する政府の中間報告の整理では、勤労者皆保険」という新たな政府支出を抑える方式を打ち出し、女性就労制約となってくる政策は、壁を作り出し、労使問題に矮小化し政府責任を投げ出しています。 また、厚生労働省は「地域共生社会」という造語を作り、「制度・分野ごとの「縦割り」や「支えて」「受け手」という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えて繋がることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域を共に創っていく社会を指しています」と「互助」制度を統括するソーシャルワーカーを担い手とする安上がり政策を打ちだしています。何かにつけて、「断られない言葉を用いて、構成していますが、財源を見れば明らかに、非正規職員での対応を前提にしており、介護サービスの「互助」への「移管」の狙いが見え隠れする地域共生社会です。 今後こうした政策により福祉課題に正面から取り組もうとする自主性の高い自治体と、何もしない自治体とでは格差は広がる一方で、国は市町村ごとの保障水準の格差が拡大する状況を市町村に転化して座視してはならないと考えます。 最後に、人間関係のデジタル化に「地域」福祉はどのように応えようとするのか、考えてください。 現在のジェンダーバイアスを踏まえた社会進出に対する展望 田原聖子 労働力調査によれば2021年平均の従業者数は6667万人、男性は3687万人、女性は2980万人、労働力人口総数に占める男女の割合は、男性53.1%、女性46.8%です。しかし、正規職員の男女比率は、男性78.2%女性46.4%で、非正規率は男性21.8%、女性53.6%です。 労働法制の歴史 1986年男女均等法、1992年育児・介護休業法、1993年パートタイム労働法、2014年労働基準法・女性労働基準規則、2008年労働契約法、1986年労働者派遣法、1999年対象業務の原則自由化、2001年「官から民へ」として2003年地方独立法人、指定管理者の制定、地方交付税や国庫支出金の削減、総人件費削減による非正規雇用職員の増加で、財政比率で、公務部門の人件費は5.4%となり、15年連続でOECD最低となっています。ジェンダーバイアスを前提とした新自由主義による労働政策と自治体業務の民営化、医療・福祉に加えて教育制度の改悪は女性労働者ばかりでなく若者や低賃金・不安定労働にしました。 女性労働者の現状と課題として、「夫に聞いてみないと…」「扶養の範囲内」とい言動が現わしており、本人と家族の権利、納税の義務を損なわせ、労働組合運動の発展を妨げています。女性労働者の特徴は、介護・保育・看護等のケア労働の比率が高いことです。しかし、「女性ならば誰でもできる仕事」「お母さんの経験があればできる仕事」と労働者の評価に性的役割を持ち込んでいることが、生活できない賃金にしています。 男女均等法の趣旨に沿って、国や地方自治体は性別による賃金・雇用差別を撤廃した労働・行政政策に転換し、「男女ともに仕事と子育てを両立できる環境整備」の実現を進めていきましょう。 ジェンダーバイアス(英:gender bias)とは、「性的偏り」「性的偏見」などと訳される、社会的な慣例による男女観に拘束された意識や行動様式、あるいは男女差によって生じてしまう何らかの偏り、である。 FOCUS 図書館の貸出記録の利活用 そのメリット・デメリット 津田さほ 驚き!!「図書館の貸し出し記録の利活用」が出ています。そもそも図書館で名前を書いて本を借りること自体、自分の信条、を明かすことになり、返せばすぐ消してもらえるとの安心感から、通っていたものです。この貸し出し記録を保存し、利活用するなど、図書館本来の守秘義務違反ではないのではないでしょうか。自分が借りたら自分で管理するのが当たり前、!!! 「いのちのとりで裁判」の潮目が変わった 吉田雄大 生活保護裁判のいくえが大きく様変わりしていたと、具体的な経過が述べられています。審議会での厚生労働省の職員の姑息なまでの態度が公にされ、本来の必要性のないもんだったとの判定には、白書を送りたいと思います。しかし、裁判所が自分の意見を述べるのではなく、コピーライターになっていたとは、日本の司法の在り方も正さなければいけませんね。そもそも「ゆがみ調整」とは、人の生活に関わる言葉でしょうか。 映画 『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』は本物のパンクムービーである 小原浩靖 この映画に対する意欲に感激し僕も見に行きました。福島原発事故のは2つの奇跡が起こっており、最大の被害に及ばなんだこと、ソウラ―システムを農地に開くことにより、野菜などの熱射病被害を少なくして、収量が多くなること、福島の農地が、被ばく線量に侵されるのではなく、作物の姿によって、質によって大きく線量をの違いがあることなどが報告されていました。裁判官は、原発など高度な科学的理論を習得できないのに、このような判決を出してきた背景が語らえ大きな転換期になっていました。「映画には社会を変える力がある」と、世論が100万集まれば政治が動くと、子のために作られた物で、脱原発理論を復習していきましょう。 ●連載● 人つながるS 住民の自由にならない沖縄の空 〜子どもに安全な空を残したい#コドソラの活動〜 知念涼子 #コドソラ、子どもの空の米軍の破片が落ちてドン、と米軍スタンダード(日米地位協定)によるこの恐怖を幼い子どもに落とさせないことは、日本人の責任です。飛行ルートにないことの確認すら出来ない政府は、潰してしまおう、ここに落とさせよう、もう何年にもなるのに、沖縄県民の皆さんごめんなさい。 検証 津久井やまゆり園事件を人権の視点から考える 第12回 福祉施設と職員の責任を問う 〜「体験的社会福祉私考」を踏まえて〜 太田 顕 この連載が12回にもなりますが今回は降りだしの施設紹介から始まっています。福祉労働者として「やまゆり」に勤務してこられ、そこでの経験と福祉事業者としての家族との連携などをふりかえられています。これ未だあった障がい者の人権に関する、社会福祉事業者としての心意気が感じられないのはなぜでしょうか。今までの報告者と立場が違うのでしょうか。福祉事業を労働組合で取り上げる時の困難性は私には難しいのですが、大きな世帯での労働環境の整理と利用者の権利との整合性をどうとるのか、その機会はどうであったのか、立場をもって告げてほしいと思いました。 くらしと自治と憲法と 第18回 「国葬」と思想・良心の自由 河上暁弘 国葬問題での教育関係での批判が出ています。民主主義的教育の中で権威づけることがいかに問題であるかが出ています。ついこの問題が忘れ去られていくことがないように、今後とも厳しく追及していきたいものです。 おきなわ定点観測 第8回 先島諸島の軍事要塞化に抗う─新たな島づくりへの希望 関 耕平 沖縄諸島の軍備増強の最終段階が注がれています。急そうな兵站基地としての特需に沸いた沖縄県民の基地増強不安は、これらに反比例していくことでしょう。しかも地域の文化継承に取り組む若者の。育成など末永い取り組みが行われており、ひとまず安心しましたが、中国を敵扱いする日本政府の外交は早期に辞めさせなければいけませんね。公共施設の建設は軍事とかかわりなく行わるのが必要ですね。 公民館における出会いと学び 第5回 コロナ禍での公民館の挑戦 田中純子 コロナ禍でのなんとも表現のしようのないもやもやを、どう解決したのかが綴られています是非参考にしてください。これからの社会リアルで集まりながらも、オンラインでの、オンデマンドでの学習方法などが生まれたようです。他部局との連携で「フードドライブ」が出てきました。ワクチン接種の手伝いなど、市民対象の事なら何でもやる公民館となったのですね。 シリーズ 地域発信 小さい林業で森を編集 最終回 第5回 未来へ続く森づくり 滝川景伍 林業という言葉が佐川町をはじめ全国で展開されている、恩返しに思いを繋ぎます。中心部が「豊かな森を大切にするために、環境にやさしい持続可能な林業の展開と人々の森へのかかわりが大切だ」という本質を、無関心な人に広げていきましょう。これからの佐川町の変化で、おもちゃ美術館が気になります。この展開が幼児期に木材を大切に取り扱う作業から生まれていくのですね。ありがとうございます。 『住民と自治』読者・会員のみなさまへのお願い @NEWS 沖縄の民意は揺るがず 玉城デニー知事が再選・圧勝 湧田廣 BOOK REVIEW ローカル・ネットワーク Jつうしん 自治の風─静岡から 第7回 コロナ禍の熱ありがとうござい海市伊豆山土石流災害─住民主体の復旧・復興に向けて 川瀬憲子 熱海温泉の変遷が降り返されています。かって温泉町として一大観光地であったのが衰退し最近の海外ブームの中で復活し、最近の土砂災害で、災害での熱海市の活動が、参考になってきました。各種の経験が生まれている町の在り方を、振り返る目を見つめていきたいものです。 編集後記
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2022年10月号読者ノート
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(2022/09/20)
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編集局 環境省の「一般廃棄物の排出及び処理状況等(2020年度版)」によると、1人1日当たりのごみの排出量は2016年度から2020年までの5年で925グラムから901グラムへと微減の傾向にあります。しかし、その行く先については、市民の目に留まりにくい現状にあります。901グラムをごみ袋で排出して終わりではなく、その収集・運搬、中間処理、最終処分にはさまざまな工程があり、工程一つ一つに目を向けなければ、出したごみを受け入れる住民への責任を果せません。 目次 ●連続企画● 「新型コロナ」から日本の社会を考える 第28回 「子ども食堂」がもたらすつながり 栗林知絵子 コロナ禍での表面化した隠れた部分としての子ども食堂が、多彩な活動の下、2019年時点で全国に3718か所、2022年で、6000か所が開設(全国の子ども食堂中間支援団体ネットワークhttps://mow.jp/about/index.html#02)されていた。この起こりが、2013年、こども貧困対策推進法この国の子どもの6人に一人が相対的貧困状態にあるとのことが明らかになり、「困難な環境の子どもを何とかしたい、何か自分でもできることはないか」と考える人と人が繋がることから全国に現れた。この広がりは、住民自治の観点から、創意と工夫を生んでいるようだ。が、行政としてこれにどう向き合うのか見てみたい。 官民協同の子ども支援の高まりと言いつつも、この先頭には、住民が複数でお越しこれに対し行政が支援するとなる。これが起きなければ、行政は何もしないのか、と問われるが、豊島区のようにこの集まりの事務局を子ども若者化が担ってはじめて、さまざまな支援情報も公平にいきわたりもし、活動状況も広報されるのです。また、この活動に企業が支援が起きていますが、個人情報の関係でどう行われているのか、企業の参加目的としての社会的責任を果たす中に、この眼目は、見逃せないと思います。データーの改ざんなどせっかくのつながりを大事にしてほしいものです。事務局としての行政の目が大切です。あらゆる剰余のものを繋げていきたいとのことですが、この剰余がなぜ生まれるのか、これも感がてみたい課題です。参考NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ 理事長 湯浅誠https://musubie.org/about/ ●特集● ごみ処理に民主主義を 清掃事業を市民が見えるように 捨てたごみの行方とその影響 藤井誠一郎 清掃業の民主主義がいかに大事かを述べています。「ごみを出したら清掃業者が処分してくれている」で終わりでは、今抱えている課題にきちんと対処できない人を作っているのですね。@収集・運搬A中間処理B最終処分の3工程を過程の複雑さ、最終処分場の延命化策、清掃菊、清掃事業の「一貫性、統一性一体性」とその欠如の影響など課題が大きい、本当は自分の問題何ですね。清掃事業への市民参加。の必要性をもっと自治体が出さなければなりませんね。一方この処分の進歩に驚きをもって知りました、ポルトラルセメント、コンクリートの骨材などの既に使われているのですね。 東京・檜原村の廃棄物焼却施設建設計画について 松村哲朗 ひところ東京都は全国に廃棄物の最終処分場を求めていたと聞きました。今自区内処理が基本になっているとのこと、誰しも自分が出した汚濁物を他人の生活分野に送ることは、道理に合わないでしょうし、これからの未来に向けて人類の発展のどう行うのか、改めて感がて行きたいものです。この事例はこのようなことの前に、押し付けられてという点にありますが、この過程での、解決方法を見ていきたいと思います。大気汚染の解決に科学の発展を期待したいと思います。 ごみ処理場の立地問題と「公正」の諸相 中澤高師 東京都の自区内処理原則が、第一次東京ゴミ戦争の発端から1970年代と言います、第二次が1990年代、2003年には自区内処理原則を事実上放棄されました。「公正」とい言葉が、さまざまな生き方をしてきたのが良く分かります。合意形成の第一歩がこれらの声に耳を傾けることから始まるのですね。 1.立地の公平な分担による公正 2.保証による公正 3.発生抑制による公正 4.手続き的公正 の4つがあげられています。 一部事務組合に住民の意思を反映させることができるか 木村芳裕 一部事務組合課題は、ごみ処理だけでなく、消防、退職金など、行政サービスの一部を共同で行うことを目的に、地方自治法第284条2項に定められています。この組織は、住民の直接民意を代表しにくくなると言われ、ますが、住民のくらしに直接関与する課題であり住民運動によって一部事務組合の方針の変更、首長の変更まで、行うことがあるのです。広域化によって一見運動の対象地域が広くなったように見えても、自治体住民の反対・改善運動によって変えることが出来るのです。ここでの住民と労働組合の連携と、ち密な提案、科学的な根拠が作られています。 処分場予定地からラムサール条約登録地へ ─藤前干潟の保全活動─ 亀井浩次 藤前干潟の保全運動が、環境庁の発足時点で働いていたのですね。環境アセスメントを、環境アワスメントと揶揄された時代から、渡り鳥の貴重な生態系の場だと高度化され、変わりゆく社会を代表する国指定鳥獣保護地区なりました。2000年に「ラムサール条約COP8」で登録湿地になって保全が確定しました。 第64回 自治体学校in松本+Zoomを終えて 全国自治体学校が3年ぶりにリアル方式で687人の参加での開催になった。私たちは、ZOOMでの参加であったが、その雰囲気は感じられた。全大会、分科会、ZOOM会での様子が報告されているが、議員の研修会になっている感じだ。自治体労働者の参加が88人16.2%ではこれからの住民との関係が、心配だ。憲法を生かし、地方自治が息づく街づくりが、新自由主義政策の低迷、雇用不安低下、社会保障の後退の原因を克服するよう、頑張っていきましょう。 ●連載● 人つながるR コロナ禍の外国人技能実習生支援活動 鳥本敏明 ベトナムからの実習生のコロナ禍でのシェルターの果たした役割が綴られています。今日本には外国からの労働者が来ていますが、選ばれない国になっているようです。実習生受け入れ企業の7割ほどに何らかの違反があるという労働基準監督署の報告からも、受け入れ企業の適正化は実習生問題だけにとどまらず日本の社会問題として解決が求められています。 くらしと自治と憲法と 第17回 高まる戦場化の危機の中で求められる「憲法力」の発揮 前泊博盛 沖縄の米軍占領時期の「法治国家」には程遠い「放置国家」での沖縄県民の苦悩が述べられ、今、「権利は与えられるものではなく自らの力で奪い獲るもの」という心情が垣間見られます。戦後の日本国憲法の柱は「平和主義」の徹底です。ところが憲法施行から75年を経て、日本は憲法違反の自衛隊という名の事実上の軍隊を保有し専守防衛から逸脱した準備が行われています。戦後77年を経て、憲法の形骸化にいかに歯止めをかけ、立憲主義と平和主義を貫徹することが出来るか、国民全体で真剣に論議すべき時期を迎えています。 検証 津久井やまゆり園事件を人権の視点から考える 第11回 連載中間まとめ ─なお、論ずべきこと 井上英夫 この間述べられた項目の整理がされ、人権の担い手に問うで、自覚と人権を保障するケアを実践する必要があるでしょう。改めて公務労働者・自治体労働者そして社会保障・社会福祉労働者すなわちケア労働者の皆さんに考えて頂きたい。 シリーズ 地域発信 小さい林業で森を編集 第4回 地域の木を地域で使う 滝川景伍 野菜と木材の違いが述べられ、地産地消が取り入れられないかの検討を行い、現実そう甘くはありません。と述べておられますが、対価に火に違いが大きいですね。又針葉樹は燃えるスピードが速いので、薪ストーブユーザーなどには不向きだとか木材の性質にもよることも大きいのですね。薪づくりから始められたようです。自伐材林業で出た、根曲がりや梢部分の木を発明ラボで使うことで新たな命が吹き込まれたようです。木工家や家具職人、さらに言えば地域の人がDIYで使う木材まで、地元の木が使われるようになると、そこに小さな循環が生まれ、森と人のつながりが出来てきています。多くの団体との連携がこれからも広がればいいですね。 おきなわ定点観測 第7回 与那国島での偶然の出会い ─離島医療を支える医師たち 関 耕平 「健康で文化的な最低限度の生活」が保障されているかどうかは、福祉水準の全国平均ではなく、地理的に不利な離島やへき地の状況によって初めて明らかになります。先生の今回のテーマ離島での医療です。 公民館における出会いと学び 第4回 持続可能な地域づくり 田中純子 今回のESDはEducation for Sustainable Developmentの略で「持続可能な開発のための教育」と訳されています。今、世界には気候変動、生物多様性の喪失、資源の枯渇、貧困の拡大等人類の開発活動に起因する様々な問題があります。ESDとは、これらの現代社会の問題を自らの問題として主体的に捉え、人類が将来の世代にわたり恵み豊かな生活を確保できるよう、身近なところから取り組む(think globally, act locally)ことで、問題の解決につながる新たな価値観や行動等の変容をもたらし、持続可能な社会を実現していくことを目指して行う学習・教育活動です。の話ですが、これを公民館活動の中で行われているとは。驚きと、広島の公民館はどうだろうかと思いました。 @NEWS 入管法「改正」案とタンザニア人ゲイ・カップルの難民申請 斉藤善久 入管法について私たちは、特殊な外国人の問題であることに留まらず、日本国名民にとって、自分たちの国がそのような偏狭で差別的な、社会的弱者の人権をおろそかにする国になっていいのかという問題にほかなりません。 BOOK REVIEESDW ローカル・ネットワーク Jつうしん 自治の風─静岡から 第6回 地域医療を守る─住民運動と共同して 中村恵美子 厚生労働省はコロナ対応での公立病院の重要性を認識して、地域医療構想の重点を「赤字解消」から「経営強化」に変更せざるを得なくなったことは地域運動の成果だ。 編集後記
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2022年9月号 読者ノート
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(2022/08/19)
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編集者の声 リニア中央新幹線の基本計画は1973年で、環境アセスメントを経て、国は2014年に工事を認可しました。残土の処分問題、大深度法による事故、環境破壊、住民との衝突、これらの問題が生じて地域住民が被害を受けていますが、JR東海が主導する「民間事業」はとまるどころか、国が3兆円もの融資をしてまで後押しをする「国家『的』事業」と化しています。憲法で定める地方自治の本旨に基づき、勝手な「国家『的』事業」は中止すべきです。 目次 ◆直言 自治体による中小企業政策の再考─現代の「是」をもっと広めよう─ 八幡一秀 明治時代に「是」という言葉で、地域経済振興計画が作製され、実施されていたとのこと、現在の中小企業振興条例は、47都道府県614市区町村に及んでいるようです。それぞれの地域の宝である、中小企業・小規模企業の実態調査を行い、それぞれの地域が持っている産業集積の個性をもっとシャープにすることが求められています。そして計画振興を実施した時にはその結果を検証するため、「PDCS」サイクルでもって行うことが大切です。 ●連続企画● 「新型コロナ」から日本の社会を考える 第27回 コロナ禍が浮き彫りにした災害避難所生活 榛沢和彦 .災害時にどこから救援者が来るかといえば、圏外から来るのが外国では常識だとか、今まで災害関連死者が20年間で、年間5000人を超えているとか。これが災害でなくてどうしましょう。日本に欠如している災害時市民社会生活保護の概念で、災害支援することで被災者が元気になって被災地で元のように働けるようになり、そのことによって経済が回り地域が復活することのようです。また、日本では足りない備蓄量ですが、イタリアでは山岳地帯に、国立で、ジェット機の格納庫規模の備蓄倉庫が10個もあり0、全部で10万人分のテント、コンテナキッチン、コンテナトイレ、電源車をはじめとしてあらゆる避難所用品や災害支援物資が備蓄されていました。また大型トラック、トレーラー、クレーン車など運搬用車両も備蓄され、支援者を運ぶ大型バスも備蓄されていました。倉庫の10個のうち3個は内務省が管理しており、7個の倉庫はイタリア赤十字に管理委託されていました。各倉庫の前は滑走路のように広く長い空間がずっと広がり、いざという体制ができるものでした。またボランティア組織があり、80%が職能ボランティアとして100時間の講習・実習を受け、支援に行く時は雇用者は妨げてはいけないという法律があるそうです。約240万人以上いるとか。被災地自治体職員は、避難所を管理することはあり得ないのです。こう見ると日本の避難者支援概念の遅れは大変です、早期に転換しなければ、これからの災害に間に合いませんね。 ●特集● リニア中央新幹線からみる国家「的」事業の歪み 「国家『的』事業」の歪みを生む構造はどこにあるのか 樫田秀樹 国家『的』事業の歪が工事を通じて財政投融資や大深度法などの不適切な活用が行われている事、長期間にわたり、国民への説明責任が不十分な待すすめられ、頓挫していることが分かりました。 リニア新幹線の年表を作ってみました。 1973年 基本計画・・環境アセスメント開始 1989年 実験線誘致決まり用地買収開始 1997年4月 山梨リニア実験線で走行実験開始 1999年 大阪までの工事開始出来ず 2001年 大深度地下の公共的使用にかかる特別措置法 2002年 国土交通省「建設副産物適正処理推進要綱」決める 2002年12月18日 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法が公布され、JRTTの設立が決定した。 2007年12月 JR東海大阪までの建設費9兆円を自費で工面し建設すると発表 2011年 環境アセスメント開始 2011年 JR東海環境アセスの公表と住民説明会開始 2013年 環境影響評価準備書」の縦覧と住民説明会開始‥@水枯問題 A残土処分決まらず・・ずさんなものだった。 2013年9月 山田佳臣JR東海社長「リニアは絶対のペイしない」と公言 安倍首相 3兆円の財投をJR東海に融資すると公表 2014年 国が工事を認可 2016年6月 安倍首相「リニアや整備新幹線などに財政投融資を活用を表明 2016年11月 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法改正され新たな業務として、中央新幹線の整備加速のための資金貸付業務が追加された。2016・2017年度に中央新幹線の建設主体である東海旅客鉄道に対して、3兆円の資金貸付が実行された。 2020年10月 調布市東つつじヶ丘生活道路が陥没 2021年6月 東京都品川区リニア工事で初めて直径14mのシールドマシン稼働しなくなる リニア中央新幹線工事計画をめぐる静岡県の声 林 克 リニア新幹線工事の開始時に、「本事業を円満に実施づるためには、地元の理解と協力を得ることが不可欠である」と2014年10月国土交通相の認可の時点の意見ですが。トンネル工事で、中下流流域住民の水道水を支える命の水を全く議論しない工事関係者がいたとは。これが県知事選挙に県民の声を代表している事なのですね、この問題の今後の課題として、全量戻しの方法、生物多様性の確保、ルート変更と期成同盟化の活性化などの指摘されています。 新たな国土計画としてのリニア中央新幹線とスーパー・メガリージョンを問い直す 中山 徹 なんとこのリニア新幹線推進方式は、全国国土開発計画の主要な材料だったとか。今多くの地方で国鉄の民営化以来、各路線の輸送密度を計算され、規定の2000人以下の路線は廃止なろうとしています。このような状況の下、スーパー・メガリューションの形成の手段としてこのリニア新幹線でもって大都市圏をつくり世界一を目指すのだそうです。世界一になれば競争に勝てるという20世紀型発想であり、世界の急速な情報化がすすみ大きく市民生活の変化も見られ、市民の生活向上、地域経済の発展にどう取り組むかが問われる時代に、このような時代錯誤な発想がとられているのです。そもそもこのスーパー・メガリューションなるものが形成されるのか、具体的に計算されており、この路線は今の山手線の運転間隔以上で運転されなければならないのですから、幻想です。そうではなく全国的な鉄道網と公共交通網、多彩な歴史や文化を持つ日本の地方を守り、発展させるような交通計画、国土計画を確立すべきです。 大規模開発に対するアセスメント 欠陥だらけの制度を乗り越える地域からの運動を 傘木宏夫 大規模開発でもって地域が活性化しようとしても、その前に住民に環境アセスメントで説明し理解を得なけれいけないのですが、その内容が、時の縦割り行政によりゆがめられているようです。本来のアセスメントの内容について確認をしておきましょう。 あるべき姿は、開発行為の構想・計画・実施の各段階で、環境や社会・経済に与える影響を事前に見積もり、適切な配慮(マイナス影響の回避とプラス影響の増進)に寄与する事です。 構想や計画段階で実施される戦略的環境アセスメントにはSDGs(持続可能な開発目標)を受けて、社会面や経済面を包括した持続可能性アセスメントの取り組みも始まっています。災害リスクの扱い、自治体や住民の意見、自然災害への言及などがどう扱われているかあ、また開発の規制・誘導が各自治体で提起されているかを見たいものです。 東京外環道トンネル工事差止仮処分と大深度法の根本的問題点 武内更一 トンネル工事でもって自然環境破壊から、生活基盤崩壊が出ている工法の問題なのか、工事を行うことが不適切なことを認めない行政の怠慢なのか、2022年2月、東京地裁で判決が出され、調布での陥没原因として挙げられたことが、大きくなっています。大深度法の根本が崩れたと言えます。今まで私たちがトンネルの工事を請け負い実施してきた根本問題での持続的発展の弊害となる事件でもあります。地下系統の自然を相手に機械の振動でもって揺るがしくっさくすると、水道は変わり、生態系の変更を生むことでしょう。ある程度の事と考えるのではなく今後とも持続可能な自然環境の保護に努めたいものです。 自治体DXの争点B マイナンバーカードの普及によって問われる地方自治の意義 稲葉一将 デジタル社会」は、「いつでも」、どこでも」デジタル化の恩恵を享受できる社会と言われていますが、住民にとって比較的身近な存在であるはずの地方自治体が、遠い存在へとトランスフォーム(転形)する可能性が危惧されます。 マイナンバー「制度」は、@個人を認識するために付番されるマイナンバーA本人確認を行うためのマイナンバーカード、Bオンラインの窓口になるマイナポータルという3つの構成要素から成り立つものです。 マイナポータルとは、「マイナンバーカードをキーにした、私たちの暮らしと行政との入り口」と言われ、従来の行政窓口を補完し、さらには代替する役割も期待されているようです。マイポータルの法的根拠が乏しい問題があります。 生身の住民と接してその多様性な困難に寄り添うことが出来るのは、生活者でもある地法公務員や地方議員・首長です。キーで何が分かるのか。 今こそデジタル・インクルージョンを 坂本 旬 デジタル・インクルージョンとは、デジタル・デバイド(格差)を解消し、全ての人々がデジタル化の恩恵を受けられることを目指す理念です。 デジタルシティズンショップは、「デジタル技術の利用を通じて、社会に積極的に関与し、参加する能力を指すものであり、コンテンツの作成や公開、他者との交流、学習、研究、ゲームなどのあらゆるデジタル関連の活動を行う能力に加え、オンライン消費者意識、オンライン情報とその情報源の批判的評価、インターネットのプライバシーとセキュリティの問題に関する知識など幅広いリテラシーを含む」です。 これらの時代はすでに目の前にあり、キーワードはSDGsであり、誰ひとり取り残さないデジタル社会の実現です。 ●連載● 人つながるQ 風テラス─風俗で働く女性たちの生活相談の現場から 坂爪真吾 風俗の世界は、社会課題の集積地です。現在、全国で40万人以上の女性が風俗で働いていると言われています。現行制度では十分な支援が届きづらい課題を抱えた女性たちが集まっています。そもそも風俗は福祉ではなく、あくまでビジネス―お金を風邪ぐための手段です。「最後のセーフティネット」になれるのは、風俗ではなく、行政だけです。コロナ禍で窮地に陥った風俗で働く女性たちを、生活保護などの制度を通じて最後に守ってくれたのは全国の自治体の職員の方々でした。 公民館における出会いと学び 第3回 住民主体の講座「元気な子育て」 田中純子 公民館での企画院の感想「口座の中で自分を受け止めてもらう過程で、他人をきちんと受け止めることを学んだ。地域の事に目を向けるようになり、日本の教育や世界の課題までも見えるようになった」などの言葉は実践が生み出した言葉ですね。 くらしと自治と憲法と 第16回 敵基地攻撃論と国際法上の自衛権 山形英郎 軍事費GDP比目標(2%以上)を念願に置いた軍事力強化は、2%へ増額されれば、軍事費は2倍となり、米中に次ぐ世界第3位の軍事大国へ飛躍します。敵基地攻撃能力を獲得するためにはこのような莫大な軍事費が必要なわけです。 憲法学者の多くが支持している学説によれば、第9条は第1項で自衛権の保持を禁止しないが、第2項で戦力の不保持を規定していることから、戦力以外の自衛権行使は可能と説いています。戦力なき自衛権論です。 日本国も、北朝鮮が発射したミサイルが日本の排他的経済水域に落下したとしても、武力攻撃の発生を宣言していないのです。自国領内への武力行使前に、敵基地や策源地を攻撃することは決して許されません。 シリーズ 地域発信 小さい林業で森を編集 第3回 山の恵みを地元に還元 滝川景伍 日本の林業のれきすぉ簡単に述べています。里の風景としての巻き、炭の利用が、エネルギー革命でなくなり、戦後の木材不足の中で拡大造林をした丸太が、生育するころには、海外からの安価な木材が輸入され、50年伐期を迎えた丸太は、自給率が伸びないものになり、増えたまま適切な手入れがされなくなり山の価値は薄れ、人々の関心が遠のいたのです。 滝川さんは自伐型林業を行う上で、@放置された人工林を適切に手入れし、利用できるものは利用し、残った木々はしっかり育てて次世代にバトンをつなぐA山の価値を取り戻して、人々の関心をもう一度山に向けること だそうです。 多世代交流で、五感をフルに使って森を体験してもらい、山との距離を一歩でも近づけられる土産を持って帰らすそうです。 ゆくゆくは林業ツーリズムに発展させていこうと画策しているようです。頑張ってください。 おきなわ定点観測 第6回 選挙イヤーの沖縄 ─僅差の参院選沖縄選挙区を体感して 関 耕平 なぜウチナーンチユは自分で持ってきたわけでもない基地に挟み、いがみ合うのか。誰かが上から見て笑っていないか」。故・翁長雄⁴志氏が知事選で訴えたこの言葉を改めて思い起こしましょう。参議員選挙では票差はわずか2888票で、まさに薄氷を踏む「オール沖縄」の勝利でした。関先生の沖縄滞在経験から、「上から見て」一喜一憂するのではなく、沖縄で起きていることを沖縄の有権者の問題に押しとどめず、日本政治全体のあり方が問われれていることだと当事者性をもって受け止めることの重要性を再認識する選挙でした。と言われています。 @NEWS 和歌山のIR・カジノ計画もストップ 藤沢 衛 ローカル・ネットワーク Jつうしん 自治の風─静岡から 第5回 浜松市のデジタル化 池谷 豊 浜松市に吹かれているデジタル化をまさに浜松市は国ばかり見ていて、住民は全く無視されているのですね。これが全国に流されている実態なのでしょうか。大きな課題を異常に掲げて不安をあおりどこに連れていくのでしょうか。 編集後記
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