広島県議会建設委員会に所属する日本共産党の河村晃子議員は同委員会で6月22日、豪雨災害の砂防・治山施設整備計画と、高速広島5号二葉山トンネル工事の異常隆起の2点について質問しました。
土砂災害対策、予算を増やして対策をいそげ
広島県は、土砂災害の危険個所数が3万1987件と全国で一番多い県です。河村議員は「対策済みの個所数は」と質問し、砂防課の平田遼課長が「昨年度末、7000カ所余りが残っている。この10年間で200カ所整備したので、1年で20〜30カ所進捗している」と回答しました。
河村議員は、日本共産党前県議の辻恒雄氏が2018年5月11日の社会基盤整備対策特別委員会で「整備完了に何年かかるか」と確認したら、当時の砂防課長が「200年」と答弁したことに触れ、「現段階でのペースでは整備完了に何年かかるのか」と質問。平田課長が「当時から整備カ所数も増え、資材高騰もあり、今のペースだと200年程度かかる」と答えたため、河村議員は、抜本的に予算を増やして対策を急ぐよう要望しました。
「住民に被害を与えたと認識していない」公社理事長の発言は大問題
二葉山トンネルで工事が中断している異常隆起をめぐっては、6月16日に開かれたトンネル施行管理委員会が対策案を出しましたが、その場で意見表明した地元住民代表が「工事再開にあたっては工期、工費、安全面で住民合意を大前提に」と訴えました。
その終了直後に、広島高速道路公社の熊谷鋭理事長から住民に被害を与えたと認識していないとの趣旨の発言があり、河村議員は「発言があったことについて県はどのように考えているのか。理事長の認識では困る、県民の声に答えてもらわないと困ると抗議されたのか」と質問。南課長は「やり取りの中において誤解が生じたものと考えている」と答弁しました。
この質疑はマスコミ各社が注目し、同日のテレビが報道。熊谷理事長に対して市民団体が発言の撤回などを求めており、同日の委員会でも、出資元である県としての認識を追及する声が議員から相次ぎました。
|