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2022年11月号読者ノート

 (2022/10/27)
 
編集局より
本年5月17日に公表された全世代型社会保障構築会議の「議論の中間整理」では、2040年に向けた生産年齢人口減少と後期高齢者の割合増加を危機として、全ての世代に行き渡る社会保障体制の構築を打ち出しています。しかし、その内容は本質的な解決策ではなく、その場しのぎ的、「やっている感」の演出に終始しています。本号では、中間整理で提示された論点について問題点を提示することで、本来あるべき社会保障の形について市民が考える材料をそろえるべく、特集を企画しました。

 
目次
◆直言 新型コロナからの教訓 唐澤克樹男

 コロナ禍の問題の本質は何か、改めて、生活、貧困、医療・福祉、社会保障、中小企業、食料・農業、雇用・労働、教育、環境、物価、などに関わる、新自由主義政策にいわば放置された社会問題が露呈したと言えます。必要不可欠な地道な研究成果が問われ、社会運動が大事です。
●特集● 全世代型社会保障構築会議 中間整理の論点
 2022年5月17日に公表されたこの報告書は、その場しのぎ的「やっている館」の演出に終始していると言われていますが、これをどう見るのか、本来あるべき社会保障の形を探っていきましょう。
全世代型社会保障構築の問題点と改善に向けた課題 村田隆史
 全世代型社会保障の検討に当たり、「世代間対立に陥ることなく」との命題に対し、この枠を大きな問題であるとの認識がないまま、議論が進められ、社会保障のグランドデザインを考えようとしていない。個別政策の見直しをしない、など経済、財政が大きく関わることを優先させている取り組みに、批判がされています。6つの項目にそれぞれの「課題とめざすべき方向」及び「今後の取り組み」について票で表されていますが大きな項目になっています。これらが解決されなければ、真の全世代型社会保障は成立しないでしょう。
全世代型社会保障における「家族介護の是正」に係る考察 山ア光弘 
 介護保険が2000年に発足して多くの社会福祉法人が携わるようになったが、改悪の続く介護保険法により利潤がすくなくなり、撤退する法人が多くなったそうですが、政府は個々の社会福祉充実残額のある社会福祉法人にあっては「地域共生社会」の実現に係る義務付けが法の下に設けられたのです。これらは「互助」として義務付けられ、信頼関係ではなくなり、社会保障制度の意義と公的機関の役割について改めて再考することが今求められています。
多様な働き方・生き方を尊重する社会へ─勤労者皆保険・地域共生社会を中心に M畑芳和
 夫が労働者として働くという勤労観や、妻が家事・育児を中心に担うという性別役割分業を前提とした家族観が、社会保障制度の構築にも色よく反映されていたのは周知のとおりです。しかし、21世紀に入って20年以上経過した現在、雇用されて労働者として働くという勤労観や、適齢期を迎える男女が夫婦となり子どもを設けるという結婚観・家族観は、もはや大多数の人々に共有出来る會舘ではなくなってきており、人々の価値観の多様性がはるかに進んでいるのが実態です。少子高齢化や長寿命化とも相まって、こうした変化に制度が付いていけておらず、制度の谷間を生み出し十分な保障が及ばない人々を生み出しています。????
 社会情勢の変化に対応し、あらゆる価値観を包摂する多様性を前提とした社会保障制度が求められていること自体に異論を唱える人はいないでしょう。
これに対する政府の中間報告の整理では、勤労者皆保険」という新たな政府支出を抑える方式を打ち出し、女性就労制約となってくる政策は、壁を作り出し、労使問題に矮小化し政府責任を投げ出しています。
また、厚生労働省は「地域共生社会」という造語を作り、「制度・分野ごとの「縦割り」や「支えて」「受け手」という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えて繋がることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域を共に創っていく社会を指しています」と「互助」制度を統括するソーシャルワーカーを担い手とする安上がり政策を打ちだしています。何かにつけて、「断られない言葉を用いて、構成していますが、財源を見れば明らかに、非正規職員での対応を前提にしており、介護サービスの「互助」への「移管」の狙いが見え隠れする地域共生社会です。
今後こうした政策により福祉課題に正面から取り組もうとする自主性の高い自治体と、何もしない自治体とでは格差は広がる一方で、国は市町村ごとの保障水準の格差が拡大する状況を市町村に転化して座視してはならないと考えます。
最後に、人間関係のデジタル化に「地域」福祉はどのように応えようとするのか、考えてください。

現在のジェンダーバイアスを踏まえた社会進出に対する展望 田原聖子
 労働力調査によれば2021年平均の従業者数は6667万人、男性は3687万人、女性は2980万人、労働力人口総数に占める男女の割合は、男性53.1%、女性46.8%です。しかし、正規職員の男女比率は、男性78.2%女性46.4%で、非正規率は男性21.8%、女性53.6%です。
 労働法制の歴史 1986年男女均等法、1992年育児・介護休業法、1993年パートタイム労働法、2014年労働基準法・女性労働基準規則、2008年労働契約法、1986年労働者派遣法、1999年対象業務の原則自由化、2001年「官から民へ」として2003年地方独立法人、指定管理者の制定、地方交付税や国庫支出金の削減、総人件費削減による非正規雇用職員の増加で、財政比率で、公務部門の人件費は5.4%となり、15年連続でOECD最低となっています。ジェンダーバイアスを前提とした新自由主義による労働政策と自治体業務の民営化、医療・福祉に加えて教育制度の改悪は女性労働者ばかりでなく若者や低賃金・不安定労働にしました。
 女性労働者の現状と課題として、「夫に聞いてみないと…」「扶養の範囲内」とい言動が現わしており、本人と家族の権利、納税の義務を損なわせ、労働組合運動の発展を妨げています。女性労働者の特徴は、介護・保育・看護等のケア労働の比率が高いことです。しかし、「女性ならば誰でもできる仕事」「お母さんの経験があればできる仕事」と労働者の評価に性的役割を持ち込んでいることが、生活できない賃金にしています。
 男女均等法の趣旨に沿って、国や地方自治体は性別による賃金・雇用差別を撤廃した労働・行政政策に転換し、「男女ともに仕事と子育てを両立できる環境整備」の実現を進めていきましょう。

ジェンダーバイアス(英:gender bias)とは、「性的偏り」「性的偏見」などと訳される、社会的な慣例による男女観に拘束された意識や行動様式、あるいは男女差によって生じてしまう何らかの偏り、である。
FOCUS  図書館の貸出記録の利活用 そのメリット・デメリット 津田さほ
 驚き!!「図書館の貸し出し記録の利活用」が出ています。そもそも図書館で名前を書いて本を借りること自体、自分の信条、を明かすことになり、返せばすぐ消してもらえるとの安心感から、通っていたものです。この貸し出し記録を保存し、利活用するなど、図書館本来の守秘義務違反ではないのではないでしょうか。自分が借りたら自分で管理するのが当たり前、!!!
「いのちのとりで裁判」の潮目が変わった 吉田雄大
 生活保護裁判のいくえが大きく様変わりしていたと、具体的な経過が述べられています。審議会での厚生労働省の職員の姑息なまでの態度が公にされ、本来の必要性のないもんだったとの判定には、白書を送りたいと思います。しかし、裁判所が自分の意見を述べるのではなく、コピーライターになっていたとは、日本の司法の在り方も正さなければいけませんね。そもそも「ゆがみ調整」とは、人の生活に関わる言葉でしょうか。
映画 『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』は本物のパンクムービーである 小原浩靖
 この映画に対する意欲に感激し僕も見に行きました。福島原発事故のは2つの奇跡が起こっており、最大の被害に及ばなんだこと、ソウラ―システムを農地に開くことにより、野菜などの熱射病被害を少なくして、収量が多くなること、福島の農地が、被ばく線量に侵されるのではなく、作物の姿によって、質によって大きく線量をの違いがあることなどが報告されていました。裁判官は、原発など高度な科学的理論を習得できないのに、このような判決を出してきた背景が語らえ大きな転換期になっていました。「映画には社会を変える力がある」と、世論が100万集まれば政治が動くと、子のために作られた物で、脱原発理論を復習していきましょう。
●連載●
人つながるS 住民の自由にならない沖縄の空 〜子どもに安全な空を残したい#コドソラの活動〜 知念涼子

 #コドソラ、子どもの空の米軍の破片が落ちてドン、と米軍スタンダード(日米地位協定)によるこの恐怖を幼い子どもに落とさせないことは、日本人の責任です。飛行ルートにないことの確認すら出来ない政府は、潰してしまおう、ここに落とさせよう、もう何年にもなるのに、沖縄県民の皆さんごめんなさい。
検証 津久井やまゆり園事件を人権の視点から考える 第12回 福祉施設と職員の責任を問う 〜「体験的社会福祉私考」を踏まえて〜 太田 顕
 この連載が12回にもなりますが今回は降りだしの施設紹介から始まっています。福祉労働者として「やまゆり」に勤務してこられ、そこでの経験と福祉事業者としての家族との連携などをふりかえられています。これ未だあった障がい者の人権に関する、社会福祉事業者としての心意気が感じられないのはなぜでしょうか。今までの報告者と立場が違うのでしょうか。福祉事業を労働組合で取り上げる時の困難性は私には難しいのですが、大きな世帯での労働環境の整理と利用者の権利との整合性をどうとるのか、その機会はどうであったのか、立場をもって告げてほしいと思いました。
くらしと自治と憲法と 第18回 「国葬」と思想・良心の自由 河上暁弘
 国葬問題での教育関係での批判が出ています。民主主義的教育の中で権威づけることがいかに問題であるかが出ています。ついこの問題が忘れ去られていくことがないように、今後とも厳しく追及していきたいものです
おきなわ定点観測 第8回 先島諸島の軍事要塞化に抗う─新たな島づくりへの希望 関 耕平
 沖縄諸島の軍備増強の最終段階が注がれています。急そうな兵站基地としての特需に沸いた沖縄県民の基地増強不安は、これらに反比例していくことでしょう。しかも地域の文化継承に取り組む若者の。育成など末永い取り組みが行われており、ひとまず安心しましたが、中国を敵扱いする日本政府の外交は早期に辞めさせなければいけませんね。公共施設の建設は軍事とかかわりなく行わるのが必要ですね。
公民館における出会いと学び 第5回 コロナ禍での公民館の挑戦 田中純子
 コロナ禍でのなんとも表現のしようのないもやもやを、どう解決したのかが綴られています是非参考にしてください。これからの社会リアルで集まりながらも、オンラインでの、オンデマンドでの学習方法などが生まれたようです。他部局との連携で「フードドライブ」が出てきました。ワクチン接種の手伝いなど、市民対象の事なら何でもやる公民館となったのですね
シリーズ 地域発信 小さい林業で森を編集 最終回 第5回 未来へ続く森づくり 滝川景伍
 林業という言葉が佐川町をはじめ全国で展開されている、恩返しに思いを繋ぎます。中心部が「豊かな森を大切にするために、環境にやさしい持続可能な林業の展開と人々の森へのかかわりが大切だ」という本質を、無関心な人に広げていきましょう。これからの佐川町の変化で、おもちゃ美術館が気になります。この展開が幼児期に木材を大切に取り扱う作業から生まれていくのですね。ありがとうございます。
『住民と自治』読者・会員のみなさまへのお願い
@NEWS 沖縄の民意は揺るがず 玉城デニー知事が再選・圧勝 湧田廣
BOOK REVIEW
ローカル・ネットワーク
Jつうしん
自治の風─静岡から 第7回 コロナ禍の熱ありがとうござい海市伊豆山土石流災害─住民主体の復旧・復興に向けて 川瀬憲子

 熱海温泉の変遷が降り返されています。かって温泉町として一大観光地であったのが衰退し最近の海外ブームの中で復活し、最近の土砂災害で、災害での熱海市の活動が、参考になってきました。各種の経験が生まれている町の在り方を、振り返る目を見つめていきたいものです。
編集後記
 

2022年10月号読者ノート

 (2022/09/20)
 
編集局
環境省の「一般廃棄物の排出及び処理状況等(2020年度版)」によると、1人1日当たりのごみの排出量は2016年度から2020年までの5年で925グラムから901グラムへと微減の傾向にあります。しかし、その行く先については、市民の目に留まりにくい現状にあります。901グラムをごみ袋で排出して終わりではなく、その収集・運搬、中間処理、最終処分にはさまざまな工程があり、工程一つ一つに目を向けなければ、出したごみを受け入れる住民への責任を果せません。
目次
●連続企画● 「新型コロナ」から日本の社会を考える 第28回 「子ども食堂」がもたらすつながり 栗林知絵子

  コロナ禍での表面化した隠れた部分としての子ども食堂が、多彩な活動の下、2019年時点で全国に3718か所、2022年で、6000か所が開設(全国の子ども食堂中間支援団体ネットワークhttps://mow.jp/about/index.html#02)されていた。この起こりが、2013年、こども貧困対策推進法この国の子どもの6人に一人が相対的貧困状態にあるとのことが明らかになり、「困難な環境の子どもを何とかしたい、何か自分でもできることはないか」と考える人と人が繋がることから全国に現れた。この広がりは、住民自治の観点から、創意と工夫を生んでいるようだ。が、行政としてこれにどう向き合うのか見てみたい。
官民協同の子ども支援の高まりと言いつつも、この先頭には、住民が複数でお越しこれに対し行政が支援するとなる。これが起きなければ、行政は何もしないのか、と問われるが、豊島区のようにこの集まりの事務局を子ども若者化が担ってはじめて、さまざまな支援情報も公平にいきわたりもし、活動状況も広報されるのです。また、この活動に企業が支援が起きていますが、個人情報の関係でどう行われているのか、企業の参加目的としての社会的責任を果たす中に、この眼目は、見逃せないと思います。データーの改ざんなどせっかくのつながりを大事にしてほしいものです。事務局としての行政の目が大切です。あらゆる剰余のものを繋げていきたいとのことですが、この剰余がなぜ生まれるのか、これも感がてみたい課題です。参考NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ
理事長 湯浅誠https://musubie.org/about/

●特集● ごみ処理に民主主義を
清掃事業を市民が見えるように 捨てたごみの行方とその影響 藤井誠一郎

 清掃業の民主主義がいかに大事かを述べています。「ごみを出したら清掃業者が処分してくれている」で終わりでは、今抱えている課題にきちんと対処できない人を作っているのですね。@収集・運搬A中間処理B最終処分の3工程を過程の複雑さ、最終処分場の延命化策、清掃菊、清掃事業の「一貫性、統一性一体性」とその欠如の影響など課題が大きい、本当は自分の問題何ですね。清掃事業への市民参加。の必要性をもっと自治体が出さなければなりませんね。一方この処分の進歩に驚きをもって知りました、ポルトラルセメント、コンクリートの骨材などの既に使われているのですね。
東京・檜原村の廃棄物焼却施設建設計画について 松村哲朗
 ひところ東京都は全国に廃棄物の最終処分場を求めていたと聞きました。今自区内処理が基本になっているとのこと、誰しも自分が出した汚濁物を他人の生活分野に送ることは、道理に合わないでしょうし、これからの未来に向けて人類の発展のどう行うのか、改めて感がて行きたいものです。この事例はこのようなことの前に、押し付けられてという点にありますが、この過程での、解決方法を見ていきたいと思います。大気汚染の解決に科学の発展を期待したいと思います。
ごみ処理場の立地問題と「公正」の諸相 中澤高師
 東京都の自区内処理原則が、第一次東京ゴミ戦争の発端から1970年代と言います、第二次が1990年代、2003年には自区内処理原則を事実上放棄されました。「公正」とい言葉が、さまざまな生き方をしてきたのが良く分かります。合意形成の第一歩がこれらの声に耳を傾けることから始まるのですね。
 1.立地の公平な分担による公正 2.保証による公正 3.発生抑制による公正 4.手続き的公正 の4つがあげられています。

一部事務組合に住民の意思を反映させることができるか 木村芳裕
 一部事務組合課題は、ごみ処理だけでなく、消防、退職金など、行政サービスの一部を共同で行うことを目的に、地方自治法第284条2項に定められています。この組織は、住民の直接民意を代表しにくくなると言われ、ますが、住民のくらしに直接関与する課題であり住民運動によって一部事務組合の方針の変更、首長の変更まで、行うことがあるのです。広域化によって一見運動の対象地域が広くなったように見えても、自治体住民の反対・改善運動によって変えることが出来るのです。ここでの住民と労働組合の連携と、ち密な提案、科学的な根拠が作られています。
処分場予定地からラムサール条約登録地へ ─藤前干潟の保全活動─ 亀井浩次
 藤前干潟の保全運動が、環境庁の発足時点で働いていたのですね。環境アセスメントを、環境アワスメントと揶揄された時代から、渡り鳥の貴重な生態系の場だと高度化され、変わりゆく社会を代表する国指定鳥獣保護地区なりました。2000年に「ラムサール条約COP8」で登録湿地になって保全が確定しました。
第64回 自治体学校in松本+Zoomを終えて
 全国自治体学校が3年ぶりにリアル方式で687人の参加での開催になった。私たちは、ZOOMでの参加であったが、その雰囲気は感じられた。全大会、分科会、ZOOM会での様子が報告されているが、議員の研修会になっている感じだ。自治体労働者の参加が88人16.2%ではこれからの住民との関係が、心配だ。憲法を生かし、地方自治が息づく街づくりが、新自由主義政策の低迷、雇用不安低下、社会保障の後退の原因を克服するよう、頑張っていきましょう。
●連載●
人つながるR コロナ禍の外国人技能実習生支援活動 鳥本敏明

  ベトナムからの実習生のコロナ禍でのシェルターの果たした役割が綴られています。今日本には外国からの労働者が来ていますが、選ばれない国になっているようです。実習生受け入れ企業の7割ほどに何らかの違反があるという労働基準監督署の報告からも、受け入れ企業の適正化は実習生問題だけにとどまらず日本の社会問題として解決が求められています。
くらしと自治と憲法と 第17回 高まる戦場化の危機の中で求められる「憲法力」の発揮 前泊博盛
 沖縄の米軍占領時期の「法治国家」には程遠い「放置国家」での沖縄県民の苦悩が述べられ、今、「権利は与えられるものではなく自らの力で奪い獲るもの」という心情が垣間見られます。戦後の日本国憲法の柱は「平和主義」の徹底です。ところが憲法施行から75年を経て、日本は憲法違反の自衛隊という名の事実上の軍隊を保有し専守防衛から逸脱した準備が行われています。戦後77年を経て、憲法の形骸化にいかに歯止めをかけ、立憲主義と平和主義を貫徹することが出来るか、国民全体で真剣に論議すべき時期を迎えています。
検証 津久井やまゆり園事件を人権の視点から考える 第11回 連載中間まとめ ─なお、論ずべきこと 井上英夫
 この間述べられた項目の整理がされ、人権の担い手に問うで、自覚と人権を保障するケアを実践する必要があるでしょう。改めて公務労働者・自治体労働者そして社会保障・社会福祉労働者すなわちケア労働者の皆さんに考えて頂きたい。
シリーズ 地域発信 小さい林業で森を編集 第4回 地域の木を地域で使う 滝川景伍
 野菜と木材の違いが述べられ、地産地消が取り入れられないかの検討を行い、現実そう甘くはありません。と述べておられますが、対価に火に違いが大きいですね。又針葉樹は燃えるスピードが速いので、薪ストーブユーザーなどには不向きだとか木材の性質にもよることも大きいのですね。薪づくりから始められたようです。自伐材林業で出た、根曲がりや梢部分の木を発明ラボで使うことで新たな命が吹き込まれたようです。木工家や家具職人、さらに言えば地域の人がDIYで使う木材まで、地元の木が使われるようになると、そこに小さな循環が生まれ、森と人のつながりが出来てきています。多くの団体との連携がこれからも広がればいいですね。
おきなわ定点観測 第7回 与那国島での偶然の出会い ─離島医療を支える医師たち 関 耕平
 「健康で文化的な最低限度の生活」が保障されているかどうかは、福祉水準の全国平均ではなく、地理的に不利な離島やへき地の状況によって初めて明らかになります。先生の今回のテーマ離島での医療です。
公民館における出会いと学び 第4回 持続可能な地域づくり 田中純子
 今回のESDはEducation for Sustainable Developmentの略で「持続可能な開発のための教育」と訳されています。今、世界には気候変動、生物多様性の喪失、資源の枯渇、貧困の拡大等人類の開発活動に起因する様々な問題があります。ESDとは、これらの現代社会の問題を自らの問題として主体的に捉え、人類が将来の世代にわたり恵み豊かな生活を確保できるよう、身近なところから取り組む(think globally, act locally)ことで、問題の解決につながる新たな価値観や行動等の変容をもたらし、持続可能な社会を実現していくことを目指して行う学習・教育活動です。の話ですが、これを公民館活動の中で行われているとは。驚きと、広島の公民館はどうだろうかと思いました。
@NEWS 入管法「改正」案とタンザニア人ゲイ・カップルの難民申請 斉藤善久
 入管法について私たちは、特殊な外国人の問題であることに留まらず、日本国名民にとって、自分たちの国がそのような偏狭で差別的な、社会的弱者の人権をおろそかにする国になっていいのかという問題にほかなりません。
BOOK REVIEESDW
ローカル・ネットワーク
Jつうしん
自治の風─静岡から 第6回 地域医療を守る─住民運動と共同して 中村恵美子

 厚生労働省はコロナ対応での公立病院の重要性を認識して、地域医療構想の重点を「赤字解消」から「経営強化」に変更せざるを得なくなったことは地域運動の成果だ。
編集後記
 

2022年9月号 読者ノート

 (2022/08/19)
 
編集者の声
 リニア中央新幹線の基本計画は1973年で、環境アセスメントを経て、国は2014年に工事を認可しました。残土の処分問題、大深度法による事故、環境破壊、住民との衝突、これらの問題が生じて地域住民が被害を受けていますが、JR東海が主導する「民間事業」はとまるどころか、国が3兆円もの融資をしてまで後押しをする「国家『的』事業」と化しています。憲法で定める地方自治の本旨に基づき、勝手な「国家『的』事業」は中止すべきです。
目次
◆直言 自治体による中小企業政策の再考─現代の「是」をもっと広めよう─ 八幡一秀

  明治時代に「是」という言葉で、地域経済振興計画が作製され、実施されていたとのこと、現在の中小企業振興条例は、47都道府県614市区町村に及んでいるようです。それぞれの地域の宝である、中小企業・小規模企業の実態調査を行い、それぞれの地域が持っている産業集積の個性をもっとシャープにすることが求められています。そして計画振興を実施した時にはその結果を検証するため、「PDCS」サイクルでもって行うことが大切です。
●連続企画● 「新型コロナ」から日本の社会を考える 第27回
コロナ禍が浮き彫りにした災害避難所生活 榛沢和彦

 .災害時にどこから救援者が来るかといえば、圏外から来るのが外国では常識だとか、今まで災害関連死者が20年間で、年間5000人を超えているとか。これが災害でなくてどうしましょう。日本に欠如している災害時市民社会生活保護の概念で、災害支援することで被災者が元気になって被災地で元のように働けるようになり、そのことによって経済が回り地域が復活することのようです。また、日本では足りない備蓄量ですが、イタリアでは山岳地帯に、国立で、ジェット機の格納庫規模の備蓄倉庫が10個もあり0、全部で10万人分のテント、コンテナキッチン、コンテナトイレ、電源車をはじめとしてあらゆる避難所用品や災害支援物資が備蓄されていました。また大型トラック、トレーラー、クレーン車など運搬用車両も備蓄され、支援者を運ぶ大型バスも備蓄されていました。倉庫の10個のうち3個は内務省が管理しており、7個の倉庫はイタリア赤十字に管理委託されていました。各倉庫の前は滑走路のように広く長い空間がずっと広がり、いざという体制ができるものでした。またボランティア組織があり、80%が職能ボランティアとして100時間の講習・実習を受け、支援に行く時は雇用者は妨げてはいけないという法律があるそうです。約240万人以上いるとか。被災地自治体職員は、避難所を管理することはあり得ないのです。こう見ると日本の避難者支援概念の遅れは大変です、早期に転換しなければ、これからの災害に間に合いませんね。
●特集● リニア中央新幹線からみる国家「的」事業の歪み
「国家『的』事業」の歪みを生む構造はどこにあるのか 樫田秀樹

 国家『的』事業の歪が工事を通じて財政投融資や大深度法などの不適切な活用が行われている事、長期間にわたり、国民への説明責任が不十分な待すすめられ、頓挫していることが分かりました。
 リニア新幹線の年表を作ってみました。
1973年 基本計画・・環境アセスメント開始
1989年  実験線誘致決まり用地買収開始
1997年4月 山梨リニア実験線で走行実験開始
1999年   大阪までの工事開始出来ず
2001年   大深度地下の公共的使用にかかる特別措置法
2002年   国土交通省「建設副産物適正処理推進要綱」決める
2002年12月18日 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法が公布され、JRTTの設立が決定した。
2007年12月 JR東海大阪までの建設費9兆円を自費で工面し建設すると発表
2011年    環境アセスメント開始
2011年    JR東海環境アセスの公表と住民説明会開始
2013年    環境影響評価準備書」の縦覧と住民説明会開始‥@水枯問題 A残土処分決まらず・・ずさんなものだった。
2013年9月 山田佳臣JR東海社長「リニアは絶対のペイしない」と公言 安倍首相 3兆円の財投をJR東海に融資すると公表  
2014年    国が工事を認可
2016年6月  安倍首相「リニアや整備新幹線などに財政投融資を活用を表明
2016年11月 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法改正され新たな業務として、中央新幹線の整備加速のための資金貸付業務が追加された。2016・2017年度に中央新幹線の建設主体である東海旅客鉄道に対して、3兆円の資金貸付が実行された。
2020年10月 調布市東つつじヶ丘生活道路が陥没
2021年6月  東京都品川区リニア工事で初めて直径14mのシールドマシン稼働しなくなる

 リニア中央新幹線工事計画をめぐる静岡県の声 林 克
 リニア新幹線工事の開始時に、「本事業を円満に実施づるためには、地元の理解と協力を得ることが不可欠である」と2014年10月国土交通相の認可の時点の意見ですが。トンネル工事で、中下流流域住民の水道水を支える命の水を全く議論しない工事関係者がいたとは。これが県知事選挙に県民の声を代表している事なのですね、この問題の今後の課題として、全量戻しの方法、生物多様性の確保、ルート変更と期成同盟化の活性化などの指摘されています。
新たな国土計画としてのリニア中央新幹線とスーパー・メガリージョンを問い直す 中山 徹
 なんとこのリニア新幹線推進方式は、全国国土開発計画の主要な材料だったとか。今多くの地方で国鉄の民営化以来、各路線の輸送密度を計算され、規定の2000人以下の路線は廃止なろうとしています。このような状況の下、スーパー・メガリューションの形成の手段としてこのリニア新幹線でもって大都市圏をつくり世界一を目指すのだそうです。世界一になれば競争に勝てるという20世紀型発想であり、世界の急速な情報化がすすみ大きく市民生活の変化も見られ、市民の生活向上、地域経済の発展にどう取り組むかが問われる時代に、このような時代錯誤な発想がとられているのです。そもそもこのスーパー・メガリューションなるものが形成されるのか、具体的に計算されており、この路線は今の山手線の運転間隔以上で運転されなければならないのですから、幻想です。そうではなく全国的な鉄道網と公共交通網、多彩な歴史や文化を持つ日本の地方を守り、発展させるような交通計画、国土計画を確立すべきです。
大規模開発に対するアセスメント 欠陥だらけの制度を乗り越える地域からの運動を 傘木宏夫
 大規模開発でもって地域が活性化しようとしても、その前に住民に環境アセスメントで説明し理解を得なけれいけないのですが、その内容が、時の縦割り行政によりゆがめられているようです。本来のアセスメントの内容について確認をしておきましょう。
 あるべき姿は、開発行為の構想・計画・実施の各段階で、環境や社会・経済に与える影響を事前に見積もり、適切な配慮(マイナス影響の回避とプラス影響の増進)に寄与する事です。
 構想や計画段階で実施される戦略的環境アセスメントにはSDGs(持続可能な開発目標)を受けて、社会面や経済面を包括した持続可能性アセスメントの取り組みも始まっています。災害リスクの扱い、自治体や住民の意見、自然災害への言及などがどう扱われているかあ、また開発の規制・誘導が各自治体で提起されているかを見たいものです。

東京外環道トンネル工事差止仮処分と大深度法の根本的問題点 武内更一
 トンネル工事でもって自然環境破壊から、生活基盤崩壊が出ている工法の問題なのか、工事を行うことが不適切なことを認めない行政の怠慢なのか、2022年2月、東京地裁で判決が出され、調布での陥没原因として挙げられたことが、大きくなっています。大深度法の根本が崩れたと言えます。今まで私たちがトンネルの工事を請け負い実施してきた根本問題での持続的発展の弊害となる事件でもあります。地下系統の自然を相手に機械の振動でもって揺るがしくっさくすると、水道は変わり、生態系の変更を生むことでしょう。ある程度の事と考えるのではなく今後とも持続可能な自然環境の保護に努めたいものです。
自治体DXの争点B マイナンバーカードの普及によって問われる地方自治の意義 稲葉一将
 デジタル社会」は、「いつでも」、どこでも」デジタル化の恩恵を享受できる社会と言われていますが、住民にとって比較的身近な存在であるはずの地方自治体が、遠い存在へとトランスフォーム(転形)する可能性が危惧されます。
マイナンバー「制度」は、@個人を認識するために付番されるマイナンバーA本人確認を行うためのマイナンバーカード、Bオンラインの窓口になるマイナポータルという3つの構成要素から成り立つものです。
マイナポータルとは、「マイナンバーカードをキーにした、私たちの暮らしと行政との入り口」と言われ、従来の行政窓口を補完し、さらには代替する役割も期待されているようです。マイポータルの法的根拠が乏しい問題があります。

生身の住民と接してその多様性な困難に寄り添うことが出来るのは、生活者でもある地法公務員や地方議員・首長です。キーで何が分かるのか。
今こそデジタル・インクルージョンを 坂本 旬
 デジタル・インクルージョンとは、デジタル・デバイド(格差)を解消し、全ての人々がデジタル化の恩恵を受けられることを目指す理念です。
 デジタルシティズンショップは、「デジタル技術の利用を通じて、社会に積極的に関与し、参加する能力を指すものであり、コンテンツの作成や公開、他者との交流、学習、研究、ゲームなどのあらゆるデジタル関連の活動を行う能力に加え、オンライン消費者意識、オンライン情報とその情報源の批判的評価、インターネットのプライバシーとセキュリティの問題に関する知識など幅広いリテラシーを含む」です。
 これらの時代はすでに目の前にあり、キーワードはSDGsであり、誰ひとり取り残さないデジタル社会の実現です。

●連載●
人つながるQ 風テラス─風俗で働く女性たちの生活相談の現場から 坂爪真吾

 風俗の世界は、社会課題の集積地です。現在、全国で40万人以上の女性が風俗で働いていると言われています。現行制度では十分な支援が届きづらい課題を抱えた女性たちが集まっています。そもそも風俗は福祉ではなく、あくまでビジネス―お金を風邪ぐための手段です。「最後のセーフティネット」になれるのは、風俗ではなく、行政だけです。コロナ禍で窮地に陥った風俗で働く女性たちを、生活保護などの制度を通じて最後に守ってくれたのは全国の自治体の職員の方々でした。
公民館における出会いと学び 第3回 住民主体の講座「元気な子育て」 田中純子
 公民館での企画院の感想「口座の中で自分を受け止めてもらう過程で、他人をきちんと受け止めることを学んだ。地域の事に目を向けるようになり、日本の教育や世界の課題までも見えるようになった」などの言葉は実践が生み出した言葉ですね。
くらしと自治と憲法と 第16回 敵基地攻撃論と国際法上の自衛権 山形英郎
軍事費GDP比目標(2%以上)を念願に置いた軍事力強化は、2%へ増額されれば、軍事費は2倍となり、米中に次ぐ世界第3位の軍事大国へ飛躍します。敵基地攻撃能力を獲得するためにはこのような莫大な軍事費が必要なわけです。
憲法学者の多くが支持している学説によれば、第9条は第1項で自衛権の保持を禁止しないが、第2項で戦力の不保持を規定していることから、戦力以外の自衛権行使は可能と説いています。戦力なき自衛権論です。
日本国も、北朝鮮が発射したミサイルが日本の排他的経済水域に落下したとしても、武力攻撃の発生を宣言していないのです。自国領内への武力行使前に、敵基地や策源地を攻撃することは決して許されません。
シリーズ 地域発信 小さい林業で森を編集 第3回 山の恵みを地元に還元 滝川景伍
 日本の林業のれきすぉ簡単に述べています。里の風景としての巻き、炭の利用が、エネルギー革命でなくなり、戦後の木材不足の中で拡大造林をした丸太が、生育するころには、海外からの安価な木材が輸入され、50年伐期を迎えた丸太は、自給率が伸びないものになり、増えたまま適切な手入れがされなくなり山の価値は薄れ、人々の関心が遠のいたのです。
 滝川さんは自伐型林業を行う上で、@放置された人工林を適切に手入れし、利用できるものは利用し、残った木々はしっかり育てて次世代にバトンをつなぐA山の価値を取り戻して、人々の関心をもう一度山に向けること だそうです。
 多世代交流で、五感をフルに使って森を体験してもらい、山との距離を一歩でも近づけられる土産を持って帰らすそうです。
 ゆくゆくは林業ツーリズムに発展させていこうと画策しているようです。頑張ってください。

おきなわ定点観測 第6回 選挙イヤーの沖縄 ─僅差の参院選沖縄選挙区を体感して 関 耕平
 なぜウチナーンチユは自分で持ってきたわけでもない基地に挟み、いがみ合うのか。誰かが上から見て笑っていないか」。故・翁長雄⁴志氏が知事選で訴えたこの言葉を改めて思い起こしましょう。参議員選挙では票差はわずか2888票で、まさに薄氷を踏む「オール沖縄」の勝利でした。関先生の沖縄滞在経験から、「上から見て」一喜一憂するのではなく、沖縄で起きていることを沖縄の有権者の問題に押しとどめず、日本政治全体のあり方が問われれていることだと当事者性をもって受け止めることの重要性を再認識する選挙でした。と言われています。
@NEWS 和歌山のIR・カジノ計画もストップ 藤沢 衛
ローカル・ネットワーク
Jつうしん
自治の風─静岡から 第5回 浜松市のデジタル化 池谷 豊

 浜松市に吹かれているデジタル化をまさに浜松市は国ばかり見ていて、住民は全く無視されているのですね。これが全国に流されている実態なのでしょうか。大きな課題を異常に掲げて不安をあおりどこに連れていくのでしょうか。
編集後記


 

2022年8月号読者ノート

 (2022/07/29)
 
編集局より
 2013(平成25)年12月4日に施行された交通政策基本法では、交通に対する基本的需要の充足が重要であるという認識のもと、基本理念に対する国・地方公共団体・交通関連事業者及び交通施設管理者それぞれの責務を定めています。住民が好きな時に好きなところに行く権利を保障することを考えた時に、国と自治体と、日頃からその恩恵にあずかる住民自身はどのように向き合うべきでしょうか。
目次
◆直言 「財政危機」に備える  森 裕之

 コロナ禍で国の財政出動が大きく変わっています。円安の陰で、円の価値が下がり外国人労働者の確保が難しくなる、そうなれば国は再び財政引き締めに舵をきらざるを得なくなる。その最大のターゲットが地方財政にほかならないというのです。自治体への地方交付税の支出を下げて、国民生活に使う金が少なくなるのです。地方自治体は「赤字にならない」ことを最大限務め、財政破綻の警告としています。財政危機に直面した自治体のできる主な手段は、法定外税を作るなど市独自の財源を確保するか、相対的に不要な公共サービスや公共事業を削ることの二つです。家計危機の際に何を節約するかは、他人ではなく自分たちで決めるのと同じこと。これからの財政民主主義の厳しい実践に向けて学習しましょう。
●連続企画● 「新型コロナ」から日本の社会を考える 第26回 コロナ禍が浮き彫りにしたフリーランス・名ばかり事業主の実態と救済の必要性  清水亮宏
 フリーランス・名ばかり事業主の実態には、多くの問題があり、各種の取り組みが行われてきたようです。労働者として認められないとは、その違いは何なのでしょうか、労働者は労働基準法によって守られていますが、フリーランスにはこの法律は、「救済の困難性」があるようで、救済の手段乏しいと言わざるを得ないのです。独占禁止法違反や下請け法違反に対して指導等を行う国の機関として公正取引委員会が存在しますが、法違反の認定に至るハードルが高く、時間も要するのです。実効的な保護のために4点が提案されています。
●特集● 住民の足を守ろう─権利としての地域公共交通
●移動する権利を実現する自治体へ─コロナ禍を超えて─  西村 茂
 
コロナ禍による移動の変化を、「促進」から「制約」の180度変換が起きています。そもそも、「移動しない/させない」という政策の意味は、基本的人権について、関わるものであり、移動は個人の生活だけでなく、社会の成立に不可欠です。この中で、テレワーク、オンライン授業など大規模な社会実験が行われたのです。テレワークは通勤や出張が「強いられた移動」であると意識され、これが地域格差が生まれたりしており、この変化の中で、政策として、外食、旅行、買い物、通院を控えるという短期間の変化が出てきます。移動の頻度が減っただけでなく手段も密になる公共交通は嫌われ、車、自転車、徒歩など「私的な」手段が好まれました。
 次に「すべての人が持つ移動する権利」「手段を選択する自由」を法律で定めているフランスの実態を追求しましょう。2019年12月にモビリティ(働きやすさ、可動性、流動性)基本法が制定されこれにより交通権はモビリティの権利に、交通税はモビリティ税に改称されました。その背景には「黄色いペスト」運動、格差への抗議運動が存在していました。この運動の発端は移動・公共交通の地域格差だったのです。交通権は今年で40年の歴史がありますがその国でなぜ移動の格差があったのでしょうか?自治体が区域内すべての公共交通の路線・運賃・時刻表・サービス内容を組織する権限を持っています。しかし旧モビリティ税は「「都市」交通のための資金と考えられ、課税できるのが都市の自治体に限定され、カバーしていたのは56都市圏のみでした。2012年には236都市圏と増加したのですが、課税できない公害や農村部は残り、多くの「空白地」が生まれていたのです。コロナ禍によって人の移動行動、意識は変化し、密になる大量輸送サービスに疑問が投げかけられ、公共交通は今後、運賃収入減とコスト増加が予想されます。今後は、自治体が自由になる財源(地方税など)の確保、公共交通からモビリティに視野を広げることがますます必要になっています。
移動権を確保するためのバリアフリー  藤田博文
 バリアフリーの実態について筆者の体験が綴られています。ぜひ全文読んでください。私たちが感じる以上の事が、原点だと気が付きます。「いつも誰かに助けられることを前提に生活する姿を想像してみてください、きっと相手に気を使ってしまって家族や友人と純粋に人生を楽しむことが出来ないと思います。確実にバリアフリー化がすすんだことは間違いありませんが、人として移動の権利を享有しているのであれば、誰の手も借りず、誰かの善意に頼ることなく自由に移動ができることこそ権利を実感できるのではないでしょうか。
●公共交通に今求められる「環境への配慮」  加藤博和
 EST(直訳すると「環境的に持続可能な交通」となるのです。)によって交通活動は持続可能になる」このことの手法を彫り上げます。交通に伴う環境負荷を削減するアプローチには、交通技術(EST1)と交通活動(EST2)の2つがあります。 EST1の典型は燃費向上や再生可能エネルギー導入で、多くの場合、自動車メーカーや電力会社の取り組み状況とそれを交通主体が選択するかどうかで決まり、地域による違いは大きくありませんが、費用・利便性と環境負荷は相反することが多く、容易ではありません。本当に環境負荷削減につながる保証はなく、科学的な予測分析や、定量評価によるチェックが必要です。
今回「環境負荷削減のために使える者でなければ、公共交通は生き残れない」ことが表明され、「だれ一人取り残さず、人にも環境にも優しい交通」の追求が施策担当者が意識する必要があるようです。

ローカル鉄道に国・自治体・住民はどう向き合うべきか  地脇聖孝
 地方の鉄道路線の配線危機が叫ばれ、バス転換や第三セクター転換がされることが起き150年の歴史がどう追い込まれてきたのか。輸送密度という㏠1キロメートル当たり輸送量の基準でもって図られてきたのです。また国鉄再建法施行令では、特定地方交通線の選定基準が輸送密度4000人と定め基準未満の路線は相当とされてきました。特定地方交通路線83線区、3157.7キロメーターのうちの38線区、1310.7キロメーター(全体の41%)が最終的に私鉄・第3セクター鉄道への転換を選びました。いつしか鉄道は限られた利用者が全てを負担し、公的関与がないのが当たり前という風に市民も信じ込まされてきました。公的関与の一つとして@(上下分離)し、、「下」は政府または自治体が全面的にバックアップすること、A災害復旧を公共事業とすることは待ったなしです。しかし、災害復旧を望んでいても、JR6社は1割の負担額にも難色を示しているのです。JRが公共交通事業者としての役割を放棄するなら、線路をJRから分離し、住民の手に取り戻すシナリオも検討されなければなりません。鉄道路線の廃止手続きを認可から届け出に変更した鉄道事業法を見直す機運も出ています。日本では路線が自治体の所有であっても、地方交付税算定の基礎となる基本財政需要額はもちろん、その根拠となる測定単位の対象にさえされていません。一方で道路・港湾は対象です。
公共財である公共交通の存続が、収支や輸送密度を尺度として機械的に論じられるのは、世界でも日本だけと思われます。およそ先進国、EU格国では、PSO(公共サービス提供義務)の考え方が普及しておりします。
公共交通の担い手のほとんどが民間企業であることで、PSOの実現が困難と認められるのであれば、経営形態の変更(再公有化)など思い切った議論にもタブーなく踏み込むべきでしょう。住民が主体的に関与し、納得して受け入れた転換を作り出す、沿線自治体協議会の法定化が必要でしょう。

●ポートランドにみる持続可能な都市交通経営の財源構造  川勝健志
 日本の公共交通は「社会に必要なサービスを提供する公益性を求められる一方で、収支をやりくりしなければならない、極めて危うい状況」にある。ポートランド都市圏での交通街づくりの基本が、周辺部に暮らす人たちが中心部に集約された都市機能にアクセスできるように公共交通を整備しようとしている点です。又トライメットという特別区制定により、公共サービスを提供する役割を担っているのです。このトライメットの収入は、全体の6割が交通税で構成され、これに連邦や州・地方からの補助金を加えると実に75%以上が公的負担になっており、運賃収入は全体の2割もないのです。また連邦からの補助金は老朽化した車両や関連施設の修繕や取り換えを行うために設けられた「補修プログラム」を積極的に活用し増価させています。また交通税は都市圏内の民間事業者や地方自治体に対しては給与総額に、自営業者に対しては圏内で稼得した純所得に課税されるので、税収は景気の動向に左右されやすい仕組みと言えます。又サービス向上を目的に資本拡張に向けた投資を賄うための資金確保に、交通税率を毎年0.01%づつ引き上げることになっていたのです。教訓として、第1に独立採算性原則からの脱却です。第2に特に鉄道のような巨額の投資費用がかかる資本事業に対しては、中央政府が恒常的で安定的な財源の移転を行ことです。第3に交通街づくりのプロセスに住民参加の機会を保障する仕組みを構築するということです。
警察法「改正」と内閣のインテリジェンス体制  白藤博行
 サイバー警察局・サイバー特別捜査隊の創設が2022年4月1日より施工された。この部署が、国家公安委員会と警察庁の所掌事務にされたのです。デジタル社会に特有な警察事象であるサイバー犯罪に対処するため、警察法が警察の事務と組織を新たに定めることは当然であるように見えます。しかし、この改正が、戦後警察法の基本理念・根本精神を壊すという事であれば、話は別です。
かって警察法2条と同36条を「警察法の脊柱」とまで「日本警察というのは架空のものであり、法的に言うと、47の都道府県警察があるだけであって、日本警察という単位一なものは存在してはいけない」と断言されていましたが。肥大化する警察庁を民主的に管理・運営することが大きな課題としてなっています。

●自治体問題研究所第62回総会報告
 岡田理事長挨拶で、「憲法と地方自治が戦後最大の危機にあり、しかもその局面が一段と進化している」と。新理事長に中山徹奈良女子大教授がなりました。
“適疎”の町村づくりを発信する─第26回 小さくても輝く自治体フォーラムin大川村 
 @小さな村から地元の創意工夫が図られ、地域の固有の資源を手掛かりに6次産業への活発な活路を見出す。A住民と議員が、首長と行政職員と議員を使いこなして、活発な議論と相互作用の生じる場としての「討議広場(フォーラム)としての議会」が問題提起されました。B「365日村の事を考えている議員」という存在の重要性とその自覚、C住民の会話の中に普段から村政や議会などの政治の話を増やしていく。D多様な生き方の実現が地域の魅力アップにつながる、E移住者と住民が交流して共感を作る事が大切。F数ではない、風通しの良い空間で個性を生かせれば地域はよくなっていくGコミュニティ社会を組み合わせて適疎な町を作る、Hないところに価値を見つけて誇りを持ち、それを外にアピールすることが大事だ。I自分たちの街をありのままを受け入れる。J画一的な基準でなく、よさはどこにあるのかを見極めて、どんな街にしていくかという心構えが重要。K地域の伝統を次世代につなげていく作業は、意識的にやってほしい。などの提言が出されています。
●東京 神宮外苑再開発問題の今とこれから  原田 暁
 神宮外苑のスポーツと緑地が都会の高層ビル群に変わるのだそうです。又この計画の推進には三井不動産・伊藤忠商事などの大資本が暗闇に入っていたのです。大きく地元の高校生などの参加や都議会での追及の波が訪れています。もう大東京に巨大建築群はいらないでしょうに。1000本のイチョウのためにも頑張ってください。
連載●
●人つながるP 「復帰50年」ハンガーストライキ 沖縄の自治を求めて  元山仁士郎

 沖縄復帰時に建議書については前回話があり、その実現はいまだ何も出来ていないことでした。その復帰時に向けて、ハンガーストライキで抗議した人の話です。本当にこの50年本土の人間として何もできなかったことをお詫び申し上げます。 
公民館における出会いと学び 第2回 女性たちのエンパワーメント  田中純子
 
公民館での人の変わり方が良くわかりました。公民館での「学び」は一人ひとりが自分の問題に気付き、人とつながって豊かな人間関係を築きながら、問題を乗り越える力をつけていく可能性をもっているのですね。
●くらしと自治と憲法と 第15回 参政権と選挙制度をめぐる問題  只野雅人
 国政選挙での投票率が50%を割る事態になっていることから、選挙制度の問題を考えて行く必要があります。非常に高い問題供託金は「真摯を欠く立候補を抑止し候補者の乱立を防ぐためのものだ」と言われるが、高額の供託金は議員の資格について財産または収入」による差別を禁じる憲法44条の趣旨に反しています。異論の存在が有権者選択を広げ、また政治に活力をもたらす面もあるでしょう。第2が選挙運動の規制の問題です。他の民主主義諸国に比べて極めて厳しいものとなっています。公正さを確保するため、候補者はいわば一律平等に、不自由を甘受することになるのです。第3が、小選挙区と政権選択は、二大政党制の追求から生まれたのですが、一党優位型の多党制に戻ってしまった。政権交代が起きず、野党が脆弱なままでは、国会審議から緊張感が失われ、また有権者の関心も低下せざるを得ません。これらのため検証して行くべきでしょう。
●シリーズ 地域発信 小さい林業で森を編集 第2回 地域にひらく自伐型林業  滝川景伍
 自伐型林業の定義の多様性に、この豊かさが現れています。大型林業機械のために大規模林道を作り林野を壊すこれが大きな問題でした。壊れない作業道を道幅2〜2.5メートルでいいのですから使う機械も、ミニユンボというショベルカーです。これ1台を使って、持続的再生可能な林地の開発ができるのですから、かって圃場整備を計画した時、自由形圃場整備工事を行った町が思い出されます。又この林地には地元の人のコミュニティの場も用意されているとか、地域財産として末永く守っていかれることでしょう。
●おきなわ定点観測 第5回 「慰霊の日」を前に─久米島・伊江島・宮古島と沖縄戦の記憶  関 耕平
 かっての沖縄は軍事基地として戦争を呼び寄せる施設や、軍隊が住民を守るものではなくむしろ命を脅かす存在であることを、観念ではなく、まさに歴史的事実として実感させられる島々の記憶は、沖縄の人は忘れていないのです。しかし、近年の自衛隊基地増設は如何なものでしょうか。
@NEWS 吹田市が市民課業務委託計画を撤回  寺坂美香
 吹田市で市民課業務委託計画を撤回されたようですが、この成果の教訓として@労働組合による発信A住民運動B弁護士意見書の問題点指摘C市議会の良識があげられています。是非参考にしてほしいものです。
●ローカル・ネットワーク
●自治の風─静岡から 第4回 浜岡原発のいま  酒井政和
 浜松原発の再稼働を許さない運動報告があり、また静岡県知事もそれを表明しているのですから大変な成果です。これからも見守りたい活動です。
●編集後記

2022年7月号読者ノート

 (2022/06/28)
 
編集局より
 もともと社会が持っていた歪みがコロナ禍で浮き彫りになったように、子どもの困難はよりつよく明らかになっています。子どもの権利条約で保障されるべき様々な権利が脅かされ、特に子どもによる自己決定、自分の意思を表現する権利が奪われています。こども家庭庁は果たして子どもの視点を尊重するでしょうか。特集では真の意味で子ども自身の声を発するための様々な取り組みを紹介することで、子どもの権利保障に正面から向き合いたいと思います。
目次
◆直言 最低賃金と公務員労働者の不条理 政村 修

 最低賃金の適応について自治体労働者、国家公務員の初任給手当(高卒初任給15万600円=時間額897円)などが、不合理な実態が綴られています。春闘の後半であるにもかかわらず、物価上昇の急激な変化に対応できて異なことが明らかにされています。この物価上昇率は「消費税3%に匹敵」と言われ、賃金上昇は2%とは賃下げになるのです。最低賃金を大幅に引き上げ、「生計費」に見合った水準にしていくことが急務です。
●連続企画● 「新型コロナ」から日本の社会を考える 第25回 コロナ禍で浮き彫りとなった非正規労働者・シフト制労働の問題 川口智也
労働分野での働き方で、シフト制労働者を生み出しているのです。居酒屋で働く若者たちの多くが、具体的に働く曜日や時間を明確な記載なく一定期間ごとに「システム表」などを作成して、学校の授業などとの調整をしながら、実際に働く日時を決定するのが一般的なのだそうです。このようにシフトによって働く日や時間が決まる労働者が「システム制労働者」です。シフト制であることを理由にして、休業補償を拒む企業が後を絶たない、シフト制労働者は、休業補償がなければ無収入になってしまいます。このことが、コロナ禍で多く発生していたのです。そのためコロナ禍での学生で、大学生活が困難になり退学した生徒が多くいます。またシフト制の労働者の多くは女性であると言われています。シフト制であっても、労働契約書や労働時間を特定することが可能な場合があり、書面がない場合でも、過去の勤務実績から労働日・労働時間を特定することが可能ですから、休業補償の支払い義務を認めるべきです。抜本的にシフト制労働者の問題解決の法改正を行うべきです。
●特集● いまこそ子どもを主人公に─コロナ禍が浮き彫りにした子どもを取り巻く困難と子どもの権利
「子ども期」の権利保障の総合的視点─子どもの権利条約に学ぶ 増山 均
 子供期の大切さは、この期がいかに人生にとって極めて重要な時期であり、その時期をいかに充実した時間として過ごせるかは子供の基本的権利だということを私たちは基礎に置かなければなりません。
 ウイズコロナで、制約されていることがいかに子どもの発達を阻害しているのか、「友達と会えない、思いっきり外で遊べない、」の言葉に工夫した取り組み晴10(せいてん活動)が行われていたのですね。子どもの権利条約を再度振り返り、多面的・複眼的にとらえ、権利の総合的保障を行いたいものです。6つの柱建がされておりますが、その言葉の次に来る「すべての子ども・・・」というものを並べてみるとよくわかります。私は、「楽しみや心地よさを獲得できる文化や芸術への参加」、「失敗しながら育つことは子供の基本的な権利であり、その独自性は甦育(そいく)と呼ぶべきもの」を思い知りました。

川崎市子どもの権利条例の今 市古博一
 川崎市が子ども権利条約制定、最初の市だったのですね。また筆者はその制定にかかわりその後を見守っている人だと。ここに書かれている追跡は、まさにこれからも権利条約を再び輝かせる土台ではないでしょうか。このような活動者が広島にもいませんかね。
コロナ禍で社会の周辺にはじかれる子どもたち〜子どもの貧困と虐待の現実 浅井春夫
 コロナ過という子育て・教育の分岐点という指摘に、統計数値が語っています。まさにインフラが一時的であっても機能不全・低下した状態に遭遇したのです。給食は「もぐもぐタイム」として徹底指導が学校で行われていたのです。様々な体験的学びの中で人間的な知恵を獲得すること、そのためには自分自身が、“助けを求める権利”があることを学び、体験することが子育て・教育の課題としてあるのではないでしょうか。
社会の分断という現実の根底には、人間にはまっとうな自立した人間と反人間の厄介者がいるという新自由主義の人間観があり、そうした人間観が刷り込まれ、人間関係の在り方に大きく影響していると感じます。

子どもの学習権保障のゆくえ 南出吉祥
 学校教育の課題が、@教育費の私費負担割合の大きさ、A教職員定数・学級定員の問題、B教師の長時間過密労働問題など基礎的な条件整備から、いじめや不登校問題などへの対応、特別支援や外国ルーツの子への配慮など学校教育をめぐる課題は山積みになっており、学習権保障を実質化していくための道のりはかなり厳しい現状にあります。
 このような現状の中で、学習権保障は、「学ぶ機会(教育機会)を確保する」というだけにとどまらず、学習を可能にするための基礎条件も含めたものであり、学習教育を充実させるだけでは、学習権保障の実質化は進められません????基礎的生活条件の補償がされたうえで、初めて勉強に向かう姿勢が担保され、そこに学習が生起してくるのですから、「学びを苦行に変えてしまう場」(学習権を阻害する場)、にしない剪定が「学習支援」なのです。
学習支援という言葉から想起されやすい「勉強を教える」というよりは、「勉強に向かうことに付き合う」というようなニュアンスでとらえておくこと。学習権の定義や「学習とは何か」という問題にまで深めています。現状での狭く局限化された学習観を超えて、子供たちの生活現実に根ざした形での学習をどこまで実質化し展開していけるかということが、学校教育も含めた公共の施策として求められているのでしょう。

「ヤングケアラー」の現状と支援を考える〜民間団体の支援と行政の役割〜 濱島淑恵
 この言葉に初めて接しました。定義として、家族にケアーを要する人がいる場合に、大人が担うようなケアー責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている18歳未満の子どもとされています。この現状把握は2010年代半ばに入ってからで、2020年度になってから行政による調査が実施され始めました。民間団体として「ふうせんの会」の取り組みが紹介されています。https://peraichi.com/landing_pages/view/balloonyc/
トピックス 保育の「質」及び保育労働者の就労環境の向上をめざして─川崎市保育問題交流会の調査から 川岸卓哉
 株式会社が保育園の経営を行うと人件費の切りつめが激しいことが明らかになりました。このような調査が全国で行われ明らかになることが大切ですね。この運動を保護者と連携して行うことも大切ですね。
自治体DXの争点A デジタル改革と自治体の個人情報保護〜個人情報保護条例改正の論点〜 庄村勇人
 個人情報保護の観点が、2023年4月より変わります。これまでの自治体が独自に行っていた保護の施策が国の機関へ「一元化」すること、さらに自治体が個人情報保護に関する独自の対応を「制約」されることになるのです。国や自治体の個人情報保護制度の内容を見ると「OECD8原則」(収集制限の原則、目的明確化の原則、利用制限の原則等)が具体化される形で規定整備されており、この点では国の法律と自治体の条例とは共通する内容を持っています。個人情報改正の目的の一つとして個人情報について「保護と活用のバランス」を言うとしても、「活用」の概念がデジタル技術の進展に伴い変化することがあります。
自治体は個人情報保護のため必要であれば国のガイドラインを変更させるくらいの主張もすべきですし、徳島市公安条例事件における「条例が国の法令に違反するかどうかは、両者の対象事項と規定文言を対比するのみでなく、それぞれの趣旨、目的、内容及び効果を比較し、両者の間に矛盾抵触があるかどうかによってこれを決しなければならない」という規範に抵触しなければ条例を制定できることを確認しておきます。
 問題が見つかれば国よりも早期に発見し、リアルな住民と接し、いち早く対応することができるのが自治体です。

●連載●
人つながるO 川原地区に立つ「団結小屋」美術館 石丸穂澄

 戦いの中に美術が生まれるとは、ダムの時代を負わせるという広大なこと、「自分の居場所から発信したい」との連携し、石木川ダム建設反対の声が大きくなることを期待します。
新連載 公民館における出会いと学び 第1回 市民とともに学び合う公民館 田中純子
 社会教育としての公民館活動の根本をかたり数多くの目的を述べています。地域の人、一人ひとりを人生を豊かいにそして持続可能な社会づくりに貢献する公民館、この職員の果たす課題は本当に大きいと思います。
くらしと自治と憲法と 第14回 自治体議会─議員の多様性と反対派・少数派の役割 植松健一
 議会の現状から住民代表機能の欠陥、議会運用の欠陥があげられています。議会の民主主義の確立が本当になおざりにされています。ここでの少数派の存在がはたしている効果を改めて確認したいと思います。
検証 津久井やまゆり園事件を人権の視点から考える 第10回 施設運営における地方自治体の責任〜指定管理者制度と民間移譲 松尾悦行
 社会福祉施設での公から民への流れが、ケアワークが家庭から離れて社会化し、福祉サービス市場が広がりましたがその地域サービスは、低賃金で不安定な労働条件の非正規雇用で働くエッセンシャルワーカーによって、かろうじて成り立っているという根本的な矛盾があるのです。
 指定管理者制度そのものの弊害として、民間事業者によって少ない公費でより効果的かつ効率的なサービス提供を確保することが目的である。指定期間を定め、事業者を公募して選定し直すため、利用者の落ち着いた暮らしが定期的に壊され、支援者との人間関係が切断されやすいのです。第三に、民間事業者は公の介入をあえて求めないし、県のかかわりも控え気味にあるため、民間の柔軟な力を生かすという大義名分と県の運営指導が両立しにくく、お互いの責任があいまいになりやすいのです。家族の思いや支援者の願い、その労働条件を軽視することにもなり兼ねません。

シリーズ 地域発信 小さい林業で森を編集 第1回 地域おこし協力隊で林業を始める 滝川景伍
 地域おこし協力隊という制度が、2009年に創設され全国各地の市町に派遣されてきました13年の歴史が横たわっており、今回の人も卒業しており、3年間の市町村職員としての身の置き場と成長が実れば、地域活性化の担い手として、大きな役割が果たされているのだと期待します。林業という第一次産業のこれからの往くへを作り出す、「自伐型林業の普及と推進」を見てみたいと思います。また佐川町の姿も見たいものです。
おきなわ定点観測 第4回 復帰50年を迎えて─「屋良建議書は生きている」ことの二重の意味 関 耕平
 沖縄本土復帰50年が5月15日だったのですが、そこでの記事として、岸田首相の発言が、一言も触れていないことがある。また、「基地のない平和な島」という沖縄の人々の思いに対して50年にもわたって本土が答えず、復帰当時と変わっていないからこそ建議書の訴えは今も「生きている」のではないかとの思いは同感です。かっての沖縄問題研究会の活動を振り返りたいと思います。屋良建議書の読み直しをしましょう。https://www.archives.pref.okinawa.jp/wp-content/uploads/R00001217B-1-1.pdf
@NEWS 復帰50周年と沖縄の現状〜県民の願いを地方自治にのせて〜 安里嗣頼
ローカル・ネットワーク

 今年沖縄県知事選挙が行われる。復帰50年後の事態を改めて問い直される時期になった。米軍吉の司令官は、基地容認の沖縄県知事の誕生と沖縄の米海兵隊吉は恒久基地として使用する」、『返還後も沖縄で自由に作戦行動が取れる」と言明しているのです。軍政下で「自治は神話」と言われた状況が今なお続いています。
BOOK REVIEW
Jつうしん
自治の風─静岡から 第3回 コンパクトシティ構想と住民運動─みなと町・清水のまちづくり 川瀬憲子

 コンパクトシティー構想が発生するのは、平成の大合併で集約された勢いがまだ続いているのでしょう。この合併の弊害は、災害時の危険な視野を吹き飛ばしているようです。
編集後記

 

2022年6月号 読者ノート

 (2022/05/31)
 
広島自治研会員みなさんへ・・事務局より
この住民と自治誌を読むことを毎月お会いしたいものです。事務局のものの考えを添えてみました。あなたのご意見を挙げてみてください。
編集者より
特集:災害と避難 誰ひとり取り残さない協働の地域づくり

相次ぐ災害に対して災害の恐ろしさばかり強調され、市民があきらめたり、逆に油断したり、あるいは行政にお任せしたりしまいがちです。そうではなく、「我がこと」として災害に立ち向かい、自助・共助・公助の枠組みを超えて命を守るための協働をどのように実現するか。国・自治体はそこに対してどのように責任を持つのか、具体的な事例から学びたいと思います。



目次
◆直言 住民の現実から自治を問い返す─「住民」の実像なき地方行政がまかり通る危機 平野方紹
 住民とは、現実に即した捉え方が出来ているのかの問いですが、「住民」像がとらえきれていない、政策が行われている、災害・防止対策で、うまくいく訳がありません。ここに描かれた地域の実態が、どうこれから掴んでいくのか、本当に急がなくてはなりませんね。危機的状態です。
●連続企画● 「新型コロナ」から日本の社会を考える 第24回 公的病院の拡充、医療体制の抜本改革を─コロナ禍で可決された都立病院廃止条例 本田 宏
 日本の公的病院の削減が西南戦争後の激しいインフレとその後の松方政策が地方財政を厳しく陥れたことにより、全国にあった公立病院の多くが廃院となり、一方松方病院は自由に開業した、医療を民間に任せた動きが出たとのことです。戦後新日本は、無医村解消を目指して、「人口10万対150人」の医師の養成を達成するために、1973年までに全国に1県1医科大学を設置したのです。しかし1983年に厚生省の吉村仁保険局長(当時)は、医師養成の目標は達成したとして、医師過剰時代の到来を宣言し、「医療費亡国論」を唱えたのです。以降経済界、政治家、官僚が連携して広めていると言われています。このような取り巻きから、公的医療費の積算する統計資料の扱いがズサンデアルト記載されていますが、医師の需給推計で、OECDが常用する「単純平均」ではなく「加重平均」で医師不足を矮小化したり、労働時間推計も過労死ラインを超える時間外労働や高齢医師の長時間労働を前提にするなど問題が指摘されるのです。このような政府資料による恣意的な誘導に載らないよう、日ごろから気を付けたいものです。コロナ時のマスコミ報道から今となっては、全く気に留めもしない姿勢に、マスコミの政府迎合が気になりますね。また、医療費もさること、薬価の程度のひどさも注意しなければいけません、この緊急時に日本での薬業は国民に必要な薬物を手に持っていないのですから。
第64回自治体学校案内in松本
 昨年と同じようにZOOM開催が計画されています。広島県会場も作りたいものです。
●特集● 災害と避難 誰ひとり取り残さない協働の地域づくり
 自助共助のみの災害対応が今の政府のやり方なのに、国民はあきらめているのか?体験が生かされていない問題がありますね。
「生活防災」─「ふだん」と「まさか」をつなぐ─ 
矢守克也

 ここで改めて保育所での幼児教育の実態が参考になります。いつもの外歩きについても、その子たちの避難の力量考慮するとともに、お互いを見詰め合うところから危険なことへの避難を告げることができるとか、日ごろをこのような観点に置き避難経路や所要時間の把握などの質的向上にさせることが行われているのですね。これからの災害常習時期、「想定外だ!」ということではなく、防災は特別な活動ではない、「ふだん」の生活、言い換えれば日常のくらしが、そのまま、防災、つまり「まさか」の時に備えになるような、そんな「生活=防災」を目指しましょう。3.11の岩手県野田村保育所の事例はぜひ読み返してください。また「防災=福祉」そして「防災=健康」と発展してくのです。
 一部の人たちだけで担う特殊な活動ではありません。むしろ、そのポイントは、ごく普通の人たちが,いかにして、「ふだん」と「まさか」を上手につなぐか、ということになります。つまり防災を「ふだん」化させることは、自ずと、防災を「わがこと」化にもつながります。
 
災害ケースマネジメント 一人一人の復興を切れ目なく目指す制度(鳥取県の取り組みから) 西尾浩一
 今回の災害ケースマネジメントが、鳥取県で制度化(条例制定)されたようです。各種災害時にはこのような支援事例が起こされ、支援されてきたことでしょう。しかし一人ひとりの災害について細かく調査し支援するまでには到底今の時世ではできないと思われていました。そのような時世の捉え方から一歩進んだ、制度として、災害が起きる前から対応が行われ、きめ細やかな支援活動を、県・市町被災者の連携で行う補償が、制度として動くということは、国民の願いであり、これからの災害時にとって必要ではないでしょうか。先生を待つから、アウトリーチ型、オーダーメード型の取り組みで一人も取りこぼさないことを願いたいものです。災害時の補償基準の拡大が大きな課題ですね。
犠牲者ゼロを目指す地震・津波対策の取り組み〜南海トラフ地震に備える官民が協働した黒潮町の防災対策〜 宮上昌人
 黒潮町が津波で沈んでしまうことから、茫然として災害対策が作れない状態から、犠牲者ゼロをめざす体制作りを作るように変化した経過です。避難しようともしないで諦め(避難放棄者)たところでは、多くの市町の職員の貼り付けしても、地区住民をまとめる活動は困難です。この課題をどうクリヤーしたのでしょうか。計画自体が机上の空論とならず、それぞれの地区の課題に即した計画とすることに徹し、「地区脆弱性踏査図」として整理されています。また、それに対応した「個別つなみ避難カルテづくり」が全世帯ごとに作られています。避難施設体制の維持管理が、天気などで崩れないよう、住民主体の対策づくりの維持管理ができるような組織の成長を作ることが要になってきます。対策施設の維持管理がもっぱら住民に押し付けられていると認識されることの無いよう、行政として、こと細やかな手立てを示す努力がこれらの過程で示されなければうまくいかないでしょう。避難施設としての基本的責任は行政がきちんと取り、官民共同の維持管理体制の工夫が必要であり、住民にとって、避難所の環境はより豊かな場所として日常的に、子供から年寄りまで参画できる場であってほしいものです。また要配慮者対策は、行政が責任をもち共助・公助が両輪で対策を進めなければなりません。黒瀬町の取り組みの中で、土地所有者に無償で借りられる体制が行政が作り上げているのは素晴らしいことですね。
誰ひとり取り残さない支援を目指して─災害支援ネットワークおかやまによる継続支援と実務の備え 石原達也
 既存のNPO組織が災害時に支援センターとして立ち上げられ、引き続き支援センターの活動を定式化して継続しています。この災害支援ネットワーク岡山はNPOでの活動に、12の役割を定式化し、SNSを活用して、臨機応変に現地に派遣されているようです。支援の中で、復旧ロードマップを作り、物資支援の明確化と保険会社などの支援体制の取り組みを可能にしています。また災害用語の説明に役立つ「サイガイペディア」が作られています。災害時の事業者の支援を全体把握できるように、全体像化され、対応が明らかにされています。ちょっと組織的に分かりにくい面はありますが、これに関連する人々の多さと資金作りには感心します。
潜在的要支援者への災害時の緊急支援─自治体における取り組みに関する調査研究より─ 岡田裕樹・佐々木 茜
 潜在的要支援者とは、自然災害が頻繁化する中、避難時に支援が必要な多くの高齢者や障碍者の事で、被害を受けている時、自治体としてこれ他の人々の把握をどのように取り組んでいくのか明らかにする報告です。日本の障碍者数は身体障碍者は436.0万人、知的障碍者は109.4万人、精神障碍者は419.3万人で、合計964.7万人と推計されています。一方障害福祉サービスを利用している障がい者は約127.0万人で総数の約13%程度です。すなわち、障害があっても障害福祉サービス等の支援を利用していない人が一定数いることが分かります。これに対する自治体の調査実態は、潜在的要支援者を把握しているが369自治体(42.5%)、把握していない「が481自治体(55.4%)でした。又潜在的要支援者に対する災害時支援、防災に関する支援について、「検討したことがある」が304自治体(35.0%)で、「検討したことはないが548自治体(63.1%)であり半数以上の自治体では潜在的要支援者の状況把握されておらず、また災害時の緊急支援も検討されていないことが分かりました。障がい者が災害時に取り残されることのない、誰もが安心して地域生活を送ることができる仕組みが広っていくことを願っています。広島県の実態はどうでしょうか。
ウクライナの原発危機および原発自治体アンケート調査が浮き彫りにしたもの 池田 豊
 今回のウクライナ侵略における原発施設への攻撃が、現実に起こり、これに対する恐怖を多くの原発自治体職員は持った事でしょう。福井県知事が首相に連絡して自衛隊の対応を訴えたとの報告は、現自治体首長として真摯な姿を示しました。このような原発事故対策が改めて検証された結果を見てみると、原子力防災体制の貧困、住民防護対策の後退と変質がより鮮明になりました。自然災害だけに焦点を置かず、このような原発に対する周知も、原子力施設・機械の耐用年数が過ぎる今日、高めておかなければいけない課題です
●連載●
おきなわ定点観測 第3回 生活・生産のなかにある「たたかい」─続・伊江島のこと─ 関 耕平

 沖縄の人々の戦中・戦後はまだ続いています。現在戦争をする国づくりに向かう中、現在の沖縄について本土の人はよく勉強するべきだと思います。阿波根昌江さんが作られたムチドウタカラの家にもぜひ参加したいものです。反基地闘争は、単に「何か崇高なもの」とみるのではなく、「生活と戦い」があり「生産と戦い」があったとの認識が披露されています。
くらしと自治と憲法と 第13回 憲法尊重擁護義務をめぐる三つの誤解 永山茂樹
 憲法99条「天皇または摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負う」は憲法の尊重用語義務を定めです。が3つの誤解が生まれていることに対する意見です。憲法を守る義務の項目の発生原因をさかのぼると、おのずとこの憲法が国民が制定した民主憲法であるから義務の書き方も、欽定憲法とは違うのです。
 国民も普段の努力をもって憲法擁護に努めなけらば行けませんね。

シリーズ 地域発信 野草と歩む つちころび野起き 最終回 第4回 地域で、野草で、バトンをつなぐ 鶴岡舞子
 女性たちが野菜料理を作る会話は、奥深い・身近なものとなっていますね、未来の子供たちにつながってけばいいのですが。改めて日本食の、味覚が、日本の文化と言われ、ユネスコの文化遺産に登録されたのですね。手作りで作り出されていく姿勢が、百円均一で手軽にこそこそ良いものを使い捨てられる価値観が問われていますね。春の七草から始まり、季節季節の野草を香り、つみゆく草の有毒・無毒の判断を高めていくことが繋がっているのですね。
人つながるN 福祉のフェアトレードを社会に広めるマジェルカ 藤本光浩
 障がい者が作業所で制作している製品が、一般の人にとって「支援される側」から生まれたものという認識だったのか、自主製品に魅力やクオリティを求め、顧客に対する訴求効果を高めて販売する概念で取引されているマジェルカとは。一度は見てみたいものです。
検証 津久井やまゆり園事件を人権の視点から考える 第9回 障害をもつ人を権利主体として保障する法制度は、日本に十分に整備されているか 瀧澤仁唱
 ドイツでの障がい者の権利を保障する制度が、「障害を持つ人の権利に関する条約」の批准に現れていると説明されています。それは、批准に当たってドイツでは国内法の整備が必要なく法制度が存在している条約だったのです。日本では署名から批准まで、7年の要否を費やし、2014年1月となっていますが、その後の国民が社会保障の権利主体として明確に扱われ、その権利実現の制度が法整備として整うことがなかったのです。具体的権利を行使できる法規定や機関がない限り、真の差別禁止及び平等化は図られず、人権保障もないのです。憲法25条の否定につながった津久井やまゆり園事件がそれを現わしています。
 また、国際障害分類(ICIDH:障害の有無を問わずに、また国や地域を問わずに適用できる、「人の健康状況や健康に関する状況、障害の状況などを記述すること」を目的とした分類です。)、国際生活機能分類(ICF:人が日常生活を送る上では、身体的なものだけでなく、社会も含めたさまざまな「機能」が必要になりますが、それらの機能は、複雑に絡み合って「相互に作用している」という考え方からICFは生まれています。)の法制度の取り入れはどうなっているのでしょうか。

@NEWS 司法の役割を放棄した諫早(いさはや)湾干拓・開門確定判決に対する請求異議訴訟判決 堀 良一
 諫早湾干拓における裁判で、確定判決を付き返す不当判決が最高裁から出された。「著しく審議誠実の原則に反し、正当な権利行使の名に値しないほど不当なものと認められる場合があることを要する」という厳格な判断基準から行われていないのです。
書評・・「アフターコロナの公衆衛生 careの権利が守られる地域社会をめざして」表者 庄司慈明
 コロナ禍でのドキュメントは映像では見ることができるが、その時に終わってしまい、検討が出来ない。この本が詳細に時系列でコロナの災害を退治する社団法人での取り組みを記載されており、その間に考える課題を明にしていると評価されています。現代社会の公衆衛生を立て直すには、このようなきちんとしたデーターを踏まえて対策を考えることが必要でしょうね
ローカル・ネットワーク
BOOK REVIEW
Jつうしん
自治の風─静岡から 第2回 止まらない巨大開発─沼津鉄道高架事業と住民運動・訴訟 川瀬憲子

 バブル期に計画された典型的な環境破壊型の巨大開発がこの沼津鉄道高架事業となっています。区画整理事業で減歩率が東海の鉄道用地ではゼロであるとは、地域全体へのしわ寄せは多大なものとなっている事でしょう。費用便益分析が、0.816とは公共性がないに等しいですね。この地域がアニメの聖地巡礼とは、新たな取り組みが期待されますね。
編集後記
 

2022年5月号読者ノート

 (2022/05/20)
 
編集局より
日本国憲法施行75年。昨秋の衆議院議員総選挙の結果を受けて、改憲への国民投票が現実味を帯びてきました。日本国憲法の一条一条にこめられた、個人としての人権の尊重と付箋平和への決意、そしてそのための権力のしばりが狙い撃ちされようとしています。国民投票制度も、公平性から見て多くの課題を残しています。主権者として憲法改正の論点を検証します。
 
目次
◆直言 今こそ「保育とは何か」という観点を 馬場紘平

 おむつを持ち帰る枚数が1枚になる、この感動を保護者として子供の成長が目に見える形で体験されています。私にはその記憶がないのですが、このこと一つとっても「保育とは何か」をみんなで考える場にしてほしいものです。
●連続企画● 「新型コロナ」から日本の社会を考える 第23回 コロナ禍が問う「図書館の自由」─ホームレス・女性・非正規雇用という視点から 山口真也
 図書館へ入るのに身分証明書や、料金を払ったことがないことに気づかされました。図書館の自由宣言で歌っている、基本的人権の保障としてある、図書館。その自由を守っている非正規職員の方々の身分の不平等を私たちは気づかなければいけないのです。
 そもそも、路上生活者の生活が図書館の周りで会った時、彼らに取って大きな生活保障の基盤に違いありません。その図書館が、「路上脱出・生活SOSガイド」などを発行していたとは、また、この図書館を支えている女性差別・ジェンダー不平等を、コロナ禍で、一層明らかにされ、この解決が求められています。これまでも、やりがいと引き換えに低賃金を多くの女性に押し付けたまま、薄氷の上を歩くように、図書館の自由はかろうじて維持されてきたことを、私たちは認識するべきですね。

●特集● 何のため、誰のための憲法「改正」か
自民党「日本国憲法改正草案」と現在の改憲論議 愛敬浩二

 自民党の憲法改正に向けた出発点は、自民党が結成された時からだと思いますが、10年まえに「日本国憲法改正草案」が発表された2012年4月27日を見てみたいと思います。この時点で、自民党は、自由に自分たちの本音を述べたようです。問題点として@保守的・復古的改憲A平和主義の根本的改編B人権保障の弱体化C統治機構の「微調整」D立憲主義の形骸化が、あるようです。この改憲草案を支える憲法思想は、
●日本国は、長い歴史と固有の文化を持ち国民統合の象徴である天皇を頂く国家であって、国民主権の下、立法、行政及び司法の三権分立に基づいて統治される。
●我が国は先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展し、今や国際社会において重要な地位を占めており、平和主義の下、諸外国との友好関係を増進し、世界の平和と繁栄に貢献する。
●日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り、基本的人権を尊重することとともに、和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する。
●我々は、自由と規律を重んじ、美しい国土と自然環境を守りつつ、教育や科学技術を振興し、活力ある経済活動を通じて国を成長させる。
●日本国民は、良き伝統と我々の国家を末永く子孫に継承するため、ここにこの憲法を制定する。と前文となっています。
 この前文の最大の狙いは「利害・価値観を異にする諸個人が自らの自由・権利のより良い保障のために社会契約を結んで政治社会(=国家)を形成し、自らの自然権の一部を政府に信託する)という「社会契約の論理」を否定することになります。まさに人権保障の弱体化と立憲主義の形骸化に進むのです。
「国防軍」と緊急事態条項が明記されたらどうなるか 纐纈 厚
 2018年3月25日開催の自民党大会で、改憲4項目案が公表され「国防軍」の名称を避け、「自衛隊」の憲法明記に切り替えています。憲法第2章は、かって日本が行った侵略戦争の発動として戦争の手段を取らないことを宣言したものです。
 しかし自民党案では、直ぐ後の2項で、「前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない」との断りを入れて。侵略戦争の発動は放棄するが、自衛権の発動としての戦争はその限りないとしているのです。
 現行憲法がいかなる戦争も否定しているのに対し、草案は自衛のための戦争を肯定しているのです。
 現在、自衛隊は自衛隊法という法律によって、その組織を認められています。ただ、日本国憲法では軍事や軍事組織、ましてや戦争行為などを全く想定していません。
 自衛隊が「国防軍として憲法に明記されることは、同時に、武装による自衛権行使を前提とする安全保障政策を一層強化しようとするものと言えます。
 日本をもう一度、「戦争のできる国家」としていいのでしょうか。
 もう一つの国家緊急権は、緊急事態を理由に憲法を停止する措置で、憲法の最大の任務、人権の擁護を停止させることになります。人権の停止状態に置くことは、近代憲法の役割を根こそぎ否定することです。
 基本的かつ有効な災害対策は、災害が起きていない平時から防災訓練や避難訓練などを繰り返していくことが大切とされています。大切なことは、これまで以上に具体的かつ実践的な護憲運動の展開が不可欠で、日米安保や自衛隊に頼らない平和づくりを紡ぎ出すことだと思います。護憲運動が最大の抑止力になるはずです。

「危機」便乗・改革幻想の中の地方自治改憲論 河上暁弘
 日本国憲法の三大原理と「地方自治」の関係
日本国憲法の三大原理を実行あらしめるうえで決定的に重要なのが「地方自治」で、国民・住民に最も身近自治体レベルにおいて保障・具体化されるもので、またそれら諸原則が侵害された場合の被害は自治体レベルにおいて最も早く深刻に現れるからです。
地方自治の本旨」が抽象的・不明確
近年の地方自治をめぐる改憲構想が、政党や地方自治体から出ていますが、「地方自治の本旨」という文言が抽象的・不明確ではないかという批判がありますが、この文言を改め、住民自治、団体自治、国と地方の適切な役割、補完性の原理等という具体的な文言に変えることが必要という意見もあります。
具体的な案の問題点
ただ、そうした中から出てくる具体的な案を見ると、

●「地方自治の本旨」規定を削除し、地方自治を「住民に身近な行政」に限定したり、
●外交、安全保障といったものを「国の役割」とし、地方自治体の役割を限定することが意図されている可能性をもっています。そして、
●近年の「有事法制」の整備・確立などと相まって、軍事協力への自治体の動員、自治体の下請け・末端機関化をもたらす危険性があります。
●また、補完性の原理にしても、自治体の「全権限性」を前提とした権限配分における自治体優先の原則という文脈だけではなく、自助優先論・自己責任論を前提とした公助後退・福祉切り捨て・自治体丸投げ(国の撤退)といった新自由主義的改革推進の論理として展開されてきたこともあり、その内実が問われます。
●また、自治体への権限配分や地方財政・財源の充実化そのものは憲法を変えるまでもなく法律・予算等によって可能であることです。

このことにより、新自由主義的改革の徹底化のための改憲構想だと言えます。憲法改正よりも、
憲法理念の実現・実行のための日本の政治・行政の大改革を!!!
緊急事態条項とは、
@不当な目的で発動されやすい・A期間が無限定に延長されやすい、B過度な人権制限が起きやすい、C司法救済の困難性という致命的な問題点があることにまずは格別の注意が必要です。
 なお日本国憲法は「緊急事態」を想定していないというのではなく、例えばどのような「緊急事態」(大災害や軍事攻撃等)にあっても、憲法の停止・人権の包括的制限といった「国家緊急権」の行使及び軍事力の行使禁止し、かついかなる場合においても事前または事後の司法救済の道を閉ざすことを前もって認めることはしない という選択をしていると考えるべきでしょう。

国民投票法制定15年 国会が積み残す課題と市民の役割 南部義典
 憲法改正における国民投票の実態が、「現行法のままでは国民投票が執行できない」に尽きることが分かりました。又この投票自他の持つ、既存の選挙との大きな違いとその対応が、いまだ明確になっておらず、これらにたいし、一足飛びに行うと、反国民主権、非民主主義的な政治癖にはかならないことも分かりました。キチンと行政事務を行うことが、課題ですね。 
憲法学習と住民自治─地域と学校で主権者を育てる重要性 宮下与兵衛
 憲法の基礎は国民の政治意識の向上が成長しているかどうかだと思っていました。
 今憲法9条に対する認識が、改憲派から批判されていますが、このような言葉に若者が同調しやすい現状に危機感を覚えます。
 世界の若者は小学校時代から政治教育が行われているとか、それらが一国の大統領選挙でも、生かされている時代になっています。
 それに引き換え日本の若者の政治意欲の未熟さは46年間お政府の、教育に対する取り組みから生まれているとのこと。大きな弊害になっているのですね。
 主権者意識の向上は体験から生まれているとのこと、ここで長野県竜野高校での憲法学習が載っていますが、生徒による主権者教育として40年近く行われているとか、この活動により、地域づくりの主権者が育っているのだと思います。  
 文部省の行おうとしている人材育成ではなく、生徒の街づくり参加も「人格の完成」と「平和で民主的な国家及び社会の形成者」、つまり主権者の育成になってほしいものです。

憲法改正国民投票におけるメディア規制の必要性について 本間 龍
 憲法改正の国民投票時の、マスメディアの規制は、今現代の日本のマスコミの実態を良く知る筆者から見れば、国民が様々な情報に接して塾路する機会が失われる危険性が大きくなるとの、これこそが、国民投票における最大の問題点であり、早期規制が図られなければいけないのです。
 今回のロシアのウクライナ侵攻で改めて明らかになった「情報戦」を私たちは深く考えておく必要があります。  
 また、日本国民の3割は保守で(自民党支持)、2割が革新(野党支持)で、後の5割は無党派(浮動層)です。このことでこの浮動票をどう扱うかが大きな課題なので、自民党の広報が電通であるという実態が、非常に大きいのです。このことに早く護憲派の人々も見直さなければいけませんね。

自治体DXの争点@ 自治体情報システム「標準化」の問題点と課題 久保貴裕
 自治体情報システム「標準化」は、自治体独自の住民の要求に基づく独自施策の抑制にはかざるを得ないという課題に、私たちは真剣の考える手段を持たなければいけません。
 行政が国の基準で測られること自体、民主主義の住民自治の本旨に反するものであり、
 急速な標準化でもって作られたシステムには大きな欠陥が生まれるのです。
 今回携帯スマホの通信が60時間も途切れたという事態が発生しました。これ自体今後同じような事態が起きないとは言い切れないのです。特に電波事業の不安定さは、この間の新自由主義経済でもってブラックボックス化されている課題が、どんどん出てくると思われます。
 「標準化」する20業務でこれ以外は、自治体の責任で行う業務と、一方的に国が責任を負わない事態が生まれかねません。多くの住民の生活状態の中で、責任をもたないというこの業務は、時代遅れの再来になる恐れがあります。この業務を請け負うベンダは「標準仕様」の身に力点を置き、オーダー・オプション業務での破格の請求を行っていくことでしょう。
 今回システムの整備で4点の指摘がされています。自治体クラウドの性能移管が、評価されていませんが、大きなブラックボックスがあるのではないでしょうか。これを極めたから直ちに発信されるのがいいのではないでしょうか。この作業に主権者である住民や業務担当者の意見を十分に聞き反映されることを希望します。

[連載]
人つながるM 高知県へ移住し、地域の山を育てる「自伐型林業」に取り組む 滝川景伍

 「自伐型林業」とは環境に配慮した持続可能な林業経営を目指すもの。地域の山に根ざし、必要最低限の機械を使って、出来るだけ山に負担の少ない方法を選んで、100年、200年と続く山づくりをしているそうです。
 小さな林業は災害にも強い、山の恵みの多様な提供方法やサービスが今後必要です。まずは地域の山の木で炭の販売を行い、製材やモノづくり、林業観光にもチャレンジしたいそうです。
 林業の世界にもこれからもっとイノベーション(物事の「新機軸」「新結合」「新しい切り口」「新しい捉え方」「新しい活用法」(を創造する行為)のこと。)が起こる分野だそうです。

おきなわ定点観測 第2回 軍事基地強化が進む沖縄─伊江島のこと─ 関 耕平
 今ウクライナの攻防で、沖縄基地は深刻な様相を示しているようです。また関さんも危機感を覚えるそうです。軍事基地沖縄が持っているこの危機感が、岩国にもあるのではないでしょうか。宮古島が自衛隊基地として工事が進み基地に植えられているハイビスカスが可哀想だと語っています。このことは本土にいる私も感じぜぬにはいられません。
検証 津久井やまゆり園事件を人権の視点から考える 第8回 死刑は何事も解決しない 寺中 誠
 死刑存続の国とない国での違いが語られています。この犯罪が障害を持った人々の存在を頭から否定する犯人の主張に多くの人々が怒りを示す一方で、逆にその意見に一部共感するような発言の登場を許すことになったのです。
 しばしば指摘されるヘイト・スピーチによる二次加害が報道の大きさととも相まって社会全般に広がったのです。
 また確信犯のうちでも、信念に基づき大きな被害を引き起こすものを、犯罪学では「ミッション犯罪」と呼びます。2011年7月に、ノルウエーで起こったミッション犯罪は、一時国内に死刑復活の動きがあったようですが、死刑廃止国である同国では、拘禁刑の上限が21年、さらにそれに加えて保安上の理由によって保安官措置が可能となっています。閣僚は「この事件によって政策が変わったり、死刑などの厳罰化が進行することは、むしろ犯人の要求に屈することになる」と指摘し、死刑復活や移民政策の引き締めなどを行わないことを言明したのです。
 刑罰の効果に依存する体制は結局、社会内にはびこる排除意識や次の犯罪につながる危険性に十分対応できていない人ではないでしょうか。

くらしと自治と憲法と 第12回 憲法13条幸福追求権の「個人の尊重」「公共の福祉」論と自民党改憲案 清水雅彦
 日本国憲法13条は、「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」と規定しています。
 自民党改憲案で、「全て国民は、人として尊重される」と変えていますが、「個人」として尊重されなくなるということは、「人」として扱われても一人ひとりの個性・考えまでは尊重されなくなることを意味します。
 個人として尊重されなければ、日本でさらに集団主義が強まる可能性があります。
 「公共の福祉」は人権と人権が衝突した場合の調整原理と考える学説が多数説になっていきます。「公共の福祉には「国家的利益」の意味はありません。其れなのに、自民党は「公共に福祉は分かりづらい表現だからという理由で、憲法学が積み重ねられてきた議論を無視して、「公共の福祉」を「公益及び公の秩序」という表現を使うことで意味まで変えてしまっているのです。
 つまり、自民党の論理からすれば、従来の人権の制約原理は人権と人権が衝突した場合に調整するというものであったのに、今後は国家が優先する場合に人権を制約することになってしまいます。
 デジタル改革関連法は、国民のプライバシー権や自己情報コントロール権よりも国家による国民監視と企業の個人情報利用を優先するものです。
 日本国憲法下では、これら法律は国民の権利・自由を制約・侵害する違憲立法であると主張することができます。しかし、自民党の改憲案が実現したら、これらの法律は「合憲」になってしまうのです。

シリーズ 地域発信 野草と歩む つちころび野起き 第3回 野草でつながる地域の交流 鶴岡舞子
 昨今の移住ブームを表して、今の社会変化の中で、「何を残したいか?」を問われている時代に入っているのではないか、ブームで入った人が、地域を好きになって長く暮らしてもらえるような人を増やせる取り組みや、選択肢がたくさんあることがより良いと思う。植物の中にも、外来種が多く生き残り、在来種がひっそり過ごす中、外来種の反乱で、これを除草剤で駆除するにあたって、在来種も一緒に駆除されていくような現象が、生まれていないか、見た目でなく、本質を見抜く力が試されているのか。野草の活用が地元ではなったことであり、移住してきた筆者の都会的センスでの活用を、地元もゆったりと見つめていかされてきた。野草の「摘み草のお店つちころぶがオープンしたようです。
BOOK REVIEW
ローカル・ネットワーク
Jつうしん

自治の風─静岡から 第1回 リニアと大井川の水問題 林 克
リニア新幹線工事中、命の水が毎秒2トン減るとの調査が出て、この水の完全復活工事が出来ないとのこと。地域にとってそもそも論であることに、JR東海は無視しているのか、環境アセスでの調査でこのような結果が明らかにされたことが素晴らしい。
編集後記
 
 

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