広島自治体問題研究所
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2019年11月号 読者ページ

 (2019/10/23)
 
目次
事務局として気になった記事にコメントを載せます。一緒に読み合わせしましょう。あなたの感想や意見もお寄せください。
●特集● 都市再編時代の再開発
•アベノミクス都市再開発のいま (岩見良太郎)

 今多くの都市の再開発を正当化すると名目に、イノベーションだとか、コンパクトシティー化、公共施設再編という言葉で、一見財政支出は不問にされています。ここで行われたものが、地域全体のバランスある発展を基本に組み立てられたものであるとの装いを、立地適正化計画と掲げています。しかし、これらの開発は、「全体最適」という口実によって、「個別最適」を犠牲にするものであり、「選択と集中」政策の言いかえでしかないのです。青森、富山での実践結果が物語っているように、最初は大きく取り上げられますが、時間の経過とともに地域全体が崩れていくのです。
 まちづくりは、何よりも個々人の生活圏、身近な地域における住民自治から出発しなければならないのです。

•東京「企業主権」で進む東京の再開発 (遠藤哲人)
 いま東京でマンション建設がいままでのまちづくりと一変した民間業者の主導で行われている実態が報告されています。かって美濃部都政時代に住宅建設に立ち向かった計画が存在しており、これらがいま、民間主導の下で、大規模な高額者のための、まちづくりに変えられて、一般人が立ち入れなくなっているようです。大企業の事業掘り起しから虫食いの再開発、かって自分たちが立てた計画を、民間業者が取り替えた計画承認の立場に転換している行政の姿など、市民・住民犠牲の再開発の横行に対し、今こそ、鼓した人々が声を上げ、組織を作り、議会、市民運動、労働運動の共同で、道を切り開くよう呼びかけています。参考例として、徳島市新町西区での再開発取りやめの運動が紹介されています。長くて粘り強いそして幅広い運動は勇気を与える経験だと称賛されています。
•さいたま市 大宮駅周辺で急速に進む巨大開発計画 ─首都圏広域地方計画・スーパーメガリージョンを追い風にして─ (渡辺繁博)
 2都心4副都心構想と、大きな呼びかけですが、これが政令指定都市化に向けたさいたま市の掲げたものでした。ここで述べられている都市開発は、国の国土形成計画を取り入れて、市民の目を上側に注げて、飾り付けられ、町内会長までも、その推進組織に組み入れられたようです。大宮周辺地域戦略ビジョン、約190haもの広さを「公共施設の再編による連鎖型まちづくり」と、すごいビッグアイデアだと称賛した県知事の話も、気に留めておきたいものです。しかし、経済誌が、皮肉にもこの計画の欠陥を指摘している記事を掲載しています。まったく企業の利益を優先し、高い価格を市が負担するはめになっているようです。大きな構想を打ち上げることにより、さいたま市の財政負担は莫大な額になり、住民の生活には大きなギャップが生まれていることが紹介されています。この開発事業に対応した学校、保育所、公園、児童館や公民館などの整備計画を市は全く持っていなかったというのです。国の大言壮語に踊らされることなくしっかりした社会動向に対する見通しを持ち、市民の願いを聞き取り、美しく・安全で快適な市民のよりどころとなる駅周辺整備となるよう願っています。
•川崎市 一体誰のためのまちづくりか 鷺沼駅前再開発に伴う区役所・市民館・図書館の移転に反対する住民運動 (小久保善一)
  川崎市宮前区の区役所移転が、住民の声を無視した形で進んできたようです。この論文には公共施設再編整備計画書の作成について述べられていませんが、多くの委託事業の中に、このような大きな施設があるとは、またこれに付随する市民会館・図書館などを新しい土地に移すことにより、ドミノ式にその跡地の再開発が描き出されるのでしょう。大きな金が動く中で、市民生活の向上や、市民の声は受け取られなくなっていく、川崎市政の変化が読み取れました。区民の声10%しかない計画を広げようともしないくせいに怒りを感じました。まさに、現実は、事業者と市があらかじめ事業計画を決めて、市民が全容を知る前に短期間のうちに決定・実行しているように見える。とはどこかで聞いた言葉ですね。
•徳島市 無謀な再開発をひっくり返したあきらめない市民自治の力 (加戸 悟)
 徳島市民は、「住民投票条例」を作り上げている町なのですね。過去の経験からあきらめない市民自治の力が、今回の無謀な「新町西再開発の白紙撤回」の運動を支えたとも言えるのでしょう。市民の怒りをコツコツと広げる活動の経験は、時代を超えて活きていくものなのですね。このような体験を作り出すことがいま求められているのだと思います。またこの間の裁判闘争、市長選挙などで核となった出来事に力を集中していることもわかります。
 徳島市の住民投票署名での、受任者作りで、3000人の数を集めきることができることは、「市民の力」の根拠であり、このような活動を市民運動の起点として広島県でも作りたいものです。だけどこの開発に徳島県が同意をしていないとは、これの経過が知りたいものです。

•神戸市 「神戸市都市空間向上計画」について (小田桐功)
 この論文で「立地適正化計画」の矛盾点が明確に表しています。行政・国がこの計画の本質を明らかにせず、独善的に執行している意味が分かります。そもそも都市計画法の理念は、「都市の健全な発展と秩序ある整備をはかり」「農林漁業との健全な調和を図りつつ、健康で文化的な都市生活および機能的な都市活動を確保すべきこと」であるのに対し、「立地適正化計画」は、人口減少社会の下でも、民間活力を謳い、駅前開発の参入事業者への補助金対策など優遇策を設け都市再開発を最優先したものとなっており、住民福祉の向上を謳う日本国憲法の精神とは相いれないものです。ここの神戸市の計画案に対する緻密な点検活動を参考にして、各地の計画をチェックしてください。市民への広報活動はどうであったか。基準となる駅から徒歩20分の適用が市民生活や地域の特性に合っているのか、人口減少の推移年が20年か50年先なのか、地価の変動がみられるかどうか、被災対策と整合性があるかなど、具体的な声を集めてください。
•滋賀県 滋賀県内の立地適正化計画調査結果から見えるまちづくりの課題 (瓜生昌弘)
 滋賀県自治研からの報告であり、広島県としても参考にしたいものです。そもそも立地適正化計画の持つ、いわゆるコンパクトシティづくりの計画が、居住誘導区域や都市機能誘導区域を設置し、人口増加に伴いはらんでいった市街地を人口減少に対応して縮小させていくという狙いを持っています。県内の作成状況を概観して述べられていることは、誘導区域設定率が40%を超えている、。将来人口を増加する市町は少なく現状維持ないし、減少する方向である。計画内で、居住区域外のことがあまり触れられていない。ことが明らかになっています。この計画が既存の交付金事業の補助率がかさ上げされる仕組みとなっており、そのことが計画策定の目的になっていることが特徴です。この計画を批判するうえで、この計画自体がまちづくりの計画であり、本来のまちづくり手法から点検する4点があげられています。神戸市の報告ととともに参考にしてください。
第32次地方制度調査会「中間報告」を読む
 この調査会は2018年7月5日に発足し、内閣総理大臣が『人口減少が深刻化し高齢者人口がピークを超える2040年ごろから逆算し顕在化する諸課題に対応する観点から、圏域における地方公共団体の協力関係、公・共・私のベストミックスその他の必要な地方行政体制の在り方について」諮問したものの中間報告に対する意見の紹介となっています。
•行政合理化論が団体自治や住民自治を越える? (平岡和久)
 第32次地方制度調査会の中間報告は、人口構造の変化を地域類型化し5つを提示し、地域類型を絞る施策を出しており、町村会から厳しい批判が上がっています。類型化でもって画一的な方策を市町村に押し付けることは現に戒めなければなりません。二つ目は、2000年代以降構造改革、行政改革によって削減された地方公務員をさらに削減することを前提にすることで課題設定がされていることです。三つ目は、緊縮政策を前提とした上で、地域や組織の枠を超えた連携を進めれば、公共部門の責務や団体自治・住民自治を破壊し、超えるべき対象となることです。今後の焦点は、市町村の自主性を尊重するよりむしろ、圏域単位の行政を押し付けようという議論に注意することです。
•ステルス化した「圏域マネジメント」論と「トロイの木馬」 (本多滝夫)
 調査会で圏域マネイジメントの批判が多く行われた結果、中間報告の言葉が@ひとりに着目した方策、Aインフラ・空間に関する方策、B技術を生かした対応を行うための方策と変えた言葉で表現されていますが、事務局を担う総務省自治行政局はすでに、合併協議会をモデルとした、中心市の市長を会長とし、地方議会議員、有識者をも構成員とする『圏域運営協議会』を立ち上げ、行政基盤を新たに構築する法制化を創ろうとしています。圏域マネイジメント論を隠し、そしてその舞台裏では『トロイの木馬』の設計が進んでいるのです。
•小さくても輝く町村自治の発展を (藤澤直広)
 「地方自治」の本旨を国がたがえたのが今回の中間報告です。今回は『圏域行政』を掲げ、「自分たちのまちのことは自分たちで考え、行動する」ことから切り離そうとしています。住民福祉の増進を図るという地方自治体の目的達成は、「人」でありAIが取って代われるものではないのです。滋賀県日野町には、毎年、20数校3000人以上の生徒たちが、修学旅行などで農村生活体験をやっています。自然に触れ、人々と交流し、田舎に残っている助け合って生きる社会を体感します。離村式では『もう帰りたくない』という発言がありますが、このような心の交流は「AI]ではできません。
•風穴を知っていますか?─第6回全国風穴サミット in東京─ (傘木宏夫)
 風穴とは、山の地滑りで石が積みあがった斜面などで、その隙間から自然の冷風が噴き出す場所のことです。このような自然現象の発見を通じて、心行きかう交流を全国に呼び掛けています。
•書評 岡田知弘著『公共サービスの産業化と地方自治 「Society5.0」戦略下の自治体・地域経済』 (岡庭一雄)
 この本は、既刊「自治体戦略2040構想と地方自治」(自治体研究社)において問題点を指摘したことに引き続き、各自治体で具体的に運動を起こしていくために「公共サービスの産業化」を体系的に学ぶことのできる教科書として活用してください。
●連載●
•おんなのRun77 秩父のFMラジオ局! 街も人も元気にしたい (磯田恵美/山中優子/出浦ゆみ)

 地域の人たちが出られるFMラジオ局が秩父に誕生したとか。この局を作る11人のスタフの心意気が楽しみです。「人と人、地域をつなぐメディアが必要です」
•@NEWS 東京五輪 晴海選手村土地投げ売り住民訴訟原告団見解発表 (淵脇みどり)
 東京五輪の問題で、東京都知事が、晴美選手村の土地を建設業者に投げ売りし、業者による跡地にマンションとして売り出していくに協力したことを追及しています。広島アジア大会の選手村も同じような売り方がされています。このような都民の財産を企業集団に売り出し、儲けを保証するやり方は、まさに産業化した自治体行政ですが、都民の利益を放棄しているのではないでしょうか。
•子どもの未来図 第8回 子どもの貧困と世代間連鎖 ─生まれた家族で子ども格差があるのはしょうがない?!─ (浅井春夫)
  乳幼児期から低年齢児童期における貧困生活は、学習的知的な主体的体験に乏しい暮らしになりやすく、そうした@感情・意欲を育む格差を生み、A認識・操作能力の形成の格差を広げ、B努力という具体的な行動の格差に連動し、結局はC希望(人生へのチャレンジ権)を生み出す格差へとつながっています。
私たちは、貧困の連鎖を放置しないで、どの時期にどのような支援と権利の保障をし、政策的な対応をしていくのかを真摯に探究しているのかが、国及び私たちに問われているのです。

•行こう Zoo-Zoo-Zoo 第5回 動物園の運営費 (森角興起)
 動物園の人件費の在り方が、動物園に参加者にとってよく理解できるようになることが、もっと必要ではないのではないでしょうか。動物の命を守っている人の生活・余裕により、その運営は大きく格差が生まれると思うからです。参加者は、動物園では生きた動きが目に巻きつけられるものであり、その管理され方との共感がすぐ反映していくでしょう。
•おいでよ44 酒々井町 (小坂泰久)
•Jつうしん
•史跡さんぽ53
•編集後記

2019全国自治体学校参加者位置図( 2020年7月11日から13日広島市で開催されます。)
DL:73.pdf

(2019全国自治体学校参加者位置図.pdf)
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2019年10月号 読者ページ 

 (2019/09/18)
  目次
事務局として気になった記事にコメントを載せます。一緒に読み合わせしましょう。あなたの感想や意見もお寄せください。
●特集T● 全世代型社会保障「改革」と人権    
 安倍内閣が2019年6月に発表した「骨太方針2019」の中で謳われている「全世代型社会保障の構築」の本質と、それに対抗する人権を尊重した社会保障改革の財源論、スウェーデンの職業教育の実態から社会保障における就労支援の在り方を、探る企画です。

•インタビュー 雨宮処凛さんに聞く 「ロスジェネ」と貧困問題 (雨宮処凛/聞き手 M畑芳和)
 「ロスジェネ」とは、ロストジェネレーションの略で、今の30代半ばから40代半ばくらいまでの世代、いわゆる就職氷河期に社会の入り口でつまづいたり、非正規化した人たちを指しています。この時期の人たちの代表格である雨宮処凛さんのインタビューは、流れをつかみ、今ある時代についてどうするかが述べられており、私たちが貧困問題を考えるときのおさらいをしています。押さえておきたい活字が多くあります、子どもたちとコミュニケーションをとってみてください。自己責任非正規職員若者バッシングプレカリアート1995年「新時代の「日本的経営」という報告書」、生再設計第一世代30万人、「犠牲の累進性」、貧困バッシング2008年年越し派遣村メニューを出さない役所、などの言葉をつかんでください。
•「全世代型社会保障への転換」の目指す方向と対抗軸 (芝田英昭)
 社会保障財源の調達は大きな課題です。政府は、就労層や国民一般だけに負担を求め、社会保障における企業責任を問うことをしていません。世界各国での事業主保険料割合表が出ています。日本は25.6%であるのに、イギリス29.5%ドイツ34.6%、フランス42.1%イタリア34.5%、スウェーデン38.2%です。2010年の「国民健康・栄養調査」のみが、所得調査を行い、所得と健康度合いの関係性を示す資料を提供しています。これが明らかにしたことは生活習慣の乱れと所得の低さは相関関係にあることでした。このような調査をなぜ引き続き行わないのでしょうか。健康自己責任論を振りまくための落とし穴としたのです。このように政府は必要な資料を隠す、行わないなど非常に偏見を持っていることに注意したいものです。また今後知事を使っての地域医療構想の推進を図ろうとしています。県単位化が進む中で、県知事をその手先にしようとしているのです。このような政府に対して展望ある社会保障改革の対抗軸として、3点提案されています。これをぜひ確信として、広めて行きましょう。@市町村職員地住民の共同、A国保税応益割の廃止、B標準報酬月額の上限撤廃、です。
•「全世代型社会保障」と介護労働者の処遇問題 (井口克郎)
 社会福祉事業推進を曇らせ、若者層に高齢者をバッシングさせるイレオロギー的論調として、「高齢者は優遇されている」「シルバー民主主義」などのレッテル張りが目につきます。また消費税による社会保障の「充実」と、「目くらまし」を振りまき、本来行われるべき大企業や富裕層の負担強化を隠しています。この論文では、介護労働者の処遇改善策について、課題を提起しており、今政府が行っている「リーダー級」職員の待遇改善の欠陥を指摘し、要介護者や一般庶民の消費税増税が、サービス利用に躊躇を生む恐れを指摘しています。一方現在、過疎化の進む地域での、医療・介護保障の拡充で、高齢者も若者層も住み続けられる地域の創造が、急務になっていることを訴えています。社会保障制度が地域の雇用創出や経済振興策の手段として機能させることが大切です。
•消費税に頼らない社会保障財源のあり方 (梅原英治)
 冒頭の言葉、「消費税は法の下の平等、生存権、教育権、労働権などの人権を侵害します。社会保障は人間らしい労働生活を基礎に、人権に即した応能負担原則に基づく財源によるのが正しい在り方です。」に確信を持ちましょう。
消費税の持っている実態から、社会保障等の人権はどのように破壊が進んだのでしょうか。財源の限界を指摘し、財源の性格を明らかにしています。経済の順調な発展こそが、そこから生まれる租税と社会保険料を生み出すのです。消費税はこの健全な経済発展を阻害する働きを作り出す大元になっているのです。これに対して5点を指摘しています。また社会保障と消費税を組み合すなどと政府は言いますが、できもしないうそだと述べ、消費税の社会保障財源化は「社会保障関係費の抑圧装置」として機能してきたと告発しています。社会保障財源の在り方として、所得再分配の再建のため2つの柱を提言しています。人間らしい労働、税制に応能負担原則徹底が論じられています。

•「高等教育の無償化」施策の動向と課題 (姉崎洋一)
 高等教育の無償化が日本ではなぜ進まないのか、この流れが歴史的に追跡されています。いまや国際的にもスタンダードとなっている問題について、政府は、あれこれの制約をかけ、真の無償化にブレーキをかけていることを見ておかなければいけないのです。また、憲法26条第2項後段「義務教育は、これを無償とする」について憲法学者、教育学者の間でも意見が分かれている実態が明らかにされています。この学説論争も「政策」から人間らしく生きる上での教育の無償化に入りつつあるようです。今後多くの大学生の運動を支援するとともに、自治体として独自の奨学金制度を設ける条例づくりに参画したいものです。
•スウェーデンの職業教育 (奥村芳孝)
 スウェーデン社会での教育に対する立場は、移民政策が大きく関与しているのだなと思います。社会福祉事業の根幹は働きながら安定した生活を保障する・その中に教育も含まれているのだと感じました。高校教育のプログラムの中で、職業プログラム参加者が28%もあること、導入プログラムといわれるものが14.7%もあるのですから、複雑といえば複雑ですが、社会として必要な労働力を供給する立場なのです。また成人教育も盛んなのに驚きます。教育の前に経済的援助がついていることにも感心します。
●特集U● 第61回自治体学校in静岡
•報告 第61回自治体学校in
静岡を終えて (川瀬憲子)

 静岡市での全国自治体学校開催は今回2度目とか、当日参加者約700人トータル950人と成功したようです。来年は広島市での開催、頑張りましょう。
•浜岡で原発の危険性を体感、静岡で新エネルギーの検証 (岡村哲志)
 普通の生活の中に原発がある浜岡原発の現地報告です。改めて世界一危険な原発という言葉が身についたのではないでしょうか。ペレット内に残った死の灰は無害になるまで10万年かかるとか津波の高さの試算は22.5mとか、中電の対応はどうなっているのでしょうか。また市民レベルでの地産地消のエネルギーの取組の交換が行われ、全国からの報告もさぞさまざまだったことでしょうし、外国資本のメガソーラーの問題も提起されています。
•「ふじのくに茶の都ミュージアム」と茶・農業生産者との懇談 (照井 健)
 静岡の茶園は大政奉還により駿府で職を失った武士たちが苦労を重ねて開拓したとか。歴史と農業の関係を掘り起こしています。また小規模基盤整備が試され進んでいることは、多様な変化についていくことができる気質を表しています。世界農業遺産「静岡の茶相場農法」とは、驚きましたし、それを支えているのが40代の若者たちだとは、クリエイティブな仕事だからでしょうか。
•富士山世界遺産センターと自衛隊東富士演習場をめぐる (山本 剛)
 富士山は文化遺産で、信仰の対象です。その富士山に向かって大砲が撃たれるのです。どう位置付けるのでしょうか。現地駒門の駐屯地は、住民生活の中にあり、今回の現地参加者は日常人ではなく自衛隊の見張りの対象となり職務質問されたようです。この市街地に戦車、装甲車が通常の車両として行きかうなど、これに慣れた生活も、要注意です。岩国・呉を抱えている広島も研究してみないといけませんね。
•問われるべきは沖縄差別を放置してきた日本政府の不作為(やるやる詐欺) (川瀬光義)
 いま日本の周り諸国で起きている地方の抑圧について論じています。香港での住民運動、ウイグル人の自治区に対する中国政府の動き、台湾での国民党と独立志向政党の動きなど、これらを対岸視しないで、沖縄の辺野古軍事基地解消の課題に対する政府自民党の「やるやる詐欺」に対し、私たち自身の問題として、自己点検することが大切だとと言っています。今回の参議院選挙前に市民連合と野党間で、13項目の政策合意が作成されたことは素晴らしい自己点検から生まれたと評価しています。
•書評 寺島 渉著『地方議会改革の10年』 (江藤俊昭)
 寺島さんは、住民と自治に議会改革の講座を持って、10数回の連載をしてくださった方で、住民自治の高まりで議会改革が進むと評されていました。この人の経験が豊富に入っている本です。新人議員・いや議員全員の方は是非読んでください。実践してください。
●連載●
•おんなのRun76
 布の絵本、その「ひと針の行動」から (渡邊順子

 子どもの成長を願う親たちに、「テレビ子守」「育児ノイローゼ」対策の解消を訴える手として、布の絵本作りを提唱されています。絵本の根底には『人権・環境・平和』の願いがあり、その実現に向けてこの活動を38年間されてきたそうです。

•@NEWS 憲法から見た「あいちトリエンナーレ2019 表現の不自由展・その後」 (清水雅彦)
 突如として展示物に対する言いがかりが起き、展示が中止になったこの事件、この問題にある表現の自由21条の課題と憲法尊重に義務違反99条が取り上げられています。「国益」「公益および公に秩序」「国家の安全と社会秩序」などの言葉がどんどん実践されており、これに歯向うことがいま求められています。
•子どもの未来図 第7回 子どもの貧困─GDP世界3位の国で、なんでヒンコン?!─ (浅井春夫)
 この表題の疑問は多くの国民が持っていますが、どう行動すればいいのかわかりません。先生は絶対的貧困と相対的貧困とを理解することが大切だと言っています。子どもパッシングを行った三原じゅんこ議員に大きな怒りを覚えます。長期休暇で痩せる子が出現している社会の中で、食生活の貧困は、生活リズムの形成のためにも改善が必要です。
•行こう Zoo-Zoo-Zoo 第4回 動物園と環境教育 (森角興起
 動物園は「教育」で朗んじられ、今は「情操教育」から「環境教育」へ進化しているのです。この横浜では、動物園から学校へ出前講座が行われているようです。後継者作りでもあるとか。試行錯誤の続く活動です。

•おいでよ43 下條村 (金田憲治)
J
つうしん

 広島から橋本事務局長が投稿しています。平和宣言について述べています。
•史跡さんぽ52
•編集後記

2019年10月号 読者ページ 

 (2019/09/18)
 
目次
事務局として気になった記事にコメントを載せます。一緒に読み合わせしましょう。あなたの感想や意見もお寄せください。
●特集T● 全世代型社会保障「改革」と人権    
 安倍内閣が2019年6月に発表した「骨太方針2019」の中で謳われている「全世代型社会保障の構築」の本質と、それに対抗する人権を尊重した社会保障改革の財源論、スウェーデンの職業教育の実態から社会保障における就労支援の在り方を、探る企画です。

•インタビュー 雨宮処凛さんに聞く 「ロスジェネ」と貧困問題 (雨宮処凛/聞き手 M畑芳和)
 「ロスジェネ」とは、ロストジェネレーションの略で、今の30代半ばから40代半ばくらいまでの世代、いわゆる就職氷河期に社会の入り口でつまづいたり、非正規化した人たちを指しています。この時期の人たちの代表格である雨宮処凛さんのインタビューは、流れをつかみ、今ある時代についてどうするかが述べられており、私たちが貧困問題を考えるときのおさらいをしています。押さえておきたい活字が多くあります、子どもたちとコミュニケーションをとってみてください。自己責任非正規職員若者バッシングプレカリアート1995年「新時代の「日本的経営」という報告書」、生再設計第一世代30万人、「犠牲の累進性」、貧困バッシング2008年年越し派遣村メニューを出さない役所、などの言葉をつかんでください。
•「全世代型社会保障への転換」の目指す方向と対抗軸 (芝田英昭)
 社会保障財源の調達は大きな課題です。政府は、就労層や国民一般だけに負担を求め、社会保障における企業責任を問うことをしていません。世界各国での事業主保険料割合表が出ています。日本は25.6%であるのに、イギリス29.5%ドイツ34.6%、フランス42.1%イタリア34.5%、スウェーデン38.2%です。2010年の「国民健康・栄養調査」のみが、所得調査を行い、所得と健康度合いの関係性を示す資料を提供しています。これが明らかにしたことは生活習慣の乱れと所得の低さは相関関係にあることでした。このような調査をなぜ引き続き行わないのでしょうか。健康自己責任論を振りまくための落とし穴としたのです。このように政府は必要な資料を隠す、行わないなど非常に偏見を持っていることに注意したいものです。また今後知事を使っての地域医療構想の推進を図ろうとしています。県単位化が進む中で、県知事をその手先にしようとしているのです。このような政府に対して展望ある社会保障改革の対抗軸として、3点提案されています。これをぜひ確信として、広めて行きましょう。@市町村職員地住民の共同、A国保税応益割の廃止、B標準報酬月額の上限撤廃、です。
•「全世代型社会保障」と介護労働者の処遇問題 (井口克郎)
 社会福祉事業推進を曇らせ、若者層に高齢者をバッシングさせるイレオロギー的論調として、「高齢者は優遇されている」「シルバー民主主義」などのレッテル張りが目につきます。また消費税による社会保障の「充実」と、「目くらまし」を振りまき、本来行われるべき大企業や富裕層の負担強化を隠しています。この論文では、介護労働者の処遇改善策について、課題を提起しており、今政府が行っている「リーダー級」職員の待遇改善の欠陥を指摘し、要介護者や一般庶民の消費税増税が、サービス利用に躊躇を生む恐れを指摘しています。一方現在、過疎化の進む地域での、医療・介護保障の拡充で、高齢者も若者層も住み続けられる地域の創造が、急務になっていることを訴えています。社会保障制度が地域の雇用創出や経済振興策の手段として機能させることが大切です。
•消費税に頼らない社会保障財源のあり方 (梅原英治)
 冒頭の言葉、「消費税は法の下の平等、生存権、教育権、労働権などの人権を侵害します。社会保障は人間らしい労働生活を基礎に、人権に即した応能負担原則に基づく財源によるのが正しい在り方です。」に確信を持ちましょう。
消費税の持っている実態から、社会保障等の人権はどのように破壊が進んだのでしょうか。財源の限界を指摘し、財源の性格を明らかにしています。経済の順調な発展こそが、そこから生まれる租税と社会保険料を生み出すのです。消費税はこの健全な経済発展を阻害する働きを作り出す大元になっているのです。これに対して5点を指摘しています。また社会保障と消費税を組み合すなどと政府は言いますが、できもしないうそだと述べ、消費税の社会保障財源化は「社会保障関係費の抑圧装置」として機能してきたと告発しています。社会保障財源の在り方として、所得再分配の再建のため2つの柱を提言しています。人間らしい労働、税制に応能負担原則徹底が論じられています。

•「高等教育の無償化」施策の動向と課題 (姉崎洋一)
 高等教育の無償化が日本ではなぜ進まないのか、この流れが歴史的に追跡されています。いまや国際的にもスタンダードとなっている問題について、政府は、あれこれの制約をかけ、真の無償化にブレーキをかけていることを見ておかなければいけないのです。また、憲法26条第2項後段「義務教育は、これを無償とする」について憲法学者、教育学者の間でも意見が分かれている実態が明らかにされています。この学説論争も「政策」から人間らしく生きる上での教育の無償化に入りつつあるようです。今後多くの大学生の運動を支援するとともに、自治体として独自の奨学金制度を設ける条例づくりに参画したいものです。
•スウェーデンの職業教育 (奥村芳孝)
 スウェーデン社会での教育に対する立場は、移民政策が大きく関与しているのだなと思います。社会福祉事業の根幹は働きながら安定した生活を保障する・その中に教育も含まれているのだと感じました。高校教育のプログラムの中で、職業プログラム参加者が28%もあること、導入プログラムといわれるものが14.7%もあるのですから、複雑といえば複雑ですが、社会として必要な労働力を供給する立場なのです。また成人教育も盛んなのに驚きます。教育の前に経済的援助がついていることにも感心します。
●特集U● 第61回自治体学校in静岡
•報告 第61回自治体学校in
静岡を終えて (川瀬憲子)

 静岡市での全国自治体学校開催は今回2度目とか、当日参加者約700人トータル950人と成功したようです。来年は広島市での開催、頑張りましょう。
•浜岡で原発の危険性を体感、静岡で新エネルギーの検証 (岡村哲志)
 普通の生活の中に原発がある浜岡原発の現地報告です。改めて世界一危険な原発という言葉が身についたのではないでしょうか。ペレット内に残った死の灰は無害になるまで10万年かかるとか津波の高さの試算は22.5mとか、中電の対応はどうなっているのでしょうか。また市民レベルでの地産地消のエネルギーの取組の交換が行われ、全国からの報告もさぞさまざまだったことでしょうし、外国資本のメガソーラーの問題も提起されています。
•「ふじのくに茶の都ミュージアム」と茶・農業生産者との懇談 (照井 健)
 静岡の茶園は大政奉還により駿府で職を失った武士たちが苦労を重ねて開拓したとか。歴史と農業の関係を掘り起こしています。また小規模基盤整備が試され進んでいることは、多様な変化についていくことができる気質を表しています。世界農業遺産「静岡の茶相場農法」とは、驚きましたし、それを支えているのが40代の若者たちだとは、クリエイティブな仕事だからでしょうか。
•富士山世界遺産センターと自衛隊東富士演習場をめぐる (山本 剛)
 富士山は文化遺産で、信仰の対象です。その富士山に向かって大砲が撃たれるのです。どう位置付けるのでしょうか。現地駒門の駐屯地は、住民生活の中にあり、今回の現地参加者は日常人ではなく自衛隊の見張りの対象となり職務質問されたようです。この市街地に戦車、装甲車が通常の車両として行きかうなど、これに慣れた生活も、要注意です。岩国・呉を抱えている広島も研究してみないといけませんね。
•問われるべきは沖縄差別を放置してきた日本政府の不作為(やるやる詐欺) (川瀬光義)
 いま日本の周り諸国で起きている地方の抑圧について論じています。香港での住民運動、ウイグル人の自治区に対する中国政府の動き、台湾での国民党と独立志向政党の動きなど、これらを対岸視しないで、沖縄の辺野古軍事基地解消の課題に対する政府自民党の「やるやる詐欺」に対し、私たち自身の問題として、自己点検することが大切だとと言っています。今回の参議院選挙前に市民連合と野党間で、13項目の政策合意が作成されたことは素晴らしい自己点検から生まれたと評価しています。
•書評 寺島 渉著『地方議会改革の10年』 (江藤俊昭)
 寺島さんは、住民と自治に議会改革の講座を持って、10数回の連載をしてくださった方で、住民自治の高まりで議会改革が進むと評されていました。この人の経験が豊富に入っている本です。新人議員・いや議員全員の方は是非読んでください。実践してください。
●連載●
•おんなのRun76
 布の絵本、その「ひと針の行動」から (渡邊順子

 子どもの成長を願う親たちに、「テレビ子守」「育児ノイローゼ」対策の解消を訴える手として、布の絵本作りを提唱されています。絵本の根底には『人権・環境・平和』の願いがあり、その実現に向けてこの活動を38年間されてきたそうです。

•@NEWS 憲法から見た「あいちトリエンナーレ2019 表現の不自由展・その後」 (清水雅彦)
 突如として展示物に対する言いがかりが起き、展示が中止になったこの事件、この問題にある表現の自由21条の課題と憲法尊重に義務違反99条が取り上げられています。「国益」「公益および公に秩序」「国家の安全と社会秩序」などの言葉がどんどん実践されており、これに歯向うことがいま求められています。
•子どもの未来図 第7回 子どもの貧困─GDP世界3位の国で、なんでヒンコン?!─ (浅井春夫)
 この表題の疑問は多くの国民が持っていますが、どう行動すればいいのかわかりません。先生は絶対的貧困と相対的貧困とを理解することが大切だと言っています。子どもパッシングを行った三原じゅんこ議員に大きな怒りを覚えます。長期休暇で痩せる子が出現している社会の中で、食生活の貧困は、生活リズムの形成のためにも改善が必要です。
•行こう Zoo-Zoo-Zoo 第4回 動物園と環境教育 (森角興起
 動物園は「教育」で朗んじられ、今は「情操教育」から「環境教育」へ進化しているのです。この横浜では、動物園から学校へ出前講座が行われているようです。後継者作りでもあるとか。試行錯誤の続く活動です。

•おいでよ43 下條村 (金田憲治)
J
つうしん

 広島から橋本事務局長が投稿しています。平和宣言について述べています。
•史跡さんぽ52
•編集後記

2019年9月号 読者ページ

 (2019/08/29)
 
目次
 事務局として気になった記事にコメントを載せます。一緒に読み合わせしましょう.。あなたの感想や意見もお寄せください。
●特集●「官と民」、その連携のあるべき姿
     「官民」連携には、新自由主義の進展と福祉国家の後退という潮流の中で進められている側面と、他方でそれが求められる公共サービスの領域が広がってきている実態があります。このことを踏まえその実例を学びましょう
・「官民連携」の到達点と新たな連携像  森 裕之
 この問題を考える時、「市場主義」「公的責任主義」の言葉を改めて見直す必要があると思います。水と油の関係と言い放してばかりではいられません、原理的に判断すれば、住民は必要な公共事業・サービスがきちんと供給されるのであれば、その主体が官であろうが民であろうが構わないのです。しかし、公共事業・サービスは生存権・生活権を保障する社会的共同条件であり、それが安定的・持続的に供給されなければ、住民の暮らしは直ちに危機に陥ってしまいます。このときに「民の欠陥」がどのようなものかを挙げると、@サービスの安定性・持続性のリスク、Aサービス・財務内容の不透明性とチェック能力の喪失、B社会的コストの発生リスク、C財政コストの増加、D公共性の腐敗の5つあり、これが解説されています。また英国でのPFIの実態について解明され、2040構想が進めるこの考え方の危なさにも言及しています。
 生活困窮者自立支援事業、地域包括ケアシステム、地域エネルギー政策、中小企業政策などについては、今後公共サービスの拡大の必要な事業として協働の取り組みの提起がされています。

・横浜市における共創(公民連携)の取り組みについて  河村昌美・中川悦宏
 前段の森先生の論を踏まえて横浜の提言を読んでいます。公民連携のさらなる発展としての「共創」の取り組みは、対話を促進するためや、SNSやAIの社会的活用で、コンビニでの在庫品を生活困窮者などへの支援に繋げるなど、市民サービスの向上に活動しているようです。
・認定就労訓練事業実施の意義 ─訓練事業者との随意契約に関する考察を通して─ 森川隆彦
 生活困窮者の就労実態の支援活動が報告されています。生活困窮者の生活実態をよく把握された人しかつかめない事項が多くあり感心しました。
この法律が述べている、働き方改革の「多様性」を兵庫県伊丹市の担当者は、よく労働需要の実態として把握されていると思います。一般的な就労との違い、つまづく人の特徴に私たちは目を大きくする必要があると思います。「真面目さ」「プレッシャー」「ペナルティー」「拘束性の有無」「柔軟性」「随意契約」などの活字を深く読み込んでいきたいものです。

・生活困窮者支援を通じた住民の生活力形成と「官民協働」 櫛部武俊
 釧路市の生活困窮者に対する行政の動きを、国の法改正の歴史的な変遷を携えてまとめています。「住民一人ひとりの生活力を個人の努力から社会や地域にかかわる作法へと高め、住民の自治力や管理能力につなぐことが大事」と指摘しています。事業参加者の言葉、「このような年になっても自分を変えることはできるんじゃないかと思えるようになった」という言葉が釧路モデル事業から生まれたようです。また、フキを特産物にして生まれ起きした、「音別未来のくらし」の活動が取り上げられています。官だけでなく民も実は縦割りの中に投げ込まれているという自覚から連携を考えることが必要と述べていますよ。
・みんなで協働し、ごみゼロの町へ 上勝町ごみゼロ(ゼロ・ウェイスト)宣言 菅 翠
 ゼロ・ウェイストが現地の実績から報告されています。徳島県上勝町人口1525人のまちでの取り組みです。ゴミ処理の徹底分別を地域住民と協働を行い、2017年度には、総排出量286トン・内焼却・埋め立て量58トン、リサイク率は79.7%にまでかなり資源化が進んだとのことです。この町では、ごみ収集車を走らせたことがなく、ごみを町内1か所の収集拠点に住民自ら持ち込んでおり、分別は34類になっています。そもそも「ごみになるものを減らすか」の課題に、他の市町との連携が求められています。

○インタビュー 地域内循環で地域が潤う「官民」連携 内藤昌典
 愛媛県内子町の地域内循環経済の生い立ちが報告されています。内藤さんは、製材・木工機械の販売と修理、および木質ペレットの製造販売を行っている一事業者さんです。町のバイオマスタウン構想の政策を町の窓口に通い知り、一緒に新たな政策具体化に参画されてきた歴史が語られています。また地域経済の活動に、振興券「ドン券」の活用が地域経済の循環に役立っていること、バイオマス発電所立ち上げで、ますます完成しているようです。このような官民の在り方の事例を広めていきたいものです。

○「スーパーシティ」構想と国家戦略特区 内田聖子
 2019年の国会の中で、まったく審議もできなかったこの「スーパーシティ」を実現するための国家戦略特区法改正案の問題点を挙げています。もともと、国家戦略で作られた加計学園問題にみられる安倍内閣の
縁故主義の性格を継いだ政策なのです。今10の区域が設定されていますが、この推進委員の一人として竹中平蔵氏がこのスーパーシティ構想にも関与しています。自治体の機能やコミュニティと住民の生活のすべてにAI・ビッグデータなどの技術を徹底的に埋め込んでいくプランだと言っています。本来地域再生のための政策を抜きにしたスパーシティ構想は、外資系を含む大企業の利益にはなっても、地域経済の活性化や住民の利益にはつながりません。権利の問題、社会の課題、環境の課題、平等性の課題、自治の課題を指摘し、仮に法案が通れば、現時点では福島県会津若松市や福岡市が名乗りを上げ神奈川県藤沢市もやる気を見せています。無条件・無批判にそれを受け入れるのではなく、市民社会や住民自治にとってどのようなリスクと懸念があるのかを私たち自身が提起し、それらを議論し政策提言をするスペースを社会の中に広げなければなりません。
○神奈川県版 中小企業団体で共同受注事業を実施 内田 進
 改めて日本の中小企業業者数の割合を上げてみますと、99.7%、84.9%、という数字が出ています。日本を支える中小企業の活性化に向けた政策・施策がより効果的になるよう中小企業庁が生まれ、それを支える、商工会・商工会議所・中小企業団体中央会が特別法で作られています。その中の中央会の活動の紹介です。4社以上の中小企業で設置する認可法人の設立・運営・解散の支援をするのが「事業協同組合」です。この組合の活動で、官公需を、企業の経営に寄与しているのか、社会的にも経済的にもWINーWINとなる関係が作られるのかが大切で、事例3種を見て考えてください。このような支援の在り方が広まればいいと思いました。
○書評 鶴田廣巳・藤永のぶよ編著『税金は何のためにあるの』 鍋谷裕志
 この本に注目したのは、安倍内閣に税を払って何になるのかわからなく思っていた時で、税金に関心を持つ人の入門書として読んでいただけるのではないかと思います。
●連載●
・おんなのRun75 釜ヶ崎で井戸を掘る、いのちといのり 上田假奈代

 詩人にとってここ釜ヶ崎は、芸術の根源であると言って、活動されています。その一つを紹介しています。困難な問題や状況はあっても、問題な人生はないと言っておられます。
・@NEWS 神戸市 中心部でのタワマン建築規制の条例可決 中林 浩
 高層建築で、人口の集積を行い、経済が活性化すると思い込んでいる市長もいます。が、超高層の集合住宅は、災害時の安全性の問題、将来的なメンテナンスがうまく行えるかの疑問があり、巨大な不良資産となりそうなものを禁じた条例案だといわれています。改めて都市空間の在り方が問われます。
・子どもの未来図 第6回 ゼロトレランスと管理教育 ─文科省のいじめ対策と学校のいじめ構造の問題点─ 浅井春夫
 今学校文化は「ゼロトレランス」だというのです。またの名を「破れ窓理論」といいますが、積極的に導入・拡大され学校の空気を創っているというのです。犯罪学の理論を学校運営・生徒指導に適用し有効と考えている今の教育界はどうかしています。なぜいじめがなくならないのか、管理教育の行きつく先がすでに表れています。早期にこの理論の払拭を願うものです。
・最終回 世田谷区公契約条例 公契約条例で住みたいまちへ、働きたいまちへ 徹底した合意形成と条例運用の改善 中村重美
 公契約条例の広がりの全国表が出ています。広島県内は庄原市のみです。この条例を作り発展させることは、徹底した合意形成と条例運用の「進化」が重要だと述べておられます。今後とも全国での事例交流を行って進化させてください。公契約条例は、条例運用により、産業振興と住民福祉の増進を合わせ実現することを謳っているのです。ありがとうございました。
・行こう Zoo-Zoo-Zoo 第3回 飼育員の仕事あれこれ 森角興起
 飼育業務の基本は、掃除をして衛生状態を良好に保ち、動物や個体の状況に応じた適切な給餌をして、動物が常に健康でいられるようにすることと言っています。横浜市動物園では、飼育員は経験2年目になると、公益社団法人日本動物園水族館協会が主催する飼育技術師認定試験を受験します。合格すると、飼育技師という業界資格を得ることができます。このような制度で、専門性の見える化を図ってもらいたいものです。
Jつうしん
史跡さんぽ51
編集後記

 
公契約条例の広がり

2019年8月号 読者ページ

 (2019/07/19)
 

目次
 事務局として気になった記事にコメントを載せます。一緒に読み合わせしましょう.。あなたの感想や意見もお寄せください。
●特集● 外国人労働者が働き暮らす自治体
 広島県には、2017年10月末時点で、外国人労働者数は28,358人で、全国で第12位にもなり、多くのが労働者がいますが、この人たちについて、考えてみましょう。
•外国人労働者受け入れと自治体の役割 横濱竜也
 基本的な課題である、外国人労働者を受け入れることに対し、彼らに対する、自己責任がないことを前提にすると、受け入れる3つの理由として、@貧困から逃れるためにやってきた「経済難民」であること、A受け入れ国は、一定の便益を受けていること。B「余所者」扱いできない社会人であること。が掲げられています。このことを改めて確認したいと思います。
•外国人労働者受け入れ拡大と新制度の問題─入管難民法改正を受けて、4月からスタート─ 斉藤善久
 2018年12月8日、我が国の外国人労働政策を大転換する出入国管理及び難民認定法改正が成立し、2019年4月1日に施行されました。この改正の審議で、外国人技能実習生として、いわば裏口からの受け入れを行ってきたことに対し、外国人労働者の権利が著しく阻害されていることが明らかにされました。しかし、この改善が大きな課題だったのですが、移民政策ではないとしながら、特定技能制度の拡大で、より多くの外国労働者を多く集めるものに設計されたものにすぎません。外国人労働者の職業選択の自由・転職の自由・退職の自由の拡大が、言葉上だけいなく、実際に出来るよう制約を改正することを明記させ、制度改正を追求していきましょう。
•長野県飯田市の多文化共生社会推進に係る取り組み 林 みどり
 長野県飯田市での外国人の地域への受け入れ態勢の経過が述べられています。今日の経済情勢の変化が、中国人からベトナムに移った時期などが明らかになるとともに、一自治体が抱える多文化共生社会の熟成にも、大きな力が必要であることが分かります。言語の共有化が最初から出てくるあたり、この課題での日本語での意思疎通の難点が見れます。ボランティア活動に依拠するのではなく、自治体として取り組む必要性をもっと訴えてほしいものです。
•大阪市生野区 在日コリアンが外国にルーツをもつ子どもたちを支援するまち 柏原 誠
 外国の人たちが集住する地区として、北海道占冠村、の外国人比率が22.69%と一番高く、大阪市生野区が21.78%で全国2位です。ここの大正時代からの歴史の中で、朝鮮人の方々が1世から3世と有数の在日コリアンのコミュニティが産まれています。ここでの子どもの学習支援DO・YA、体験活動DO/COを現場から「多文化共生」の課題を見ています。また政府の外国人施策の問題点として、日本の植民地支配にもかかわるオールドカマーの存在が等閑視されている。すでに在日外国人270万人の半数以上は定住・永住資格を持ち、制限なく働き、家族を経営し子孫を残しています。これらの状況はすでに、国際通念上の移民です。真の多文化共生を実現するには基本法の制度とマジョリティーの意識変化が必要です。また自治体の運営において、外国人に地方参政権が必要ではないでしょうか。
•政策に翻弄される外国人労働者とその健康問題 沢田貴志
 経済的に貧困な状態で放置されている外国人の方々の健康問題にスポットを当ててこの間の結核の流行から推移を見ています。このような病気が産まれる情勢の変化は、所得の高い国からの労働者から所得の低い国のからの労働者の増加が指摘されており日本社会に直面する3つの課題を挙げています。1つは、地域の医療や福祉の混乱、2つ目は、日本社会全体の労働条件の引き下げ、3つ目は、日本企業が国際的なスタンダードから取り残される等を挙げています。
•「実習実施者等から失踪した技能実習生」に係る調査結果に対する声明 針ヶ谷健志
  弁護士さんから法律に対する詳細な説明が行われています。言葉の定義などこれを最初に読んでいきましょう。またこの法律に対する説明を行った法務省の考え方に厳しい疑問を示されています。この法律が動きだす中で、外国人労働者の実態を、より具体的につかむことが求められます。
•ドキュメンタリー映画『作兵衛さんと日本を掘る』「底」から未来へ向かう坑道 熊谷博子
 2011年5月25日に、山本作兵衛さんが描いた(筑豊炭田で幼いころ働いた、生粋の炭鉱夫。自らが体験した労働や暮らしを子や孫に伝えたいと、60代も半ば過ぎから、本格的に絵筆を執り2000枚も書きあげた)ものが、日本最初のユネスコ世界記憶遺産に登録されました。作兵衛さんが描いた中でのおんな鉱夫のカヤノさんの姿は、働く誇りを表しますが、炭鉱閉山と原発開発の歴史的すれ違いに怒りを感じます。
•先住権なき「アイヌ新法」ではなく…… 市川守弘
 2019年4月、国会はアイヌ新法を成立させましたが、この法理の持つ根本的な問題点として、アイヌ文化の理解がない点、アイヌのコタンに代わる現実を見ない点、先住民族に対する世界の動きを参考にしない点など、本当に愚かなものだと思いました。明治政府が行った150年間の施策を本当に反省しなおすことが、まずは出発点ではないでしょうか。私たちもこの問題にもっと関心を持って行こうではありませんか。アメリカでインデアン再組織法など参考にすべき法律があります。
•自治体問題研究所第59回総会報告
 全国自治研の活動状況とこれからに取り組みが間接に述べられ地ます。ことは、昨年度を上回る42団体からメッセージ・祝電がありました。またとっと英、高山のまちづくりの結集も報告されました。
●連載●
•@NEWS
 故郷に戻れないクルド人─難民申請者と家族への支援─ 松澤秀延
 世界の難民問題で、日本にもクルド人の方々が今難民申請をしているとのこと、かららはトルコからの難民で、難民と認定された人は一人もいないとのことです。彼らは仮放免という不安定な立場で、無権利な状態で、2000人を超えて、多くが埼玉県川口市、蕨氏に在住しています。クルドを知る会がボランティアで支援活動をしているようです。
•行こう 
Zoo-Zoo-Zoo 第2回 動物園で活躍する人々 森角興起
 動物園で働く人は、何かと兼務で忙しい飼育員で、就職するために資格は特に必要ないそうです。職員以外で動物園を盛り上げる重要な役割は、ボランティアの人たちなのです。海外では先進的な動物園では、教育専門スタッフ、研究所で教授制をとって複数の研究室を設けているところもあるのです。毎年小人数しか採用されず厳しい状況のようです。
•子どもの未来図 第5回 他者攻撃─「最大の防御は攻撃なり」の関係性の罠─ 浅井春夫
 今回はいじめの本質について述べて今う。この問題の最初の事件として、1986年2月に起きた経過が述べられています。おいじめの3要素、@「力関係のアンバランスとその乱用」A「被害性の存在」B「継続性ないしは反復性」を挙げています。また、いじめの3つの段階として、@「孤立化」A「無力化」B「透明化」に分けて説明されています。「ストレスフルな学校環境」を放置したままで、教え込み主義の「道徳」でいじめが解消されるわけでなく、一層大人に従順な子どもを作ることが進められています。いじめを生み出す「社会構造」「学校公像」「地域構造」の実態を把握することが今問われております。
•世田谷区公契約条例 公契約条例で住みたいまちへ、働きたいまちへ 第5回 世田谷区公契約条例に基づく委員会
・部会運営と区との関係 中村重美
 公契約条例の施行により、世田谷区でのこの運営は、条例によって、設置要領が定められこれに基づき運営が行われることが議事録の公開等で、同懇談会で明らかにされ改善が出来ました。またチェックシートの文言についても、条例の趣旨の説明や、報告事項の検証など条例の実効性を担保として、議論を積み重ねることが出来たようです。
•おいでよ41 上野村 黒澤八郎
Jつうしん
•史跡さんぽ50
•編集後記



2019年7月号 読者ページ

 (2019/06/27)
 
目次
 事務局として気になった記事にコメントを載せます。一緒に読み合わせしましょう.。あなたの感想や意見もお寄せください。
●特集● 食と農がはぐくむコミュニティ
   2018年12月17日国連総会本会議で、「小農と農村で働く人々の権利宣言(小農の権利宣言)が採択されました。食と農をめぐる現状を踏まえつつ、地産地消の動きを再度学習しましょう。
 ・食と農を支えるコミュニティ 野見山敏雄
  日本での農産物直売所は、13,538か所あり、年間利用者数は2億3000万人を超えている。(2005年農林業センサス)が2016年度6次産業化総合調査では直売所が2万3440か所に増え、総販売金額は、1兆324億円になる。
 2017年度のカロリーベースで、日本の総合食料自給率は38%、アメリカ130%、フランス127%、ドイツ95%、イギリス63%です。
 一方国内で643万トン(2016年度)のフードロスが生じています。考えもんですね。

・ 地産地消で地域と学校をつなぐ−農産物流通コーディネーターとして− 村上かほり
 塩尻市農業公社農産物流通コーディネーターの仕事が紹介されています。『塩尻産の野菜や果実の販売促進、それから農家の皆さんを応援する』仕事だそうです。 地域内流通網の構築を具体的に掲げて、学校給食を中心に現場での声を市民に・子どもに伝え交流を積み重ねているようです。このような地道な活動を、行政の中で置いていることに、改めて目を見張りたいものです。
・よりおいしく安全・安心な地産地消の病院食 大橋佐智子
 病院食の改善で、地産地消の取決めを病院から発した報告です。入院患者にとって、毎日の食事は「おいしい」ものでなければならないので、食事は治療の一環です。そのためにも、病院の幹部が理解をし、委託業者選定時に「食材の地産購入、地産地消の取り組み」の評価項目を設けたとのこと。
・インタビュー 営農法人のダイズ・ムギ生産と連携した醤油づくり 猪澤敏一
  『自分たちの農地は自分たちで守る』この言葉が集落営農法人の合言葉ですが、株式会組織にし、ヒガシマル醤油株式会社との連携で、ダイズ・小麦、麦の循環作付が可能となっています。作付面積85ha231戸が共同して、学習もきちんと行っているようです。地場での生き残るために、誇りを持って後継者を作ってください。 
・料理人が和食で広める、地元食材の魅力と食文化 長田勇久
 長田料理人が、生産者と消費者をつなぐとは、まさにここで多くの地産地消に取り組まれており、和食文化と地元の伝統食品の保存など、食の専門家として素晴らしい人です。広島県内での食文化の担い手との面談が出来ればいいのになと思います。調味料は、地元産が必ずあるものでしょうか。
・小規模家族農業と都市貧困層をともに支える −アメリカ・マサチューセッツ州にみるコミュニティ再生運動− 村田 武
 アメリカの貧困問題対策として、非営利農業団体「ザ・フード・プロジェクト」EPの活動を紹介しており、青少年の農業教育とコミュニティ再生事業を通じて、「消費者が消費者に留まらず、食の生産・農業に参加」することがある、のではないかとする、新しい社会運動に機会を提供していると述べています。
○「改正」卸売市場法と公共性を守る課題 三國英實
 改めて卸売市場の役割を押さえておきたいと思います。第1に、生鮮食料品の全国的・地域的な需給調整。第2、公正な卸売市場価格の形成。第3に、国民へ安全な生鮮食料品を安定的に供給する。第4は、農漁業者、中小零細業者の営業を守る です。改定卸売市場法の問題点は、第1に、目的条項を変更し、83あった条文を19にまで大幅削減したこと。第2に、卸売市場の認可制が認定制に変更され、国と都道府県による卸売市場に対する管理責任が大幅に縮小したこと。また民間企業への経営移譲も可能となったこと。第3は、取引原則の撤廃による大企業優先の市場運営が強化されること、です。これからは、地域経済が大企業に利用されることのないよう監視を続けることが必要です。
○種子法廃止から条例制定へと動く自治体 吉田百助
  種子法の廃止は、国民の食料と健康に国は責任を持たないと言われるようなもので、地方自治の力を発揮して種子法に代わる条例を定めて、豊かな農と食、健康と安心できる未来を守る取り組みをしましょう。長野県が2019年2月に条例を出しています。種子を支配する最大企業モンサント社は、発がん性のある農薬を、ベトナム戦争時作っていたのです。いまアメリカではランドアップが原因で悪性リンパ腫を発生したとの訴えた裁判が出されており大きな問題になっています。「日本人の2人に1人が、がんになる時代」とテレビで、無責任に報道されていますが、遺伝子組み換え種子の使用が、日本ではコメの年間消費量の2倍以上に相当することがバックにあります。 家族農業と地方の条例で守っていきましょう。
○分析 大阪府市クロス選 冨田宏治
  大阪地方選挙での維新の会の大勝について分析され、維新の会が、地場組織として完成したものであること、住民投票で見る、都構想反対の構造の対極的変化はないことを述べています。30万人の都構想に反対した人が、棄権に動いている分析です。それにしても大阪府民の方々の、橋下氏らのポピュリスト的煽りによる分断に早く目覚めてほしいものです。
○第61回自治体学校in静岡 現地から 東京圏一極集中を考える学校に 林 克
  静岡で開催される現地実行委員会の主催行事の紹介です。静岡県を知るためにもぜひ参加してください。今年のメインテーマは「憲法と地方自治のチカラが地域の未来を切りひらく」です。東京一極集中に対する各地元からの対抗軸を考えましょう。
●新連載
●行こう Zoo−Zoo−Zoo 第1回 動物園とは 森角興起
  動物園を法律分野から実態が述べられており、私たちが行楽施設との範疇しか見ていなかったことを反省します。地元市民として、動物園条例の有無についても、振り返ってみたいものです。 
●連載●
○おんなのRun74 わたしたちの知る権利とメディア 丹原美穂
  「メディアを考える市民の会・岐阜」からの報告です。広島にもありますよね。
今ほど言論の自由と知る権利の危機を感じている時代はないのではないでしょうか。メディアが「権力のウオッチドッグ」とは改めて考えていきます。

○@NEWS ふるさと納税6月から新制度 4自治体除外で問われる制度の本質的問題点 平岡和久
 ふるさと納税制度の根本問題を改めて確認したいと思います。マスコミはこの点について述べておらず、私たちの声が届いていません。改めて自治体徴税権を侵害しているということを考えてみたいと思います。
○世田谷区公契約条例 公契約条例で住みたいまちへ、働きたいまちへ 第4回 地域における共同とシンポジウム 中村重美
 公契約条例制定までのシンポジュームの果たした役割が述べられており、今後の広島での参考にしたいものです。住民、地域社会が公契約の受益者であることを忘れてはいけないと述べられています。公契約条例の働きによって、新たな状況が産まれており「自分の仕事が認められてうれしい」の声にも感動しました。
○子どもの未来図 第4回 ネットいじめ −その特徴と教育的克服への取り組み− 浅井春夫
 子どもの権利条約は、1985年11月に誕生しましたが、日本は158番目に締結した国で、アメリカは未だ条約を批准していないとか。今回からネットいじめ問題について基本的なことが述べられています。子どもの中にネットいじめが入り込んでいる実態に、私たちが気付かなければ大変な事態を生むことでしょう。
○おいでよ40 南牧村 長谷川最定
○Jつうしん
  岐阜県での「立地適正化計画」の作成状況の調査が行われています。岡山県では7月の西日本豪雨災害での中国電力のダムの放流についての検証が挙げられています。両項目について、広島県でも検証が待たれます。
○史跡さんぽ49
○編集後記


2019年6月号読者ページ

 (2019/05/21)
 
目次
  事務局として気になった記事にコメントを載せます。一緒に読み合わせしましょう.。あなたの感想や意見もお寄せください。
●特集● 消費税増税を問う 検証・日本財政と地方財政
   いよいよ参議院選挙がまじかになりました。日本国民の国政に対する判断が問われます。一斉統一地方選挙での、投票率の低さが心配ですが、如何に政治から国民の目をそらせるかが、当局・マスコミの役割ですから、それに打ち勝つ体制を作りたいものです。そのカギを見つけましょう。
・日本の経済・財政の立て直しに向けて 鶴田廣巳
 この論文で、消費税増税が今日の日本経済の再生に対し、非常に最悪な事態をもたらすものであり、多くの税制体系の見直しを今やるならば、大きな転換が可能であることを述べています。安部内閣が次から次へと言葉を換えて進めてきた経済は、つまり、1980年来の規制緩和、民営化、構造改革の「総仕上げに」を行うとしてきたのです。国民の暮らしを改善するどころか、むしろ現在および将来に重大な禍根を残しつつあると言わざるを得ないのです。消費税増税以外の選択肢がいくつもあり、こうした改革が具体的に挙げられています。国民の貴重な財源を、未来の希望に繋げる経済政策を学びましょう。
・現代の地方税収と税源偏在問題 関野満夫
  東京都の地方財政の、大きさが述べられています。地方自治財政の根幹である法人2税の動きについて、国が介入して是正を行っている事態が明らかにされました。消費税の増加に対する、地方自治体の税収の補てんが膨らむのはわずかだとは言えないことも述べられています。地方財政の健全化を直接国が介入することについて、私たちも監視の目を持つことも大切です。しかし、東京都財政は大きいと改めて感じます。
・本当に消費税を増税していいのか 岡田俊明
  今回の消費税増税開始にあたり様々な一見軽減策を述べておりますが、消費税が産まれてからの格差の広がりが表現されていますが、確定申告で1億円以上の所得者分布の広がりには、愕然とします。これがなお続くのでしょう。また所得配分機能が壊されている現実が述べられています。国民生活に豊かさを保障する制度が崩されている点に、消費税が大きく関与しているのです。今回導入にあたって、複数税率とか、イートインの場合、免税事業者の排除、ポイント還元など、都合主義のものが述べられていますが、増税をやめればいいのにと思います。
・連携中枢都市圏と地方財政 平岡和久
 連携中枢都市圏構想の現段階の状況が述べられています。ぜひ参考にしてください。いまだにはっきりとした具体策は出ていませんが、今後、2040構想の中で国の思いは、この中枢都市を中心としたAI,ICT,ロボティックスなどによる行政の標準化と圏域行政化によって、公務員半減化、地方財政の「軽量化」などを目指していくのでしょう。現在、長野県が進めている、施策が紹介されています。県と一体となって地域の重層的な自治体間連携を、「圏域自治」としていくことを勧められています。
・グローバル企業と法人税─その現状と国際的議論の状況の紹介を中心に─ 望月 爾
 よくグローバル企業の、国際的な発展は述べられてきましたが、グローバル企業の法人税低減化の課題が多くの国で問題化していることが明らかにされています。国際的にも、2015年10月に「BEPS最終報告書」で15の行動計画に沿って13の報告書がだされています。この改革が日本やEUで対応されているようで、この報告書を読んでいくと随時解決されていることが分かります。グローバル企業の国際的な指導ルールの発展を願います。
・インタビュー 水道事業再公営化のフランス、イギリス 尾林芳匡弁護士に聞く 尾林芳匡
 水道事業が民営化させるという雰囲気が一時高まってきましたし、広島県ではすでに維持管理について民間委託を行っています。今回この動きが、世界的には再公営化の動きになっているとのこと、改めてこの課題について基本的な点を抑えていきましょう。
・足立区戸籍業務プライバシー侵害裁判─戸籍窓口の民間委託は偽装請負─ 石井一禎
 戸籍業務の民間委託の問題は、広島市でも話題になっておりました。この裁判結果が報告されています。2013年から始まった委託業務について2015年に裁判所に訴追し、14回の口頭弁論、2019年3月1日の判決と4年間という月日を費やしました。公務労働は、専門性を持ち、地方自治法第2条の項目・労働者派遣法に抵触するか否か、の課題は、いづれも大きく話題にしてきました。その根拠が、裁判で明らかになりました。これを参考にしてこれからの運動を構築してください。
・「改悪」漁業法と自治体の役割 二平 章 
 水産業の原則を安部内閣は、その主体である、漁協や県職員への丁寧な説明も行わず国会に提出しています。海を企業に売り渡すというべき「改悪」漁業法であると言われています。企業活動の障害をなくすために、このようなことが行われたのです。漁協を中心とした地域の共同体が崩され、地域資源から生み出される富が、企業によって中央に流出する状況が生み出されるのです。企業活動による、資源の乱開発が行われる危機が2020年から始まるのです。6298の漁業集落・955漁協の動きに支援していきましょう。
・第61回自治体学校in静岡のお知らせ
 パンフレットを参照してください。次年度は広島での開催がうわさされています。ぜひ多くの人の参加と、次回参加に向けてご意見をくださいますようお願いします。
●連載●
・おんなのRun○73 被災牛の命を生かす 谷 咲月
 福島原発の被災牛を、生かしていくことが行われていました。当時は、安楽死処分の指示が出され、生かしていく場合は自己責任で、区域外への移動や出荷などを不可能にする耳標管理や、焼き印などが科せられ厳しい条件下で飼育が許可されたのです。このような中、も-も-★ガーデンはどのような活動をしたのでしょうか。言葉を噛みしめてください。
@NEWS みなし仮設の孤立のなかで、交流と自治を促す施策を 高林秀明
 災害時に「みなし住宅」を求めることで、災害復興を大きく進歩させるかの期待がありましたが、その後に明らかになった、孤立による生命の問題と政治との断絶の課題」の大きさに改めて支援体制の力量が問われました。
・子どもの未来図 第3回 国家の介入と虐待─復古的な家族観と家庭教育支援法案─ 浅井春夫
 子どもの虐待問題が大きく報道され、これを国家介入手段に使い、また憲法24条の「改正」を目論むことが報告されています。また行政施策の本気度を確かめるとして3項目が挙げられています。参考にしてください。また、家庭教育基本法案が用意されているようですが、「行われなければならない」と昔の法律文言を使うなど、時代錯誤のものとなっています。
・世田谷区公契約条例 公契約条例で住みたいまちへ、働きたいまちへ 第3回 公契約条例は違憲・違法なのか 中村重美
 公契約条例が違憲・違法であるとの意見を、克服して作られてきた経過が明らかにされています。この条例の持つ意義も含め再度地域での採択に向けて頑張ってください。
・最終回 ほけん詩の広場 E地域における保健師活動 田中美穂
 「保健師さんが見えなくなった」とは、2002年ごろからの業務分担制がひかれるころからだったと言っています。この業務分担制度が、3.11東日本大震災での被災地での保健師たちの地道な家庭訪問など、寄り添う支援や地域に出向いての活動が、保健師として大切な視点を、浮き彫りにしたのです。地域を丸ごと見る目を持つ専門家として頑張ってほしいものです。
・おいでよ39 南城市 瑞慶覧長敏
・史跡さんぽ48
・編集後記
 

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